リウマトイド因子執筆者:昭和大学病院医学部医学教育推進室教授 高木 康/昭和大学横浜市北部病院病院長 田口 進
リウマトイド因子の基準値
陰性(-)
①朝のこわばり |
②3領域以上の関節炎 |
③手の関節炎 |
④対称性関節炎 |
⑤皮下結節 |
⑥リウマトイド因子 |
⑦X線変化 |
関節リウマチの診断指標
リウマトイド(リウマチ)因子は、免疫グロブリンのIgGを攻撃する自己抗体で、膠原病(こうげんびょう)のひとつ関節リウマチの診断指標として測定されています。この検査(RAテスト)をすると、関節リウマチでは80~90%が陽性となりますが特異性は高くなく、リウマトイド因子陽性者の40%だけが関節リウマチと診断されます。これは、リウマトイド因子が肝硬変や悪性腫瘍などでも陽性になることがあるためです。陽性率は肝硬変で50%、悪性腫瘍で20~40%くらいです。この検査は、さまざまな関節炎の診断や重症度判定を目的として行われることの多い検査です。
確定診断できないときは生活指導
免疫学的手法によって測定され、正常なら陰性(-)です。この検査が陽性で、ほかの検査の所見や症状から関節リウマチが確定診断できれば、リウマチとしての治療と生活指導(十分な休養・保温・睡眠、調和のとれた栄養の摂取、適度な運動など)を行います。しかし、確定診断ができないこともあり、そのときは経過観察になります。この場合でも、慢性関節リウマチと同様の健康保持に必要な生活指導を行います。
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疑われるおもな病気などは
陽性
膠原病:関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎(皮膚筋炎)など
感染症:肺結核、梅毒、ウイルス性肝炎、住血吸虫症など
その他:間質性肺炎、サルコイドーシス、肝硬変など
- 出典:四訂版 病院で受ける検査がわかる本 2014年7月更新版