出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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ビタミンA欠乏症
びたみんAけつぼうしょう

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もしかして... ビタミンA過剰症

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ビタミンA欠乏症とは?

ビタミンAとは何か

 ビタミンAは脂溶性のビタミンです。私たちは、レバーなどの動物性食品からビタミンAそのものの形で摂取するか、緑黄色野菜中のβ-カロテンの形で摂取したあとに体内でビタミンAに変換することにより取り込んでいます。ビタミンAの1日所要量は、成人で0・3μgを1国際単位として、1800~2000国際単位となっています。

 ビタミンA欠乏症の原因は主に摂取不足が考えられます。先進国ではほとんど認められませんが、発展途上国ではいまだに深刻な問題になっています。

症状の現れ方

 最初に現れる症状としては、夜盲症があげられます。網膜にあるロドプシンという物質はビタミンAからつくられますが、ビタミンAの欠乏によりロドプシンがつくられなくなる結果、暗さに眼が慣れる(暗順応)のが遅くなる夜盲症が現れるのです。さらにビタミンA欠乏が進むと、眼の乾燥、涙の分泌減少や視力の低下も現れてきます。またほかの症状としては、皮膚や粘膜の乾燥があげられます。

検査と診断

 夜盲症の診断は暗順応試験で行い、ビタミンAの投与により症状が改善することによって確定されます。夜盲症は、ビタミンAの血中濃度が30μg/dL以下になると現れるので、ビタミンAの血中濃度を測定することも重要です。

治療の方法

 1日に3000国際単位、重症では1万国際単位を内服または筋肉内注射で投与します。数日~2週間で症状の改善がみられ、以後は通常の所要量にもどします。過剰による症状が現れることがあるため、投与のしすぎには注意が必要です。

ビタミンA欠乏症と関連する症状・病気

(執筆者:東北大学大学院医学系研究科先端再生生命科学教授 菅原 明)

ビタミンA欠乏症に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、ビタミンA欠乏症に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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