[強皮症] 2023/12/21[木]

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強皮症は、皮膚や全身のさまざまな臓器が硬くなっていく病気で、皮膚だけに症状が出る限局性強皮症と、皮膚以外の臓器にも症状が出る全身性強皮症があります。特に、指定難病である全身性強皮症は症状が多岐にわたるため、患者さんが求める情報は多種多様です。しかし、患者さんの数自体が少ないために、同じ問題を抱えている方の声を聞くことが難しいという課題がありました。
LINEの患者コミュニティである『強皮症オンラインコミュニティ』(開設・運営:株式会社QLife)では、患者さん同士による情報交換が行われています。ここでは、『強皮症オンラインコミュニティ』を使用されている全身性強皮症患者さんの実際の声を紹介します。

Yさんの場合

最初に受診した医師から「1~2年で進行するケースが多く、仕事を続けられるかは分からない」と言われ、将来のことや病気の進行について不安な気持ちを抱えながら過ごしていました。少しでも良い情報を探そうとインターネットで情報収集をしましたが、不安になる情報ばかりが目に入り、悲観的な気持ちを自分の中で抱え込むこともありました。

『強皮症オンラインコミュニティ』を知ったのは、LINEのオープンチャットを検索したことがきっかけです。同じ病気の方が発信する情報を見ることができるため、それからは毎日欠かさずチェックするようにしています。自分だけでは病院選びについて不安に思うことがありましたが、ここでいただいたアドバイスのおかげで、現在は専門医にも診ていただきながら安心して生活を送れています。

『強皮症オンラインコミュニティ』で心の内を明かしたり、温かいメッセージをたくさんいただいたりすることもありました。私にとっては、心の安心につながるお守りのような存在です。今では、同じ不安を抱える誰かの役に立ちたいという思いから、私自身が情報を発信することもあります。コミュニケーションが苦手な方でも、見るだけでたくさんの情報を得ることができますし、メンバーの温かさを感じていただけると思います。

Kさんの場合

全身性強皮症と診断されたときは、「難病」や「治療法が確立されていない」いう言葉に驚いてしまい、毎日が不安でした。病気については“分からない部分が多い”ということが辛かったため、不安を解消するためにインターネットで情報収集をしていました。しかし、人によって症状がさまざまな病気のため、逆に混乱してしまうこともありました。

同じ病気の方の話を聞いてみたいと感じていた頃に、LINEのオープンチャットを検索して『強皮症オンラインコミュニティ』の存在を知りました。生活上の知恵の投稿がたくさんあり、「食事量は腹7分目」にしたり、「手首と手足は巻きカイロなどを利用」したりするなど、自分でもできる工夫や対策は実践するようにしています。

今でもほぼ毎日『強皮症オンラインコミュニティ』を利用しています。また、閲覧のみならず、就労のことなどについて“どこに”相談するべきかを質問して回答をいただいたこともあります。SNSやLINEに不慣れな方でも、匿名で参加ができますし、何よりすぐに回答していただけるので、試してみてはいかがでしょうか。

Aさんの場合

全身性強皮症と診断された時は、聞いたことのない病名や、完全には治らない病気であることへの不安から、インターネットで国内外の情報を収集しました。ただ、当時はどの情報が正しいかが判断ができなかったため、今振り返ってみるとネガティブな情報ばかり収集してしまっていたかもしれません。

『強皮症オンラインコミュニティ』を知ったのは、利用されている方がTwitterで紹介しているのを目にしたことがきっかけです。それからは、自分が気になるキーワードで『強皮症オンラインコミュニティ』の過去のやり取りを検索したりして情報を集めました。

転院について悩んでいる時期もありましたが、皆さんからのアドバイスに背中を押されて転院を決意することもできました。現在は病状も落ち着いていて、転院したことに満足しています。さらに、就労や介護の悩みについて相談できたことも大きな支えになりました。同じ病気の方のご意見を伺うことができたことにとても感謝しています。また、『強皮症オンラインコミュニティ』では交流イベントも開催されているため、顔を合わせて話ができる機会があることもメリットだと思います。同じ病気の方とつながることができ、精神的に救われたように感じています。

強皮症オンラインコミュニティで情報を得ることで、診療を有意義な意見交換の場にしてほしい

藤本 学 先生
大阪大学大学院 医学系研究科 情報統合医学講座 皮膚科学教室 教授

全身性強皮症は希少疾患であることから、周りに同じ病気の患者さんがいないことが普通です。そのため、これまでは同じ病院に通院していてたまたま知り合うこと以外で、同じ病気の人とコミュニケーションをとる機会はほとんどありませんでした。強皮症は、「皮膚や内臓が硬くなる」とも表現されるように、その症状は一般の方でも比較的イメージがしやすい発熱や関節痛といったものとは異なります。馴染みのない症状を呈すること、さまざまな臓器に多彩な症状を生じうること、確立した治療法がないことなどから、特に診断されたばかりの患者さんは強い不安を感じることも多いと思います。最近はインターネットから病気の情報を得ることも多いと思いますが、一方通行の情報収集だと不安を増幅させてしまったりすることもあります。

強皮症オンラインコミュニティでは、病気の先輩たちとつながることができたり、双方向でコミュニケーションが取れたりすることから、強皮症という病気の具体的なイメージや、個々の患者さんによって症状に多様性があること、さまざまな方が実際に受けている治療内容などを、患者さん目線の言葉でわかりやすく把握することができると思います。そうして情報を得ることによって、診察の場でも受け身の受診ではなく有意義な意見交換ができるようになると思います。強皮症オンラインコミュニティに多くの患者さんが参加して、より大きなコミュニティとなることで、強皮症と向き合う上での大きな力にしていただければと思っております。

わかる、つながる、強皮症

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