出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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老人性白斑
ろうじんせいはくはん

もしかして... 癜風  尋常性白斑

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老人性白斑とは?

どんな病気か

 高齢者の皮膚にみられる点状の白斑です。表皮の色素細胞の減少と、色素細胞の機能低下によるメラニン色素の減少により、皮膚の色素が薄くなり白斑になります。その原因はよくわかっていませんが、一種の加齢による影響であると考えられています。

症状の現れ方

 高齢者の四肢や体幹に、米粒大の白斑が出現します。女性よりも男性に多いといわれています。数個から数十個まで、白斑の数には個人差があります。基本的には、個々の白斑は拡大したり融合したりしません。

検査・治療の方法

 特別な検査は必要ありません。熟練した皮膚科医であれば、通常は診察をするだけで診断できますが、癜風と判別すべき場合もあります。

 現在のところ有効な治療法はありません。

病気に気づいたらどうする

 癜風菌による低色素斑と見分けるためには、顕微鏡検査が必要な場合があります。また、よく似た病気の尋常性白斑に対しては効果的な治療法があるので、一度、皮膚科医の診察を受けて診断を受けるのがよいでしょう。

(執筆者:西神戸医療センター皮膚科部長 堀川 達弥)

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コラム白斑の原因になる化学物質

西神戸医療センター皮膚科部長 堀川達弥

 化学物質によって白斑が発生することはよく知られていますが、このような白斑では尋常性白斑と区別をしにくい場合があります。職業的にフェノール化合物などの化学物質を扱う人に多くみられます。接触皮膚炎(かぶれ)を起こしたのちに白斑になるものと、化学物質の色素細胞に対する毒性作用によるものとがあります。

 白斑を発生させる化学物質には、ハイドロキノン、メルカプトアミン、p-t-ブチルフェノール(PTBT)などのフェノール類、クレゾール、塩化水銀アミドなどがあり、なかでもPTBTによる白斑はよく知られています。

 PTBTを含む物質には脱臭剤、複写紙、ホルムアルデヒド樹脂、殺虫剤、印刷インク、ワニス、ラッカーなどがあります。

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