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肉芽腫性口唇炎
にくげしゅせいこうしんえん

もしかして... クローン病  顔面神経麻痺

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肉芽腫性口唇炎とは?

どんな病気か

 慢性の口唇の腫脹(はれ)で、組織検査をすると肉芽腫性の変化がみられます。

原因は何か

 サルコイド、クローン病、食品添加物などとの関連を示唆する少数例があります。男女差はなく、どの年齢でも発症します。

症状の現れ方

 突然、上下の口唇(75%)、頬部・顔(50%)に、びまん性(境界の明らかでない)ないし結節性(境界のはっきりとした)の口唇の腫脹が起きます。はじめは数時間から数日で消失しますが、繰り返し起こり、最終的にはゴムのような弾性硬になります。皺襞舌(20~40%)という巨大舌も現れます。顔面神経麻痺(30%)が、時に数カ月から数年先行することもあり、一過性から次第に持続します。

 これら3つの症状がそろうと、メルケルソン・ローゼンタール症候群と呼ばれます。

検査と診断

 早期の場合、ほかの症状がなければ血管浮腫(むくみ)との区別ができません。

 初期は、真皮の全層の浮腫、リンパ管の拡張、リンパ球・形質細胞・組織球の浸潤がみられます。最後に、類上皮細胞、ラングハンス巨細胞、リンパ球からなる肉芽腫ができます。

治療の方法

 食品添加物などの原因を検索して、疑わしい場合はそれらを極力避けます。病状は極めて緩やかに軽快します。薬物治療としては、トリアムシノロン(10ml)の局所注射を4~6カ月ごとに繰り返すのが有効とされています。

病気に気づいたらどうする

 皮膚科、歯科を受診します。

(執筆者:長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学教授 宇谷 厚志)

口唇炎に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、口唇炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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コラム肉芽腫性炎症

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学教授 宇谷厚志

 生体のさまざまな組織反応のなかで、組織球の密な浸潤が組織学的に証明されれば、肉芽腫と診断します。おおまかに、中心に乾酪壊死(チーズ=乾酪に似た黄白色で乾燥性の壊死)を伴うものを類結核性肉芽腫、壊死のないものをサルコイド肉芽腫といいます。

 さまざまな病因により生じますが、大きく分けて感染性のものと非感染性のものとがあります。

 感染性では、結核(乾酪壊死)、ハンセン病(神経周辺の肉芽)、梅毒(形質細胞をもつ)、猫ひっかき病(大きな肉芽)、非定型抗酸菌症(プール肉芽腫症など)があげられます。ほかに免疫、全身状態などにより、真菌、細菌、ウイルスでも肉芽腫性炎症を起こすことがあります。

 非感染性肉芽腫の異物肉芽腫は、シリカ(タルク(手術手袋の粉)、スレート、レンガ、コールの成分、シリカの吸入など)、ベリリウム(全身性ベリリウム症)、ジルコニウム(デオドラント剤、腋窩に発生)で起こります。ウニによる刺傷、脂肪(アテローマ破裂による)、入れ墨によって引き起こされることもあります。

 サルコイドーシス、肉芽腫性口唇炎、環状肉芽腫、脂肪類壊死症、サルコイド反応なども非感染性肉芽腫に入ります。

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