専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

北海道大学病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器内科

分野

消化器・一般内科

特色

内視鏡を用いた良性、悪性疾患の診断、治療を行っている。肝臓疾患に対する先進的な治療、抗がん剤を用いた新しい消化器がん治療の開発においては、質、症例数において全国でもトップレベルの位置にいる。また、ヘリコバクター・ピロリ菌の診断、治療においては日本の草分けである。

症例数

内視鏡グループ=当科で扱う内視鏡検査件数は年間約7,000件で、そのうち内視鏡治療は約800件を占めている。当科では特に消化管がんの診断と治療に力を注いでいる。治療手順として、超音波内視鏡、拡大内視鏡等を用いて、病変の範囲や深達度を正確に診断して、内視鏡治療の適応であることを確認してから内視鏡治療に移行する。最近、内視鏡的粘膜剥離術(ESD)の技術が開発され、大きな病変に対しても内視鏡的に一括切除が可能となった。当科ではこのESDを咽頭がん、食道がん、胃がん、大腸がんの治療に導入して、内視鏡治療の拡大適応を積極的に行っている。胃がんに対するESDでは一括切除の完全切除率が90%以上なされ、完全切除された場合における遺残再発はない。拡大適応された食道がんにおいても外科切除と同等の予後が得られている。また、ヘリコバクター・ピロリ除菌を行う専門外来も設けている

炎症性腸疾患グループ=潰瘍性大腸炎に対する白血球除去療法(LCAP)や、クローン病に対する抗TNF-α抗体療法(レミケード)、顆粒球除去療法(GCAP/GMA)など、最新の治療を行うことが可能である。特にクローン病に対するレミケードによる治療は、全患者の約4割に投与を行っている。レミケードは外来治療センターでの外来治療が可能である

胆膵グループ=大学病院の特性として、悪性腫瘍を中心に診療を行っている。主に超音波内視鏡検査(年間約200例)や内視鏡的逆行性胆管膵管造影(年間約250例)を中心とした術前診断、特に経口胆道鏡検査に力を入れつつ、最近では膵腫瘍に対する超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診を積極的に取り入れ、遺伝子からのアプローチにも領域を広げつつある。また、胆道がんの術前には欠かすことのできない内視鏡的胆道ドレナージ(年間約200例)も多数行いながら、全国多施設共同試験に参加の上、新規レジメンによる臨床研究や新規抗がん剤を用いた化学療法も積極的に施行している

肝臓グループ=B型肝炎の治療には、インターフェロン注射と核酸アナログ製剤と総称される内服薬が使用可能だが、肝炎の状態により、治療薬の選択、開始のタイミングなどには、専門的な判断が重要である。現在、道内関連施設で、治療方法や成績についての検討を進めており、連携をとりながら治療が進むようにしている。C型肝炎では、ペグインターフェロンが治療に導入され、さらにリバビリンとの併用が可能となり、高い効果を示している。C型についても、関連施設と連携をとった治療方法の検討、成果の報告などを進めている。肝細胞がんに対する治療は、ラジオ波焼灼療法を09年3月までに500件近く行ってきた。また、近年、抗がん剤の肝動脈注入とインターフェロン製剤併用の有効性が報告されている。当科では、さらに腫瘍栓を主体に放射線治療を併用することにより、より長期的な抗腫瘍効果が得られると考えて併用療法を行っている

化学療法グループ=局所進行食道がんに対しては、臨床病期II・IIIの症例に対しては術前化学療法を施行し、引き続き外科にて切除を行う集学的治療を行っている。また、手術拒否症例や手術困難な局所進行食道がんに関しても、放射線科と共同で化学放射線療法を行っている。転移を伴い、根治切除が困難な胃がんに対しては、TS-1と、シスプラチンを併用する治療法が標準治療となっており、当科でもこの治療法を一次治療として用いている。大腸がんについては、当グループではアバスチンやアービタックスといった分子標的薬剤を用いて治療を組み立てている。これらの化学療法は基本的に外来で施行するようにしている。

医療設備

CT、MRI、PET、電子内視鏡(上部、下部、小腸)、カプセル内視鏡、超音波内視鏡他。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

第1外科

分野

消化器・一般外科

特色

消化器がん(肝胆膵、食道、胃、小腸、大腸)、乳がん、甲状腺がんといった疾患を中心に、良性疾患も治療している。道内唯一の肝臓移植認定施設であり、特に肝細胞がんに関しては、移植を含めた診療体系を構築し、これまで諦められてきた症例に対しても肝移植といった治療法、肝移植の手術手技を駆使した治療法を提供できることも大きな特徴である。腹腔鏡下手術にも積極的に取り組んでおり、胃切除、大腸切除だけでなく、肝切除も行っている。乳がんに対しては、乳房温存術を中心に行い、内視鏡手術、ラジオ波焼灼治療も取り入れている。

症例数

肝移植=肝移植は、臓器移植のメッカであるアメリカ・ピッツバーグで実際肝移植を中心に臓器移植の臨床・研究を行っていた藤堂教授が帰国し、97年から行われている。08年11月までに生体肝移植185例、脳死肝移植12例、ドミノ肝移植1例、脳死膵腎移植2例、脳死膵移植1例を行っており、日本全国から移植希望患者が集まっている

肝がん=年間症例数(09年):肝細胞がん71例、胆管細胞がん9例、転移性肝がん12例、その他の腫瘍6例。肝細胞がん5年生存率StageI:70.1%、II:74.4%、III:48.5%、IV:31.8%。肝癌診療ガイドラインに沿って診療し、2cm以上の場合は、切除が長期成績で明らかに勝っているためまず切除とする。超音波振動を利用したハーモニック・スカルペルによる安全な肝実質切離法、アシアロシンチによる肝予備能の評価法を取り入れ、3D画像をCTから再合成し、腫瘍と血管の位置、切除される予定の肝容積を正確に把握し、安全性を高めている。手術の負担を軽減するため、腹腔鏡下肝切除も行っている。生体肝移植も積極的に治療の一手段として取り入れている。血管に浸潤している高度に進行している肝細胞がんも切除および放射線療法、抗がん剤療法を併用して、良好な成績を挙げている

膵がん=手術適応とならない膵臓周囲に広がった膵がんに対して、手術の前に放射線照射と抗がん剤を同時に用いた治療を行った後に切除をすることを行っている

胆道がん=肝切除術や膵頭十二指腸切除術という比較的大きな手術となるが、肝動脈、門脈など重要な血管の切除再建も積極的に行っている。CTを用いた3D画像によるシミュレーションを行うことで、安全に手術を行っている

乳がん=年間100~150例の治療実績があり、うち約60%の患者さんが乳房を残す乳房温存手術を、40%の患者さんが乳房切除術(胸筋温存乳房切除術)を受けている。直径が3.0cmまでの腫瘤であれば、乳房温存手術の適応となるが、3.0cmを超えても、術前の抗がん剤治療により、70%の患者さんで腫瘤が小さくなり、乳房温存手術が可能となっている。2.0cm以下で、腋窩リンパ節が腫れていない場合は、センチネルリンパ節生検により、腋窩リンパ節郭清を行わない手術も可能である。06年1月より腫瘤が1.5cm以下の腫瘤では、乳房にメスを加えずにラジオ波にて腫瘤を焼灼するラジオ波焼灼治療も行っている。マンモグラフィで微細石灰化のみ発見される非触知乳がんの診断のために、ステレオマンモグラフィ下マンモトーム生検を施行し、早期診断を可能としている

胃がん・大腸がん=1年間の胃がん、大腸がんを中心とした手術は130例。1施設としては多い症例数ではないが、心疾患などの合併症や病気自体の重症度、困難性から他の施設より紹介されてくるケースが多くなっている。従来からの開腹手術の他、腹腔鏡を用いる鏡視下手術(腹腔鏡手術)を積極的に行っている。

医療設備

CT、MRI、DSA、マンモグラフィ、放射線照射(動態追跡)、ラジオ波焼灼装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

第2外科(腫瘍外科学分野)

分野

消化器・一般外科

特色

肝胆膵、消化管の悪性疾患の手術治療を行っているが、特に肝門部胆管がん、膵がん、食道がんの症例が多い。大学病院の使命であるがん治療の「最後の砦」として、「手術成績が安定していない難治がんに対する、根治性と安全性を両立しうる拡大切除術式の開発」と「手術成績がほぼ安定したがんに対する、根治性と安全性を維持したより低侵襲な切除術式の開発」を目標に掲げた外科治療を行っている。特に胆道がん、膵がんにおいては豊富な手術症例数を有し、優れた手術成績を報告している。他の施設で「切除不能」と診断された患者の紹介も多いが、新たな術式の開発による根治手術の可能性を常に探求している。また、消化器がんに対する内視鏡外科手術においても、全国に先駆けて胸腔鏡による食道切除術を行うなど「傷の小さな=体に優しい」最先端の医療を提供している。なお、北海道大学病院は地域がん診療連携拠点病院として、手術だけではなく消化器がんに対する抗がん剤治療や放射線治療においても充実したスタッフを擁している。消化器がんの診断・治療では第3内科、腫瘍内科、放射線科と共に先進的な集学的治療を行っている。

症例数

08年の消化器外科手術症例は267例で、そのうち肝・胆・膵手術が157例、消化管手術110例であった

肝胆膵手術=膵腫瘍40例、うち膵がん29例:膵体部がんに対する「腹腔動脈合併切除を伴う尾側膵切除術(DP-CAR)」は当科が膵体部がんの標準術式としての有用性を提唱している術式で、08年はこの術式を9例に行った。かつては切除不能であった症例が、本術式で切除可能となることも多く、5年生存率も42%と高い。膵頭十二指腸切除術は12例、胆道がんも合わせると49例に施行した。一方で、低悪性度膵病変に対する低侵襲を目的とした縮小手術として、腹腔鏡補助下膵頭十二指腸切除術を4例に施行した

胆道がん=75例、うち肝内胆管がん12例、肝外胆管がん48例、胆嚢がん9例、乳頭部がん6例:胆道がんの診断治療には術前の経乳頭的胆管ドレナージ(ENBD)が必要なことが多く、高度な内視鏡診断、治療技術を誇る第3内科消化器内科(胆膵グループ)と協力して治療に当たっている。08年の肝葉切除症例は36例で、そのうち肝葉切除と膵頭十二指腸切除の肝膵同時切除(HPD)を7例に行ったが、いずれも重篤な合併症の発生なく経過した。肝門部胆管がんの5年生存率は36%と、高度進行がんが多い割りに良好な成績をあげている

消化管手術=08年における食道、胃、大腸などの管腔臓器に対する外科手術は110例であった。日本内視鏡外科学会技術認定医(七戸)の指導のもとで、08年は42例の食道、胃、大腸などに対する内視鏡外科手術が行われた(消化管手術全体の38%)。最近は食道疾患の増加が顕著であり、08年は19例の食道疾患手術が行われ、そのうち食道がんの根治手術は15例で、そのすべてが胸腔鏡などを用いた内視鏡外科手術で行われた。また、近年、食道がんに対する根治的放射線化学療法後のがんの遺残、再発に対するサルベージ手術(救済手術)が増加傾向にあるが、08年は3例が該当した。過去10年間の食道がん根治手術症例における手術死亡率は1%で、治癒切除症例の5年生存率(他病死含む)は61%であった。08年の胃がんならびに結腸・直腸がんの症例数はそれぞれ12例、27例で、胃がんの70%、結腸・直腸がんの65%が腹腔鏡手術で行われた。

医療設備

CT、MRI、PET-CT、超音波、超音波内視鏡、腹腔鏡下手術装置、放射線治療装置。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

第2外科(呼吸器グループ)

分野

呼吸器外科

特色

北海道大学大学院腫瘍外科を母体としているため、原発性肺がん、転移性肺腫瘍、肺良性腫瘍、縦隔腫瘍、胸膜腫瘍、胸壁腫瘍などの腫瘍性病変の外科治療を主な対象としているが、自然気胸、膿胸などの外科治療、外傷なども手がけている。手術方法は、治療法の確立した早い時期の肺がんや良性の疾患には胸腔鏡手術や肺区域切除などの低侵襲手術を、より進行した肺がんなどには合併切除や気管支形成などの拡大切除や集学的治療を行っている。

症例数

年間手術症例数は約160例で、肺がん70例、転移性肺腫瘍25例、縦隔腫瘍20例、自然気胸10例他。道内各地からの紹介があり難易度の高い症例も数多く扱っている

★原発性肺がんに対しては、肺葉切除とリンパ節郭清を原則としているが、次の特徴がある。縦隔リンパ節転移陽性例には、化学療法や放射線治療を併用した集学的治療を行い、周囲臓器への浸潤症例には合併切除や気管支・血管形成術を併用した拡大・合併切除を施行し、治療成績の向上や機能温存に努めている。全国でも早い時期から原発性肺がんに対する胸腔鏡手術を導入し、現在では肺がんの約85%を完全胸腔鏡手術で行っており、その完遂率は約80%である。臨床病期I期肺がんに対する胸腔鏡下肺葉切除およびリンパ節郭清術の5年生存率は81.4%(IA期97.2%、IB期69.3%)である。診断機器の普及により増加傾向にある腫瘍径2cm以下の小型末梢発生の肺がんに対しては、GGO(すりガラス陰影)率およびPET検査の数値(SUV値)により縮小手術の対象基準を設置しており、技術的に難易度の高い肺区域切除(縮小手術)も胸腔鏡下で行っている。術後合併症の発生率が高いといわれている放射線・化学療法後の局所再発例や多発例に対する切除も積極的に行っている。術前未診断の小型腫瘤性肺病変に対しては、当院第1内科の協力でCTガイド下バーチャル気管支鏡ナビゲーションシステムによる経気管支的マーキングにより位置を確認し、胸腔鏡下生検および術中迅速病理診断を行っている

★転移性肺腫瘍は、従来手術適応はないとされていたが、当科では下記の条件の下、外科的切除を行い良好な成績を得ている。①転移巣が結節陰影を呈している②原発巣や他の転移巣が完全に切除(制御)されている③経過観察(3カ月)後に転移個数が増加しない④肺切除後の呼吸機能が保たれること(片側・両側、単発・多発は問わない)。多発例に対しては、放射線科との協力で放射線治療や経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)を併用するなど、より適した治療方法を検討し選択している

★縦隔疾患としては、胸腺腫、神経原性腫瘍、リンパ腫、奇形腫、先天性のう胞などの治療および診断を行っている。外科的切除は腫瘍径が小さい、周囲臓器への浸潤がない、主要な血管と接していないことを条件として胸腔鏡手術にて行っている。条件を満たさないものや悪性腫瘍には、従来の開胸にて行う

★胸腔鏡手術は、2つの小さな創から行う二窓法(Two Windows Method)が当院の特徴である。良性疾患には一窓法(one window &punctures method)で行い、美容的にも配慮している。胸腔鏡手術は積極的に行っているが、本来手術は安全性が最優先されるために、いつでも開胸手術に移行できる準備のもとに行われる。安全・確実を確保できるもっとも低侵襲な手術創で行われる

★北海道大学病院では総合病院であることを生かし、他診療科と密接に連携しているために、合併症を有する例や高齢者に対しても充実した手術中・手術後の管理を提供することができる。北海道内に多くの関連施設を有し、各地域においても質の高い技術を共有する独自のシステムを構築している。一方、日本呼吸器外科学会認定修練基幹施設として呼吸器外科専門医を育成し、また日本呼吸器外科学会胸腔鏡手術セミナー事務局として北海道での胸腔鏡手術の普及に努めている。

医療設備

MDCT、MRI、FDG-PET/CT、各種シンチグラフィ、放射線治療装置(動体追跡照射対応)、気管支鏡。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

循環器内科

分野

循環器科

特色

北海道大学病院循環器内科は、「高血圧、脂質異常症などに対する予防医療」「急性心筋梗塞などに対する救急医療」「重症心不全、難治性不整脈などに対する高度医療」の三つを診療の主たる柱であると位置づけ、診療を行っている。病床数は32床で、年間入院患者数約450人。最新の診断技術を駆使して、エビデンス(科学的根拠)に基づいた薬物治療、虚血性心疾患に対するカテーテル治療、重症不整脈に対するカテーテルアブレーションや植え込み型除細動器(ICD)による治療、重症心不全に対して両心室ペーシング機能付き植え込み型除細動器(CRT-D)による治療などを行っている。また、心臓病における運動療法の重要性に着目し、心臓リハビリテーションにも取り組んでいる。

症例数

08年度の心臓カテーテル検査は419例(冠動脈造影385例、アセチルコリン負荷22例、心筋生検22例)。また、カテーテル治療は冠動脈形成術91例、末梢血管インターベンション6件、僧帽弁交連切開術1例である。冠動脈形成術を行った病変の再狭窄率は11.7%であった。不整脈に対しては、カテーテルアブレーション91件、ICD移植術40件、CRT-D移植術14件、永久ペースメーカー移植術26件。

医療設備

心臓血管造影装置、心臓超音波、トレッドミル、エルゴメーター、ホルター心電図、マルチスライスCT、MRI、シンチ、PET-CT、心肺補助装置、大動脈内バルーンパンピング他。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

循環器外科

分野

心臓血管外科

特色

99年11月北海道大学第2外科学講座心臓血管グループから独立診療講座へ。「患者様の視点で治療を行うこと、最高のレベルの治療の知識を常に患者様に提供し、可能な限りわれわれの技術もそのレベルまで上げること」を教室のモットーとし、教育研究機関として高度先進医療への貢献・医学教育の一端を担いつつ、診療科として地域医療での役割を果たすため、日々努力を重ねている。札幌近郊のみならず北海道全域からの患者を受け入れ、循環器内科、小児科循環器グループ、救急・集中治療部との綿密な連携のもと、先天性心疾患、後天性心疾患、大動脈疾患、末梢血管疾患など、循環器疾患におけるすべての領域の心臓血管外科手術を行っている。詳しくはホームページhttp://www2.huhp.hokudai.ac.jp/~surg-cvw/参照。

症例数

09年度の手術件数は約380件(OPCABを含む人工心肺症例約240例)であった。総手術件数では99年以降11年連続で300件以上、人工心肺手術件数では4年連続で200件以上と、週5日の予定手術日に緊急手術を加え、診療レベルを維持している。09年度の症例の主な内訳は、先天性心疾患116例、冠動脈疾患22例、弁膜症48例、心筋梗塞合併症に対する手術6例、重症心不全に対する手術8例、肺動脈血栓内膜摘除2例、心臓腫瘍2例、大動脈疾患28例、補助人工心臓埋め込み6例

後天性心疾患=虚血性心疾患や弁膜症などを含む後天性心疾患では、カテーテル治療後再狭窄例や再手術例、感染例など難易度の高い症例、複数の疾患群が混在した重症例の占める割合が多い。今や標準術式となった僧帽弁形成術では、粘液変性性閉鎖不全症に対してはほぼ100%の形成成功率を収めている。リウマチ性狭窄病変合併や感染例に対しても、自己心膜組織を用いた弁尖拡大を適用し高い形成率を収めている。慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する間欠的超低体温循環停止法を用いた肺動脈血栓内膜摘除術を03年以降8例に行い、手術死亡なし、全例NYHAIII→Iへ改善と良好な結果を得ている。診療テーマの1つである内科的治療抵抗性の重症心不全例に対する外科治療として、松居教授が考案したオーバーラッピング型左室形成術に僧帽弁複合体再建術を加えた統合左室形成術を行い、末期心不全患者の救命に取り組んでいる。心エコーによる形態学的評価および酢酸PETや心筋シンチグラフィーなどを用いた心筋代謝的評価を総合的に判断し、症例ごとに適切な術式を選択している。さらに臓器移植法案の改正を受け、埋め込み型補助人工心臓・心移植の道内実施を実現するため、実施施設認可への準備を進めている

★先天性疾患領域では、60kg以下での右後側方開胸によるASD閉鎖術を始めとした低侵襲手術を推進する一方、07年以降の新生児手術54を含む全手術数313例中、手術死亡2例と良好な結果であった。近年、ラステリー手術やフォンタン手術、成人先天性心疾患手術を含めた再開胸手術例が約20%を占めるなど、重症症例の割合が増えている

大血管領域=弓部・胸腹部大動脈瘤など大血管領域では、再手術症例や広範病変例などハイリスク症例が集まるなか、症例ごとに最適な臓器保護戦略および補助循環の適応を決定し、安定した成績をあげている。特に弓部全置換手術においては、選択的脳潅流を全例に用い、術後脳合併症率5%未満と良好な成績をあげている。腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術も積極的に行い、開腹手術のハイリスク症例に対する治療の選択肢が広がった。末梢血管疾患領域では、多領域にまたがる閉塞性動脈硬化病変に対しては、血管内治療と外科治療を組み合わせたハイブリッド治療を積極的に行い、手術の低侵襲化を図っている。下肢静脈瘤など慢性下肢静脈機能不全に対しては、腰椎麻酔と大量低濃度浸潤局所(TLA)麻酔を組み合わせ、最短2泊3日の日程で大伏在静脈抜去+不全穿通枝切離を行っている。

医療設備

ICU(当科専属医師3人)、MDCT、MRI、PET、PET-CT、心臓核医学検査、シネアンギオ室、IABP、PCPS、CHDF、人工心肺、補助人工心臓、自己血回収装置などを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

第2内科(腎臓病グループ)

分野

腎臓内科

特色

自覚症状がなく病気が進行する「腎臓病」に対して、患者一人ひとりの病状に合わせて適切な診断・治療を行うことを目標にしている。近年、慢性腎臓病(CKD)が心血管疾患の大きな危険因子であることが判明し、CKDという言葉や概念が腎臓病の総称として一般医や多くの人々にも浸透しつつある。しかし実際には「腎臓病」になる原因は多種多様であり、また同じ病名であっても病状は千差万別である。そのため個々のCKD患者の病状を把握し、早期から専門診療を行うことが望ましい。このような観点から、私たちは次のような特色を掲げ、腎臓内科専門診療を行っている。①検尿異常から早期に腎臓病を発見し、適切に診断(腎生検)・治療を行う。②腎機能異常で発見された患者さんには、その原因を探り、治療を行う。③すでに腎機能障害を持つ患者さんには、その腎機能を低下させないような治療を行うとともに、全身の合併症にも留意し診療する。④腎不全が進行した患者さんには、適切な時期に透析や腎移植という腎代替療法を導入する。これらを遂行するために、腎生検について病理専門医とのカンファレンスを行い、質の高い病理診断に基づいた治療法を選択している。保存期腎不全では、十分な時間をかけて行う外来診療もさることながら、腎不全「教育入院」を適宜取り入れている。末期腎不全では血液透析、腹膜透析、腎移植の3つの腎代替療法を行い、特に腎移植に関しては泌尿器科と連携し、腎臓内科としての「腎移植外来」を開設している。北海道では腎臓専門医が全国一少なく、腎疾患専門診療施設も限られている。その中で当院は他の中核病院と連携しながら、道内各地からの多数の紹介患者さんを受け入れるとともに、遠方の患者さんでも安心して治療が受けられるように一般医との病診連携や病病連携に力を注いでいる。

症例数

外来患者総数は月間約1,000人、腎移植外来患者は約50人。入院患者総数は年間約200人で、その内訳は慢性腎不全約40%、IgA腎症約25%、ネフローゼ症候群約20%、急性腎不全約8%、その他膠原病(SLEなど)や血液疾患(多発性骨髄腫など)に伴う腎障害など多彩である

★慢性腎不全は、外来で腎機能の低下を抑制するために内服加療・栄養指導・生活指導を行い、腎不全教育入院では食事療法の実践、蓄尿による評価などを行い適正な腎不全診療へ修正し、さらに心血管疾患など全身合併症精査なども行っている。末期腎不全では血液透析・腹膜透析・腎移植の選択について十分な情報を提供し、患者の希望を考慮したうえで決定している

★腎生検は年間約60件行われ、IgA腎症が約30%、膜性腎症と微小変化型ネフローゼ症候群がそれぞれ約15%、間質性腎炎が約10%である

★IgA腎症はこれまで治らないと考えられてきたが、適切な時期に治療をすれば治癒しうる病気として再認識されつつある。当院では03年からIgA腎症の寛解(血尿ならびに蛋白尿の消失)を目指し、扁桃腺摘出術(扁摘)+ステロイドパルス療法を実施し、良好な結果を得ている。パルス療法について、通常3回(3週間入院)のところを1回(5日間入院)で行うのが当院の特徴である

★ネフローゼ症候群に対しては、腎生検による病理組織学的診断に基づき、病状や患者背景も考慮した治療を行っている。特に膜性腎症においては、Ponticelli regimenの変法(6カ月間のステロイド薬と免疫抑制薬の交替療法)という独自の治療プロトコールを作成し、良好な寛解率を得ている

★糖尿病腎症については、早期から当院糖尿病医と併診し、治療介入を積極的に行っている

★多発性嚢胞腎については、当科の基礎研究テーマの一つでもあり、診療経験も豊富である。「新薬」を検証する臨床治験などにも積極的に参加している。また当院放射線科で行っている嚢胞縮小を目的とした腎動脈・肝動脈塞栓術を内科的立場から支持している。

医療設備

当院における血液浄化センターでは、主に入院透析患者の血液浄化を行っている(透析導入後は他院へ紹介している)。透析ベッドは10床で、その他ICUや外科・循環器病棟での急性血液浄化のための移動式血液浄化装置、持続緩徐式血液濾過装置を保有している。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

整形外科

分野

整形外科

特色

1925(大正14)年に北海道大学医学部第3外科学講座として発足。以後61年の歴史を経て、常に本邦の整形外科における先端医療を提供し続けている。近年のコンピューター支援外科技術や、再生医療技術を積極的に診療に取り入れることで、安全かつ高度で先進的な医療を実践している。特殊外来として、骨粗鬆症、リウマチ、スポーツ、側彎症、骨軟部腫瘍、先天性疾患、血友病関連外来を設置運用している。各種疾患に対して、入院治療のクリニカルパスを使用しており、入院から退院までの治療計画がよく理解できるように配慮している。入院治療は早期離床、積極的なリハビリテーション、早期社会復帰を目指して、手術の低侵襲化やリハビリ専門病院との連携を進めている。

症例数

年間外来新患者数は30,200人、初診は原則紹介制で、初診以外は予約制としている。1日平均入院患者数は55人、平均年間手術件数は約700件で、中でも人工膝関節置換術、手関節形成術、脊椎固定術の件数が多い

★上肢疾患としては、腫瘍、外傷後の骨・軟部組織欠損に対する複合組織移植術、腕神経損傷に対するマイクロサージャリーによる再建など、難治例に対する治療に積極的に取り組んでいる。肘関節の軟骨損傷に対する軟骨移植や自家骨軟骨柱移植術、三角線維軟骨複合体(TFCC)に対する鏡視下縫合術など、最先端の治療を行っている。低侵襲的な肩腱板断裂に対する鏡視下腱板縫合術や、肩関節前方不安定症に対する関節形成術、CRPS(複合性局所疼痛症候群)などの難治性疼痛疾患に対する各種薬物療法にも取り組んでいる。また、本邦初の人工手関節に関する臨床治験を間近に予定している

★脊椎疾患としては、難治性頸椎疾患に対する頸椎椎弓根スクリューによる頸椎再建や脊柱側彎症などの高度脊柱変形に対する矯正、骨切り術などに取り組んでいる。また、先進的な低侵襲脊椎手術として腰椎椎間板ヘルニアや難治性脊椎感染症に対する内視鏡的治療や、頸椎脊髄障害に対する低侵襲的脊髄除圧法、腰椎すべり症に対する低侵襲型脊椎固定術を積極的に行っている。先進医療としてコンピューターナビゲーション技術を取り入れることで、神経や血管が隣接した椎骨に安全・正確にスクリュー等を刺入でき、頸椎から腰椎までのすべての脊椎で有効な変形矯正が可能となった。また、本邦初の臨床治験を間近にする人工椎間板研究や、椎間板組織に関する遺伝子研究にも積極的に取り組んでいる

★下肢疾患については、人工膝関節などに対して行なわれる「ナビゲーションサージャリー」を03年から実施している。これを人工膝関節手術に導入することで人工関節の配置の精度が高まり、人工関節の耐久性が良くなっている。さらに、技術的に難しいとされる最小侵襲手術や、人工関節の入れ替えにも応用している。変形性股関節症に対しては、骨盤・大腿骨骨切り術および人工股関節置換術を積極的に行っている。また、足部疾患では、国内で有数の症例数を誇る内反足治療や外傷後の変形治癒、偽関節、感染(慢性骨髄炎)などに対する変形矯正や骨移動術による治療を行っている

★腫瘍疾患については、北海道がんセンターと連携して診療・治療を行っている他、脊椎転移性腫瘍に対しては最新のビスフォスホネート製剤による治療を行っている。

医療設備

MRI、CT、FDG-PET、骨密度定量(DEXA)、整形外科専用エコー、電気生理学的検査機器、手術用ナビゲーション、手術用顕微鏡、関節・脊椎用内視鏡、脊椎無菌手術室などが整っている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

スポーツ医学診療科

分野

整形外科

特色

特に膝関節外科領域のスポーツ傷害に対する先端的治療方法を開発するための基礎および臨床研究を行い、さらにそれをスポーツ医学分野へ普及させるための努力をしている。これまで、解剖学的2重束前十字靱帯再建術、超低摩耗性ジルコニア・セラミック人工膝関節の多機種化による治療の体系化、および重度複合靱帯損傷に対する複合靱帯再建術などを世界に先駆けて確立した。またプロ野球球団や各種の競技における社会人・学生チームのチームドクターを務め、トップアスリートのスポーツ医学診療を広く行うなど、スポーツ医学分野における社会貢献に努めている。

症例数

08年の手術数80件

★スポーツ傷害の治療では主に関節鏡を用いた最小侵襲手技の手術を行っている。その代表例は、半月板損傷、膝靱帯損傷、軟骨損傷、関節リウマチ、および変形性関節症などである

膝靱帯再建術=独自に開発した高い力学的強度をもつ膝屈筋腱と人工靱帯を組み合わせたハイブリッド型移植材料を前十字靱帯および後十字靱帯などの治療に応用している

高位脛骨骨切り術=脛骨の近位で骨切りを行い、膝関節への体重のかかり方を矯正する方法。これにより膝の内側の軟骨にかかる負担を軽減し、疼痛の緩和が期待できる

人工膝関節置換術=人工関節の材料として一般的にはコバルト合金、チタン合金などが使われているが、我々はセラミックを応用した人工膝関節を独自に開発した。

医療設備

MRI、CT、骨密度測定装置、RI、無菌手術室。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

リハビリテーション科

分野

リハビリテーション科

特色

北海道大学病院は、札幌駅の北西に位置する広大な北海道大学キャンパスの中央にある。北海道大学病院は病床数936床を有し、そのうちリハビリテーション科は30床を有する。特に外傷性脳損傷による高次脳機能障害患者の診断評価と支援、膝の変形性関節症や靱帯損傷に対する運動器リハビリテーション、難治性ジストニア患者に対する各種神経ブロック治療、ポリオ後症候群患者の診断評価、パーキンソン病患者の姿勢障害に対する電気刺激療法、脊髄小脳変性症患者や脳血管障害患者に対する磁気刺激治療、嚥下障害に対する診断評価とリハビリテーションなど、各診療科で対応できない患者の入院診療に活用している。一方で、北海道大学病院は急性期治療主体の診療を行っており、リハビリテーション科はその中で入院患者の急性期リハを主体に実施している。月曜日に整形外科・スポーツ医学診療科60床、救急科10床、水曜日に脳神経外科40床、神経内科20床に入院してリハ訓練を実施している患者を回診し、各診療科を支援している。チーム医療として高次脳機能障害患者に対して、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカーが集まり個別カンファレンスを実施している。さらに嚥下障害を認める入院患者に対して、主に医師、言語聴覚士、管理栄養士が集まりカンファレンスを実施している。

症例数

当院では1日平均約218人のリハ訓練を行っている。内訳は整形外科20%、リハビリテーション科16%、内科系15%、脳神経外科10%、神経内科10%、循環器内科6%、スポーツ医学診療科4%、外科系4%、救急科3%、循環器外科2%、その他10%である。当科診療の特色である高次脳機能障害支援普及事業に関して、当院は北海道の支援拠点機関であり、相談支援コーディネーターを配置し地域支援ネットワークの充実を図っている。09年(4月~12月)の相談件数は1,234件であり、08年度同月数1,105件の約20%増加で推移している。高次脳機能障害入院数は、07年51人、08年35人、09年(4月~12月)23人である

★また当科は独自に電気生理学的検査を年間300件前後実施している。主に脳血管障害や神経変性疾患に対して経頭蓋磁気刺激検査、ジストニアなど不随意運動に対して表面筋電図、ポリオ後症候群や末梢神経障害に対して末梢神経伝導検査や針筋電図を実施している

★さらに神経ブロック治療は、不随意運動や痙縮を緩和する目的で07年202件(ボツリヌス治療126件、フェノールブロック22件)、08年201件(ボツリヌス治療127件、フェノールブロック22件)、09年207件(ボツリヌス治療135件、フェノールブロック22件)に実施している。ジストニアや痙縮に対するフェノールブロックでは、感覚障害の合併を防ぐため末梢神経伝導検査の手法を応用し、細部まで運動点を同定し選択的神経ブロックを実施している

★痙性斜頸や内反尖足に対するボツリヌス治療では、筋電注射針や超音波検査を使用し、深部の目的筋を同定している。ボツリヌス治療は眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、痙性斜頸に加えて09年に「2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足」に適応追加されたが、今後痙縮の適応追加も予定されており、治療件数の増加が見込まれる。また脳神経外科と共同で、痙縮に対して体内植え込み型ポンプシステムを使用するバクロフェン髄注療法の実施施設となっている。嚥下障害の診断評価は主に水曜日に嚥下造影、そのほか随時鼻咽喉頭内視鏡を実施している。

医療設備

筋電図検査機器(神経ブロック専用機器1台、磁気刺激用機器1台、検査用機器2台)、磁気刺激装置、連続磁気刺激装置、嚥下造影、鼻咽喉頭内視鏡、水中トレッドミル、3次元動作解析装置、床反力計内臓トレッドミル型歩行解析装置などを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

形成外科

分野

形成外科

特色

北海道大学形成外科は生命予後に関する成績はもちろんのこと、常に各疾患に対し機能的再建と整容的改善を「車の両輪」として認識し、高いレベルでの達成を目指し、患者さんのQuality of Life(QOL:生活の質)の向上に努めている。具体的には救急医療としての熱傷・顔面骨骨折などの外傷、唇裂・口蓋裂・小耳症・眼瞼下垂・第1第2鰓弓症候群・頭蓋骨早期癒合症・合指症・多指症などの先天性形態異常、悪性黒色腫などの皮膚・軟部組織悪性腫瘍、ケロイドなどの皮膚・軟部組織良性腫瘍、褥瘡・放射線潰瘍・糖尿病性潰瘍などの皮膚潰瘍、頭頸部腫瘍切除後などにおける組織欠損の再建、血管腫、老人性皮膚疾患などに対するレーザー治療、乳がん切除後の乳房再建などの美容外科など、形成外科が対象とする幅広い疾患を扱っている。さらに歯学部臨床各科と共同した唇顎口蓋裂症例に対する頭蓋顎顔面外科治療、耳鼻咽喉科、消化器外科、および脳神経外科と共同した頭頸部再建外科治療、移植置換外科と共同した肝移植治療等、多くの分野において高度先進的なチーム医療・チームサージャリーを行い、日本でもトップクラスの実績を誇っている。

症例数

年間外来患者数は約9,000人、初診患者約1,000人であり、年間手術件数は入院手術約650件、外来手術約100件である

★レーザー治療は色素レーザー、Qスイッチレーザー、炭酸ガスレーザーにより、アザ・老人性皮膚疾患等に対する治療を外来、入院合わせて年間合計約300件行っている

★熱傷は救急部、リハビリ科等と連携し、全身にわたる重症熱傷を中心として年間約20件の植皮術を行い、術後のリハビリを含めて患者の良好な社会復帰を目指している

★顔面外傷・骨折は外来での洗浄・縫合術の他、顔面骨骨折に対する整復固定術を年間約30件行っており、交通事故による受傷や他院での困難症例を中心に、最小限の傷跡で最大限の整復結果を提供している

★唇裂・口蓋裂の手術は年間約120件行っており、耳鼻咽喉科、言語療法士、矯正歯科、補綴科等と共に、専門外来である口蓋裂外来および顎顔面外来において、乳児期から成人に至るまでの総合的な治療を行っている

★手足の外傷・先天異常に対しては、多指症、合指症を中心に、機能面だけではなく整容面にも配慮した再建を行っている。小耳症を主としたその他の先天異常も合わせて年間約120件の手術を行い、整容面での良好な改善を得ている

★血管腫・良性腫瘍の分野においては、年間約300件の手術を行っている。これには良性の皮膚腫瘍に対する局所麻酔および全身麻酔下の切除術、乳がん切除後のリンパ浮腫に対するリンパ管静脈移植術、さらに血管腫・血管奇形への硬化療法が含まれ、硬化療法においては放射線科医師との連携の下、手術を行っている

★悪性腫瘍切除およびその再建は年間約100件行われており、基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫等に対し切除、所属リンパ節郭清、切除部の再建、そして術後の化学療法に至るまでのトータルな治療を行っている。また、外科や口腔外科における腫瘍切除後の組織欠損に対して、顕微鏡下血管吻合術を含めた再建を年間約50件行っている

★瘢痕・瘢痕拘縮・ケロイドに対しては、外来において行う保存的治療の他に、年間約50件の外科的切除術および術後療法であるステロイド局所注射や、放射線科との連携の下に電子線照射を行っている

★美容外科に関しては、09年5月より整容・美容外科外来を新設し、主に皮膚のたるみや眼瞼下垂などの加齢性の変化に対し形成術を行っており、整容面だけでなく患者自身の心の改善を含めた外科治療を目指している。

医療設備

重症熱傷治療施設、手術用顕微鏡、色素レーザー、Qスイッチレーザー、MRI、(3D)CT、PET、超音波、ドプラ血流計等。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

婦人科

分野

産婦人科

特色

大学病院としての特色を生かし先進的な集学的治療を実践している。また、機能温存手術への取り組みや乳がんなど他の婦人疾患の検診、婦人科がん患者の術後健康維持にかかわるスタッフによる診療が行われている。生殖医療グループは不妊・内分泌疾患の治療に携わるのみでなく、鏡視下手術の実施や術後妊孕能の保持の観点から、婦人科腫瘍班への協力体制をとっている。このように疾患をひとつの点としてではなく、女性の健康をトータルにサポートできる体制を整えているのが最大の特色である。

症例数

07年の婦人科手術件数は466件(生殖医療班分は165件)であった

婦人科疾患=07年婦人科延べ入院患者数は706人(悪性腫瘍550人、境界悪性腫瘍12人、良性腫瘍113人、絨毛性疾患14人、その他17人)であった。がん初回治療症例は、子宮頸がん50例(0期31例、I期16例、II期1例、III期2例)、子宮体がん30例、卵巣がん25例(I期5例、II期1例、III期3例、IV期2例、境界悪性14例)、その他2例であった。主要手術の件数は広汎子宮全摘出術15例(3例が卵巣温存、2例が腹腔鏡下)、広汎性子宮頸部摘出術1例。子宮体がん根治手術27例。卵巣がん根治手術12例。拡大子宮全摘出術のみ施行例は4例(腹腔鏡下手術1例)、骨盤・傍大動脈リンパ節郭清術のみ施行例は5例(腹腔鏡下2例)。単純子宮全摘出術は65例(腹腔鏡下10例)。子宮付属器腫瘍手術は44例(腹腔鏡下20例)、子宮筋腫核出術13例(腹腔鏡下5例、子宮鏡下1例)、円錐切除術45例、性器脱手術7例、性器奇形手術3例である。治療の基本は、婦人科悪性腫瘍各種ガイドラインに則っているが、近年のがん患者層の変化や社会的要求にも柔軟に対応している

★増加している若年者の子宮頸がん症例に対して、0~Ia1期であれば円錐切除術、Ib1期までであれば腹腔鏡下リンパ節郭清を含んだ円錐切除術あるいは広汎性子宮頸部摘出術にて治療し、妊孕能の温存に配慮している。広汎子宮全摘出術に関しては、排尿機能温存のための北大式自律神経温存術式が確立しており、良好な成績が得られている。また卵巣温存術式や腟短縮予防処置など術後Quality of Life(QOL:生活の質)の維持に配慮した手術治療を実践している

★子宮体がんに対して、われわれの基本的な術式は拡大子宮全摘出術と骨盤・傍大動脈リンパ節郭清術であるが、近年ではリンパ節転移リスクの少ない症例に対しては、腫瘍の子宮筋層浸潤の有無を術中迅速組織診断で判定した上での縮小手術を施行するなど、手術治療の個別化を進めている

★卵巣がんに関してもガイドラインに則り標準治療を行うことを基本としているが、再発腫瘍摘出や他臓器合併切除にも積極的に取り組んでいる

治療成績(90~03年初回治療例)は5年生存率で子宮頸がん=I期92.3%、II期75.3%、III期37.0%、IV期16.7%。子宮体がん=I期97.8%、II期85.4%、III期79.4%。卵巣がん=I期91.1%、II期82.5%、III期53.1%、IV期34.1%である。III期の子宮体がんの治療成績が良いのが特徴であり、これはリンパ節郭清範囲を含めた当科での術式に起因すると考えている

生殖医療=07年延べ外来受診患者数は11,439人であった。主要手術の件数は子宮内膜症手術(浅部~深部仙骨子宮靭帯切断術)38例、卵巣腫瘍核出術35例、子宮筋腫核出術53例、子宮腺筋症切除術9例、単純子宮全摘出術9例、卵管形成術6例、卵巣多孔術5例である。以上の手術はすべて鏡視下に完遂されており、開腹手術は1件もない。不妊治療に関しては全425周期での採卵が行われた後、180周期で胚移植が行われた。このうち53周期(29.4%)で妊娠が成立し、38例(21.1%)が分娩に至った。当科で不妊治療を受ける症例の相当数に、他院での不妊治療非成功例が含まれていることを考慮すると、良好な成果をあげていると言える。

医療設備

MRI、CT、PET、炭酸ガスレーザー、リニアックその他。婦人科独自に尿流量検査機器も有している。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

小児外科

分野

小児外科

特色

当教室は1997年11月に医学部の講座として認められた。日本小児外科学会の認定施設である。新生児から15歳にいたるまでの小児外科疾患患者の診断・治療を行っている。新生児は、ほとんどは周産母子センター内のNICUで診療している。母体搬送例は、出生前に産科・小児科・小児外科医との間でカンファレンスを行い、治療方針を決定している。胆道閉鎖症マススクリーニング陽性例の精密検査を行っており、胆道閉鎖症の進行肝硬変例に対しては、肝移植を行っている。悪性腫瘍例は、小児科・小児外科でカンファレンスを行い治療にあたっている。術前・術後の化学療法は小児科で行っており、進行例は大量化学療法+幹細胞移植で治療している。肝芽腫の進行例で非切除例に対しては肝移植による治療を行い、生存率の向上に努めている。24時間pHモニタリング、直腸肛門内圧検査など、他院から依頼され検査を行っている。どのような疾患についても診療に当たるだけでなく、各科間のコーディネーターとしての小児外科の役割を果たしている。

症例数

年間手術件数は250例前後である。新生児手術件数は年間10~15件で、すべて院内出生例である。治療例は先天性横隔膜ヘルニア、先天性肺嚢胞、十二指腸閉鎖、空腸閉鎖、臍帯ヘルニア、腹壁破裂、胎便性腹膜炎などである。乳幼児疾患は、胃食道逆流症、ヒルシュスプルング病、腸重積、肥厚性幽門狭窄症、胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症などである。鼠径ヘルニア+陰嚢水腫が70件位である。悪性腫瘍は、神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫、奇形腫などである。胸部疾患、胃食道逆流症、潰瘍性大腸炎などは鏡視下手術としている。

医療設備

NICU、ICU、無菌室、内視鏡室、CT、MRI、PET、超音波、RI、24時間pHモニター、消化管内圧検査。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 

特色

広く耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野をすべて扱っているが、頭頸部がんを主体とする頭頸部腫瘍に重点を置き、世界トップクラスの治療体制を整えており、放射線科、形成外科、腫瘍内科、緩和ケアチーム、口腔ケアチームとも連携した集学的治療を行い、広範切除・再建による外科療法ならびに放射線化学同時併用療法(超選択的動注、全身化学療法)を軸として臓器・形態・機能温存、QOL(Quality of Life:生活の質)の向上に努めている。手術ナビゲーションシステムも全国に先駆けて導入し、350例以上の経験を持ち、このシステムにより安全で正確な手術を可能にしている。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医研修施設。日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医認定研修施設。

症例数

外来患者数は07年22,200人、08年21,373人。入院は07年、08年でそれぞれ延べ患者数:11,893人、13,032人、1日平均患者数:34人、35.6人、稼働率:106.2%、111.3%、平均在院日数:23.2日、22.1日である。手術件数は07年、08年でそれぞれ449例、500例と最後の砦機能を有し、困難例、進行例、難治例を扱うことを考えると多数例である

頭頸部がん=08年の初診患者数は178人であり、患者さん・ご家族の意向も十分に取り入れたインフォームド・コンセントを徹底し、外科療法、放射線療法、化学療法をテーラーメイド的に組み合わせた集学的治療を行っている。中でも進行がんに対する超選択的動注療法は99年10月から開始し200例を超え、その解析から特に鼻副鼻腔がん、舌根がんが良い適応である。例えば鼻副鼻腔がん47例(平均観察期間4.6年)の解析では、5年局所制御生存率は全例で78.4%、T4b以下(29例)で83.2%、T4b(18例)でも69.0%であり、重篤な副反応もなく、その進行性を考えると非常に良い成績であり、がんの国際的一流誌Cancer : Oct.15, 2009に掲載され脚光をあびた。また当院では、緩和ケアチームが強力なサポート体制を整え、疼痛緩和、メンタルケアなどにその力を発揮し、患者さん・ご家族の信頼も厚い

★ナビゲーション手術も99年から開始し、350例以上の症例に対して指向し、十分な精度(1mm以下)が得られ、特に鼻内内視鏡手術(ESS)において、より正確で安全な手術を可能にしており、手術支援システムとして貢献している

★免疫・アレルギー関係でも、北海道に特有なシラカバ花粉症の花粉飛散予測、難治例のレーザー手術、舌下免疫療法、IgG4関連疾患の病態解明に取り組んでいる

★鼓室形成術も08年で36例施行し、良好な成績を得ている。また、鼓室内ステロイド療法も難治の突発性難聴や急性低音障害型感音難聴に応用し、良好な成績を得ている

★GERD(胃食道逆流症)の解析においても独自の評価システムを構築し、患者さんのQOLの改善に寄与している

研究活動=①頭頸部癌に対する臓器・機能の温存を指向した集学的治療の研究②原発部位別および頸部リンパ節転移の程度からみた頸部郭清術の標準化に関する研究③頭頸部癌に対する放射線と化学療法の同時併用療法の臨床研究④ウイルス性難聴とその予防⑤耳音響放射の臨床応用における研究⑥突発性難聴の予後診断と新しい治療の試み⑦頭頸部癌の分子病理学的研究など。

医療設備

MRI、CT、PET、PET-CT、超音波、各内視鏡、炭酸ガスレーザー、ヤグレーザー、IMRT(強度変調放射線照射)、ナビゲーションシステム、高圧酸素療法室など、様々な医療設備を備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

歯科診療センター・口腔顎顔面外科

分野

歯科口腔外科

特色

口腔顎顔面領域のすべての外科的疾患を対象に、集学的な診断と治療を行っている。診療に当たって、常に、患者中心の安心・安全な医療ならびに先進・先端的医療の提供を心がけ、治療成績の向上を図っている。

症例数

08年の外来新患者数2,301人、外来小手術件数1,720件、中央手術部手術件数272件である

口腔領域悪性腫瘍=同年の新来数34人で、入院手術件数は42件。治療に当たっては、がんの根治だけでなく口腔の機能と形態をできるだけ温存し、回復させることを心がけている。治療前に放射線科や耳鼻咽喉科、形成外科とカンファレンスを行い、患者さんごとに最適な治療法を選択している。早期例に対しては切除のみを行い、特に舌がんや口底がんなどには炭酸ガスレーザーを用いて機能と形態を温存し、下顎歯肉がんでは可及的に下顎骨を温存するよう努めている。進行した症例では、手術前に放射線と化学療法を組み合わせた術前治療を行うことで、切除範囲を必要最小限度に抑えるように努め、やむを得ず切除範囲が大きくなる場合には、形成外科の協力のもとに再建手術を行っている。また、術前の口腔ケア、嚥下機能訓練とともに、術後リハビリテーションにも積極的に取り組んでいる。5年生存率は、I期:87.7%、II期:87.8%、III期:78.9%、IV期:59.0%である

顎変形症=同年の新患者数72人、入院手術症例数74件で、比較的難症例が多い。矯正科と補綴科の専門医とチーム医療を行っているのが特徴で、初診時に合同カンファレンスで診断・治療方針を決定し、個々の症例にとって機能的に最適な咬み合わせの獲得を中心に、顎関節、咀嚼、発音、呼吸等の正常な機能獲得と形態改善を目指している。手術は下顎骨移動術単独と上下顎骨同時移動術とが半々である。骨片はチタンミニプレートや生体内吸収性プレートで固定し、術後の顎間固定は行わず、術後早期の経口摂取を可能にしている。また、多くの矯正歯科の開業医と協力・連携して治療に当たっている

口唇口蓋裂=同年の新来数41人、入院手術件数は53件。95年から本院高次口腔医療センターを中心として、言語と顎発育の両立を目標とした治療体系(ホッツ床を用いた早期顎矯正治療と顎発育障害の低減を目的とした二段階口蓋形成手術法)を構築し、産科や小児科、形成外科、矯正歯科、言語聴覚士などと連携したチーム治療を実践している。円滑な実践には緻密なフォローアップが絶対に必要なことから、道内各地の専門各科との病診連携を積極的に推進している

顎関節症=同年の新来数210人。顎関節症は、顎関節の関節円板のずれや変形、咀嚼筋の異常緊張などにより、顎関節や咀嚼筋に症状がでる疾患である。他科と連携して総合的に診断したのち、理学療法、薬物療法、咬み合わせの治療を行っており、必要に応じて関節洗浄マニピュレーション療法や関節鏡視下手術、咀嚼筋腱・腱膜過形成症に対する手術なども行っている

口腔顎顔面の外傷・骨折=同年の新来数42人。顎骨骨折の治療に当たっては、顎間固定の回避または固定期間の短縮、在院日数の短縮、日常生活への早期復帰等を目的に、症例に応じて種々のチタン製プレートによる固定法を用いた治療を行っている

インプラント=同年の手術症例数23件、埋入インプラント数53本。比較的難症例が多く、症例の約半数は骨移植が必要なものである。従来は腸骨から移植骨を採取していたが、現在は下顎骨から採取しており、手術侵襲の軽減や手術時間の短縮、在院日数の短縮に繋がっている。

医療設備

CT、MRI、PET-CT、超音波診断装置、鼻咽腔ファイバーシステム、炭酸ガスレーザー、顎関節鏡視システム(細径ファイバースコープを含む)、インプラントシステム等。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

血液内科

分野

血液内科

特色

白血病やリンパ腫等の造血器悪性腫瘍や再生不良性貧血や骨髄異形成症侯群等の造血器難治性疾患に対する的確な診断と造血幹細胞移植を中心とした種々の治療を駆使して、治療成績の向上に努めている。日本血液学会認定施設、日本骨髄移植推進財団および日本臍帯血バンクネットワーク認定施設、日本成人白血病治療研究グループ認定施設。

症例数

入院患者は年間約150例で、約20例の急性白血病、数例の慢性骨髄性白血病、数例の骨髄異形成症候群、約30例の非ホジキンリンパ腫、数例のホジキンリンパ腫、約5例の多発性骨髄腫、その他良性疾患等からなる。外来患者の延べ数は年間2,000例を超え、種々の血液疾患を幅広く診療している。各疾患に対する治療成績は、各々の病態および病期に見合った治療を施行し、標準かそれ以上の成績である

★特筆すべきは、急性リンパ性白血病の第一完解期で施行した同種造血幹細胞移植では約90%の長期生存率が得られており、通常の2倍良好な成績である。これは、当科で20年以上前に開発した独特な前処置法に起因することが明らかとなっており、現在全国的な前方視的臨床試験を行っている。全国的な血液疾患に関する研究班に属して、新規の診断および治療の進歩に貢献している。また、造血幹細胞移植の研究班にも属し、その治療成績の向上に努めている。

医療設備

無菌室4床、血液病床約15床。CT、MRI、PET-CT、細胞処理センター等完備。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

神経内科

分野

神経内科

特色

外来は原則として神経内科専門医が担当している。外来診療を行う神経内科専門医は、それぞれ神経疾患の中でも得意分野を有しており、連携しながら診療に当たっている。院内にはMRI・SPECT・PETなどの高度先進機器が常備されており、診療に当たってはこれらの機器を十分活用している。当院は大学病院のため、他の診療科にもそれぞれの疾患のエキスパートが在籍しており、他科との連携を密にしながら、神経疾患以外のアドバイスも得られる体制となっている。特に、神経外科、神経放射線科とは毎週カンファレンスを行っており、画像的に難しい症例の場合には、この場で広くディスカッションを行っている。その他、新規治療も積極的に導入しており、より広い選択肢を提供できるようにしている。

症例数

外来患者数は1日平均70人前後、入院患者数は25人程度である。年間平均入院患者数は250~300人。対象疾患はパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症をはじめとする神経変性疾患から、ギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発神経炎などの末梢神経疾患、多発筋炎や筋ジストロフィーなどの筋疾患、さらに多発性硬化症や重症筋無力症などの神経免疫疾患まで幅広い。一方で、他医から診断困難例や治療困難例などの依頼を受けることも多く、患者は北海道全域から集まってくる。このようなことから、毎週火曜日の総回診では十分時間をかけ、各症例の経過や治療方針に関し、医局員全員で検討している。さらに検討が必要な場合には、症例検討会を開いて方針を決めている。また、各種臨床試験に積極的に参加しており、特に、神経難病と言われる疾患の中には、ほとんど治療法がない疾患もあるため、少しでも治療効果のある薬剤の応用に向けて努力している

★パーキンソン病、アルツハイマー病、脊髄小脳変性症等の変性疾患においては、当院における最新機器を用いた画像診断、遺伝子診断などを駆使し、適切な診断のもと、臨床症状も加味した治療方針を決定している。特にパーキンソン病に関しては、微妙な薬剤調整を必要とする場合には、入院の上、症状の日内変動を確認し投薬内容を検討することがある

★ギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発神経炎等の末梢神経疾患では、電気生理学的検査を中心とした検査を駆使しながら的確な診断を行い、病態生理にあわせた治療方針をたてており、必要な場合には血液浄化部と協力しながら、免疫吸着ないし血漿交換療法を行っている。また、ヒト免疫グロブリン大量静注療法なども行っており、幅広い治療選択肢を提供している

★多発性硬化症においては、各種臨床試験にも積極的に参加しており、最新の治療も紹介しながら、患者の症状にあわせた治療を幅広く行っている。また、症状の重い再発などの場合には、免疫吸着・血漿交換療法も行っている

★筋疾患に関しては、筋生検が必要な場合、筋組織を採取した後、当科で独自に切片作成後染色を行い、診断を行っている

★頭痛に関しては、当科には3人の頭痛専門医が在籍しており、詳細な病態の把握のもと、2次性頭痛を画像等で鑑別しながら、診断と治療を行っている。頭痛薬も病態にあわせ、きめ細やかな調整が必要とされる場合があり、頭痛専門医を中心に的確な治療方針を検討している

リハビリテーション=神経内科にはリハビリテーション(理学療法、作業療法、言語療法)を必要とする患者が多いが、当科ではリハビリテーション科と常に連携をとりながら、早期の社会復帰やQuality of Life(QOL:生活の質)・Activity of Daily Living(ADL:日常生活活動度)の維持・改善を目指している。また、神経疾患においては長期の療養を要する場合があり、そのような施設の紹介、在宅に向けての環境整備などは、地域医療支援室と連携を密にして、各患者・家族・家庭環境にあわせた最善の方向を求めて協議を重ね、よりよい退院後の環境整備を目指している。

医療設備

MRI、CT、SPECT、PET、脳波、神経伝導検査、筋電図、誘発電位、頸動脈エコーなどを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

放射線科

分野

放射線科

特色

大学病院では、放射線診断、放射線治療、それぞれに専門医を配し、最先端の診療・研究・教育を行っている

★放射線診断では、最後の砦病院としての精密診断を旨とし、09年度に世界最高峰のMRI(3.0テスラマルチトランスミット&32チャンネルコイル)を導入し、脳脊髄・循環器・胸腹部・骨軟部・乳房領域・各種がん等の詳細な診断を行うとともに、核医学診療科と協力し産学連携医療機器開発拠点として、未来の医療を見据えた定量的診断装置の研究開発を推し進めている

★放射線治療では、エビデンスに基づいた標準的治療の提供、化学放射線療法中の入院患者さんのケア・外来での長期にわたる患者さんの直接診察・地道な品質管理を基本とし、患者さんやその家族の笑顔を見ることに生きがいを感じる臨床腫瘍医としての医療を実践している

★放射線治療は、総合的な品質管理がなされて初めて安全な治療になる、という考え方をもとに、国立大学で初めて医学研究科と大学病院に医学物理部門を設置した。現在は、医学物理部門は強度変調放射線治療の治療計画と放射線治療の照合の品質管理などを担当している

★いままで治らなかった方を治すのも北海道大学の使命と考え、最先端研究開発支援プログラムやスーパー特区など、世界に通用する放射線治療装置の開発研究や、科学的な手法に基づく医師主導型臨床試験を行っている。

症例数

放射線診断での09年の検査件数はMRI 13,876件、CT 27,077件、血管造影およびIVR 1,167件などであった。正確な診断レポートは、全診療科の治療方針の基礎となり、それぞれの治療成績に反映されている

★IVRの専門医は、毎日の治療検討会にて他科の専門医らと検討したうえで集学的治療を行い、進行期頭頸部がん50例で動注化学放射線治療にて5年総生存率70%の他、遺伝性多発性嚢胞腎へのエタノール塞栓治療法などで優れた治療成績を残した

★放射線治療での09年の総治療患者数は1,329人、通常の乳房温存照射・緩和治療等の他、頭頸部がん181人、定位放射線治療89人、強度変調放射線治療51人、動体追跡放射線治療46人。脳脊髄疾患では、神経外科と協力し小児髄芽腫16例で3次元計画全脳全脊髄照射・化学療法併用による5年生存率81%、治療動静脈奇形75例に対する定位放射線で6年閉塞率78%、聴神経腫瘍101例に対する分割照射技術にて腫瘍制御率91%・有効聴力温存率70%、顔面神経腫瘍等に対する顔面神経機能温存率100%、脊髄悪性腫瘍への高線量照射で10年生存率67%。照射中透視にて腫瘍近傍の金マーカーの位置を確認することで呼吸・心拍・腸管の動きにかかわらず±2mm程度の精度維持ができる動体追跡照射を開発し、肺がん200例・肝がん40例・前立腺がん150例等で安全性を確かめた。動体追跡照射にて、3cm以下の非小細胞肺がん18例では3年生存率82%、他で治療不可能な肝がん18例では局所制御率92%であった。前立腺がんでは直腸と尿道線量を減らす動体追跡強度変調放射線治療、3cm以上の非小細胞肺がんでは動体追跡照射の線量増加試験などが行われている。

医療設備

放射線診断:3テスラマルチトランスミット&32チャンネルMRI 1台、1.5T32チャンネルMRI 1台、他1.5T MRI 3台、CT 3台、CTアンギオ、シネアンギオ。全病院完全フイルムレス

★放射線治療:動体追跡放射線治療用リニアック2台、画像誘導放射線治療・定位放射線治療用リニアック1台、治療計画用CT 1台、治療計画用MRI 1台、マイクロセレクトロン1台、小線源治療病室2室、一般病室約20床

★医学物理:3次元治療計画装置7台。放射線治療品質管理委員会を毎月開催。放射線部:放射線技師48人、うち各種専門技師13人。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

腫瘍内科

分野

癌化学療法

特色

当科では、臓器を問わずに横断的に悪性固形腫瘍を治療の対象にしている。頻度の高い肺がんや消化器がんを中心に、進行した乳がん、原発不明がんや、その他の稀な悪性腫瘍の治療にも取り組んでいる。がん薬物療法や、化学放射線療法などの集学的治療に力を入れている。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・暫定指導医が在籍し、専門的な治療を行っている。

症例数

がん薬物療法の進歩は著しく、特に分子標的治療薬の開発が急速に進んでいる

★肺がんでは、ゲフィチニブ、エルロチニブに加え、09年にベバシズマブの適応が認められた

★大腸がんではベバシズマブに加え、08年にセツキシマブが承認された

★これらの分子標的薬には、非常に高い有効性を示す患者集団があり、遺伝子レベルの違いで治療効果を予測できることがわかってきた。例えばEGFR遺伝子変異のある肺がんや、K-ras遺伝子変異のある大腸がんなどが明らかになった。当科ではこうした効果予測因子の検査を積極的に行い、個別化治療に役立てている

★進行した乳がん・原発不明がん・その他の稀な悪性腫瘍の治療にも取り組んでいる

★大学病院の利点を生かして、他の診療科と密接に連携して、手術や放射線治療を含めた集学的治療に取り組んでいる

★北海道や全国の施設と共同で分子標的薬や抗がん薬の臨床試験に取り組み、新しいがん薬物療法の開発に力を注いでいる。

医療設備

当院では、腫瘍センターの中に化学療法部(外来治療センター)が設置されており、安全かつ快適な環境下で、外来化学療法が行われている。腫瘍内科はセンタースタッフや他の診療科と協力し、化学療法部の運営、診療に積極的に関わっている。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

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