新生児敗血症(早発型敗血症/遅発型敗血症)
しんせいじはいけつしょう(そうはつがたはいけつしょうちはつがたはいけつしょう)
- 小児科
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もしかして... 低出生体重児 播種性血管内凝固症候群
新生児敗血症(早発型敗血症/遅発型敗血症)とは?
どんな病気か
細菌が血液中に存在し、さまざまな全身性の症状を現す病気です。新生児敗血症の発症頻度は出生1000人に対し、1~10人くらいといわれています。母親のおなかのなかにいる期間(在胎週数)が短いほど頻度は高まります。一般的に新生児期は全身的な未熟性に加え、白血球機能を含む感染防御機能も未熟であることが知られています。新生児敗血症のうち、生後72時間以内に発症するものを早発型、生後72時間以降に発症するものを遅発型と分けています。
原因は何か
①早発型敗血症
B群溶血性連鎖球菌、大腸菌、インフルエンザ桿菌、クレブシエラ菌、リステリア菌、肺炎球菌、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(表皮ブドウ球菌など)など
②遅発型敗血症
黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を含む)、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(表皮ブドウ球菌など)、大腸菌、緑膿菌、インフルエンザ桿菌、クレブシエラ菌、セラチア菌など
感染時期と感染経路
①胎内での経胎盤感染→結核菌、サルモネラ菌、リステリア菌など
②経産道感染(上行性羊水感染、産道通過時)→B群溶血性連鎖球菌、大腸菌など
③出生後の水平感染→黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を含む)、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(表皮ブドウ球菌など)、緑膿菌、セラチア菌など
危険因子
早い時期の破水、胎児の周辺にある絨毛や羊膜の炎症、母体感染徴候(発熱、白血球の増加、腟培養陽性など)、低出生体重児、新生児仮死、点滴や栄養チューブなどの各種カテーテル、挿管チューブなどが危険因子として知られています。
治療の方法
①抗生剤の投与
アンピシリン(ビクシリン)、ゲンタマイシン(ゲンタシン)、フロモキセフ(フルマリン)、セフォタキシム(クラフォラン、セフォタックス)、セフタジジム(モダシン)、テイコプラニン(タゴシッド)、アルベカシン(ハベカシン)、バンコマイシンなど原因菌により異なります。
②免疫グロブリンの投与
成熟児は十分な量の免疫グロブリンを母親からもらって生まれてきますが、早く生まれるほど不足しがちなため、補充により好中球貪食能などの不十分な免疫能を補う可能性があります。しかし、投与後の死亡率には差がないという報告も多く、一律に用いることはできません。
③顆粒球コロニー形成刺激因子の投与
好中球(細菌を倒す白血球)の前段階にある細胞を好中球へ変化・増殖させる因子を顆粒球コロニー形成刺激因子といいます。これを用いることにより、好中球減少時のサポートが期待されます。しかし、効果が一律ではないことと、副作用などについての考慮が必要です。
④合併症としての出血傾向(播種性血管内凝固症候群という病気)の治療
⑤新鮮凍結血漿やドーパミン・ドブタミンなどによる抗ショック療法
⑥血糖、電解質異常、アシドーシスの補正
⑦呼吸障害に対するサポート
⑧けいれんなどの神経症状に対する治療
⑨菌や毒素、炎症を引き起こす物質(サイトカイン)の除去を目的とする交換輸血、および顆粒球輸血、血漿交換など
全身性炎症反応症候群に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、全身性炎症反応症候群に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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セフメタゾールナトリウム静注用0.5g「日医工」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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セフォチアム静注用1gバッグ「日医工」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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メロペネム点滴静注用バッグ0.5g「日医工」 ジェネリック
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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セフォチアム塩酸塩静注用0.25g「日医工」 ジェネリック
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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ザイボックス錠600mg
合成抗菌剤
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ミノサイクリン塩酸塩点滴静注用100mg「サワイ」 ジェネリック
主としてグラム陽性・陰性菌,リケッチア,クラミジアに作用するもの
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セファゾリンナトリウム注射用0.25g「日医工」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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セファゾリンNa点滴静注用1gバッグ「NP」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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ゾシン静注用2.25
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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コラムRh不適合
血液型には、A、B、O、AB型という分類以外に、Rh型という分類があります(Rhはアカゲザルを意味するRhesus monkeyに由来しています)。とても大まかですが、Rh陽性、陰性というように分類しており、日本人はRh陽性が99・5%、陰性が0・5%くらいといわれています。
Rh陰性の女性がRh陽性の子どもを妊娠、出産すると(第1子)、分娩の際に子どもの赤血球が母親の血中に流入し、Rh陽性の血液を壊すための「抗体」と呼ばれるものを作りだします。この女性が、再度Rh陽性の子どもを妊娠すると(第2子)、Rhの型が合わない(Rh不適合)ために、先ほどの抗体が子どもの赤血球を壊し、重症な貧血や黄疸の原因となります。
第2子以降の貧血や黄疸を予防するために、Rh陰性の女性がRh陽性の子どもを出産した際に、高力価Rh(D)γ-グロブリン筋注を母親に対して行う必要があります。