出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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感染性角膜炎
かんせんせいかくまくえん

  • 眼科
  • 診療に適した科

感染性角膜炎とは?

どんな感染症か

 角膜に感染する病原体として、細菌、ウイルス、真菌、アカントアメーバがあり、これらを総称して感染性角膜炎と呼んでいます。

 感染性結膜炎に比べ、角膜炎は重く、治療を怠っていると視力障害を残したり、角膜が穿孔(穴があく)して、角膜移植などの手術が必要になるケースもあります。

症状の現れ方

 それぞれの病原体によって症状はさまざまですが、共通して、流涙、眼脂(めやに)、眼痛、充血、視力低下などの症状で始まります。

 細菌、真菌の場合は外傷をきっかけに発症し、ウイルス(とくに単純ヘルペス)の場合は何度も再発することが特徴です。アカントアメーバの場合は、大部分のケースでコンタクトレンズの使用経験があり、眼痛が激しいのが特徴です。最近、増加する傾向があります。

検査と診断

 大部分は、病歴や症状、所見からほぼ診断することができますが、角結膜をこすってとる擦過物で各病原体を検出することが確定診断に結びつきます。ヘルペス性角膜炎の場合は、角膜の知覚が低下していることが特徴です。

治療の方法

 細菌性や真菌性角膜炎は、検出菌に感受性のある薬剤を投与します。ヘルペス性角膜炎の場合、上皮型であれば抗ウイルス薬であるアシクロビルの投与、実質型であればステロイド薬が治療の主体になります。アカントアメーバ角膜炎に対しては、抗真菌薬を投与します。

病気に気づいたらどうする

 必ず、眼科専門医を受診してください。

(執筆者:近畿大学医学部眼科学主任教授 下村 嘉一)

角膜炎に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、角膜炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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