出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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食道アカラシア
しょくどうあからしあ

もしかして... 食道がん  肺炎

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食道アカラシアとは?

どんな病気か

 食道から胃に移行する部分、すなわち食道胃接合部の部分が嚥下(飲みくだす)によっても弛緩しないため、食道が拡張する病気です。アカラシアはラテン語で、弛緩が欠如したという意味です。

原因は何か

 食道平滑筋部にある壁内のアウエルバッハ神経叢内の節細胞が変性したため、食道胃接合部が弛緩不全を起こし、収縮したままの状態となったため食道が拡張すると考えられています。神経細胞が変性する原因は明らかでなく、神経の変性疾患であるとの報告や、ウイルスが関与しているなどの報告があります。

症状の現れ方

 嚥下困難感が現れます。固形物より液体がつかえたり、時期により、つかえる場合とつかえない場合があるなど、症状が変動します。食道がんでは、嚥下困難が持続、または増強します。このほか、嚥下時痛、胸痛などがあります。食道内に詰まった食事が、横になった時に逆流し、誤嚥性肺炎を起こすこともあります。

検査と診断

 食道X線検査で、拡張した食道と、食道胃接合部のスムーズな狭窄像(凸凹のない狭窄像、図12図12 アカラシア(食道X線像))で診断します。しかし、X線診断では腫瘍の可能性を否定できないため、内視鏡検査を行い、食道壁に腫瘍がないことを確認する必要があります。

図12 アカラシア(食道X線像)

 また、アカラシアは食道がんを合併することもあり、定期的な内視鏡検査が必要です。このほかに、食道内圧検査で食道壁に蠕動運動があるかどうかをみます。

治療の方法

 軽度の場合は、カルシウム拮抗薬を内服します。また、バルーン拡張術により狭窄部を拡張する方法が有効です。食道の拡張が大きい場合や、食道が蛇行している場合、バルーン拡張術が効果のない場合は、手術が必要です。

病気に気づいたらどうする

 食物がのどにつかえる、通過しない、吐く、食べると痛いなどの症状がある場合は、早い時期に食道の専門医への受診をすすめます。

(執筆者:ムラタクリニック院長 村田 洋子)

食道アカラシアに関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、食道アカラシアに関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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