結核性関節炎
けっかくせいかんせつえん
結核性関節炎とは?
どんな感染症か
肺結核の経過中に、病巣から結核菌が血管内に侵入し、血流によって関節に運ばれて発症します。
結核の初感染後に短期間内で発症するものや、数年後、結核の再燃によるものがあります。手や足の結核性関節炎はほとんどが単関節性であり、最も多いのは膝関節です。
症状の現れ方
症状は潜行性のため、なかなか気づきません。全身症状である発熱、発汗、疲れなどの症状は明らかでありません。
発症時には関節に軽い痛みがあり、通常、夜間になると痛みが増し、膝のこわばりが現れます。
初期の局所所見としては、限局性の圧痛(押すと痛い)、腫脹(はれ)、関節内の滲出液貯留(水がたまる)、患部関節の皮膚温度の上昇がみられます。無治療のまま放置すれば、筋肉の萎縮や骨の破壊による関節変形が現れるようになります。
結核菌によって起こる脊椎カリエスの多くは椎間板に初発しますが、やがて椎間板が破壊され、椎間腔が狭くなります。さらに病期が進むと、下部胸椎や上部腰椎の椎体部が破壊され、破壊が高度になると背骨が後方に高度に曲がって後弯(亀背)となります。
検査と診断
最も正確な診断法は、関節液、関節組織やリンパ節を採取し、細菌検査と病理組織検査を行うことです。これらの検査で、抗酸菌(結核菌)を見つけたり、骨病変、滑膜あるいはリンパ節の生検(病理診断)などにより結核性肉芽腫の有無を確認します。
最近では、結核菌を短時間で検査できるPCRによる遺伝子診断法が実用化されています。
治療の方法
結核で使用される薬剤は、イソニアジド(INH)、リファンピシリン(RFP)、ピラジナミド、ストレプトマイシン、エタンブトールなどです。
近年、INHやRFPに耐性をもつ多剤耐性結核菌(薬が効かない)が問題になっています。
感染性関節炎に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、感染性関節炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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セフォチアム静注用1gバッグ「日医工」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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メロペネム点滴静注用バッグ0.5g「日医工」 ジェネリック
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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セフォチアム塩酸塩静注用0.25g「日医工」 ジェネリック
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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イトリゾール内用液1%
その他の化学療法剤
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セファゾリンナトリウム注射用0.25g「日医工」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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セファゾリンNa点滴静注用1gバッグ「NP」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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ヒルドイドゲル0.3%
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
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イトラコナゾールカプセル50mg「SW」 ジェネリック
その他の化学療法剤
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ファンガード点滴用25mg
主としてカビに作用するもの
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コタロー補中益気湯エキス細粒
その他
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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