出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
口臭がある
こうしゅうがある
口臭があるとは?
どのような状態か
呼気、すなわち吐く息に悪臭があれば、「口臭がある」といいます。生理的口臭(起床時、空腹時)、飲食(酒、香辛・調味料など)や喫煙などが原因になるものと、病的口臭があります。
病的口臭のうち、頻度の高い原因として、口のなかの問題があります。衛生不良(歯垢)、むし歯、歯周病のほか、進行した口腔がんに感染が加わった場合、強い口臭が起きることがあります。
副鼻腔炎や慢性咽喉頭炎なども口臭を起こします。直腸に近い位置での腸閉塞では糞便臭、腎疾患による高窒素血症では独特の臭いがあります。重症肝疾患でも口臭が起きます。
嗅覚過敏、口臭の存在を思い込む自己臭症、また、焦げるようなあるいは腐敗したような悪臭、と表現される幻嗅もあります。
必要な検査と疑われる病気
臭い成分(アンモニア、アセトン、アルコールなど)は多様ですが、揮発性硫黄化合物(硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなど)が主な原因物質とされています。
口臭検査として、官能試験(検者の嗅覚による判定)と器具を用いた試験があります。両者の検査結果は、必ずしも一致するわけではありません。
官能試験は簡便ですが、患者さんが検査結果に納得しないことがあります。検査器具が対応しない成分もあります。多くの臭い成分に対応する機器は高価なので、検査できる医療機関は限られます。
口臭の原因となる病気の検査については、むし歯や歯周炎では歯科での診査やX線検査が、上顎洞炎では耳鼻科で内視鏡やX線検査が必要です。腸の疾患は、消化器内科や外科で内視鏡やX線検査を行います。腎疾患、肝疾患の場合は血液検査が必要です。
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