専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

愛知県がんセンターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器内科部・内視鏡部

分野

消化器・一般内科

特色

消化器癌の専門病院として質の高い医療の提供、知り得た情報は患者さん・家族と医療スタッフが共有し、方針を決定し治療を行うことを理念としている。内視鏡診断と治療に関しては高いレベルの技術を提供し、手術不能進行癌には化学療法と放射線治療を積極的に実施している。また抗癌剤の臨床試験を積極的に推進し、新規抗癌剤の開発に参加している。若手癌研究者の育成にも取り組み、数多くの国内・国外からの研究者の研修、見学を受け入れている。また研究成果は学会発表、論文投稿、講演を通じて国内・外に積極的に公表している。県下唯一の「都道府県がん診療拠点病院」として質の高いセカンドオピニオン外来を実施し、また患者さんが“がん”と言われれば一度は受診していただくべく専門病院として日夜努力をしている。疾患の重要性を鑑み2~3日以内の入院も可能。

症例数

09年度の年間入院疾患別内訳(延べ人数)は胃癌257例、食道癌207例、膵癌371例、大腸癌65例、GIST43例、肝癌20例、胆道癌107例などである。上部消化管内視鏡検査6,056件、下部消化管内視鏡検査2,800件、ERCP157件、ERBD166件、超音波内視鏡検査664件、超音波内視鏡下生検272件、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD):食道17件、胃91件、粘膜切除術(EMR):食道27件、大腸355件などである。主な薬物療法実績は胃癌114例、食道癌121例、大腸癌14例、膵癌131例、胆道癌36例で、胃癌、食道癌、膵癌は中部地方でも症例数の最も多い病院の一つである。

医療設備

各種電子内視鏡、超音波内視鏡、CT、MRI、PET(民間と提携)など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

胸部外科

分野

消化器・一般外科

特色

地方自治体で最初にできたがんセンターという伝統のもと、中部地方一の症例数を誇る。一医師の判断ではなく、多科の医師が参集して行われる食道カンファレンスで治療方針が決定される。常に手術術式の改良、周術期管理の改善に努めている。術後合併症は呼吸器関連が圧倒的に多くみられる。胸部外科ではこれら合併症に対して適切に管理することを得意としている。

症例数

ここ数年間の当センターにおける年間の食道癌取り扱い件数は150人前後で推移している。内視鏡的粘膜切除(EMR)は新患で年間30人、再切除を含めると40人を超す。外科手術件数は40〜50件程度。標準術式が頸部、胸部、腹部のリンパ節郭清を伴う3領域郭清。鏡視下手術は行っていないが、小切開創で体壁破壊を最小限にとどめている。低侵襲手術を心がけるとともに周術期管理の工夫により、術後3週間前後で退院する患者が増えている。手術時間の中央値は6時間30分。出血量の中央値は300mlでほとんどの症例で輸血を必要としない。00〜07年の胸部食道癌切除例254人を母数とした原病死、他病死等のあらゆる死因を含む病理病期別5年生存率は、I期84%、II期74%、III期46%、IV期42%(UICC:国際対がん連合の病期分類による)。手術死亡(術後30日以内の死亡)率は0.3%である。JCOG(厚生労働省により助成された日本臨床腫瘍研究グループ)による臨床試験に積極的に参加している。

医療設備

電子内視鏡、超音波内視鏡、ヘリカルCT、IVR-CT、血管造影装置、MRI、リニアック、トモセラピー、ラルス、各種最新の手術機器。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

消化器外科(胃)

分野

消化器・一般外科

特色

癌専門病院としての高い専門性を有する。併設される研究所の協力を得て、胃癌再発で最も多い腹膜転移の遺伝子検査・診断を積極的に行うとともに、腹膜転移が多いスキルス胃癌症例には、あらかじめ腹腔鏡検査を行うことによって腹膜転移を早く診断し、無益な開腹手術を避けるようにしている。胃全摘術、胃切除術のいずれも腹腔鏡下手術を導入。手術症例は多く、常に全国のトップクラスに位置しており、また良好な治療成績を誇る。治療に際しては科学的根拠に基づいた治療(EBM)が基本であり、当センターの豊富な症例データに基づいた独自の治療を行うこともあるが、原則的には「胃癌治療ガイドライン」に基づいた正確で過不足のない治療を行っている。診断、手術、再発後の化学療法など、病院の各部門と連携、それぞれの専門家が対応する体制をとり、手術療法や化学療法の全国的な臨床試験にも積極的に参加している。患者さんには正しい病名の告知を含めて、正確で丁寧な情報提供を行い、十分に納得していただいて治療方針を決定する一方、セカンドオピニオンの依頼にも積極的に応じており、県外からの依頼も多い。

症例数

08年の胃癌手術例数は247例。手術死亡はなく、ほとんどが無輸血手術である。うち腹腔鏡手術58例。腹腔鏡下手術の適応は原則としてcStageIの胃全摘術、胃切除術。00~04年の胃癌症例の5年生存率(他病死を含む)は、StageIA: 92.7%、IB: 96.4%、IIA:84.0%、IIB:82.9%、IIIA:72.6%、IIIB:53.5%、IIIC:33.1%、IV:9.3%。

医療設備

ほとんどの設備を装備している。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

消化器外科(肝胆膵外科)

分野

消化器・一般外科

特色

肝胆膵外科治療を専任スタッフ3人とレジデントで行っている。膵癌、転移性肝癌の手術件数が豊富で、それらの術後成績も全国平均に比べ極めて良好である。他府県(岐阜県、三重県など)からの患者紹介が約40%と多い。

症例数

09年の年間手術例数は160例で、肝疾患(原発性・転移性肝癌)56例、膵疾患(膵癌、嚢胞性腫瘍)43例、胆道疾患(胆管・胆嚢・十二指腸乳頭部癌など)27例であった

膵癌=正確な術前診断、的確な手術適応と術式選択により良好な成績をあげている。92~08年に通常型膵癌145例を切除し、術後5年生存率は30.5%で、日本膵臓学会膵癌登録(03年)の5年生存率9.7%に比べ極めて良好である。また、膵切除後に補助化学療法(抗癌剤投与)を施行することで術後成績の向上を図っている

転移性肝癌=大腸癌肝転移では系統的肝切除を基本術式とし、08年12月までに341例の肝転移切除を行ってきた。治癒切除例の3年・5年および10年生存率は72.7%・53.9%・37.9%と極めて良好である。肝転移切除例における残肝再発率は28%と他施設の報告(40%前後)と比べ低率であり、治療法(手術適応や術式選択)が適切であることが示されている。最近では肝切除と新規抗がん剤を組み合わせて治療することで治療成績がさらに向上している。

医療設備

CT、MRI、血管造影装置、CUSA、手術用顕微鏡など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

消化器外科(下部消化管)

分野

消化器・一般外科

特色

過不足のない手術による大腸癌手術成績の向上が目標。また、消化器内科、放射線治療部、放射線診断部(肝動注療法担当)、薬物療法部(抗癌剤担当)の各科と連携し、病院全体でひとつの癌の治療にあたることができる。

症例数

年間の大腸癌手術件数(08年)は、3人のスタッフで263例(直腸148例、結腸115例)。内視鏡的治療適応外の直腸腺腫、粘膜内癌に対してはTEM(経肛門的内視鏡下マイクロサージャリー)、手術が必要な結腸早期癌に対しては腹腔鏡補助下手術、結腸進行癌に対しては郭清度3(D3)のリンパ節郭清を標準としている。直腸進行癌に対してもD3のリンパ節郭清を標準とし、特に下部直腸癌では根治度を優先しながら肛門温存、自律神経機能温存もできるだけ図っている。ストーマ造設後は、外来でもトラブルに対応できるように、ストーマ相談室を設けている。局所超進行直腸癌には術前後放射線治療を、またリンパ節転移の認められた結腸直腸癌には抗癌剤の投与により治療成績の向上を図っている。再発大腸癌に対しては、手術的切除の適応を第一に考え、次に放射線治療、抗癌剤局所および全身投与を計画し、治癒および延命を目指している。91年から99年に手術を受けた大腸癌の5年生存率は他病死も含めて、結腸癌=StageI:91%、II:84%、IIIa:84%、IIIb:82%、IV:16%。直腸癌=StageI:93%、II:86%、IIIa:83%、IIIb:61%、IV:17%。

医療設備

各種画像診断機器:CT(マルチスライス)、MRI(1.5テスラ)、シンチ。放射線治療機器:3次元治療、術中照射。内視鏡設備(診断、治療)、外来化学療法センターなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

呼吸器内科

分野

呼吸器内科

特色

当院は愛知県の都道府県がん診療連携拠点病院に指定。呼吸器内科では肺癌、胸膜中皮腫、縦隔腫瘍を中心とした胸部腫瘍の診断と内科的治療を行っている。放射線診断部、放射線治療部、胸部外科部、遺伝子病理診断部、精神腫瘍診療科との連携のもとで集学的治療を実施。がん薬物療法専門医、放射線腫瘍学会認定医による専門的で高度な癌医療の提供を行っている。

症例数

呼吸器内科への肺癌での新規患者受診数は年間約600例。新規入院の受け入れは年間約300例

★特色として診断、治療の困難例の紹介も多い。診断困難例では、放射線診断部でのCTガイド下肺生検や、超音波気管支鏡、食道からの超音波内視鏡によるアプローチ等、各部との連携にて診断を確定している

★肺癌の手術適応・放射線治療適応に関しては呼吸器内科、胸部外科、放射線診断、放射線治療の各部による合同カンファレンスで、約20人の専門医が議論のうえ決定

★肺癌は、非小細胞癌と小細胞癌に分けられているが、正確な病期診断と迅速な病理診断により、適切な治療法を選択。化学療法、内科治療では副作用を可能な限り軽減した最高の医療の提供に努めている。また、全国の肺癌専門病院と連携し、新規内科治療法の開発も行っている

★分子標的薬の使用に関しては、遺伝子診断を取り入れ治療の個別化を行い、患者さんに最適な医療の提供を行っている。さらに、難治性の肺癌に対して、有効性が期待される新規分子標的薬や癌剤などを臨床試験の形で早期に提供している

★外来治療が可能な患者さんには、外来化学療法室での治療も施行。

医療設備

ヘリカルCT、MRI、トモセラピー、極細気管支鏡、超音波気管支鏡、ラジオ波。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

胸部外科

分野

呼吸器外科

特色

肺癌、転移性肺腫瘍および縦隔腫瘍を中心に診療している。患者さんの利益を第一に考えて、説明と同意(インフォームド・コンセント)を徹底し、根治性を保ちつつ合併症の少ない手術を行っている。将来の標準的治療を確立すべく臨床試験にも熱心に取り組んでいる。また、肺癌の個性を明らかとする分子生物学的研究を行ってきており、特にEGFR遺伝子診断による肺癌のイレッサ治療の個別化においては、世界的にも指導的立場にある。

症例数

09年の呼吸器外科の手術例は278例、うち原発性肺癌の手術数は195例、転移性肺腫瘍54例、縦隔腫瘍7例

★他科医師とのカンファレンスで組織型、病期、生理的機能を考慮して治療方針を決定している。患者さんの同意を得て最終方針を決めている

★基本的には非小細胞肺癌でI・II期、IIIA期のうちT3N1(胸壁浸潤+肺門リンパ節転移)は肺葉切除による完全切除を第一選択とする。通常、開胸は12~15cmほどの広背筋温存(前方)腋下開胸で行い、術後10日程度で退院している。早期症例にはVATS(胸腔鏡下手術)も取り入れている

★手術死亡率(術後30日以内の死亡)は01年~05年では0.14%。99~05年の手術症例の5年生存率はIA、IB、IIA、IIB、IIIA期それぞれ、90%、81%、67%、54%、35%で、全国的にも高水準である

★IB期はUFT、II~III期はプラチナベースの術後化学療法を行う。JCOGやWJOGの臨床試験にも積極的に参画している。

医療設備

CT、MRI、DSA、胸腔鏡、縦隔鏡。PETは08年1月より東名古屋放射線診断クリニックが、がんセンター敷地内で開業。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

尿路性器悪性腫瘍に特化した診療科で、近年急増している前立腺癌を中心に膀胱癌、腎癌、腎盂尿管癌、精巣癌などの診療を行っている。特に、前立腺癌では、最新の放射線治療である密封小線源療法や強度変調放射線治療(IMRT)を行っている。

症例数

外来患者数は1日70~80人。09年の手術件数は187件(全身麻酔が76件)であった

★全身麻酔では、前立腺全摘術 50件(前立腺癌)、根治的腎摘術 12件(腎癌)、根治的膀胱全摘術 6件(浸潤性膀胱癌)、腎尿管摘出術 7件(腎盂尿管癌)、副腎摘出術 1件(副腎癌)を行った。腰椎麻酔では、経尿道的膀胱悪性腫瘍切除術 46件(表在性膀胱癌)、密封小線源療法 22件(前立腺癌)、高位精巣摘出術 4件(精巣癌)、その他が39件であった

★前立腺全摘術の5年非再発率は、StageBで84.4%、StageCで42.2%、StageD1で42.9%、全体の5年生存率は98.7%である。根治的膀胱全摘術の5年生存率は、pT1で97.3%、pT2で66.4%、pT3で47.6%、pT4で25.4%である。根治的腎摘術の5年生存率は、pT1aで91.7%、pT1bで94.4%、pT2で88.2%、pT3aで72.3%、pT3bで66.7%である

★また、前立腺癌に対する外照射法による放射線治療として、09年は強度変調放射線治療で65例を行った。強度変調放射線治療は、総照射量78 Gyである。

医療設備

MRI、3次元CT、カラードプラ超音波診断装置、トモテラピー(強度変調放射線治療の専用機)、リニアック、密封小線源治療装置ほか、がんセンターとしての必要な医療設備を完備している。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

整形外科

分野

整形外科

特色

骨軟部腫瘍を専門に取り扱っており、特に原発性骨軟部悪性腫瘍に対し手術療法、化学療法、放射線療法による集学的治療を行っている。骨原発腫瘍では骨肉腫、ユーイング肉腫などの高悪性腫瘍に対し、強力な化学療法と患肢温存をめざした腫瘍広範切除術を積極的に行っている。

症例数

年間外来患者数は3,500人であるが、外来患者の90%が腫瘍患者である。手術件数は年間131件(09年度)であり、そのうち骨悪性腫瘍広範切除術11件(仙骨合併切除術2件)、骨良性腫瘍切除術11件、軟部悪性腫瘍広範切除術31件、軟部良性腫瘍切除術40件、切開生検術26件、その他12件である

★過去5年(04年~08年)での原発性骨悪性腫瘍の累積5年生存率は全体で67.3%、転移のない症例(MO)では76.9%、原発性軟部悪性腫瘍の累積5年生存率は全体で79.2%、転移のない症例(MO)では81.6%であり、その予後は海外データと比較しても良好な成績である

★骨軟部悪性腫瘍全体の患肢温存率は90%以上、初回での広範切除後の局所再発率は5%である。腫瘍切除後の再建法として、自家骨を利用した加温処理骨移植法を行い、患肢機能評価では上肢70.7%、下肢82.0%である。難治例とされる成人発症小円形細胞肉腫(ユーイング肉腫、横紋筋肉腫など)に対して強力な化学療法を含む集学的治療を行っており、導入化学療法の奏効率は90%以上である

★また、一定の条件を満たした例では血液内科との協働で末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法を施行している。化学療法に伴う骨髄抑制に対するクリーンルームの設備や化学療法のマネージメントに優れたスタッフも充実している。

医療設備

MRI、CT、RI、電気生理学的機器、リニアック、レーザー手術器具、無菌手術室(1室)、手術用顕微鏡。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

婦人科

分野

産婦人科

特色

本施設は悪性腫瘍の診断・治療を行う専門病院で、症例数は09年の初回治療例が261例と国内有数で、東海地方の悪性腫瘍治療の中核病院となっている。当施設では患者本人への病状の告知を原則としているため、患者およびその家族に癌に関する必要な情報を提供、できるだけ多くの選択肢を説明し、考えるに十分な時間を費やした上で、本人の希望を最優先に最適な治療法を選択している。

症例数

09年の当施設婦人科の初回治療症例数は子宮頸癌170例、子宮体癌53例、卵巣癌35例、外陰癌・腟癌3例等

★06年の手術症例数は、単純子宮全摘13例・子宮頸部円錐切除117例・広汎子宮全摘70例・準広汎子宮全摘44例・卵巣癌根治術44例・骨盤内臓全摘1例。広汎子宮全摘術の同種血輸血率は8.5%で、可能であれば卵巣は温存し、できるかぎり骨盤神経温存術式を行う。またその状況にあった的確な手術を選択し、十分に病巣を切除することにより術後追加治療を省略しており、リンパ節転移のない子宮頸癌I期や卵巣癌Ia期には術後放射線治療や化学療法は行わない

★治療成績は子宮頸癌の5年生存率(99〜08年)が I期(489例)86.8%、II期(190例)77.6%、III期(57例)63.6%、IV期(37例)43.9%。子宮体癌の5年生存率 (99〜08年)はI期(349例)95.1%、II期(17例)68.6%、III期(92例)63.8%、IV期(39例)16.1%。卵巣癌の5年生存率(99〜08年)は I期(92例)93.1%、II期(34例)71.6%、III期(168例)47.7%、IV期(49例)21.0%。

医療設備

MRI、CT、ヤグレーザー、PET(隣接施設で施行)。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

乳腺科

分野

乳腺・内分泌外科

特色

診断から初期治療(手術、術前薬物療法)、再発治療、緩和医療まで乳腺科が中心となり、院内の関連科(遺伝子病理部、放射線治療部、整形外科、放射線診断部、脳神経外科、循環器科など)と共同して一貫した治療を行っている。診断はより低侵襲な早期診断に努め、治療はエビデンス(科学的根拠)を重視した治療を心がけるとともに、国際共同研究を含む多くの臨床試験、治験に参加して新規治療の確立を目指している。

症例数

09年の初発乳癌手術は394例。09年の外来の新患者数は1,602人。近隣からの紹介を含めた外来での再発治療患者数は常時150人を超える

★病期別治療成績(90年~99年):10年生存率は、I期90.7%、II期75.7%、IIIA期65%、IIIB期50.8%。低侵襲な早期診断のためのマンモトーム件数(09年)は、ステレオガイド下82件、USガイド下182件であり、結果として全乳癌手術患者のうち非浸潤癌の割合は17.5%であった。手術は、センチネルリンパ節生検による腋窩郭清省略となる症例が増加し、09年では74.4%に郭清が省略された

★乳房温存療法の適応は、癌の完全切除が可能で、美容的にも満足できる乳房が残せる場合としている。温存症例の割合は、09年48.4%である。薬物療法は、術前・術後はエビデンスに基づいた治療を推奨し、臨床試験・治験を中心に考えている。再発患者に対しては、患者のQOL(生活の質)を考えた全人的医療を目指してチーム医療を推進している。

医療設備

MMG、US、MRI、CT、PET(他施設に依頼)、マンモトーム(ステレオガイド下、USガイド下)、ガンマープローブ(センチネルリンパ節生検用)、放射線治療装置、ガンマナイフ(他施設に依頼)他。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

放射線診断・IVR部

分野

放射線科

特色

X線、CT、MRI、アイソトープ、超音波、血管造影などの画像診断および悪性腫瘍に対する各種IVR(インターベンショナル・ラジオロジー)による治療を行っている。中でも、切除不能肝悪性腫瘍に対する肝動注化学療法(リザーバー動注療法)を開発し、良好な成績をあげているほか、悪性腫瘍による症状の緩和を目的とした血管系・非血管系のIVR(消化管の通過障害の改善、胆汁の排泄経路の治療、尿の排泄経路の治療など)を積極的に行っている。また、厚生労働省によるがん研究助成金による研究班の中心となり、各種IVRの科学的な評価や新しいIVRの臨床試験を進めている。さらに、国立がんセンターなどと共同で大腸癌および肝臓癌に対する全身化学療法や動注化学療法の臨床試験を行い、新規治療の開発や治療成績の向上に努めている。院内では、各科とのカンファレンスを積極的に行い、質の高い診断や治療方針の決定がなされるよう取り組んでいる。

症例数

09年度の検査件数はCT 14,870件、MRI 3,424件、核医学 1,235件、血管造影 382件、血管系IVR(動脈系)376件、血管系IVR(静脈系)759件(中心静脈カテーテル・リザーバー留置747件、その他12件)、肝動注リザーバー留置 31件、経皮的生検 282件(CTガイド下肺生検 175件、その他 107件)、胆道系IVR 81件、各種ドレナージ(胆道系を除く)173件など。各種IVRの手技成功率はいずれもほぼ100%、生検での診断率は90%以上。治療歴のない大腸癌肝転移に対するリザーバー肝動注の有効率は75%、生存期間中央値22カ月。

医療設備

CT、MRI、IVR-CT(血管撮影CT装置)、アイソトープ検査用ガンマカメラ、X線透視装置、乳腺撮影装置、自動乳腺生検装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

放射線治療部

分野

放射線科

特色

スタッフ全員が日本医学放射線学会の専門医かつ日本医学放射線学会の認定医である。放射線治療部では30床の入院病室があり頭頸部癌、子宮癌の化学放射線治療の患者さんを中心に運用している。特に頭頸部癌では強度変調放射線治療(トモセラピー)、動注療法、小線源治療、3次元原体放射線治療、化学療法と多彩な治療法を組み合わせ、頭頸部外科・薬物療法科との連携を緊密にし、集学的治療を積極的に行っている。頭頸部癌は形態・機能温存を図りながら治療成績を向上させることが重要で、当院での治療形態や治療成績は本邦でトップクラスと自負している。数多くの多施設臨床試験にも積極的に参加し、数多くの疾患での本邦のエビデンス創出に貢献している。愛知県がんセンター中央病院ホームページはhttp://www.pref.aichi.jp/cancer-center/

症例数

年間約900人程度の新患を受け入れている。根治的治療では頭頸部癌、子宮頸癌、肺癌、食道癌、前立腺癌、リンパ腫の治療症例を中心に、ガイドラインに準拠した標準的な適応に基づき放射線治療を応用している。乳癌の温存療法、乳房切除後の術後照射も多数例行っている。治療患者の4~5割程度は通院治療である。小線源治療は子宮頸癌約30例、前立腺癌20例、トモセラピーは頭頸部癌60例、前立腺癌約60例、定位放射線治療15例。上咽頭癌、子宮頸癌のIII期以上の進行癌に対する化学放射線療法の5年生存率は8割程度と高い治療成績を示している。食道癌I期症例(手術不能例含)の化学放射線療法の5年生存率は7割程度である。

医療設備

リニアック 2台、トモセラピー、高線量率イリジウム照射装置、X線シミュレーション、治療計画用マルチスライスCT、3次元治療計画装置 6台、小線源治療管理区域保有(ゴールドグレーン、ヨード線源を使用)。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

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名医の推薦分野について
名医の推薦分野に掲載する情報は、ライフ企画が独自に調査、取材し、出版する書籍、「医者がすすめる専門病院」「専門医が選んだ★印ホームドクター」から転載するものです。出版時期は、それぞれの情報ごとに記載しています。全ての情報は法人としてのQLifeの見解を示すものではなく、内容を完全に保証するものではありません。