出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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進行性球麻痺
しんこうせいきゅうまひ

もしかして... 筋萎縮性側索硬化症  肺炎

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進行性球麻痺とは?

 話しづらさ、物の飲み込みづらさが徐々に進行し、舌がやせて萎縮してきます。手、足のやせ、筋力低下があとから現れてきます。

 筋萎縮性側索硬化症のひとつのタイプと考えられているので、詳細はそちらを参照してください。呼吸困難や誤嚥による肺炎を起こす可能性が高いので注意が必要です。

(執筆者:新横浜リハビリテーション病院 鈴木 瑞枝)

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コラム神経難病(特定疾患)

天竜病院神経内科 西山治子

 原因不明、治療方法が未確立で、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない病気、経過が慢性で、単に経済的な問題だけでなく、介護などに著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担が大きい病気のことを難病といいます。

 このなかでも、診断基準が一応確立していて、しかも難治度や重症度が高く、患者数が比較的少ないために医療費の公費負担という手段をとらないと原因の究明、治療方法の開発などに困難を来すおそれのある病気を対象として、特定疾患治療研究事業が実施されています。

 この事業の対象になる病気を一般的に特定疾患と呼んでおり、特定疾患に該当する神経系の病気としては、プリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病など)、亜急性硬化性全脳炎、脊髄小脳変性症、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病)、筋萎縮性側索硬化症、多系統萎縮症、副腎白質ジストロフィー、多発性硬化症、重症筋無力症、ハンチントン病、もやもや病、スモンがあります。

 2009年10月から新たに脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、ミトコンドリア病なども追加されました。

 特定疾患に該当する場合には、それぞれの特定疾患の診断書を主治医に記入してもらい、保健所に申請する必要があります。

 特定疾患に認定されると医療保険による自己負担分が一部公費負担になりますし、さらに難病のために日常生活に著しい支障があると認定された重症患者さんや、スモン、プリオン病の患者さんは、医療費の自己負担分全額が公費負担になります。

 神経難病の方やその介護を行っている家族への支援としては、特定疾患治療研究事業以外にも、神経難病患者在宅支援事業、重症難病患者入院施設確保事業、難病相談・支援センター事業などがあり、少しでも負担が軽くなるような対策が行われています。

進行性球麻痺に関する医師Q&A