出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
子宮の奇形
しきゅうのきけい
子宮の奇形とは?
どんな病気か・原因は何か
霊長類では、子宮は胎児発生の過程で左右のミュラー管が癒合し、中隔が消退して、ひとつの子宮が形成されます。子宮の奇形は、主としてこのミュラー管の癒合不全、中隔消退不全、あるいは片側のミュラー管発育不全によって生じ、この不全の程度によってさまざまな形態を示します。
ミュラー管上部の癒合不全では、子宮の上部(子宮底)が弓状を呈する弓状子宮、さらに癒合不全が下部まで及ぶと、子宮体部が2つに分かれる単頸双角子宮、子宮頸部まで2つに分かれる双頸双角子宮、腟まで2つに分かれる重複子宮・重複腟となります。
また、片側のミュラー管の発育が不良であると、子宮の片方に発育不良の子宮が付属している副角子宮、まったく発育しなければ角状の子宮・卵管がひとつだけ存在する単角子宮となります。
ミュラー管の癒合は正常でも、その後の中隔の消退に障害があれば、子宮の中央に中隔が残る中隔子宮となります。さらに、2つに分かれた子宮の間の交通の有無によっても形態が異なります。
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