ピリヴィジェン10％静注20g/200mLの基本情報

作用と効果

血液中に欠乏しているガンマグロブリンを補うことにより、細菌やウイルスから体を守ろうとする働きを助けて免疫力を高めたり、ガンマグロブリンの免疫を調整する作用によって、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎による筋力低下を改善したり、運動機能低下の進行を抑制したりします。
通常、無または低ガンマグロブリン血症、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の治療に用いられます。

使用上の注意

以前に薬や食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。以前にこの薬あるいは人免疫グロブリン製剤の投与を受けたあとでショックを起こしたことがある。IgA欠損症、腎障害、脳・心臓血管に障害がある、または過去にその既往がある。貧血、心機能低下がある。

妊娠または授乳中

他に薬などを使っている（お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください）。

用法・用量

無または低ガンマグロブリン血症：通常、3～4週間隔で点滴または緩徐に静脈内に注射します。
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の筋力低下の改善：通常、成人は5日間連日で静脈内に点滴します。
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の運動機能低下の進行抑制（筋力低下の改善が認められた場合）：通常、成人は1日または2日間連日を3週間隔で静脈内に点滴します。

使用期間については、担当の医師にお聞きください。

副作用

主な副作用として、頭痛、吐き気、寒気、疲れやすい、発熱などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

まれに下記のような症状があらわれ、[　]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。

・呼吸困難、血圧低下、蕁麻疹（じんましん） [アナフィラキシー反応]

・疲れやすい、全身倦怠感、動悸 [溶血性貧血]

・頭痛、発熱、嘔吐 [無菌性髄膜炎症候群]

・めまい、胸痛、下肢の疼痛・浮腫 [血栓塞栓症]

・尿量が減る、むくみ、全身倦怠感 [急性腎障害]

以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

保管方法

血液を原料とした製剤であることから、感染症を防止するために原料血漿の検査やウイルスの不活化・除去処理をおこなっており、現在までにこの薬が原因とされる感染は報告されていませんが、ウイルス感染、プリオン感染の可能性を完全に否定することはできません。

この薬を使用している間は生ワクチン［麻疹（はしか）、おたふくかぜ、風疹（ふうしん）、水痘（みずぼうそう）など］の効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種はこの薬の使用後3ヵ月以上延期する必要があります。また、生ワクチン接種後14日以内にこの薬を使用した場合は、使用後3ヵ月以上経過したあとに生ワクチンを再接種することが望ましいです。大量療法（200mg/kg以上）後に生ワクチンを接種する場合は、原則として生ワクチンの接種を6ヵ月以上［麻疹（はしか）感染の危険性が低い場合の麻疹ワクチン接種は11ヵ月以上］延期する必要があります。接種の必要がある場合には医師に相談してください。