ドキソルビシン塩酸塩注射液50mg「サンド」の基本情報

作用と効果

がん細胞のDNAと複合体を形成し、DNAおよびRNA合成酵素の反応を阻害してがん細胞の増殖を抑えて死滅させる働きがあります。
通常、悪性リンパ腫、肺がん、消化器がん、乳がん、膀胱腫瘍、骨肉腫の症状の緩解、乳がん（手術可能例における術前、あるいは術後化学療法）子宮体癌（術後化学療法、転移・再発時化学療法）、悪性骨・軟部腫瘍、悪性骨腫瘍、多発性骨髄腫、小児悪性固形腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法、尿路上皮がんの治療に用いられます。

使用上の注意

以前に薬や食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。心機能に異常またはその既往歴がある、肝障害、腎障害、骨髄機能抑制（熱がある、皮下出血）がある、感染症にかかっている、水痘にかかっている。

妊娠または授乳中

他に薬などを使っている（お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください）。

用法・用量

悪性リンパ腫などの症状の緩解：通常、1日1回を2～6日間連続して静脈内へ注射し、一定期間休薬することを繰り返します。
悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法：通常、1日1回を1日もしくは3日間連続して静脈内へ注射するか24時間連続で1～4日間点滴します。もしくは1日1回連日または週2～3回膀胱腔内に注入し、一定期間休薬することを繰り返します。
尿路上皮癌：通常、1日1回静脈内へ注射し、一定期間休薬することを繰り返します。

効果を見ながら長期間使用する場合があります。

副作用

副作用として、頻脈、不整脈、胸痛、食欲不振、吐き気・嘔吐、口内炎、下痢、脱毛、色素沈着、倦怠感、頭痛、頻尿、排尿痛、膀胱炎、血尿、発疹、発熱、鼻出血などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

まれに下記のような症状があらわれ、[　]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。

・動悸、息切れ、胸が苦しい、足のむくみ [心筋障害・心不全]

・貧血症状、発熱、出血しやすい [汎血球減少、貧血、白血球減少、好中球減少、血小板減少などの骨髄機能抑制および出血]

・息苦しい、手足が冷える、顔や体が青白くなる [ショック]

・から咳、呼吸困難、発熱 [間質性肺炎]

・頻尿、排尿痛、発熱 [萎縮膀胱]

以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。