「患者中心の高度で持続可能な医療の実現」に向けて、患者さんとともに歩む中外製薬の挑戦
[患者中心の高度で持続可能な医療の実現] 2023/12/25[月]
中外製薬は「患者さん一人ひとりの健康と幸せを最優先に考える『患者中心』」を価値観(コア・バリュー)の1番目に掲げています。患者さんを「ともに課題解決を行うパートナー」として捉え、患者さんとの協働を通して一人ひとりが最適な治療を選択できる医療を目指している同社を取材しました。
患者さんとの相互理解を促進するため、患者団体との対話を実現
同社が患者さんとの相互理解を加速させるきっかけになったのは、2020年から毎年開催しているCEO(最高経営責任者)と患者団体との対話(ダイアログ)でした。
この企画で大切にしていることは、患者さんの声を聞くだけに留めないことです。「その年のダイアログで出た論点を整理し、そこから抽出された社会課題に対して新たな取り組みを行い、翌年のダイアログで報告するサイクルを回しています」と同社渉外調査部パブリックアフェアーズグループマネジャーの山瀬博之氏は話します。
ダイアログから生まれた「PHARMONY」
2022年、ダイアログで得た課題の一つから誕生したスキームが「PHARMONY(ファーモニー)」です。これは、Patients(患者)×Pharma(製薬会社) ×Harmony(調和)を由来とする造語で、患者さんやその家族の声を聞き、お互いの考えへの尊重・理解を図りながら、患者さんのための創薬研究をともに目指していく活動として開始しました。
「患者さんの声は、これまでも臨床試験や販売後の育薬などにおいて取り入れていました。研究現場からスタートしたPHARMONYという言葉を、2023年には全てのバリューチェーン(創薬研究、臨床試験、承認、販売・育薬)における全社的展開として、再定義しました」と山瀬氏は話します。
PHARMONYの再定義
- *1 薬が厚生労働省の承認を受けて販売が開始された後、薬の効果や安全性をより高めるために研究と開発を継続していく過程
- *2 参加した治験の結果を確認できるサイトの案内が記載された手紙
- *3 今後申請予定
- *4 薬の販売が開始された後、薬の効果や安全性について継続的に情報を得るために行う臨床試験
PHARMONYの活動として製剤に関する意見交換会に携わった、製剤研究部デバイスグループの海本隆志氏は、「これまで情報を得る機会が少なかった、製剤を使用する際の具体的な環境、使用方法、患者さんの困りごとなどについて知ることができ、今後の製剤開発についての示唆を得ることができた」と話します。このように、研究者にとっては貴重な気づきが数多くあり、次の研究開発に生かされているとともに、患者団体には研究現場の取り組みや研究者の想いを伝えることで相互理解の促進を図っています。
PHARMONY ONEによる社員の意識変化
製薬会社には直接的に医薬品開発に携わらない部署もあり、普段の業務でその先の患者さんをイメージする機会が少ない社員もいます。PHARMONY活動を全社機能に広げていく上で、そのような社員も含め、患者さんと交流できる機会を設け、『患者中心』の更なる社内浸透を図ることを目的に、患者さんとの対話企画「PHARMONY ONE(ファーモニーワン)」が2023年9月に開始されました。
PHARMONY ONEには、PHARMONYの「第一歩、一体感、共創」という意味がこめられています。毎年継続している同社トップと患者団体代表によるダイアログとはまた違って、「社員一人ひとりの意識変化・行動変容」を喚起するとともに、参加いただく患者さんに製薬会社への期待や協働意義を感じていただき、相互理解に繋げることがテーマです。このプログラムを通して、患者さんとの対話で得られた知見を各部署に持ち帰ってもらい、「患者中心とは何か」を見直し、今後の業務に生かしていきます。
参加者のアンケートの一部を紹介します。
【ご参加いただいた患者さんの声】
- 社員の方が患者に対して真摯に私事として考えている姿に感服した。
- 私が今生きている理由である薬を作ってくださる皆さんのことを知り、製薬会社が患者と向き合っていることを知ることができ、嬉しかった。
【社員の声】
- 思った以上に思い込みが多かった。
- 闘病中「毎朝目が覚めて生きているだけで幸せを感じる」という言葉が印象深かった。患者さんの生きる希望を絶えさせない医薬品をこれからも創っていきたい。
- 「寄り添う」ことによる難しさをとても考えさせられた。
- 医薬品はもちろん大切であるが、家族や友人、医療関係者などによる精神的なサポートが乗り越える上で大事であると実感し、さらには恋愛の悩みや結婚、妊孕性の問題、社会との関わりの大変さなど、多くのハードル・課題を抱えているのだと感じた。
- 周囲の方たちの理解を得るために自分では説明しづらいことを説明しなくてはならないのだという話があり、より分かり合える環境を作りたいと思った。
アンケートから参加した患者さんも社員も、体験や記憶、想いを共有することで相互理解につながった様子が伝わってきます。
PHARMONY ONE事務局の経営企画部戦略企画グループ 中野陽介氏は「参加した社員は『患者中心』を意識して行動することの意義やその重みを改めて実感できたと思います。まったく同じ体験や感情は存在しないからこそ、患者さんのことを想い、『寄り添う』意識を忘れず、今回のプログラムで得た気づきを、参加した社員がそれぞれの所属する部門に持ち帰り生かしていくことを期待しています」とイベントを振り返ります。
「患者さん一人ひとりが最適な治療を選択できる医療」を実現するため、中外製薬は患者さんの気持ちに寄り添い、パートナーとして一緒に歩んでいきます。
制作:2023年12月25日
提供:中外製薬株式会社
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