肛囲皮膚炎
こういひふえん
肛囲皮膚炎とは?
どんな病気か
肛門周囲から臀部にかけての皮膚に、内因性、外因性の炎症が生じ、浮腫(むくみ)、びらん、肥厚、色素沈着などを起こしたもので、掻痒(かゆみ)を伴います(図22
-a)。肛囲湿疹もここに含まれます。
原因は何か
頻回の下痢や肛門部の発汗、便の付着などで、本来弱酸性であるべき肛門皮膚の抵抗力が弱まり、炎症を起こしたものです。成人では下痢、長時間のドライブ、シャワートイレの過使用、女性では腟炎、生理、幼児では肛門の手入れの不備などが原因で発生します。
症状の現れ方
急性期には皮膚に浮腫性紅斑を生じ、そこへ漿液性丘疹ができて、小水疱から膿疱、かさぶたへと進み、治癒に至ります。慢性化したものは皮膚が肥厚し、苔状になったり、色素沈着を残したりします。症状は肛門のかゆみ、ただれ、べとつき、分泌物です。引っかくと余計に病変が拡大します。
まれに、丘疹を生じるものに痛みの強い帯状疱疹があります。左右どちらかに偏在するのですぐわかります。区別が必要なのは、片側にできる帯状疱疹(図22
-b)と悪性化もあるパジェット病(図22
-c)です。
検査と診断
肛門部の微生物の検索には局所の微生物培養が大切で、細菌、カンジダなどの真菌、酵母、雑菌などの区別をします。
治療の方法
培養は、結果が出るまで2週間かかるので、まず肛門を清潔にして、石鹸などによる刺激を加えないで抗真菌薬軟膏、ステロイド軟膏を塗ります。
病気に気づいたらどうする
まず肛門を清潔に洗い、アルコールや香辛料を控え、誤った治療は行わないで、肛門専門医か皮膚科医にかかってください。
肛門部周囲炎に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、肛門部周囲炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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グルコリン配合静注 ジェネリック
肝臓疾患用剤
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ビスミラー注5mg
抗ヒスタミン剤
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ヒベルナ注25mg
抗ヒスタミン剤
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アレロック顆粒0.5%
その他のアレルギー用薬
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エピナスチン塩酸塩錠20mg「杏林」 ジェネリック
その他のアレルギー用薬
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ロラタジンOD錠10mg「FFP」 ジェネリック
その他のアレルギー用薬
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プラデスミン配合錠 ジェネリック
副腎ホルモン剤
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ゼスラン小児用細粒0.6%
抗ヒスタミン剤
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フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg「杏林」 ジェネリック
その他のアレルギー用薬
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オロパタジン塩酸塩錠2.5mg「杏林」 ジェネリック
その他のアレルギー用薬
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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