専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

岩手県立中央病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器科

分野

消化器・一般内科

特色

69年1月消化器センターの設立以来、週1回のカンファレンスでは内科、外科、放射線科、病理科が参加し、個々の症例について治療方針の決定と臨床経過の報告がなされている。

症例数

新入院患者数2,078人、年間外来患者数28,500人、救急患者数2,965人である(08年)。病床数は56床で、平均在院日数9.0日、紹介率64.6%、逆紹介率31.8%である

★過去5年間の担がん患者入院数は、年平均で食道がん22人、胃がん131人、結腸直腸がん163人、肝がん142人、胆嚢胆管がん56人、膵がん60人である

★上部内視鏡検査は年間約4,900件、下部内視鏡検査は約3,300件、膵胆管系は約340件である。早期がんに対する内視鏡治療は積極的に施行され、特に、粘膜下層切開剥離術(ESD)の導入により切除できる胃がんの症例数は増加している。過去5年間の年平均の上部内視鏡治療症例89人、うちがん症例47人、下部内視鏡治療症例497人、うちがん症例52人である

★肝がんに対するラジオ波焼灼術は年平均11人に施行されている。C型肝炎に対するインターフェロン治療は92年以来約400例に施行された

★炎症性腸疾患の外来通院患者数は、潰瘍性大腸炎131人、クローン病42人である。最近では、タクロリムスなどの免疫調節剤や抗TNFα抗体による治療が増加している

★その他、胃十二指腸潰瘍でのピロリ菌の除菌療法や、急性慢性膵炎の診断治療、がん化学療法や末期がんでの緩和医療は重要な診療対象である。

医療設備

CT、MRI、PET、内視鏡電子スコープ、超音波・カラードプラ装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

消化器外科

分野

消化器・一般外科

特色

地域がん診療連携拠点病院として、岩手県におけるがんセンター機能を担っており、セカンドオピニオン外来、緩和ケアチーム、よろず相談体制を整え、がん患者さんのQOL(生活の質)向上を目指している。08年4月、内視鏡外科技術認定医の着任により、腹腔鏡下手術が飛躍的に増加、09年、大腸がん年間手術件数283例中98例に腹腔鏡下手術を施行した。日本外科学会、日本消化器外科学会の認定施設であり、日本肝胆膵外科高度技能修練施設Aとして肝臓がん、すい臓がん等難易度の高い手術も数多く施行している。外来化学療法には早くから取り組み、06年4月にがん化学療法科を開設、18床の外来化学療法室に認定薬剤師・認定看護師も充実し、研修施設としての役割も担っている。外来化学療法の月平均件数は、06年度の267件から09年度には453件に上り、11年度は専用調剤室を併設し必要機能を集約した30床の外来化学療法室を開設する計画である。また各種がん手術に対する医療者用と患者用のクリニカルパスを作成、わかりやすい医療と同時に必要な情報を医療者と患者が共有することにより入院期間の短縮、質の高い医療を目指している。同時に地域の病診連携を推進、地域医療支援病院として、患者紹介率、逆紹介率ともに年々増加しており09年度はそれぞれ57.8%、40.1%であった。また当院では医師不足で悩む県内の公的医療施設に対する診療応援を積極的に行っており、派遣する医師は1日5~12人(08年度2,600回)に上っている。医師の派遣は県内唯一の地域医療支援病院として、地域連携をスムーズに行うための重要な役割であると考えている。08年、厚労省研究班に参加、5 大がんのなかで、大腸がんの地域連携クリニカルパスの作成に取り組んだ。地域における連携システム構築を行い、切れ目のない医療提供体制を目指している。

症例数

09年(1月~12月)の年間手術件数は1,252例、気管内挿管全身麻酔は1,196例を数え、各種消化器疾患の手術件数は東北6県でも有数である

食道がん=食道がん切除再建20例、うち早期例を中心に胸腔鏡下食道切除4例、その他の食道手術3例施行。キャンサーボードにて放射化学療法、手術療法の検討を行っている

胃がん=胃がん切除161例(胃全摘50例、幽門側切除幽門温存も含む99例、噴門側切除5例、その他7例)、胃GIST(消化管間質腫瘍)5例。腹腔鏡下手術は胃切除6例、胃部分切除2例施行。96~98年の胃がん手術総数は337例で、Stage別5年生存率は、StageI:87%、II:51.5%、III:37%、IV:6.5%(他病死含む)であった

大腸がん=年間大腸がん切除283例(結腸がん178例、直腸がん105例)と大腸がん手術件数が増加している。結腸がん178例中71例、直腸がん105例中27例に腹腔鏡下手術を施行。96~98年の大腸がん手術総数は290例で、Stage別5年生存率は、StageI:87.1%、II:82.6%、III:61.8%、IV:3.6%(他病死含む)であった

肝胆膵がん=09年の各種肝切除例は48例(肝細胞がん14例、肝内胆管がん3例、転移性肝がん23例、肝門部胆管がん3例、胆嚢がん5例)、膵頭領域の悪性疾患に対する膵頭十二指腸切除術は41例(膵臓がん15例、胆管がん11例、十二指腸乳頭部がん5例、胆嚢がん3例、膵IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)4例、その他3例)と増加した。膵切離、吻合法の工夫により、術後膵液漏は少なく、術後出血例、手術関連死亡ともに0、術後平均在院日数は20日以内となり、良好な手術成績となっている

腹腔鏡下手術=腹腔鏡下胆嚢摘出術150例、胸腔鏡下食道切除術4例、腹腔鏡下大網充填術(潰瘍穿孔)8例、腹腔鏡下胃切除術8例、腹腔鏡下虫垂切除術4例、腹腔鏡下結腸切除術79例、腹腔鏡下直腸切除術28例、腹腔鏡下肝嚢胞開窓術2例、腹腔鏡下脾臓摘出術2例、腹腔鏡下副腎摘出術5例、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術3例、計293例と増加した。

医療設備

PET-CT、MRI、CT、MDCT、血管造影装置、DSA、鏡視下手術装置、各種シンチグラフィー、リニアック、ヤグレーザー、各種電子内視鏡、超音波内視鏡など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

呼吸器科

分野

呼吸器内科

特色

各スタッフは各々の専門医資格(内科専門医・認定医、呼吸器学会専門医・指導医、呼吸器内視鏡学会専門医・指導医、がん治療認定など)を取得して診療に当たっている。地域がん診療拠点病院に指定されており、各地から多くの肺がん患者さんが訪れて、肺がんセンターの様相を呈している。モットーは「診断には厳しく、患者さんには優しく」。何よりも呼吸器センターとして呼吸器外科、病理科それに放射線科との連携が強固である。さらに、膠原病あるいは関連疾患と肺病変を、リウマチ・膠原病専門医(佐々島医師)の目で診察することができるのも大きな特徴といえる。

症例数

新患紹介率は85%と高い。08年度初診患者は1,889人、入院患者は1,285人で肺がん患者は605人であった(08年度新規肺がん患者数は132人)。1年間に行われた化学療法は300件以上におよんでいる。すべてガイドラインに沿ったもので、院内の審査を受けたものである。中には全国や北日本の他施設との共同研究(治験)もある。原則全例がん細胞の遺伝子検索を心がけており、個別化治療を目指している

★その他の入院症例は感染症251例、各種間質性肺炎42例、気管支喘息33例、COPD(慢性閉塞性肺疾患)12例などであった

★内視鏡は外来と入院で行っているが、入院での検査が234例と多くを占める。市肺がん検診で要精検者の6割以上の方が当院で検査を受けている

★レーザーやAPCで早期肺がんや気道病変の治療に当たっている。蛍光気管支内視鏡も用いている

★胸腔鏡は特にびまん性肺疾患の診断には有用である。診断や鑑別に時に肺生検を行うが、治療・予後の推定に貢献している

★病理診断は欠かせず全国屈指の肺病理医(冨地医師)なくしては医療の質の向上・維持は語れない。

医療設備

CT、MRI、リニアック、PET-CT、各種レーザー、APCなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

原発性肺がんをはじめとする各種の肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍などの腫瘍性疾患、自然気胸や巨大ブラなどの嚢胞性肺疾患、肺化膿症や膿胸などの感染性疾患、胸膜中皮腫を主体とする胸膜疾患、胸部外傷など呼吸器外科領域全般にわたる外科療法に携わっている。び慢性肺疾患に対する肺生検や縦隔リンパ節生検(縦隔鏡)など、内科疾患における確定診断にも積極的に参画している。日常診療では、カンファレンス等を通じ特に呼吸器科、放射線科、病理診断センターとの緊密な連携を心がけている。

症例数

09年の手術総数は197例で、その内訳は原発性肺がん102例、転移性肺がん8例、縦隔腫瘍13例、感染性疾患6例、自然気胸50例等である。当科の肺がん手術においては低侵襲の胸腔鏡手技を十分に活用しつつ、安全性と根治性のバランスを常に考慮しており、具体的にはリンパ節郭清水準維持(根治性)の観点から、背部小開胸アプローチによる胸腔鏡補助下肺葉切除術を施行している。一方、画像上すりガラス陰影を呈するような早期肺がん症例では低侵襲性を重視し、術中リンパ節迅速診断を多用した区域切除(縮小手術)を積極的に行っている。また、局所進行肺がん症例(II期~III期)に対する、気管支形成術や血管形成術などの手技を駆使した拡大根治手術への積極的な取り組みも当科の特徴である。肺がんの切除成績(5年生存率、04年)はI期(IA+IB)83%、II期(IIA+IIB)62%、III期(IIIA+IIIB)18%、IV期20%であり、最新の全国肺がん切除例における治療成績(02年)と比較し良好である。

医療設備

MDCT、MRI、PET-CT、ヤグレーザー、ガンマナイフ、リニアックなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

循環器科

分野

循環器科

特色

岩手の県立病院は医療が貧困だった50年(昭和25年)の岩手県医療局の発足に始まる。ほぼ四国4県の広さを有する県土に、現在27を数える県立病院・診療所が存在する。この規模は本邦一であり、全国自治体病院のモデルともなっている。当院はそれら県立病院・診療所の最も上位に位置する病院であり、県営医療の中枢機関である。現在685床で、県都盛岡市をはじめ、県内34町村はもとより県外からも多数の患者が来院する。当科は県民にPCI(経皮的冠動脈形成術)やPTA(末梢血管カテーテル治療)をはじめ、多くの高度先進医療を日々提供している。施設認定は、経皮的冠動脈形成術、高速回転式経皮経管アテレクトミー(ロータブレーター)、大動脈内バルーンパンピング法、ペースメーカー移植術、ICD(植え込み型除細動器)、両室ペースメーカー移植術などの各認定施設基準を満たし、日本循環器学会研修施設、日本心血管カテーテル治療学会研修施設、厚生労働省臨床研修指定施設などに認定されており、厳しい基準を満たしている。また、毎年多くの学生や研修医が施設見学に訪れている。

症例数

当科の病床数はCCU 3床、一般病棟44床。08年度の年間入院患者数19,265人、年間新入院患者数1,936人。心臓カテーテル総数1,581件、PCI件数569件(緊急PCI 157件)、PTA 110件、EPS 30件、アブレーション28件、PMI 119件、ICD 10件、CRT治療4件、心エコー総数3,126件など

★虚血性心疾患の治療は薬物治療を基盤として、カテーテル治療を積極的に施行している。スタッフによる常勤体制をとっており、24時間365日救急対応が可能であり、救急隊および他院からの収容要請は全例受け入れている。待機的に施行されるPCIは、その94%にステント留置を行い、必要があればロータブレーター(高速回転冠動脈切除術)を施行している。慢性完全閉塞症例にも積極的に取り組んでいる。慢性完全閉塞を含むPCIの初期成功率は97%である。年1回カテーテル治療ライブデモ(岩手リアルワールドライブ)を開催し、全国の著明な循環器医との指導、討論などの機会を設け、若い循環器医の育成にも力を注いでいる

★末梢動脈疾患の治療も積極的に行っている。近年の高齢化社会、生活習慣の欧米化による動脈硬化性疾患の増加は様々な問題を投げかけているが、なかでも末梢動脈疾患は放置されることも多く、重症虚血肢に進展して初めて病院を受診する患者も少なくない。当院では08年から院内にフットケアチームを立ち上げ、循環器外来の特殊外来としてフットケア・ASO外来を開設した。積極的に血管内治療を行うとともに、他科とも連携し治療にあたっている。また、近隣の透析病院をはじめ、積極的な病診連携を図っている

★慢性心不全の治療はβ遮断薬やRAS系阻害薬などの薬物治療が原則であるが、末期拡張型心筋症や難治性心不全に対しては、CRT治療も行っている。また、ハンプ外来を設置しており、急性増悪による入院回数を減少させることで成果をあげている

★不整脈や意識消失発作の例には、ホルター心電図、Tilt-up試験やEPSを積極的に行っている。頻脈性不整脈に対してはEPSを行った上で、適応があればカテーテルアブレーションを行い、根治治療を目指している。また、持続性心室性頻拍症に対する植え込み型除細動器(ICD)の植え込みも行っている。徐脈性不整脈に対してはペースメーカー植え込み術を行っている。

医療設備

心臓カテーテル装置2台、血管造影画像院内ネットワーク装置、IABP、PCPS、血管内超音波、冠血流測定装置、OCT、SPP、FMD測定装置、ABI、心臓超音波エコー・ドプラ装置3台、エルゴメーター、トレッドミル、ホルター心電計、Cardio Labo(電気生理学的検査装置)、心臓核医学検査、CT、MRIなど、充実した設備が整っている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

心臓血管外科

分野

心臓血管外科

特色

主として成人の心臓、大血管疾患に対する定期手術以外に緊急手術にも常時対応している。また、大動脈瘤に対する血管内治療(ステント留置)も積極的に行っている。閉塞性動脈硬化症に対してはカテーテル治療が主体となっており、外科的手術は少なくなっている。

症例数

09年の心臓大血管の手術数は心臓大血管146例、末梢血管10例で、死亡は3例(手術死亡率2.1%)であった。心臓大血管手術の主な内訳は、虚血性心疾患50例、心臓弁膜症41例、大動脈疾患46例である。最近では、手術の対象となる患者さんはますます高齢化しており(09年の最高齢は85歳の冠動脈バイパス手術症例であった)、積極的に高齢者の手術にも取り組んでいる。さらに、手術に伴う合併症を可能な限り少なくするために心拍動下冠動脈バイパス術や、血管内治療に代表される低侵襲手術を積極的に採用している。疾患別の特徴をあげると、まず冠動脈バイパス手術の8割は人工心肺を使用しない心拍動下の手術である。新たな人工弁の開発などにより、心臓弁膜症に対する外科治療も進歩している。心臓弁膜症では適応があれば弁形成術を積極的に採用し、人工弁置換の場合も患者さんのQOL(生活の質)を考えて人工弁を選択している。また、高齢化に伴い大動脈疾患や閉塞性動脈硬化症の症例は増加傾向にあり、大動脈解離や大動脈瘤破裂に対する緊急手術も積極的に行っている。腹部大動脈瘤に対する血管内治療(ステント留置術)も積極的に行っており、その適応を胸部大動脈まで拡大している。さらに、重症で複雑な症例は、東北大学心臓血管外科と連携して治療にあたっている。閉塞性動脈硬化症に対しては、循環器科と連携し血管内治療(カテーテルによる治療)を第一選択としているが、それが不可な場合は積極的に手術を行っている。

医療設備

人工心肺、IABP(大動脈内バルーンパンピング)、PCPS(経皮的人工心肺補助装置)、CHDF、セルセーバーなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

腎臓内科

分野

腎臓内科

特色

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、血管炎症候群(急速進行性腎炎)、糖尿病・膠原病・血液疾患などに伴う腎疾患等内科的腎疾患全般を扱い、慢性腎不全の管理(血液透析、腹膜透析を含む)も行う。北東北の拠点病院であり、岩手県内のみならず、青森県、秋田県からの紹介も多い。慢性腎炎、ネフローゼ症候群、血管炎症候群などの診断・治療に不可欠な腎生検組織診断は、検査成績と照らし合わせ腎臓内科医自らが行う。

症例数

月間外来数約1,000人、年間新入院数約300人、年間腎生検数100~120例、年間新規透析導入数50~60例

IgA腎症=最も一般的な慢性腎炎。検査成績・腎生検所見を考慮し必要と判断される例に対し、扁桃腺摘出ステロイドパルス療法を年間約30例行っている(完全寛解率約60%)

全身性血管炎症候群=年間10~15例、1年後生存率約75%。最近10年間の症例数が100例を超え、そのデータに基づき治療を行っている

ネフローゼ症候群=年間約50例。原疾患・年齢などを考慮のうえ、適切な治療を選択している

糖尿病性腎症=近年増加し透析導入患者の半数近くを占めるが、まず腎障害が糖尿病性かどうかを十分検討する。糖尿病性以外の疾患を疑う時は腎生検を行う。糖尿病性腎症であれば、厳格な血圧、血糖のコントロール、食事指導を行う

膠原病およびそれに伴う腎疾患=SLEに伴うものが多いが、ほぼすべての膠原病に伴う腎疾患の経験を有する

★その他、血液疾患に伴う腎疾患の経験も豊富である

透析療法=血液透析、腹膜透析を患者さんの希望、社会的環境を考慮し選択している。導入後、前者は近医に紹介となり、後者は当院外来で治療を継続する。

医療設備

透析ベッド5台、移動式血液浄化装置2台、ICUに持続緩除式血液濾過装置3台。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

泌尿器科疾患全般を対象にしているが、近年は尿路がんの治療が増加している。尿路がんに対しては、手術療法を中心に、各科と連携を取りながら抗がん剤による化学療法、放射線療法など集学的に治療を行っている。また、当科での体外衝撃波による尿路結石治療は20年が経過し、結石の性状によっては、衝撃波だけでの治療では限界があることの予測も可能となっている。単回での治療を目標とするため、結石の大きさや介在する部位によっては、経尿道的な内視鏡による砕石を行っている(特殊な結石に対しては経皮的に対処)。

症例数

09年の手術件数は、腎がん手術25例、腎尿管がん手術10例、その他の腎手術2例、膀胱全摘術7例、経尿道的膀胱腫瘍切除術101例、前立腺全摘術(前立腺がん手術)68例、経尿道的前立腺切除術(前立腺肥大症手術)35例、経尿道的尿路結石砕石術(主としてレーザー使用)45例など、計411件であった。その他、根治を目的とした前立腺がん放射線療法15例、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)253例、前立腺生検は308例であった。セカンドオピニオンにも応じている

★前立腺がんの増加が著しく、前立腺がんには積極的に手術療法を行っている。また、その他の尿路がんも手術療法が中心になるが、膀胱がんでは可能な限り臓器温存に努めている。腎細胞がんに対する分子標的薬による治療、腎盂尿管がん・膀胱がん・前立腺がんに対する抗がん剤による治療も行っている。前立腺がんに対する放射線療法は外照射であるIMRT(強度変調放射線療法といって、周囲の臓器への副作用を減らすため、がんの形に合わせて様々な角度から放射線を照射する方法。08年に保険適用された)を10年度中に開始する予定で準備を進めている。

医療設備

MRI、MDCT、PET、IMRT、ESWLなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

27ある岩手県立病院の中心施設として全県域を診療圏に、高度医療、地域支援などの役割を担っている。

症例数

産科領域では、地域周産期センターとしての機能を発揮すべく小児科と連携し、児がNICU(新生児集中治療室)に収容が必要とされるような妊婦および合併症妊婦の管理に重点をおいている。なかでも早産の予防、子宮内胎児発育遅延の治療を精力的に実施している。09年の分娩数は、他院からの紹介と母体搬送を含め616例で、そのうち214例が帝王切開を必要とした。なお、早産例は全分娩数の10%以下であった

★婦人科領域では、がんセンター機能を発揮すべく、がん医療に最も重点をおいている。初期がん(子宮・卵巣)などに対しては、妊孕性温存を目的とした術式で成果をあげている。進行がんに対しては、症例によっては他科との連携による腫瘍減量手術療法や放射線療法、そしてEBM(科学的根拠に基づく医療)に沿った化学療法の併用を実施するとともにQOL(生活の質)の向上を図っている。09年の婦人科手術は365例で、悪性腫瘍は子宮頸がん42例(初期がんを含む)、子宮体がん25例、卵巣がん16例であった。そしてまず患者さんのお話をよくお聞きした後、病名および症状を十分に説明し、個別治療を施行している。同時に各疾患に対する患者さん用と医療者用のクリニカルパスを作成し、必要な情報を双方が共有することにより入院期間の短縮、質の高い医療とともに、心の悩みを治す医療を提供している。

医療設備

MRI、CT、PET-CT、US、炭酸ガスレーザー、リニアック、子宮鏡、腹腔鏡他。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

眼科

分野

眼科

特色

①外来では眼科全般の診断・治療を行っている。②入院では主に手術治療(白内障・網膜硝子体手術・斜視手術・緑内障等)を行っている。病診連携や病病連携を積極的に実施しており、病状の安定した方は紹介元の医療機関に紹介している。

症例数

年間の初診患者数は約1,000人、外来患者数は約14,000人。年間手術件数は約800件で、その約6割は他院からの紹介である。内訳は白内障手術約500件、網膜硝子体手術約180件、緑内障手術約20件、斜視手術約20件、その他となっている。平均入院日数は7.7日

★白内障手術は、ほぼ全例にfoldable IOLを用いた小切開無縫合手術を行っており、希望によって入院手術か日帰り手術かの選択が可能。日帰り白内障手術は年間約100件行っており、入院の場合の入院日数は片眼で4~5日、両眼で8日

★硝子体手術は硝子体出血、糖尿病網膜症、網膜剥離、黄斑円孔、黄斑上膜や黄斑浮腫など、各種網膜硝子体疾患に対して積極的に行っている。ほぼ全例で25ゲージ手術システムによる小切開手術を行っており、特殊な場合を除いて入院は約1週間となっている

★加齢黄斑変性症に対して、04年8月から現在まで約170件の光線力学療法を行っている。09年7月からは抗VEGF治療を開始し、現在までに約20例に対して施行している

★弱視・斜視については3人の視能訓練士が常勤し、乳幼児から成人まで一貫した検査・治療を行い、必要により手術を施行している

★随時ロービジョン外来を設け、重度視機能障害患者さんに対して残余視機能の向上を図っている。屈折矯正手術、角膜移植、涙道手術、眼窩手術、悪性腫瘍手術は行っていない。

医療設備

角膜形状解析装置、角膜内皮測定装置、蛍光眼底カメラ、視野計ほか各種眼科検査器械類、マルチカラー光凝固装置、光線力学的療法半導体レーザー装置、ヤグレーザー装置、白内障・硝子体手術装置、手術顕微鏡。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域全般(甲状腺は除く)の診療を行っている。特に内視鏡下鼻副鼻腔手術、唾液腺腫瘍(耳下腺、顎下腺など)手術、喉頭手術、中耳手術などに重点を置いている。

症例数

岩手県では耳鼻咽喉科医師が少なく、入院手術が可能な施設が県内には少ないこともあり、盛岡市以外の県内各地からも手術目的で紹介になる患者さんが多い。09年の手術件数は365件。内訳は、鼻内内視鏡鼻副鼻腔手術91例、扁桃摘出術(アデノイド切除も含む)102例、喉頭微細手術32例、耳下腺腫瘍摘出術13例、顎下腺摘出術7例、気管切開術39例、喉頭全摘術4例、頸部郭清術3例、頸部腫瘍摘出術5例、鼓膜・鼓室形成術6例などである。当院には腎臓内科があり、特にIgA腎症の患者さんが扁桃摘出術目的で多数紹介があり、当科で手術を行った後に腎臓内科へ転科し、ステロイドパルス療法を施行している。頭頸部がんについては手術の他にも、症例によっては放射線同時併用化学療法を行っており、放射線科と毎週1回症例検討会を開きながら共同で治療に当たっている。入院手術の他にも、外来での日帰り局所麻酔手術を多数行っている。鼻アレルギーの重症例に対しては、アルゴンプラズマによる鼻粘膜焼灼術を外来にて行っている。また、当院は急性期病院であり、手術治療の患者はほとんどの症例でクリニカルパスを導入し、可能な限り短期間での入院治療を行っている。また、救急患者を積極的に受け入れていることから、急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、鼻出血、めまいなどで入院治療を行う症例が年間約80例ある。

医療設備

MRI、CT、PET、リニアック、電子内視鏡、ABR、アルゴンプラズマ、サージトロン、マイクロデブリッダーなどを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

当院は静閑な文教地区に位置し、療養に適した環境にある。認定専門医2人と後期研修医1人で診療にあたっている。岩手医大が悪性腫瘍を集学的に治療している関係上、当院では感染症の患者を扱うことが多い。入院定床は8床。

症例数

腫瘍切除、熱傷の植皮術を恒常的に行い、褥瘡や皮膚潰瘍の陰圧吸引療法も行っている。悪性腫瘍のリンパ節郭清やセンチネルリンパ節生検は外科や岩手医大と連携している。その他の対象疾患は、帯状疱疹や中毒疹、糖尿病性壊疽、交通外傷、犬・猫・マムシ咬傷、恙虫病、アナフィラキシーなどである

★レーザー、ケミカルピーリング、ワイヤー爪矯正は近医に紹介している

★アトピー性皮膚炎はガイドラインに沿った治療を行い、アレルギー検査(RAST、パッチテスト、プリックテスト)も行っている。丘疹-紅皮症では内臓悪性腫瘍や血液疾患の合併の有無の診断に力を入れ、腫瘍マーカー検査、PET検査や内科との密な連携診療をしている。また、難治性尋常性乾癬に対する生物学的製剤(TNFα阻害薬)の使用承認施設である。脱毛症はSADBE療法、冷凍療法、PUVAなどを組み合わせている。終末期の皮膚がんについては積極的に姑息的手術を行い、手術不能例については、モーズペースト外用や緩和ケアチームと共同でQOL(生活の質)の向上に努めている

★09年の病理組織検査数は合計335件、入院患者は206人。その内訳は良性腫瘍44人、悪性腫瘍26人、帯状疱疹17人、じんま疹11人、熱傷4人、皮膚潰瘍・壊疽12人、褥瘡悪化2人、中毒疹24人、蜂巣炎・丹毒23人、膿皮症5人、自己免疫水疱症9人、その他29人であった。

医療設備

医療用紫外線装置(UVA)、ダーモスコピー、PET(院内)など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

総合内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

当科は発熱疾患などの一般内科診療と糖尿病、高血圧、内分泌疾患などの専門分野を担当している。メタボリック症候群の患者を中心に、10日間の生活習慣病改善入院を実施し、退院後の生活習慣の改善に何が大切か個別指導をしている。また、眼科、腎臓内科と同じ病棟にあり連携が容易にとれ、栄養士、薬剤師、看護師を含め、チーム一丸となって患者指導を行っている。内分泌領域では、下垂体・副腎疾患を中心に豊富な治療経験を有し、特に、電解質異常、内分泌腫瘍の診断・治療に実績を持っている。

症例数

★現在通院中の糖尿病患者は約700人、1型糖尿病は約1割、インスリン治療中の患者は約300人おり、インスリン注射中の患者のほとんどが血糖自己測定を行っている。糖尿病患者の入院数は年間200~250人である。近隣医療機関からの紹介患者は血糖改善後、原則として紹介医へ戻すように心がけている。また、落ち着いている患者は近医へ紹介し、「2人主治医制」による病診連携のネットワーク作りを進めている。開業医の先生と糖尿病患者会を持ち、一緒に料理教室や勉強会などの活動を行っている。院内の循環器科に週1回フットケア外来が開設され、足病変の予防に努めている。また、末梢血管インターベンション治療が可能となっている

★下垂体・副腎疾患等については、綿密なホルモン検査や画像診断を駆使して短期に診断をつけ、脳神経外科、消化器外科と連携をとりながら治療を進め、治療成績のさらなる改善に努めている。

医療設備

CT、MRI、シンチグラフィー、血管造影、PET、エコーなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

神経内科

分野

神経内科

特色

神経内科は脳神経外科とともに全スタッフで脳神経センターを構成し、協力しながら外来診療、入院診療を行っている。また、休日・夜間もペアになった神経内科もしくは脳神経外科の医師が24時間体制で救急診療を行い、当院救急車搬入の約30%に相当する年間1,500件の救急車を脳神経センターでは受け入れ、対応している。あらゆる神経疾患が救急搬送されるが、特に脳卒中救急搬送の件数が多い。神経内科の紹介率は70%前後、逆紹介率は40%前後であり、急性期から亜急性期、慢性期の施設との診療連携も緊密である。

症例数

年間入院患者数は約700人。そのうち約400人が急性期脳梗塞患者である。平均入院期間は、長期入院が必要な筋萎縮性側策硬化症や脊髄小脳変性症、その他の慢性疾患を含めて約20日

★最も得意とする専門領域は、脳梗塞の急性期治療と慢性期再発予防、脳梗塞危険因子の治療である。急性期脳梗塞のrt-PAによる血栓溶解療法を受けられた患者数は岩手県で最も多く、10年3月末で60人を超えた。また、脳卒中クリニカルパスを導入し、リハビリ専門病院やクリニックとの連携を強化している

★神経免疫疾患の治療症例も数多く、免疫吸着療法、大量ガンマグロブリン療法、血漿交換は通常に行っている治療法である

★当科では基本的にあらゆる領域の急性脳神経疾患に対応している。

医療設備

CT、MRI、MRA、SPECT、PET、シンチグラフィー、脳血管撮影、頸動脈エコー、心エコー、経食道心エコー、脳波、末梢神経伝導速度検査、筋電図、筋生検、誘発電位。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

当院は21県立病院のセンター病院である。5人の脳神経外科医と7人の神経内科医(2人はレジデント)で脳神経センターを構築し、24時間体制で神経系の救急疾患、とりわけ脳卒中に積極的に対応している。くも膜下出血、脳出血、頭部外傷など救急疾患はもとより、脳腫瘍、閉塞性脳血管性障害、未破裂脳動脈瘤、顔面けいれん、三叉神経痛など広い分野を扱っている。顕微鏡手術、脳血管内治療、定位放射線治療を駆使して、患者本位の診療を行っている。全国で数少ない日本脳神経血管内治療学会認定施設でもある。

症例数

年間入院患者数約700人、手術件数約250~300件。脳動脈瘤クリッピング50~60例、コイリング20~30例、脳腫瘍30~40 例、東北有数の手術症例をこなしている

チーム医療=脳神経外科、神経内科、神経放射線医が毎週月曜日一同に会し、症例検討を行っている。このカンファレンスにより、的確な診断に基づいたより良い治療を選択している

低侵襲治療=脳血管内治療を早くから取り入れてきた。脳動脈瘤、虚血性疾患、AVM(脳動静脈奇形)、硬膜動静脈瘻などの疾患に対し、開頭手術との比較検討を1例ごとに行っている。また転移性脳腫瘍、深部脳腫瘍など従来の外科的治療が困難であった疾患に、定位放射線治療を行ってきた。顕微鏡手術では、ニューロナビゲーター、術中モニタリング、神経内視鏡、術中DSAなど、最新のテクノロジーを駆使しながら、最善の結果を目指して治療に取り組んでいる。

医療設備

MRI 2台、3DCT、SPECT(脳血流シンチグラフィー)、DSA(脳血管撮影装置)、ニューロナビゲーター、手術用超音波吸引装置、放射線照射装置、定位脳放射線治療、神経内視鏡などを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

乳腺外科

分野

乳腺・内分泌外科

特色

外来初診時に問診・視触診、マンモグラフィ、超音波検査を行い、悪性が疑われる場合はそのまま細胞診や針生検を行うので、確定診断までの時間が短い。手術待ちの期間は通常2~3週間程度。手術は、画像による正確な広がり診断、全周性の術中迅速病理診断、脂肪弁による形成を行い、安全で整容性に優れた温存手術を施行している。

症例数

09年の初発乳がん手術数は162例、うち122例(75%)に温存手術が行われている。温存療法の適応は、乳がんを取り切るのに必要な切除乳腺と補填する脂肪弁との相対的な関係で決定しているので、腫瘍径や部位は問わない。限局型のがんは、主に高齢者において温存乳房に対する放射線療法を省略している。センチネルリンパ節生検は色素法で行っており、同定率は97%程度である。術前薬物療法は、主に術後に薬物療法が必要と予想される症例に対して行い、薬物の効果判定と予後予測に用いている。術後薬物療法はガイドラインに準じた治療法を提案し、最終的には患者さんの希望を加味して決定している。術後は6カ月ごとに乳房と所属リンパ節に対する超音波検査と2年ごとのマンモグラフィを行い、二次がんや局所再発の早期発見を心がけている。遠隔再発の検査は、症状がある場合に随時行っている。再発治療はQOL(生活の質)を重視し、できるだけ長い期間、自宅で家族と通常の生活が送れるように配慮している。乳がん看護認定看護師が、希望のある患者さんに対しては初診時から種々の相談を受けている。病期別の5年生存率は、病期I:94%、II:89%、III:75%、IV:39%であった(02~04年における412例の成績、他病死と予後不明2人を除く)。

医療設備

MMG(マンモグラフィ)、US(超音波診断装置)、CT、MRI、PET、放射線治療装置(リニアック、ガンマナイフ)など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

がん化学療法科

分野

癌化学療法

特色

当院は全国に32病院ある「全国がんセンター協議会(全がん協)加盟病院」であり、岩手県内のがんセンター的な機能を担ってきた。当科は、06年4月に新設され、10年度で5年目を迎える診療科である。がん薬物療法専門医が化学療法を施行している数少ない施設である。

症例数

当科の4年間の新患者数は計700人余り、平均して年間175人である。大腸がん、胃がんなどの消化器疾患を主に診療している。4年間の平均では、年間に大腸がん67例、胃がん50例、膵・胆道がん20例、食道がん12例等となっている。消化器系の神経内分泌細胞がんや、AFP産生胃がんなど稀な疾患も数多く治療している一方で、軟部肉腫、胚細胞腫瘍、原発不明がんなどの腫瘍内科的な疾患も担当している。原則として、大腸がんの一次治療では、オキサリプラチンベースかイリノテカンベースの化学療法にベバシズマブを併用しており、胃がんでは、TS-1+シスプラチン療法(腎機能が不良、あるいは腹水の方には、TS-1+ドセタキセル療法)を選択している。標準療法が不適格な方でも、可能な化学療法を選択し、体調に合わせて最適な治療を提案している。当科での化学療法により、大腸がん肝転移巣切除の症例も増加してきている。食道がんの術前化学療法を担当したり、放射線化学療法後のサルベージ手術を当院消化器外科で担当したりと、消化器外科、放射線治療科、消化器内科の間で緊密な連携を行いながら、集学的な治療を行っている。09年度の、当院全体の外来化学療法件数は年間5,430件、当科は年間1,959件であった。外来化学療法室は当初8床でスタートしが、外来化学療法件数の増加に伴って、現在18床で運用している。改修工事後は、さらに30床に増床予定である。

医療設備

クリーン病室1室、CT、MRI、PET-CTなど。リニアック2台。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

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