出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
パーソナリティー障害
ぱーそなりてぃーしょうがい
パーソナリティー障害とは?
パーソナリティー障害とは、人が生まれもっている性質(生物学的素因)と環境とにより形成され、思春期以降に次第に明らかになってくる人格の傾向のうち、本人あるいは周囲がその人格傾向により社会生活上の著しい困難を来してしまう病態をいいます。
この障害は一般の精神疾患に伴って存在することも多く、うつ病や摂食障害などにしばしば伴うことがあります。今日、DSMIV-TRというアメリカ精神医学会の分類では表12に提示するような10種類のパーソナリティー障害が分類されています。これらを眺めてみますと、クラスターA群は一般に統合失調症の周辺領域の病態で風変わりにみえる人たちを、クラスターB群は衝動や情緒の表現の問題をもち風変わりにみえる人たちを、クラスターC群は対人関係や社会といったものを含めた外界に強い不安や恐怖を感じており、どちらかといえば私たちが本来もっている性質の一部が極端に強調された形式で常に表出される群として分類しています。
ただし、これらは研究上や治療上の必要から仮定された概念であり、現在の分類や診断基準が正しいか否かについてはさまざまな議論があります。また、文化社会的な背景が異なると妥当性には疑問をもたざるをえないものもあります。たとえば、回避性パーソナリティー障害は日本人の一般的性向と似ているため、日本人ではあてはまりやすいことが知られています。
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