大津赤十字病院(滋賀県大津市)が名医に推薦されている分野
専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域
大津赤十字病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。
※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表
外科
分野 |
消化器・一般外科 |
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特色 |
当院は日本外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本乳癌学会の認定施設であり、また03年8月には県下唯一のがん診療広域中核拠点病院に指定されている。当科では、食道、胃、大腸などの消化管の癌や、肝胆膵の癌に対して専門的で高度な治療を行っている。それぞれの癌の治療は、院内癌治療対策委員会の消化器癌治療検討部会で作成されたガイドラインに沿って行われている。また当院には、救命救急センターが併置されており、24時間体制で救急患者の受け入れを行っており、多くの緊急手術が行われている。栄養サポートチーム(NST)、感染制御チーム(ICT)の活動により、術後の径腸栄養の導入や手術部位感染(SSI)の減少を目指した多くの取り組みを行っている。必要に応じ、癌の治療に緩和ケアチームが参加する。小児外科部は98年に設置され、小児外科疾患に対する専門的外科治療を行っている。02年10月からは外来化学療法室が整備されており、多くの患者さんに通院で外来化学療法を行っている。当院は、03年7月に地域医療支援病院になっており、5大がんについてはすでに地域連携クリニカルパスが整備されている。患者さんの手術後は、開業医の先生と共同で地域連携クリニカルパスに則ったフォローアップを行っている。 |
症例数 |
年間の手術件数は約1,000例。全身麻酔症例約730例、腰椎麻酔症例220例。年間の救急手術件数は約200例 ★胃癌=手術症例は年間約100例。症例により別途消化器内科で内視鏡治療(EMR・ESD)を行っている。胃切除手術はD2郭清を原則としている。適応によって縮小手術や拡大手術を行っている。ステージII期とIII期の胃癌患者さんには十分な説明・同意のうえで、術後補助化学療法を行っている。治癒切除不能胃癌の術後補助化学療法に関するランダム化比較試験を行っており、患者さんの自由意思で臨床試験に参加してもらっている。胃癌の5年生存率は、IA期96.6%、IB期90.5%、II期78.3%、IIIA期63.2%、IIIB期25%、IV期16.7% ★大腸癌=手術件数は年間約120例。現在、直腸癌を含め大腸癌手術の42%を腹腔鏡下手術で行っている。左側大腸癌イレウス症例には、術前の径肛門的内視鏡的減圧チューブの挿入と、89年より当科で施行している術中洗腸療法を行い、一期的吻合を行って入院期間の短縮を図っている。直腸癌に対しては神経温存術式を基本にしている。大腸癌の肝転移は切除術を含む集学的治療で対処しており、肝の1葉のみに転移をみとめるH1症例の5年生存率は42%、両葉に転移をみとめるH2~3症例の5年生存率は18%、全体では33%。手術切除の適応外の肝転移症例には、ラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈塞栓術(TAE)、肝動注療法、化学療法等を症例ごとに検討し行っている。化学療法はFOLFOX、FOLFILIを取り入れ、進行大腸癌症例に行っている ★肝胆膵疾患=胆嚢摘出術(年間約150例)が多く、腹腔鏡下手術を第一選択としている。肝切除は年間約20例。原発性肝癌、転移性肝癌、胆のう癌、肝門部胆管癌などに行っている。膵頭十二指腸切除術は年間約20例。膵癌、下部胆管癌、乳頭部癌、十二指腸癌などに行っている。臓器温存が可能な全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)を基本術式にしている。また門脈浸潤がある場合も門脈合併切除を伴うPPPDを安全に行っている。膵癌に対しては、切除可能な場合はもちろんのこと切除適応のない症例に対しても、当科の治療アルゴリズムに則って患者さんに最も適した全身化学療法や放射線化学療法などの治療方針を提示している。胆管癌の5年生存率は、下部胆管癌が77%、中部胆管癌が54%、肝門部胆管癌が33%、全体では33%である。 |
医療設備 |
ICU、NICU、MRI、MDCT、レーザー、マイクロ波凝固装置、ラジオ波焼灼装置、CUSA、リニアック、腹腔鏡下手術装置、超音波切開凝固装置。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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呼吸器科
分野 |
呼吸器外科・呼吸器内科 |
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特色 |
呼吸器疾患全般を扱っている。最多の疾患は肺癌で、当院には放射線治療部門も揃っており、外科的治療、化学療法、放射線治療のあらゆる治療法が可能である。手術例では根治的系統リンパ節郭清術を行い、I期例を主体に90%を胸腔鏡下手術で行っている。進行例では化学療法、放射線療法を加えた集学的治療を行っている。手術のインフォームド・コンセントは書面で行っている。呼吸器外科的には原発性肺癌以外に、転移性肺腫瘍、良性肺腫瘍、嚢胞、気胸、炎症性疾患、縦隔腫瘍、胸壁の疾患、膿胸に対して手術を中心とした治療法を行っている。呼吸器内科的には肺癌、肺炎、喘息、間質性肺炎、肺気腫等の閉塞性肺疾患、他に睡眠時無呼吸症候群などを対象としている。急性期の呼吸不全に対しては鼻マスクによる非侵襲的陽圧人工呼吸(NPPV)を行っている。放射線科医を交えた合同カンファレンスを毎週行い、入院患者情報を共有し、多角的に分析する機会を得ている。約60余人の入院患者さんと70人弱の外来患者さんの診療を行い、大津市西部・高島地区のがん診療拠点病院であり、呼吸器疾患の最終病院である。 |
症例数 |
最近の年間手術件数は約130例で、肺癌約60例、転移性肺腫瘍7例、縦隔腫瘍5例、気胸36例、その他であった ★肺癌に対しては、基本的に病期IA期からIIIA期までを手術対象としている。肺葉切除が不要な浸潤性のない早期癌例、高齢者や心肺機能が低下した患者さんにはQOL(生活の質)を考慮して縮小手術を行っている。術前臨床病期I期およびそれに準ずる患者さんには胸腔鏡下による手術法を用いている。腫瘍占拠範囲により気管支形成、血管形成を行うことにより過度な肺切除が行われることを防ぎ、左房、胸壁などの他臓器合併切除を加えることによって手術根治性を高めている。一部の進行患者さんには心臓血管外科と共同で大血管切除・同人工血管置換術も行うことがある。しかし、腫瘍が巨大化していたり、縦隔に巨大なリンパ節転移を伴う場合には、集学的治療の観点から術前に化学療法や放射線療法を加えることにより腫瘍の縮小化、微小転移の消失化を得た後に積極的に根治的切除を行っている ★肺癌の術後5年生存率は全体で52%、I期で約75%、II期で約45%、IIIA期で約35%である ★胸腔鏡下手術は、他に気胸、良性の縦隔腫瘍などの治療や審査的手術にも行っている ★肺炎に対しては喀痰グラム染色、さらに最近簡便に使用できるようになった尿中抗原検査も併用し、速やかな薬剤選択が可能となっている。高齢化に伴い誤嚥性肺炎は一定の割合を占めており、食事介護、口腔ケア、胃ろう造設も含めた多面的な取り組みを行っている ★生活指導を含め主として吸入ステロイド、長時間作動型吸入気管支拡張剤を用いた吸入療法を中心に治療を行っており、夜間の救急受診と入院は少なくなった。自己管理のできている中等度以下の患者さんでは、ほとんど外来通院のみでコントロールできている ★間質肺炎には血液検査、画像所見、その他必要に応じ肺胞洗浄液、経気管支鏡下生検結果をふまえて、ステロイド、免疫抑制剤などによる治療を行っている ★肺気腫等の閉塞性肺疾患(COPD)には抗コリン剤吸入や去痰剤、気管支拡張剤の投与と気道感染併発時には抗菌剤の併用を行っている。最近は一部の患者さんに吸入ステロイドも併用している ★気道分泌のない急性期の低酸素血症と高炭酸ガス血症を伴うII型呼吸不全に対しては、鼻マスクによる非侵襲的陽圧人工呼吸(NPPV)を用い、呼吸状態の安定化を得るようにしている ★睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対しては終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)を施行し、在宅での陽圧人工呼吸療法(CPAP)を導入している。これにより昼間の眠気がなくなり高血圧も改善する傾向が得られている ★慢性呼吸不全には在宅酸素療法(HOT)を導入している。 |
医療設備 |
CT、HRCT、MDCT、MRI、DSA、リニアック、各種シンチグラフィー、アルゴンプラズマ凝固装置(APC)、気道ステント、気管支鏡、経皮生検システム、縦隔鏡、胸腔鏡手術機器、超音波メス。PETは関連病院に紹介。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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循環器科
分野 |
循環器科 |
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特色 |
当院は救命救急センターを併設し、救急患者が多い病院である。現在ICU・CCUを6床備え、循環器当直の24時間体制で、急性心筋梗塞、狭心症、心不全、不整脈など、救急を要する心疾患の治療に積極的に取り組んでいる。 |
症例数 |
09年の外来患者数は月平均3,000人、入院患者数は1日平均47人、CCU入院患者数343人で、平均在院日数は14日であった。非観血的検査として09年は心エコー3,179件、トレッドミル負荷498件、ホルター心電図320件、心臓核医学検査は負荷心筋シンチ350件、その他400件であった ★虚血性心疾患=急性心筋梗塞、不安定狭心症に対しては、冠動脈インターベンション(PCI)による再灌流療法を積極的に行っている。循環器当直医が24時間常駐し、再灌流までの時間を少しでも短縮するよう努力している。09年の緊急冠動脈造影は111件で、うち急性心筋梗塞が83件、不安定狭心症が21件であった。急性心筋梗塞の死亡率は7.2%であった。急性心筋梗塞の治療・リハビリテーションには2週間のクリニカルパスを導入し、厳重な監視の下に施行している。狭心症、無症候性心筋虚血に対してはトレッドミル負荷、ホルター心電図、負荷心筋シンチグラフィー、冠動脈CTなど非侵襲的な検査を行い、冠動脈造影の適応を決めている。治療方針についてはPCIに固執することなく、至適薬物療法、PCI、バイパス術などをエビデンス(科学的根拠)に基づいて決定している。心臓カテーテル検査・PCIはシンプルかつ安全に行う方針で、とう骨動脈アプローチを原則としている。09年の心臓カテーテル検査数は616件、PCIは199件で初期成功率は97%であった。うち94%にステントを留置し、65%が薬剤溶出性ステントであった。待機的PCIによる死亡例は最近経験していない。また冠れん縮性狭心症が疑われる症例に対しては、冠動脈造影時に積極的にエルゴノビンによる誘発試験を施行している ★心不全=重症心不全に対しては、大動脈内バルーンパンピング(IABP)や経皮的人工心肺補助装置(PCPS)、体外濾過法(ECUM)を活用し、救命のために努力している。入退院を繰り返す高齢者の心不全に対しては、かかりつけ医や訪問看護ステーションと連携し、心不全の増悪予防に努めている ★末梢動脈疾患=ABI、血管エコー、造影CTやMRアンギオを行い、血管内治療の適応を決めている。09年は10例にステント留置術を施行した ★不整脈=09年のペースメーカー植え込み術は新規30件、交換20件の計50件であった。発作性上室性頻拍や発作性心房細動に対するカテーテルアブレーションを行える体制もとっている ★腎疾患=蛋白尿・血尿などの検尿異常、ネフローゼ症候群から腎不全、透析導入、維持透析まで幅広い診療を行っている。新規維持透析患者は年間約60人、通院血液透析患者約60人、腹膜透析患者7人で、重症疾患を持つ慢性腎不全患者の管理を他科と協力して行っている。ICU・CCUの重症患者の持続血液濾過療法、血漿交換療法や各種吸着療法も、臨床工学技士の協力により24時間体制で行っている。腎疾患の腎生検は年間約30件行っており、退院後はかかりつけ医と協力して腎疾患患者の外来治療に当たっている。 |
医療設備 |
ICU・CCU、血管造影装置、心エコー、トレッドミル、ホルター心電図、核医学検査、MDCT、MR、IABP、PCPS、血液透析21床、ICU・CCUにおける透析2床など。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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心臓血管外科
分野 |
心臓血管外科 |
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特色 |
滋賀県の基幹病院として、小児から成人まで広範囲の心臓血管外科関連の手術を施行している。特に大動脈・末梢動脈・静脈疾患の血管治療は最先端を行く。救命救急センター・NICU・PICUが備わり、昼夜を問わず緊急手術に対応しており、急性大動脈解離をはじめ緊急手術症例が年々増加している。福岡医師は大動脈ステントグラフト内挿術の指導医として胸部・腹部ともに経験が豊富。また、閉塞性動脈硬化症に対してはカテーテル治療ならび外科治療と血管の内外から治療を行い、膝下へのバイパス手術も数多く施行している。その他、血液透析のための内シャント造設術・下肢静脈瘤手術も施行し、他施設からの紹介が多い。 |
症例数 |
この10年間の手術総数は約2,000例。内訳は開心術が約400例、大動脈瘤手術が約300例、ペースメーカー関連手術が約400例、末梢動脈手術が約600例、静脈疾患手術が約300例 ★緊急手術を除く心臓大血管手術死亡率は約1.0%。スタンフォードA型大動脈解離の緊急手術死亡率は約5%。年々高齢者が増加しているが、手術補助手段の一定化により成績は向上している。大動脈破裂の緊急手術は、遠方の紹介病院からの転送が多いこともあり手術死亡率は10% ★大動脈瘤は胸部・腹部ともにカテーテルで行うステントグラフト内挿術を基本としている。手術死亡例はない ★ペースメーカー関連手術は年間40〜50例施行し、感染症を含め特記すべき合併症はない ★内シャント造設術は他院での手術困難例の紹介が多く、人工血管の使用・上腕部静脈の表在化・PTA等も積極的に施行している ★下肢静脈瘤手術は、金〜土曜日の1泊2日にて不全交通枝結紮術と硬化療法の併用を施行。また、下肢深部静脈血栓症に対しての血管内治療を施行している。 |
医療設備 |
MRI、CT、DSA、シネアンギオ装置、PCPS、IABP。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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泌尿器科
分野 |
泌尿器科 |
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特色 |
患者の立場に立った、Evidence Based Medicine(EBM:科学的根拠) に基づいた、低侵襲・機能温存を重視した治療を、十分なインフォームド・コンセントの後に行うことを目指している。学会には積極的に参加し、国内はもとより、米国泌尿器科学会にも参加して最新治療の情報収集を行い、日常診療に生かしている。 |
症例数 |
泌尿器科疾患における腹腔鏡手術を03年秋から当院赴任以来開始し、10年04月までに、腎腫瘍、腎盂尿管腫瘍、副腎腫瘍、腎盂尿管移行部狭窄症などにおける腹腔鏡手術および後腹膜鏡手術を約300症例施行。09年度の1年間の手術件数は約600件と増加している。以下のごとく、EBMに基づいた診断・治療を積極的に施行している ★低侵襲治療=体外衝撃波砕石術、泌尿器科内視鏡手術一般(TUR、TUL、PNLなど)、体腔鏡手術、前立腺レーザー手術(HoLEP、HoLAP)、尿失禁・性器脱に対するTOT・TVMなどのメッシュ手術 ★機能温存=前立腺全摘における神経温存手術、膀胱癌の動脈内抗がん剤治療による膀胱温存(pT2以下で約80%CR)、膀胱全摘+新膀胱造設術など ★男性不妊症の診断治療=顕微鏡下精路再建術、顕微鏡下精索静脈瘤手術、体外受精の補助治療(MD-TESEなど) ★精巣腫瘍の大量化学療法・手術 ★性機能障害・男性更年期障害の診断治療 ★前立腺癌などの外来化学療法。 |
医療設備 |
ヘリカルCT、3DCT、MRI、ESWL、Ho-レーザー、リソクラスト、ウロダイナミクス、軟性膀胱鏡、骨密度、リニアック(IMRT: 07年4月より開始)など。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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形成外科・手の外科
分野 |
形成外科 |
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特色 |
手外科を中心とした機能的再建外科が特徴である。形成外科はもちろんのこと手外科とマイクロサージャリーの教育研修施設としての役割を担っている。他科(整形外科、耳鼻咽喉科、外科)との連携協力体制が整っており、外傷や腫瘍切除後の再建がよりスム-ズに行われるよう努力をしている。特に、四肢の再建は積極的である。 |
症例数 |
中央手術室での年間手術数は700-800件〈そのうち緊急手術は60-80件〉、その他に処置室における救急処置手術が多数ある ★手外科は、切断指や重度挫滅損傷を含む手の外傷(約130件)から腱鞘炎や手根管症候群あるいは先天異常まで多彩で、その重症度と機能的予後を考慮して治療計画を立てている。手指関節の手術には、ミニCアームX線装置を用いることで、治療効果を高めている。再接着指の生着率は15年間の平均で約85%、後療法・リハビリは作業療法士と連携して的確に実施、タイミングをみて二次再建術(腱剥離・移植・移行、骨移植、神経移植等)を行っている。また、保存療法とリハビリテーションにも積極的に取り組んでおり、手術適応は慎重に検討している ★皮膚軟部悪性腫瘍とそれに対する再建は40~50例で、術前に切除範囲と再建方法を検討し可能な限り一期的再建を心がけている。ただし、診断が確定しない場合には二期的再建としている ★熱傷手術症例は約30例で、そのうちの約半数は重症熱傷で救命救急部とうまく協力している ★症例により専門の大学病院や関連病院への紹介も躊躇せずに行っている ★美容外科・保険適用外診療・レーザー治療は行っていない。 |
医療設備 |
救命救急センター、CT、MRI、血管撮影装置、ドプラ血流計、手術用顕微鏡、ミニCアームX線装置など。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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産婦人科
分野 |
産婦人科 |
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特色 |
県下唯一の総合周産期母子医療センターであり、あらゆる周産期疾患に対応できる。また、当院が地域がん診療連携拠点病院であることに伴い、婦人科癌症例取り扱い件数は県下最大級である。 |
症例数 |
★産科=05~09年の年平均分娩数503件。双胎は年平均31件であり、07年30件、08年41件、09年45件と増加傾向にある。品胎はこの5年間で5件であった。帝切分娩を余儀なくされる症例が多い関係で帝切率は年平均34.6%と高い。低出生体重児(2,500g未満)の割合は年平均29.3%、1,500g未満児は7.4%で、05年の全国平均のそれぞれ3.1倍、9.3倍となり早産、胎児発育不全等ハイリスク症例が多いことを示す。母体搬送受け入れ数/県下全母体搬送数は05~09年それぞれ70/231、93/282、91/246、88/242、83/257で県下全母体搬送の平均33.8%を受け入れており、県下全受け入れ施設中最多数である。一方、患者さんが希望すれば正常妊娠症例も可能な限り受け入れており、バースプランの導入も行っている ★婦人科手術は、07、08、09年それぞれ321、291、340件であり、婦人科悪性腫瘍取り扱い件数はそれぞれの年において、子宮頸癌(0期含む)は、20、25、25件(うち手術件数は9、15、8件)、子宮体癌は18、11、24件、卵巣癌は32、30、35件であった。卵巣良性腫瘍は腹腔鏡下手術を第一選択としており、また良性悪性にかかわらず医学的に問題ない場合は機能温存手術を心がけている。全般的に術式は標準術式を採用しているが、QOL(生活の質)維持向上を最重要要因として治療方針を決定している。進行癌で手術不能症例に対しても化学療法等を行い、治療成績ならびに患者さんのQOL向上につながる限り、積極的に手術を行っている。 |
医療設備 |
MRI、CT、リニアック、腹腔鏡、子宮鏡、動注化学療法システム。 |
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小児科
分野 |
小児医療 |
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特色 |
本院小児科の中心は小児救急医療と新生児医療であるが、小児循環器、血液・悪性腫瘍、神経疾患、腎疾患、喘息・アレルギー疾患、代謝・内分泌疾患などに関する専門外来も充実しており、種々の小児疾患に対し幅広い医療を行っている。一般小児科病棟の平均在院日数は5~6日で推移しているが、ネフローゼ症候群、気管支喘息頻回再発例、固形腫瘍例などの長期療養が必要な小児に対しても併設の滋賀県立養護学校に通学できるようになっており、入院環境や教育面でも十分に配慮している。 |
症例数 |
一般小児科病棟(4西病棟)40床(外科系5床)、新生児救急部(NICU)30床で、小児科医は病棟単位で二つのグループに分かれて、それぞれの分野を担当している。一般小児科病棟の入院は平日外来からの入院とともに、夜間休日に救急センターからの入院も増加し続け1,400人を超える状態が続いている ★小児循環器の分野では、診断カテーテル検査以外にも弁狭窄に対する経皮的バルーン拡大術やステント拡大術、動脈管開存に対するコイル塞栓術などをはじめとするカテーテル治療にも積極的に取り組んでいる。胎児エコーによる胎児心疾患の診断も行い、新生児医、産科医と共同で先天性心疾患、特に複雑心奇形の症例の治療にも取り組んでいる ★血液・悪性腫瘍の面では無菌室を設置し、積極的な化学療法や末梢幹細胞移植も行われている。当科は日本小児白血病研究会、日本小児白血病リンパ腫研究グループの登録認定施設であり、京都大学小児科と交流しながらより質の高い治療を目指している ★その他の専門外来でも、毎週の気管支喘息を含むアレルギー外来、神経外来があり、腎疾患は月2回、低身長などに対する代謝・内分泌外来は月1回行われ、それぞれ専門の医師による管理、治療が行われている ★新生児救急部は、医療行政の一環として90年にスタートしており、滋賀県の総合周産期母子医療センターとして機能しており、6床の母体・胎児集中治療管理室(MFICU)と9床の新生児集中治療室(NICU)、21床の後方病床(GCU)から成り立っている。院外からの入院は、ドクターカーによる新生児の搬送、受け入れを行っているが、最近ではハイリスク妊娠の場合、母体搬送のうえ院内で新生児医立ち会いのもとで分娩を行う方向へ向かっている。新生児救急部の年間入院数は250例前後(うち、1,500g未満の極低出生体重児は30例前後)であり、呼吸器管理を必要とする症例は年間100例程度である。これらの体制を維持するため、新生児救急部ではNICU当直医とドクターカーのための待機医が常にスタンバイしている状況である。05年4月からは、大津地区の開業医の先生方と共同で大津地域小児急病診察室を立ち上げた。土曜日準夜帯や休日日勤・準夜帯では、開業医の先生方には主に外来診察を担当して頂き、年末年始やゴールデンウイークをはじめとして救急室受診患者数が多い場合は、当科小児科医も救急外来をお手伝いさせて頂くようになった。少しでも滋賀県の小児救急医療のお役に立てればと考えている。なお、休日が続く場合は、当科小児科日当直医を2人に増員し、病棟当直医と救急外来診察医として診療にあたりながら、緊急入院児にも対応している ★長期入院療養が必要な小・中学生は、併設の滋賀県立守山養護学校大津分校に通学しているが、通学困難な患児にはベッドサイドでの学習にも対応している。 |
医療設備 |
CT、MRI、RI設備、シネアンギオ装置など、地域の中核病院として多種の先進装置を設置している。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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眼科
分野 |
眼科 |
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特色 |
地域の基幹病院として、眼科全般に対して常に高度医療を提供することを信条としており、県内外から多くの紹介を得ている。治療方針としては、「Quality of Vision」の考えのもと、患者様一人ひとりにとってどこまで見えることが必要なのかをまず第一に考え、十分な説明と同意のもと、各人に応じた治療方法を選択していくことにしている。 |
症例数 |
09年度の1日平均外来患者数は125人、入院新患者数は約1,000人であった。09年度の手術件数(入院手術のみ)は1,527件で、その内訳は、硝子体手術301件、網膜復位術(強膜内陥術)18件、緑内障手術35件、白内障超音波乳化吸引術1,137件、白内障嚢外摘出術3件、涙道手術(DCR等)61件であった ★網膜硝子体疾患=当科の最も得意とする分野であり、網膜硝子体手術は糖尿病網膜症、黄斑円孔、黄斑前膜、黄斑浮腫、網膜剥離、硝子体出血などをはじめとして、網膜硝子体疾患全般にわたっている。特に、視力にとって最も大切な黄斑部網膜の疾患に対する硝子体手術に力を入れている。加齢黄斑変性に対してはPDT(光線力学療法)および抗VEGF療法を施行している。こうした黄斑疾患の診断には蛍光眼底造影(FAおよびIA)や光干渉網膜断層撮影装置(OCT3)などが用いられ、より正確な診断が下されるようになっている。糖尿病網膜症は当科では特に重症例が多く、硝子体手術により多くの患者様が日常生活を維持できる視力まで回復できるようになっている。網膜剥離に関しては最難症例から軽症例まであらゆるタイプのものに対応できるようになっている。難症例ではパーフルオロカーボンを使用して好成績を残している。基本的に硝子体手術にて対応しているが、症例に応じて従来からの方法(強膜内陥術)も行っている。硝子体手術は23Gシステムにて対応しており、眼内内視鏡と広角観察システムを使用している ★白内障=白内障手術は、2.2〜2.4mm切開からの小切開超音波白内障乳化吸引術が主で、移植眼内レンズは折り畳み式のアクリルレンズが90%以上を占めている。近隣の開業医院が外来で白内障手術を多く手がけるようになった近年では、当科には全身状態が不良な例や難治例の占める割合が多くなってきている。そのため、基本的には日帰り手術は施行していないが、1泊入院、2泊入院、1週間入院等と多様な選択ができるようになっており、また、ベッド数(40床)も十分に確保し、手術待ち時間の短縮化を図っている ★緑内障=緑内障専門外来にて集中的に診ている。経過は動的視野検査および静的視野検査にて厳密に把握され、できうる限り点眼にて眼圧をコントロールできるように努めている。それでも手術が必要となった場合は緑内障手術としてトラベクレクトミーやトラベクロトミーなどを主として施行している ★涙道疾患=森寺医師が担当し、涙道内視鏡や鼻内視鏡を使用して最先端のDCRを施行している ★治療成績(08年度)=黄斑円孔(初回閉鎖率98%、最終閉鎖率98%、術後視力0.7以上83%)、網膜剥離(初回復位率95%、最終復位率98%、術後視力0.7以上75%)、白内障(術中合併症発生率1.5%) ★紹介いただいた症例の経過などについて情報交換、術後の経過観察の相互協力、逆紹介など、地域の診療所との連携を重視している ★眼外傷などの眼科救急には24時間体制で対応している。 |
医療設備 |
手術顕微鏡ツァイスVISU210、硝子体手術装置アキュラス、超音波白内障手術装置インフィニティ&レガシー、眼内内視鏡、眼内グリーンレーザー、ハンフリー自動視野計、ゴールドマン視野計、FAG蛍光眼底撮影装置、イメージネット(NAVIS)、角膜形状解析装置、網膜電図、超音波診断装置、YAGレーザー、マルチカラーレーザー、PDTレーザー、ICG蛍光眼底撮影装置、光干渉断層撮影装置(OCT3)など。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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歯科口腔外科
分野 |
歯科口腔外科 |
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特色 |
県下の中核病院の一診療部門として、幅広く顎・口腔領域疾患の診断、治療を行っている。患者には十分な説明を行い、納得・理解をしてもらうように心がけている。入院患者には術後感染や誤嚥性肺炎を減少させるため、歯科衛生士と病棟看護師が協力し、積極的な口腔ケアに取り組んでいる。日本口腔外科学会研修指定施設。 |
症例数 |
年間外来新患者数は約2,500人で、その多くは有病者疾患である。有病者疾患の外科的処置は関係各診療科と緊密な提携を行い、安全で不安のない治療を行っている ★年間手術件数は、外来手術と入院手術を含め約500例。外来手術では埋伏智歯の抜歯、歯根端切除術、粘液嚢胞、歯根嚢胞摘出術などを中心とした小手術を行っている。入院手術では外歯瘻、良性腫瘍、顎骨嚢胞、顎顔面骨骨折、顎関節症の治療のほか、補綴前外科などを行っている ★顎骨骨折に対する整復治療は、生体親和性のあるチタンミニプレートシステムによる咬合および形態再建を行い、顎固定期間および入院期間を短縮している ★最近増加している顎関節症の患者には、薬物療法とスプリント保存療法を併用し、良好な成績を得ている ★腫瘍切除後の顎骨欠損には顎補綴を施行し、形態的改善、機能的回復を目指している ★当院では救命救急センター併設のため、口腔領域の重症感染症や顎骨骨折など顎顔面外傷の救急患者の受け入れを積極的に行っている。外傷では、重症度や合併外傷の程度により緊急手術、待機手術あるいは非観血的治療で対応している。 |
医療設備 |
CT、3次元CT、RI、MRIなど。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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糖尿病代謝内分泌グループ
分野 |
糖尿病内分泌内科 |
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特色 |
患者の大部分は糖尿病、次いで甲状腺疾患で、少数を他の諸種内分泌疾患、代謝疾患が占める。糖尿病患者の指導・教育も活発で、糖尿病患者友の会(長等会、70年創立)は県下最古の歴史を有している。日本糖尿病学会認定教育施設。日本内分泌学会認定教育施設。日本肥満学会認定肥満症専門病院。 |
症例数 |
県下最大の病床数と検診センターを基盤に、約3,000人の糖尿病患者が通院加療中である ★管理栄養士により、入院・外来とも丁寧な療養指導を実施している。糖尿病療養指導士を含むチームにより、常に外来および入院糖尿病患者の診療体制の改善に努めている。開放型病床を利用したホームドクターとの連携診療や教育入院も充実している ★日本人に多い2型糖尿病だけでなく、1型糖尿病や膵疾患などによる2次性糖尿病の治療にも力を入れている。末期の糖尿病腎症は、院内の透析センターとの協力により、最適の時期に透析導入が可能である。糖尿病網膜症はレーザー凝固療法だけでなく、硝子体手術も可能。糖尿病神経障害については院内の神経内科と、冠疾患や大血管障害は循環器科や心臓血管外科と協力、その他、整形外科や皮膚科、救命救急センター等多くの科と協力し、総合病院の特徴を生かして、軽症から重症まで幅広く対応している。大津赤十字志賀病院とも協力して地域医療機関との病診連携を推進し、地域完結型診療体制の中核病院として、医療の質の向上と高度な医療の提供に努めている。 |
医療設備 |
超電導MRI、ヘリカルCT、カラードプラエコー、体脂肪計など。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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血液免疫内科
分野 |
血液内科 |
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特色 |
人道の基本理念のもと、患者参加型の診療を実践している。血液疾患全般を対象としているが、とりわけ白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍については可能な限り微少残存病変を追跡・評価し、治癒を目指した必要十分な加療を行うことに力点を置いている。日本血液学会認定研修施設。 |
症例数 |
血液免疫内科として43床を有する。年間延べ入院患者は450~500人。常時50人を超える血液疾患の患者が入院している。主な血液疾患の初診患者数の年間平均は、急性および慢性白血病約20例、悪性リンパ腫約40例、多発性骨髄腫約20例、骨髄異形成症候群・再生不良性貧血約20例、特発性血小板減少性紫斑病約10例など ★急性白血病はJALSGのプロトコールに準じて化学療法を行っているが、症例ごとに染色体や遺伝子診断を駆使し、総合的な治療戦略で臨んでいる。完全寛解率は高齢者を除けば80%を超え、5年生存率は50%を超える成績を得ている ★慢性骨髄性白血病は治療薬がグリベック世代に入り、ほとんどの症例で血液学的完全寛解のみならず、分子遺伝学的寛解が得られるようになった、第2世代の薬剤の登場で治療成績はさらに改善するものと考えられる ★悪性リンパ腫・多発性骨髄腫に対しては、病期、病勢、予後因子などを評価し、標準的な化学療法を行うことを原則としているが、病型・症例によっては積極的に自己、同種幹細胞移植を組み込んだ治療計画を組んでいる ★骨髄異形成症候群は病型、染色体異常、年齢などを個々の症例について評価し、化学療法、免疫療法などを行っている。造血器腫瘍については、近年多様化してきた血縁・非血縁同種造血幹細胞移植を症例ごとに積極的に取り入れて、さらに治療成績をあげる努力をしている。 |
医療設備 |
無菌病室5床、簡易無菌装置6台、血液成分連続分離装置2台。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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脳神経外科
分野 |
脳神経外科 |
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特色 |
県内最大の救命救急センターを有し、急性期脳血管障害(くも膜下出血、脳内出血など)、頭部外傷の症例が多い。常勤医全員が脳神経外科学会専門医であり、24時間いつでも救急患者を受け入れ、手術ができる体制をとっている。一方、滋賀県のがん診療連携拠点病院にも指定されており、脳腫瘍の治療にも積極的に取り組んでいる。その他三叉神経痛、顔面痙攣、小児奇形など、ほぼあらゆる脳外科疾患に対応している。 |
症例数 |
外来患者数は年間約7,500人、入院患者数は年間約450人。入院患者数の内訳は脳血管障害約220人、頭部外傷は約150人、脳腫瘍は約50人。年間の手術件数は約220件であり、開頭による手術の主なものは、脳動脈瘤約30件、高血圧性脳内出血約15件、脳腫瘍約30件、外傷性急性頭蓋内血腫約10件である。血管内治療は年間約30件行っており、主な内訳は脳動脈瘤約10件、閉塞性脳血管障害約10件となっている ★脳動脈瘤に対しては、症例に応じ希望も考慮した上で、開頭によるクリッピングまたは血管内治療によるコイル塞栓術の手術を行っている。脳血管攣縮には血管内治療による血管形成術、薬剤動脈内注入なども行い、良い成績をあげている ★高血圧性脳内出血で血腫の大きいものは急性期に救命目的で開頭し血腫を取り除き、中等度ものは穿頭による定位脳手術で血腫を取り除いている。また最近は内視鏡を用いた手術も急性期に行っている。リハビリテーション部と協力し、早期からリハビリテーションを行うよう心がけている ★閉塞性脳血管障害に対しては、神経内科と協力し、病態に応じて頸動脈内膜剥離術、血管吻合術などの観血的治療や経皮的血管形成術を行っている ★外傷性頭蓋内血腫で命に関わるような場合には、特に迅速な対応を行っている。多発性外傷に対しても救急部や関係各科と協力の上、救命救急センターで治療に当たっている ★良性の脳腫瘍に対しては、頭蓋底手術や手術前の栄養血管閉塞術などを用いながら、可能な限り手術による全摘出を目指している。悪性腫瘍の場合は、手術だけでは根治は難しく、放射線療法・化学療法を併用しながら、できるだけ生活の質が落ちない治療を心がけている。また放射線治療医と協力し、定位放射線手術を行っており、転移性脳腫瘍、神経鞘腫などの治療の選択肢が広がった ★常勤の脳血管内治療専門医が2人おり、脳動脈瘤のコイル塞栓術、血管狭窄に対する血管形成術、腫瘍栄養血管塞栓術などを積極的に行っている。特に10年春にバイプレーン対応血管撮影装置を導入したことにより、治療の精度が向上してきた ★三叉神経痛、顔面痙攣は、その多くが頭蓋内での血管による神経圧迫が原因で生じることが知られている。微小血管減圧術を行い全例で症状の消失、著明な改善が得られた ★新生児特定治療集中治療室を有し、小児科・新生児救急部との協力の下に小児神経外科手術も行っている ★脳ドックの受診者数も週15人程度あり、発見された未破裂脳動脈瘤や主幹動脈の狭窄病変に対しては、治療の必要性や方法などよく相談の上、予防的治療も行っている。 |
医療設備 |
診断機器:CT 3台、MRI 2台、SPECT、DSA 2台など。手術用器械:超音波吸引装置、神経内視鏡、定位脳手術装置、術中超音波など。放射線治療装置:定位放射線手術対応放射線照射装置。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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外科(乳腺グループ)
分野 |
乳腺・内分泌外科 |
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特色 |
当院は滋賀県がん診療広域中核拠点病院に指定され、乳癌を含めた五大癌およびその他の悪性疾患を中心として診療を実施しているが、当科ではその利点を生かし放射線科、形成外科などの他科の協力を得て再発がなく、患者満足度の高い乳房温存術の実践を目標としている。温存術後の温存乳房に対する放射線照射は、原則として全例に外来通院にて実施している。 |
症例数 |
過去3年間の乳癌症例数は年間平均約70例、手術内容は乳房温存術40%、乳房切除術58%で温存術は徐々に増加している。術後の治療に関しては手術時に得られた腫瘍、リンパ節等の病理学的検査結果に基づき、乳癌学会等のガイドラインを参考にして内分泌療法、化学療法、抗体療法を施行し、リンパ節転移が高度の場合にはさらに放射線照射も追加して再発の予防を期している ★外来での術後の経過観察期間は最低でも術後10年を目標とし、この間定期的に骨シンチグラフィーによる骨転移の検索、3次元CT、US(エコー)による内臓転移の検索、血液検査等を実施して再発の早期発見に努めている。再発例については他院手術例も受け入れ、再発部位により放射線科、形成外科、整形外科、脳神経外科、胸部外科等の協力のもとに愁訴のない良質の日常生活を維持できるよう、各患者さんに最適と考えられる治療法を選択、実施している ★乳癌に対する診断、手術、薬物療法等の診療と併行してマンモグラフィ併用乳癌検診にも協力し、09年には大津市乳癌検診を約900例、人間ドックでは約1,500例の検診業務を行い、地域の乳癌早期発見にも尽力している。 |
医療設備 |
マンモグラフィ、MDCT、MRI、超音波診断装置、定位放射線治療装置など。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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医師難治性疼痛を中心に集学的アプローチを実践
回答者:50代 男性 勤務先:診療所
2015年12月15日投稿
全国的にも少ない、疼痛を複数の診療科やスタッフで対応するところです。 ペインクリニック科が中心となっています。 特に慢性疼痛は、最近の医療経済の観点からも...続きをみる