中毒性視神経症
ちゅうどくせいししんけいしょう
- 眼科
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もしかして... 色覚異常
中毒性視神経症とは?
どんな病気か
さまざまな薬物による視神経障害に基づいた中心視力低下を起こす病気です。多くは薬物の中止で回復するので、元にもどらないような変化が起こる前に原因の究明と薬物を中止することが大切です。
視神経に障害を与えることが知られている薬物には、抗結核薬であるエタンブトール、シンナーなどの有機溶剤、有機リン(農薬)、抗生剤のクロラムフェニコール、抗不整脈薬のアミオダロン、抗腫瘍薬のビンクリスチン、抗エストロゲン薬のタモキシフェンなどがあります。また、メチルアルコールの誤飲も原因になります。
症状の現れ方
ほとんどの場合で、両眼性に中心部が見えにくくなる中心暗点で発症します。
エタンブトール中毒では、色覚異常や中心暗点以外の視野障害(両眼の外側が見えにくくなる両耳側半盲など)が現れることもあります。
エタンブトール中毒では、発症率は用量依存性があり、1日量25mg/kg以上服用している場合に多いとされています。また、服用から2カ月以内で発症することはまれで、多くは平均約7カ月程度で発症してきます。
検査と診断
他科疾患の治療歴や薬物の服用量・服用期間など、病歴の把握が大変重要です。眼底検査では進行していると視神経の萎縮を呈しますが、初期では変化のないことがあります。視野検査や、視神経機能検査としての中心フリッカーテスト、視覚誘発電位検査などが有用です。
有機リンなど毒物による中毒の場合は、尿検査が診断に有効なことがあります。
治療の方法
早期に原因薬物を中止することにつきます。また、ビタミン製剤(メチコバール、ビタメジンなど)を併用します。ただし、不可逆的な変化(視神経萎縮)が進行してしまった場合では予後が不良になります。
エタンブトール中毒の場合、進行例では服用を中止しても42%しか視力の回復が認められなかった(平均観察期間8・3カ月)という報告があります。
病気に気づいたらどうする
原因薬物の同定、薬物の投与中止が可能かどうか、処方医および眼科医を交えて十分相談する必要があります。
視神経障害に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、視神経障害に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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メドロール錠2mg
副腎ホルモン剤
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コートリル錠10mg
副腎ホルモン剤
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水溶性プレドニン10mg
副腎ホルモン剤
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プレドニゾロン錠1mg(旭化成)
副腎ホルモン剤
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フルオレサイト静注500mg ジェネリック
その他の診断用薬(体外診断用医薬品を除く。)
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オルガドロン注射液1.9mg
副腎ホルモン剤
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デカドロン注射液1.65mg
副腎ホルモン剤
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ケナコルト-A筋注用関節腔内用水懸注40mg/1mL
副腎ホルモン剤
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リンデロン散0.1%
副腎ホルモン剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。