専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

横浜市立大学附属病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

呼吸器内科

分野

呼吸器内科

特色

当院は横浜市内唯一の特定機能病院であり、地域がん診療連携拠点病院に指定されている。当科は気管・気管支、肺および胸膜疾患の診断と治療を担当している。特に結核病床も有する数少ない大学病院呼吸器内科として重症・難治性呼吸器感染症の診療も幅広く行っている。また、PET-CTを利用した肺癌、気管支喘息・慢性閉塞性肺疾(COPD)、間質性肺炎、睡眠時無呼吸症候群の診断・治療に力を入れている。呼吸器内科を専門分野とする医師(指導医、専門医、認定医)が個々の専門的診療を行いながら、リウマチ・血液・感染症内科とも同じユニットで診療しており、お互いに協力して集学的医療を実践している。

症例数

入院患者内訳は、肺癌・悪性胸膜中皮腫などの悪性腫瘍70%、呼吸器感染症(含む結核)10%、気管支喘息・COPD 10%のほか、睡眠時無呼吸症候群などの検査入院が10%程度となっている

呼吸器感染症(肺炎、慢性気道感染症、肺真菌症、肺結核)=肺炎・気道感染の治療では、軽症・中等症の場合外来で経口抗菌薬の投与を行い、重症や合併症を伴う場合は入院のもとに抗菌化学療法を行いる。抗菌薬の選択は感染症専門医を有するスタッフと感染症内科のスタッフとの協力のもとに決めている。超重症例には集中治療室で人工呼吸管理下の集学的治療を行う。また、インフルエンザ院内感染対策や肺炎球菌ワクチンなどの予防医療にも力を入れている。いまなお社会の脅威である結核は、県内市内の結核病床の減少、閉鎖の中でも地域への貢献のために病床を維持しており、他の結核専門病院で治療困難な重大な合併症を伴った難治例を中心に、結核病棟で治療しています。結核感染の診断にクオンティフェロン検査も07年から院内での検査が可能となっている

アレルギー・炎症・免疫疾患(気管支喘息、間質性肺炎)=気管支喘息治療は現在主に外来で行っている。難治性気管支喘息の治療として最近は抗IgE抗体を用いた治療法も導入しており、アトピー型で高用量の吸入ステロイドで管理が難しい場合でも効果が期待できる例があり、このような症例には積極的に治療している。最近増えている慢性咳嗽に対しては、咳喘息、慢性気管支炎、胃食道逆流・百日咳に伴う咳などを疑い、癌・結核などの疾患を除外したうえで、気道過敏性検査、IOSなどによる精密検査も可能となっている。間質性肺炎は、診断に関しては呼吸器外科の協力のもと開胸肺生検による診断、原因不明の特発性に加えて膠原病関連の症例も多く、リウマチ科と協力して治療を行っている。急性増悪時の呼吸不全に対しては、集中治療室入室下に麻酔科と合同で非侵襲的人工呼吸器などによる人工呼吸管理を行い、集学的治療を行っている

悪性腫瘍(肺癌、胸膜悪性中皮腫)=肺癌では、抗癌剤・分子標的治療による治療を行っている。特にEGFR、ALKなど遺伝子解析に基づいた分子標的薬治療も積極的に導入している。また病態に応じて、手術療法(胸腔鏡手術など)・放射線療法・緩和対症療法などを組み合わせたオーダーメイド治療を、当院外科・放射線科と協力して行っている。癌化学療法センターでの外来化学療法も積極的に行っている

★専門外来として平日(月~金)の呼吸器専門医による呼吸器内科外来に加え、火曜午後にアスベスト専門外来(予約制)を設けています。第1水曜日午後には、県立がんセンターの医師の協力を得てによる腫瘍外来も行っています。さらに09年10月から毎週水曜日午前・午後に予約制で禁煙外来を開始し成果をあげている。

医療設備

CT、MRI、DSA、PET、核医学検査、リニアック、レーザー、気管支ファイバースコープ、胸腔鏡、呼吸機能検査、気道過敏性検査、IOS、ポリソムノグラフィーなど、最新の設備を整えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

循環器内科

分野

循環器科

特色

虚血性心疾患、不整脈、心不全、弁膜症、心筋症などすべての心臓疾患のほか、肺血栓塞栓症、末梢動脈疾患の循環器疾患の診断、治療も行っている。虚血性心疾患に対する侵襲的心臓カテーテル治療(PCI)は学会の認定を受けた経験豊かな循環器専門医が、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、ステント植え込み術などの治療を的確に行っており、不整脈では高周波心筋焼灼術、ペースメーカ植え込み術、植え込み式除細動器(ICD)手術、さらには心不全に対する両心室ペーシング兼除細動器植え込み術(CRT-D)や末梢動脈疾患に対しては血管内治療(EVT)などの最先端治療を行っている。また、バージャー病など末梢動脈疾患に対する治療としての骨髄および末梢血幹細胞移植による血管再生療法も積極的に施行。腎動脈狭窄症に対しては腎動脈形成術(PTRA)を行っている。同じ第2内科学教室に属する腎臓高血圧内科、消化器内科、および心臓血管外科などの関連各科、さらに虚血性心疾患治療で定評のある横浜市大医学部附属センター病院の心血管センター(木村一雄教授)とも連携の上、全人的視点で患者さん中心の医療を遂行している。入院症例は心血管造影、PCI、不整脈のアブレーション、ペースメーカー植え込み術を目的とした短期入院とともに、患者層の高齢化に伴い、重症心不全、腎不全、肺炎などを合併した難治性心不全患者の長期入院も多く、最善の治療を行うよう心がけている。診断に際しては、患者さんへの侵襲を最小限とするため心臓核医学的診断法(PET、SPECTなど)も積極的に導入し疾患評価を行っている。

症例数

循環器内科の年間外来新患者数は約1,000人であり紹介受診が多い。外来延べ患者数は約15,066人、であり軽快した方はかかりつけ医に逆紹介している。入院となった主な心疾患は虚血性心疾患、不整脈、慢性心不全の急性増悪が過半数を占める

★病棟病床数は20床、CCU 4床の合計24床。年間延べ入院患者数は9,291人。急性心筋梗塞患者などの重症患者はCCUで治療。PCI後も1日はCCUで経過を観察するようにしている

★年間の心臓カテーテル検査は約600症例、冠動脈形成術であるPCIは約150症例、下肢動脈閉塞症に対するEVTは約100症例施行され、90%以上の成功率が得られている。アテレクトミー、ステント留置術、経皮的僧帽弁交連切開術(PTMC)なども導入

★不整脈患者に対する心臓電気生理学的検査は年間で約200例施行。心房細動を含むカテーテル心筋焼灼術は年間約100例施行し、成功率98%以上、合併症1%未満という成績。心臓ペースメーカー植え込み術は年間約150例実施。心機能の改善に最大限の効果を得るために、ペースメーカーの設定もきめ細かく管理。心房細動の予防にも積極的に取り組み、薬物療法のみならず、心房オーバードライブペーシング、両心房ペーシング、バッハマン束ペーシング、肺静脈隔離術なども行い、心房細動の再発防止に有効である

★慢性心不全症例には可能な限り積極的にβ遮断薬の導入を行っており、心不全治療において近年脚光を浴びているCRTは本邦で最も早く導入。致死性不整脈に対する植え込み型除細動器ICD、CRT-D、CRT植え込み術の合計症例は年間約30症例

★循環器疾患の領域におけるミトコンドリア異常症(3243変異)、遺伝性QT延長症侯群、本態高血圧症の遺伝子診断を行い、診療に役立てている

★四肢の難治性潰瘍を伴うバージャー病症例に対して、骨髄幹細胞の移植手術を試行し、良好な結果を得ている

★周術期における肺血栓塞栓症予防のため、必要と判断される症例には下大静脈フィルターの留置を行い、術中・術後の肺血栓塞栓症の発症を防止

★入院・外来での、年間の検査件数はホルター心電図約1,000症例、心エコー図約5,000症例、トレッドミル運動負荷心電図約1,000症例、心臓核医学検査約500症例を施行。

医療設備

心血管造影、DSA、MRI、マルチスライスCT、SPECT、PET、トレッドミル運動負荷心電図、カラードプラ心エコー、経食道心エコー、体外式ペースメーカー、ホルター心電図解析装置、平均加算心電図、24時間血圧計、血圧脈波検査、病棟患者監視装置、CCU、IABP、PCPS、CARTO、血管内エコー装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

心臓血管外科

分野

心臓血管外科

特色

以前は小児の心臓病のみを専門としていたが、06年5月の益田の赴任以来、先天性心奇形から成人心臓大血管手術(冠動脈バイパス、弁膜症、不整脈手術、胸部および腹部大動脈瘤)まで幅広い疾患を扱える体制が確立した

★患者さんに優しい治療〔皮膚小切開手術(特に小児)、術前自己血貯血、濃縮凝固因子製剤(クリオ)の院内作成、胸部および腹部の大動脈瘤ステントグラフト治療〕を目指す。その一方で、大血管転位(大血管スイッチ手術)、単心室(段階的フォンタン手術や左室流出路狭窄に対する積極的ダームス・ケイ・スタンセル手術)などの各種先天性複雑心奇形への対応(最年少生後1日の新生児心臓手術、最低体重は極小未熟児の動脈管開存495g)、僧帽弁逆流に対する人工腱索等を用いた僧帽弁形成手術(最年少1歳から成人まで)、心房細動などに対する不整脈手術、狭小大動脈弁輪に対する積極的弁輪拡大術による十分なパフォーマンスを持った大動脈弁置換術(最年少9歳)、大動脈基部置換手術(小児を含む)、心機能低下症例に対する心臓再同期治療を併用した弁膜症と冠動脈バイパス同時手術、大動脈瘤と弁膜症の同時手術など重症例にも対応している

★また、神奈川県下では数少ない成人先天性心疾患対応施設でもあり、ファロー四徴症根治術後の肺動脈弁逆流に対する肺動脈弁置換術や、単心室に対するフォンタン術後のTCPC(Total Cavo-Pulmonary Connection)変換手術などを手がけている。現在、体外式補助人工心臓に関する施設認定を保持しているが、益田が植え込み型人工心臓実施医の資格を獲得したことより、植え込み型人工心臓に関する施設認定獲得に向けて準備中である

★なお、横浜市立大学附属市民医療センター、神奈川県立循環器呼吸器病センター、神奈川県立こども医療センター、横浜南共済病院、済生会横浜市南部病院、横浜市立市民病院、藤沢市民病院とは強く連携しており、急患や重症例への対応や手術支援を行っている。

症例数

年間約150例の心臓大血管手術を行っている。手術死亡は07年以降の値を示す

先天性心疾患=先天性心疾患のすべてに対応していることもあり、手術死亡率は2.6%であった。主な手術死亡例は左室低形成に対するノーウッド手術、総動脈幹弁逆流に対する弁輪拡大を伴う大動脈弁置換(心肺蘇生後)などであり、大動脈スイッチ手術やフォンタン手術(TCPC手術)での死亡はない

弁膜症=僧帽弁形成術は人工腱索と人工弁輪を主体に用いており、術中形成を断念したのは2例、現在までに再手術症例はない。大動脈弁輪拡大はニックス法を第一選択とし、マヌーギアン法、山口法、今野法を適宜用いており、全例元気にしている。弁膜症全体の手術死亡率は1.3%で、主な手術死亡例は感染性心内膜炎症例であった

虚血生心臓病=冠動脈バイパスに関しては患者さんに合わせて補助循環を選択しており、オフポンプバイパスの割合は約45%である。術中のバイパスグラフト評価としてインドシアニングリーン(ICG)蛍光造影法を導入し、グラフト開存率の向上に努めている。緊急手術の割合は約10%で、単独冠動脈バイパス手術の死亡率は1.3%であった。手術死亡症例はすべて透析症例であった

胸部大動脈瘤=大動脈弓部再建には選択的脳潅流を併用しており、手術死亡率は7.1%で、死亡例はすべて大動脈解離症例であった。真性瘤やステントグラフト症例での死亡はない

腹部大動脈瘤=ステントグラフト手術導入後のステントグラフト手術の比率は約45%で、腹部大動脈瘤における手術死亡率は0%であった。

医療設備

MR、MDCT、シネアンギオ装置、人工心肺装置、IABP、PCPS、ICG蛍光ナビゲーションシステム、一酸化窒素供給装置。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 〇

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

腎臓高血圧内科・血液浄化センター

分野

腎臓内科

特色

診療科である腎臓高血圧内科と中央部門である血液浄化センターは一体となって運営され、腎臓病、高血圧症を中心に、透析や血漿交換を含む血液浄化療法全般も専門である。県内に多い協力病院からの難治性疾患や合併症を抱えた困難例の紹介も多く、同じ循環器腎臓病学教室(梅村主任教授)に所属する循環器内科や横浜市大市民総合医療センター腎臓高血圧内科・血液浄化療法部および病院内の関連各科とも連携のうえ、全人的、総合的視点で患者さん中心の医療を遂行している。大学病院としてスタッフは充実し、臨床治療面の充足を積極的に図り、腎臓病・高血圧症、血液浄化に対する基礎および臨床研究にも取り組んでいる。多数の腎臓学会専門医、透析学会専門医、高血圧学会専門医が在籍し、腎臓学会、透析学会および高血圧学会の認定施設として、診療だけでなく専門医の育成も行っている。

症例数

11年度の腎臓高血圧内科の外来新患者数は556人、外来延べ患者数が14,500人、入院患者数212人、年間延べ入院患者数は5,246人であった。血液浄化センターの稼働回数は2,907回で、うち血漿交換や血液吸着療法は約290回であった

★対象疾患は、急性および慢性腎炎、ネフローゼ、糖尿病や膠原病性腎症、急性および慢性腎不全、維持透析合併症、重症高血圧、二次性高血圧、高血圧性臓器合併症、動脈硬化性疾患、血漿交換療法の適応となる自己免疫疾患など多岐にわたる

★腎臓高血圧カンファレンス、血液浄化カンファレンス、難治症例カンファレンスを各週1回ずつ行い、病状をよく把握し、薬剤の副作用に注意し、最善の治療に努めている

★血尿・蛋白尿の初診患者さんは、腎機能検査、免疫学的検査、尿蛋白量のチェックの他、超音波検査やCTスキャンなどの非侵襲的検査を積極的に行い、治療方針を患者さんとも協議し決定する

★腎炎やネフローゼの診断に重要である腎生検は、適応をよく吟味し年間22人に施行している

★近年増加している糖尿病性腎症に対してはミクロアルブミン尿を呈する初期腎症から対応し、顕性腎症から透析導入にいたるまで血糖および血圧コントロールに努め、腎障害の進行を防止。IgA腎症に対しても進行防止のための薬物療法を積極的に導入している。予後不良群では扁桃摘出術やステロイド治療を行っている

★血液透析は主に入院患者さんを対象とし、年間36人の多発合併症を持つ困難例を中心とした血液透析導入患者さんや、急性腎不全および他科入院の慢性腎不全患者さんに対して、年間2,617回施行している。外来維持透析については近隣の患者さんに対応し、他は地域の関連透析クリニックで治療を行っている。腹膜透析導入は7人であり、専門外来で導入後も診療している

★12年度から血液浄化センターは7床から12床に拡充し、対応件数は急激に増加、透析導入件数は12月現在で既に前年度を超えており、外来腹膜透析患者は28人に達している

★血液透析患者さんのシャントトラブルにも対応しており、内シャント造設術、内シャント血管拡張術、動脈表在化手術、人工血管移植術を行っている

★重症高血圧、二次性高血圧の診断・治療・研究に関しては日本高血圧学会の創立者である金子好宏元教授の時代から全国でも有数であり、他病院からの紹介患者さんが多い。降圧剤は、二次性高血圧を鑑別後、臓器合併症の有無、併存疾患、24時間の血圧変動などを吟味し、最善の組み合わせを選択している

★関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病、重症筋無力症やギラン・バレー症候群などの神経筋疾患、川崎病などの小児疾患の他、動脈硬化性閉塞症、尋常性天疱瘡、潰瘍性大腸炎などに血漿交換療法や血漿吸着療法を、年間約290回施行

★ICUやCCUでの重症の腎不全患者さんや侵襲の大きい外科手術後透析患者さんに対し、持続的血液濾過療法を積極的に施行し、救命率を高めている。

医療設備

超音波診断装置、DSA、MRI、マルチスライスCT、PET、核医学検査装置、24時間自動血圧計、血圧脈波検査装置、骨密度測定装置、超音波下腎生検装置、電子顕微鏡、血液透析装置、血漿交換装置、血液吸着装置、持続的血液濾過装置、血管造影室、ICU、CCUなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

泌尿器科全般を扱っている。特に泌尿器系の癌(前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、精巣癌)および生殖内分泌系の疾患(前立腺肥大症、副腎腫瘍、男性不妊症および女性泌尿器疾患や排尿障害)の診断・治療に実績がある。また大学病院として泌尿器科の各専門分野を網羅すべく各種の専門外来が設置されており、特に女性医師による女性泌尿器外来や放射線科医との共同で行う前立腺ユニット外来など特色のある外来が置かれている。

症例数

年間の悪性腫瘍別平均新患者数は、前立腺癌400例、膀胱癌70例、腎癌70例、腎盂尿管癌15例、精巣腫瘍10例である。年間手術件数は約450件で、そのうち前立腺癌の前立腺全摘出術50例、腎臓癌の腎臓全摘除術および腎臓部分切除術が55例、腎尿管全摘術15例、膀胱全摘除術8例、経尿道的膀胱腫瘍切除術100例など、ほとんどが癌の手術で約50%を占めている。また体外衝撃波砕石術(ESWL)は約70例行っている。腎および副腎の手術のほとんどは腹腔鏡下低侵襲手術である。前立腺全摘術は腹腔鏡下手術およびミニマム創内視鏡下手術(保険認定施設)で行っている

前立腺癌=前立腺癌の早期診断に最先端のPET-CTや標的生検法を導入している。早期癌の場合、低侵襲手術である腹腔鏡下およびミニマム創内視鏡下による前立腺全摘除術、小線源放射線治療や、最新の強度変調型放射線外照射(IMRT)療法などを選択できるようになっており、患者個々の要望に対応すると同時に、最も適した治療法を選択できるよう放射線科とも協力して治療体制を整えている。進行前立腺癌には、前立腺癌専門の医師が症状や状態にあわせた適切な内分泌療法、局所放射線療法、また最新の抗癌剤治療を積極的に行っている

腎癌=治療の基本は腎摘除術や腎部分切除術であるが、腹腔鏡下の低侵襲手術がほとんどである。また腎癌発生に関与するVHL遺伝子をいち早く診療に応用し、VHL遺伝子に異常をもつ症例では、将来の再発に備えてなるべく腎臓を温存する手術を行っている。また進行癌には最新の分子標的治療薬の導入を積極的に行っており、治療においては、患者さんと一緒に歩んでいる

膀胱癌=表在性の膀胱癌では内視鏡による切除術が基本的に行われ、再発の予防には膀胱内への抗癌剤注入療法やBCG注入療法が行われている。浸潤性膀胱癌の場合は膀胱全摘術が基本であるが、腹腔鏡下の低侵襲手術法で行う。尿路変更術はQOL(生活の質)を重視し、回腸を用いた回腸導管法に加えて新膀胱造設術を選択できる

精巣腫瘍=抗癌剤により完全治癒が期待できる悪性腫瘍である。当院では精巣腫瘍に対する抗癌剤治療の経験と設備が整っており、これまでも多くの症例を治療してきた

副腎腫瘍=副腎腫瘍は内科と連携して発見・治療に努めている。副腎腫瘍摘出の手術は腹腔鏡下低侵襲手術で行われている

前立腺肥大症=前立腺肥大症は薬物療法が主体である。しかし、尿閉の症例や腎機能障害を惹起するような前立腺肥大症には、最新の経尿道的前立腺切除術で対応している

尿失禁=女性の尿失禁に対して、薬物療法などの治療とTES手術(先進医療申請中)などの低侵襲性の手術治療を行っている。また、女性泌尿器外来を開設し、専門の女性医師が症例ごとに丁寧な診療を行っている。

医療設備

MRI、CT、PET、PET-CT、US(カラードプラ)、ESWL、各種内視鏡、腹腔鏡下手術設備、放射線治療設備(IMRT、定位治療、小線源治療)など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

形成外科

分野

形成外科

特色

開設は日本の形成外科としては萌芽期の68年(昭和43年)。公立病院では最も古い歴史を持つ。形成外科一般を扱っているが、なかでも小耳症をはじめとする先天異常、乳房再建など癌切除後の再建、手足のリンパ浮腫に対するマイクロサージャリーを駆使したリンパ管静脈吻合手術を得意とし、眼瞼下垂や鼻涙管閉塞など眼瞼・涙道疾患治療にも力を注いでいる。また、顔面神経麻痺に対しては、体に負担が少ない当施設独自の手術法による治療を行っている。手足のリンパ浮腫に対する治療では手術以外に、フェルディ法などの保存治療も積極的に取り入れ、県内治療院と連携した総合治療を行っている。協力病院としては神奈川県立こども医療センター、関東労災病院、藤沢市民病院、栄共済病院などがあり、治療の上で緊密な連携をとっている。また、基礎医学、特に再生医療に力を入れ、自己細胞を培養し、これを移植する新たな治療法を開発している。

症例数

11年新患者数926例、入院数302例、入院手術336例、外来手術334例であり、このほかに他科入院での再建をはじめ、依頼手術が約60例ある

先天異常=唇裂・口蓋裂のほか、特に小耳症は全国津々浦々から患者さんが来院され、年間約40例以上と、他施設に比べ多くの手術を行って好結果を得ている

眼瞼下垂と涙目=瞼が十分に開かず困っていたり、涙がこぼれて人にはわからない苦労をしている患者さんが実は多い。先天性の疾患と老化に伴うものがあるが、多くのものは手術で治療が可能である。眼瞼下垂と鼻涙管閉塞の手術治療は年間約60例であり、治療を受けた多くの方が目のまわりが軽くなり、日常が明るくなったと感想をいただいており、肩こり、頭痛、腰痛までよくなる場合も多い。このような比較的簡単な治療で好結果が得られるにもかかわらず、患者さんに十分な情報を与えられないことにいらだちを感じ、医師会広報や講演などを通して情報伝達に努力している

リンパ浮腫=意外に多くの患者さんが悩んでいる症状であり、治療は非常に難しいとされている。当科では毎週火曜日午後に行っているリンパ浮腫外来で、月に150人程度の患者さんを診察しており、手術適応を決めたり、保存療法の指導などを行っている。手術では特殊カメラを用いた蛍光リンパ管造影による最新技術を利用したリンパ管検索を行っている。探したリンパ管を、マイクロサージャリー技術を駆使し、自動焦点機能を持った最新の顕微鏡で、静脈と吻合するリンパ管静脈吻合手術を年間30~40例ほど行っている。手術後のケアをしっかり行うことが浮腫の治療成績を左右することが多く、術後も県内治療院と連携しリンパマッサージ治療をはじめ、圧迫帯使用や生活指導などの補助治療を積極的に組み入れ、好結果を得ている

再建=当施設では耳鼻咽喉科、口腔外科の頭頸部一期的再建に特に力を入れている。顎や舌の大きな腫瘍を切除した直後に行う即時再建手術は年間約30例。外科の領域では、乳癌切除後の一期的乳房再建手術をはじめ、空腸移植による頸部食道癌再建や肝癌手術、肝移植(年10数例)において重要な血管吻合を担当している

外傷=顔面骨骨折など一部初期治療と二次的瘢痕修正や最終的手直しなど、一貫治療のための症例が多い

悪性腫瘍=良性の腫瘍はもちろん、形成外科的手法で最小限のきずあとで治療している。特に顔面の大きなホクロを含む腫瘍には、きずあと変形に対し細心の注意をもって治療にあたっている。ほかに皮膚科との連携で悪性腫瘍のリンパ節郭清を含む広範切除手術を多く行っている。

医療設備

CT、3次元CT、MRI、MRIアンギオ、カラードプラ、リンパシンチグラム、蛍光赤外線カメラ、炭酸ガスレーザー、IPL、薄層皮膚超音波診断装置、サーモグラフィー、手術用顕微鏡。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

各専門診療領域のエキスパートを揃え、患者さんへの優しさを最優先に、患者さんとともに理解し合い、ともに先進医療を歩めるような医療を目指している。産婦人科全般にわたり総合的な診療体制を敷いているが、各専門診療領域については、本附属病院〔婦人科癌――癌集学・緩和含む――、女性健康医学(思春期、更年期)、一般周産期診療〕と横浜市立大学附属市民総合医療センター(高次・救急周産期、高度腹腔鏡手術、生殖補助医療・不妊)と分担している。

症例数

年間の平均;年間初診数2,000人、年間手術数450件(うち、癌根治手術150例、腹腔鏡手術60件、腟式手術70件等)、年間分娩380例(うち帝王切開80例)

婦人科腫瘍・癌=高度な内容の癌手術、診療。子宮癌、卵巣癌、外陰癌・腟癌など多数手術、治療。原則として本人へ病状の正確な告知を行うように努めており、その後は精神的な面も含め、十分なフォローを行っている。治療内容については当科の実績をはじめ、治療に伴う副障害についても説明を行い、十分な理解のもとに医療サイドとともに協力した治療を行う方針をとっている。がん診療連携拠点病院であり、精神科的カウンセリング、緩和医療も含め、放射線科、外科、泌尿器科、病理科等との集学的・包括的診療体制をとっている

女性健康医学=①小児・思春期、内分泌外来:無月経、生理不順などの健康障害・症状に対しての総合的診療を行っており、対象は小児期から中高年に至るすべての年齢層である(ターナー女性への総合的健康外来も含む)。子宮内膜症、子宮筋腫なども含まれる。不妊治療のうち、高度先進医療となる部分は総合医療センターにて行う。②生活習慣病予防(更年期)・骨粗鬆症外来:中高年(更年期)以降の女性を対象としており、食事・生活指導を取り入れながら個々の病状に合わせて対応している

周産期・産科=年間概数;年間分娩数約380件、帝王切開率は21%(前述)、頸管縫縮術、鉗子吸引分娩などが行われている。ユニセフ・WHO認定の「赤ちゃんにやさしい病院」として母児の自然なありかたを重視し、概ね正常分娩を中心にして可能な限り自然の力、自分の力で産むということができるような出産を心がけている。講習修了者には夫立ち会い分娩も可能。一部の分娩室はLDR(陣痛から分娩、産褥まで居室のなかで分娩できる部屋)となっている。医学的適応により、必要な産科的検査、処置、治療が随時行われる。(*)注記:体外受精、顕微授精等の高度不妊治療、不育症、高度なハイリスク妊娠は横浜市立大学附属市民総合医療センターで取り扱う

手術の適応基準・試験的治療法=治療指針は国際的な標準治療基準、学会ガイドラインに準じて行うが、先端的な癌治験も常時あり、十分な情報提供・同意の下に行われている。産科における分娩方法も十分なインフォームド・コンセントがなされている。また、良性疾患では腹腔鏡手術も行っている

遺伝子診療部=遺伝子診療の中央部門としてすべての領域にわたり年間100例等の実績がある。一般的な遺伝相談も含め、専門医が応じている(予約制)。

医療設備

大学病院として最新の高度医療機器が揃っている。日本病院評価機構の認定、がん診療連携拠点病院の認定を受けており、PET診断装置はじめ、高度放射線治療装置(強度変調IMRT、定位SRS/SRT)等の最新鋭の機器が揃っている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

眼科

分野

眼科

特色

各種専門クリニックを設置し、難症例に対応し、高度医療機関として地域の最終病院の役割を担っている。厚生労働省の難治性疾患克服研究事業の分担研究ほか、種々の研究を行っている。また、大学病院として教育機関としての側面も持つ。

症例数

11年の年間の初診患者数は約4,000人、再診患者延べ数は約37,200人、総手術件数は1,200件(うち外来約300件)であった

白内障=入院のうえ行う白内障手術は、近医からの紹介による全身的な合併症があったり、難治症例であったりすることが多い。症例に応じた術式の選択とクリニカルパス(入院時治療計画表)の導入により、均一化した合併症の少ない医療を行っている。また大学病院であるため、白内障と緑内障、白内障と硝子体疾患の同時手術例も多い。一方、日帰り白内障手術は定期的に週1日行われている。これにより、併発症の少ない白内障患者の手術待ち期間を短くすることができ、少しでも早く手術を受けたいという患者さんの要望に応える形となっている

緑内障=緑内障手術は11年に約140件行っている。正常眼圧緑内障や、他院で手術しても無効だったという紹介患者が多い。そのため、濾過手術の割合が多い。合併症も少なく、ぶどう膜炎による続発緑内障においても成績がよいことを03年に報告している。診断においては、眼圧日内変動による薬物の選択も積極的に行っている。また薬物による眼微小循環改善に対して、臨床研究、基礎研究も行っている

網膜硝子体=網膜硝子体疾患の年間手術件数は500件以上である。網膜はく離や増殖硝子体網膜症や糖尿病網膜症はもちろん、加齢黄斑変性については硝子体注射療法を1,000件/年程度行っている。また、黄斑上膜手術についても数多く手掛けている。専門クリニックでは、術前後の評価や臨床研究を行っている

ぶどう膜=前教授(大野重昭先生)、現教授ともに厚労省ベーチェット病研究班で精力的に活動しているため、重症のベーチェット病患者や難治性のぶどう膜炎患者が多く受診している。臨床、基礎研究ともに精力的に行っており、特にベーチェット病やサルコイドーシスの病態や治療に関する研究に力を注いでいる。新しい生物学的製剤である抗TNFα抗体をベーチェット病患者に投与し、有効な治療効果を得ている

角膜=病院の性質上、他院からの紹介の難治例が多いが、専門クリニックを設け、オキュラーサーフェス(眼表面角結膜疾患)全般にわたり幅広く対応している

腫瘍=国立がんセンターを退官された金子明博先生をお呼びして、腫瘍外来を行っている。予後不良の脈絡膜悪性腫瘍に対し、新しい手術治療を考案し、開発中である

神経網膜=斜視などの眼球運動の障害、視力や視野に異常をきたす視神経症、甲状腺にともなう眼症、まぶたの異常、さらに眼窩内から頭蓋内の疾患まで、つまりは眼の神経や筋肉にかかわる疾患すべてを専門的に診察している。原因不明の難治性疾患であるAZOORについても、精力的に治療、および臨床研究を行っている

小児=小児眼科は視機能(視力・両眼視機能)の発達の管理が主体であり、屈折異常による弱視と斜視の治療が中心となる。これに、斜視をはじめとした先天白内障、先天緑内障、先天眼瞼下垂、睫毛内反応など、手術的治療が必要な疾患が加わる。その他、未熟児網膜症、網膜芽細胞腫、先天鼻涙管閉塞の治療や眼の先天奇形への対応など、対象となる疾患は幅広い。また、先天奇形症候群など、心身障害児の眼科的管理も重要な仕事のひとつである。

医療設備

各種レーザー、手術顕微鏡等をはじめ種々の機材をそろえている。今後も先端医療を行うにあたり、必要な機材を増やしていく予定である。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 

特色

耳鼻咽喉科疾患全体を対象としており、特に頭頸部癌の治療では形態と機能の温存に重点をおき、化学療法併用放射線療法に積極的に取り組んでいる。進行癌に対しては、形成外科・外科・脳神経外科と共同して手術を行っている。さらに新しい化学療法、分子標的療法の開発とその臨床応用にも力を入れている。PETおよびPET-CTが導入され、CTやMRIを含めて頭頸部腫瘍の正確な治療前評価を心がけている。中耳炎に対する的確な手術を目指すとともに、重度感音難聴に対しては人工内耳埋め込みにも取り組んでいる。ナビゲーションシステムも導入され、耳・鼻領域においてより精度の高い手術を行っている。専門外来として頭頸部、難聴、アレルギー・鼻副鼻腔、めまい、音声・嚥下、小児難聴があり、専門検査として頸部超音波、超音波下穿刺吸引細胞診、下咽頭食道・嚥下造影などを行って治療方針を決定している。地域がん診療連携拠点病院としてセカンドオピニオン外来も設置されている。

症例数

年間外来患者数は19,000人、年間の入院数は550~600人、手術件数は350~400件である

★頭頸部悪性腫瘍の年間の新患者数は70~80例。下咽頭癌が最も多く、中咽頭、喉頭、上咽頭、舌・口腔、鼻・副鼻腔などが続いている。頭頸部悪性腫瘍患者の20~30%は食道・胃・肺・大腸などの悪性腫瘍を合併し、すべての症例に対して消化管・肺のスクリーニングも実施している。治療は頭頸部の形態と機能の温存を目的に、化学療法併用放射線療法を考慮し、この治療の効果が不十分と考えられる場合や残存・再発に対して手術療法を行っている。進行癌に対しては外科・形成外科・脳神経外科などとタイアップした再建手術を含めた拡大手術を施行している。また術後の音声嚥下機能を専門外来において評価し、音声治療や嚥下のリハビリテーションを行い、治療・術式の選択にフィードバックし、患者のQOL(生活の質)向上に努めている。一次治療終了後、外来での治療も重視し、維持化学療法を加えて予後の改善を図っている

★伝音難聴のうち真珠腫性中耳炎に対しては、外耳道後壁削除型鼓室形成術を原則とし、症例に応じて外耳道再建や乳突腔充填を併用している。その他、聴力改善手術やアブミ骨手術も積極的に行い、良好な成績を得ている。重度感音難聴患者には適応を十分に検討したうえで人工内耳埋め込み術を行っている。遺伝難聴の遺伝子解析やABRやOAEを用いて乳幼児の難聴スクリーニングを行っている

★音声・嚥下障害については、音声・嚥下外来および嚥下造影検査で詳細な検討を行い、手術の適応を決定し、声帯麻痺、嚥下障害に対する手術にも取り組んでいる。さらに言語聴覚士による音声治療や嚥下訓練も積極的に行っている

★めまい疾患の検査には、重心動揺計・電気眼振図検査・赤外線CCDフレンツェル・温度眼振検査などを用いており、CTやMRIなどの画像診断と組み合わせて診断、理学療法にも取り組んでいる

★アレルギー性鼻炎に対しては、薬物療法に加えて減感作療法やレーザーを用いた下鼻甲介焼灼術を行っている。重症や難治性の慢性副鼻腔炎に対して内視鏡下鼻副鼻腔手術を施行した患者は鼻副鼻腔外来でフォローアップし、必要な症例では早期に内視鏡下の外来手術で対応している

★超音波検査、下咽頭食道造影、嚥下造影は耳鼻咽喉科医自らが施行し、より専門性の高い検査を実施している。唾液腺・甲状腺・副咽頭間隙腫瘍・リンパ節に対して超音波下穿刺吸引細胞診による質的診断を行っている。

医療設備

CT、MRI、PET、PET-CT、ナビゲーションシステム、レーザー、ハーモニック・スカルペル、アルゴンプラズマ、ABR、OAEなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

歯科・口腔外科・矯正歯科

分野

歯科口腔外科

特色

横浜市立大学附属病院は神奈川県における唯一の公的大学病院であることから、多くの施設認定を受け先進的医療を実践している。歯科・口腔外科では大学附属病院と附属市民総合医療センターで機能分担し診療を行っている。附属病院では口腔癌、インプラントを中心に、医療センターでは顎変形症を中心に矯正歯科診療も行っている。また横浜市立大学附属病院は「がん診療連携拠点病院」として指定されていることから、口腔癌治療に力を注いでいる。特に新しい超選択的動注法を用いた化学放射線療法を治療体系に取り入れており「切らずに治す癌治療」の高度医療に取り組み、年間100例を超える口腔癌患者が県内外から多く受診している。この治療法はわが国でもまだ数施設しか行われていなく、横浜市立大学附属病院ではこの新しい超選択的動注法の専門研修システムがあるため、全国の大学や病院の施設から研修に訪れている。また近年、内視鏡、ナビゲーションシステムを口腔外科手術にいち早く取り入れており、侵襲の少ない治療法の開発に取り組んでいる。病院施設認定:日本医療機能評価機構認定病院(Ver. 5.0)、特定機能病院、日本がん治療認定研修施設、日本臨床腫瘍学会認定研修施設、地域がん診療連携拠点病院、日本口腔外科学会認定医制度研修施設など。

症例数

年間(11年)新患者数:2,111人、入院手術数234人

口腔癌=年間の口腔癌の新患者数は102例でstageIII、IVなどの進展症例が大半である。治療はstage、IIの症例においては術後の機能障害が少ないことから手術が中心である。stageIII、IVの進展症例においては、浅側頭動脈および後頭動脈よりの新しい超選択的動注法を用いた化学療法と放射線療法の連日・同時併用療法を術前に行うことによって原発巣(癌のある場所:舌など)の病理的CR率(癌細胞が消滅する率)が約90%と高い値となり、その結果最近では進展口腔癌でも原発巣の手術回避(温存療法)が可能となってきた。それによりstageIII、IVの進展症例でも5年累積生存率が78%と大きく向上している。また6cm以上の大きな頸部リンパ節転移症例(N3症例)に対しては、従来の治療法では良好な治療成績が得られなかったが、この超選択的動注化学放射線療法にさらにハイパーサーミア(癌の温熱療法)を併用することによって著明な治療効果が得られており、生存率の向上に大きく寄与している

インプラント=当科ではインプラント義歯と自由診療でのインプラント治療を実施している。インプラント義歯では外傷および腫瘍術後に伴う摂食障害のリハビリテーションツールとして行っているが、多くの症例で顎骨骨造成手術が必要となっている。骨造成手術は近隣の診療所からの依頼が多く、当科では骨造成のみ施行した症例も年間数例ある。インプラント治療は原則2回法を適用し、埋入後の治癒期間は3~4カ月とし、骨造成手術症例では6カ月の治癒期間後に補綴処置を行うこととしているが、可能な症例ではall-on-4ザイゴマ(ハイブリッド)を適用し、同日内に仮義歯まで完成させている。また骨造成手術では脛骨移植が多く、局所麻酔でも実施している

その他=HIV感染者/AIDS患者の歯科治療:当科では93年より神奈川県HIV歯科診療ネットワークの第3次診療機関として登録され患者の受け入れを行っており、このネットワーク構築の一環として神奈川県および神奈川県歯科医師会が主催するHIV歯科診療講習会では講義、実習を担当している。その他、顎変形症、顎骨骨折などの口腔外科手術に対して内視鏡、ナビゲーションシステムを用いた新しい治療を行っている。また近年手術部位感染対策として口腔衛生管理の必要性が高まっており、12年度より「口腔ケアユニット」を開設し、専門スタッフによる口腔機能管理・感染予防を行っている。

医療設備

CT(ヘリカル、3次元)、MRI、PET-CT、DSA、超音波診断装置、放射線治療装置、IMRTなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

教室の研究テーマは主としてアレルギー・自己免疫疾患、腫瘍である。そのため診療も薬疹、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、じんま疹などのアレルギー疾患から皮膚腫瘍、膠原病、水疱症、乾癬など幅広く行っている。皮膚アレルギー疾患については、患者ごとに原因となるアレルゲンやその他の発症悪化要因を追求して治療をすすめている。入院は主に皮膚悪性腫瘍、重症薬疹、膠原病や血管炎、水疱症などの重篤な皮膚疾患を扱うほか、アレルギー疾患の原因究明のための負荷・誘発試験を行っている。乾癬では、光線療法、免疫抑制剤、生物学的製剤、G-CAPなどを用いて最善の治療を行っている。なお、当科は日本皮膚科学会認定医研修施設の他に、日本アレルギー学会認定教育施設にも指定されている。また、一般病院や開業医との連携を密接にして病診連携を進めている。

症例数

年間新患者数約2,500人、入院ベッド数16床。年間外来手術件数約600件、年間入院手術件数約80件(メラノーマ、有棘細胞癌、基底細胞癌、乳房外パジェット病、その他)

アトピー性皮膚炎=血液および皮膚テストによる悪化要因(ダニ、食物、真菌、金属など)の検索とその結果に基づいたアレルゲンの除去を行う。治療はステロイド薬外用、抗アレルギー薬、抗真菌薬などの内服とスキンケア・紫外線療法などを行い、重症例では2~3週間程度の入院治療を行う

じんま疹・アナフィラキシー・口腔アレルギー症候群・ラテックスアレルギー=血液および皮膚テストのほか、症例に応じて入院誘発テストによるアレルゲン検索を行う

薬疹=中等症以上ならステロイド投与、重症型では入院によるステロイド大量療法、血漿交換療法など集学的治療を行う。治癒後は、血液および皮膚テストや症例に応じて誘発試験などで原因薬剤の検索をし、重症型では薬疹の発症に関与するウイルスの検索を経時的に行っている

皮膚悪性腫瘍=手術、化学療法、放射線療法を主体とし、疾患により免疫療法を施行している。また、患者の年齢や腫瘍の拡大などを配慮した治療を行っている

水疱症・膠原病・血管炎=天疱瘡、類天疱瘡、SLE(全身性エリテマトーデス)、皮膚筋炎、MCTD(混合性結合組織病)、強皮症、血管炎などに対して入院によるステロイド薬や免疫抑制剤の全身投与、血漿交換療法、潰瘍に対する治療などを行う

乾癬=ステロイド軟膏・ビタミンD3軟膏外用、免疫抑制剤やレチノイドの内服、紫外線療法、G-CAP療法、生物学的製剤使用などを症例に応じて行っている。近年進歩の著しい生物学的製剤については、薬剤の特徴を詳細に説明し、症例に合った選択をしてもらうようにしている。また病診連携を推進し、多忙な方でも最善の加療ができるよう環境を整えている

皮膚潰瘍=潰瘍治療薬外用や血管拡張薬の全身投与のほか、難治例では入院による陰圧閉鎖療法を行う。

医療設備

紫外線照射装置(全身用・部分用UVA、UVB、ナローバンドUVB)、炭酸ガスレーザー照射装置、デルマトスコープ、皮膚科専用超音波診断装置など、大学病院として必要な設備を完備している。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

内分泌・糖尿病内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

代謝疾患(生活習慣病である糖尿病、高脂血症、高血圧、肥満症、痛風など)、内分泌疾患(下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎など)を主体とした専門的な内科診療を行っている

★診療方針については、他の科や部門とも速やかに連携し、総合的な医療が提供できるよう留意している。特に糖尿病診療については、医師の他、看護師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師などのメディカルスタッフとチームを作って、個々の患者さんに合わせた、きめ細かい治療体制を敷いている。診療は病態に基づいた治療を心がけており、豊富な臨床経験に基づいた種々のインスリン製剤や内服薬の効率的な治療を実践している。さらに、網膜症や神経障害、腎障害、血管障害、脂肪肝などの糖尿病合併症に関しても、各専門科と連携して、速やかな検査・治療を行っている。また、糖尿病教育のためのプログラムを設置し、短期の入院で、退院後も良好な血糖コントロールが維持できるように努めている。教育については医師の他、看護師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師とチームを作って協力体制を取り、個々の患者さんに合わせた、きめ細かい治療体制を実践している

★内分泌疾患の診断については、経験症例も数多く、画像検査についても、自科での甲状腺エコーの他、副腎・下垂体の血管造影検査などを外科や放射線科と連携のうえ行っている。治療は内科的な治療のみならず、副腎疾患の腹腔鏡下での手術など、外科系診療科とも協力しながら行っている。術前後の連携についてもスムーズにできる環境が構築されており、県内でもトップレベルの診療内容を有している。以上の診療体制が評価され、日本糖尿病学会認定教育施設、日本内分泌学会認定教育施設、日本肥満学会認定肥満症専門病院として認定されている。

症例数

外来診療=11年度、当科の月間外来患者数は平均約2,000人であり、そのうち新患者数は約40~50人である。疾患としては糖尿病、甲状腺疾患と副腎疾患の症例が比較的多い。再診は基本的に予約制の専門外来のみであり、疾患別の専門外来は設けていない。セカンドオピニオンは寺内教授が受けている(予約制)。また、近隣施設からの紹介患者を積極的に受け入れている。11年度実績は紹介率85~90%、逆紹介率136%である

入院診療=入院患者数は年間約300~350人で、ほとんどが2週間以内に退院している。内分泌疾患症例の入院は年間約50例程度である

糖尿病=教育、診断、治療を系統立てて行っている。各個人に合わせた治療を実施できるよう、医師、看護師、栄養士、臨床検査技師、薬剤師がチームを組んで専門的な診療に当たっている。また、入院中はもちろん、退院後も良好なコントロールを続けられるように、チームで定期的にカンファレンスを行い、より良い治療が行えるよう検討を重ねている。教育入院プログラムでは、医師や薬剤師、検査技師の講義が、1クール中に数回ずつ実施されている。さらに、看護師によるフットケアの実習、医師引率の下、当院近隣の八景島や海の公園などへ出かける運動療法は、好評を博している

内分泌疾患=診断を中心に、各種負荷検査など専門的な診療を効率よく実施している。外科的処置を必要とする症例については、診断をつけた後、速やかに専門科に連絡し、手術ができるような体制を取っている。なお、糖尿病学会専門医が5人、内分泌学会専門医4人が常勤として勤務している一方、数人の糖尿病療養指導士が各コメディカル部門の中心としてスタッフを取りまとめ、互いに連携を取って治療に当たっている。形成外科と共同でフットケアチームも発足し、科や部門を越えた協力体制が取られている。また、病診連携にも力を入れており、近隣施設との協力体制を構築すべく努力している。

医療設備

大学病院として、診療に必要な施設は一通りそろっている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

リウマチ・血液・感染症内科(血液内科)

分野

血液内科

特色

白血病・悪性リンパ腫などの造血器悪性疾患の診療を中心に行っている。99年1月、当院で心臓と肺の患者取り違え手術が行われたことの反省に立ち、医療事故の防止を心がけている。日本血液学会認定研修病院、骨髄移植推進財団・日本𦜝帯血バンクネットワーク認定施設。

症例数

入院患者数は平均20〜25人、年間延べ入院患者数は約300人、年間新規患者数は白血病30〜40人、悪性リンパ腫30〜40人などである。造血幹細胞移植は年間20〜30人に施行されている。小児科も含めた非血縁者間骨髄採取 (骨髄バンク) 累計は249件 (全国6位)、非血縁者間骨髄移植は166例 (12年9月末現在)

★白血病診療は、日本成人白血病治療共同研究グループ (JALSG) の共通プロトコールに沿って臨床試験を行っている。あらゆるタイプの白血病に対して最高水準の治療を実施するよう心がけており、JALSG の基幹施設として全国プロトコールの立案にも加わっている

★悪性リンパ腫診療は、横浜市立大学血液グループ関連施設と共に最新の知見に基づいた共通プロトコールで治療を行っている。65歳以下の再発・難治例に対しては自家末梢血幹細胞移植を行っている。より安全で効果的な治療法を確立するための臨床試験も施行している。最近では未承認薬を用いた治験にも取り組んでいる

★同種造血幹細胞移植についても積極的に行っている。他の治療法では治癒が望めない、あるいは可能性が低い症例を対象としている。55歳以上の方や臓器障害のある方でも本人の希望があれば十分なインフォームド・コンセントの下に骨髄非破壊的移植 (ミニ移植) も行っている。また関東造血幹細胞移植研究グループ (KSGCT) の一員であり、多施設共同臨床研究を行っている

★入院患者さんの治療方針は、旧第1内科 (リウマチ血液感染症内科/呼吸器内科) 医師との定期カンファレンスや多職種も交えてのカンファレンスなどで意見交換を行い、決定している

★関連病院は県内 (横浜市立大学附属市民総合医療センター、県立がんセンター、藤沢市民病院、横須賀市立市民病院、大和市立病院、済生会横浜市南部病院、横浜掖済会病院) および県外 (静岡赤十字病院) にあり、人的交流を行いながら臨床研究を共同で行い、医療レベルの向上を目指している

★近隣病院との連携も密に行っている。当科の血液疾患患者受け入れ可能ベッド数には限りがあり、常時満床状態となっている。そのため、受診された患者さんに同意をいただいた上で関連病院や地域中核病院の血液内科に紹介させていただく場合がある。一方、他院血液内科からの治療依頼 (特に造血幹細胞移植の依頼など) は、可能な限り引き受けている。

医療設備

無菌個室7床、簡易無菌室4床、PET-CT など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

リウマチ・血液・感染症内科(膠原病)

分野

リウマチ・膠原病内科

特色

日本リウマチ学会、日本アレルギー学会認定施設。血液、感染症、呼吸器グループ(旧第1内科)との連携により膠原病を幅広い視点で診療している。関節リウマチ診療にはいち早く関節超音波検査を取り入れ、診断から治療効果判定、寛解の確認に至るまで広く利用し、学術的にも国内のリーダー的な立場にある。石ヶ坪教授は厚生労働省 ベーチェット病に関する調査研究の研究代表者で、眼科・皮膚科と連携したベーチェット病専門外来(水曜午前・木曜午後)も開設している。また、合同リウマチ外来、免疫神経外来など他科と連携した診療を念頭に置いている。

症例数

外来診療患者1,679例(12年4月現在)、月間外来新患者数50~100人(膠原病として通院診療継続患者 539例)、入院患者数200~250例。関節リウマチが、全身性エリテマトーデスをはじめとした膠原病および膠原病類縁疾患のほか、不明熱、関節痛、自己抗体陽性で紹介される患者の診療にあたる

関節リウマチ(565例)=生物学的製剤(インフリキシマブ、アダリブマブ、エタネルセプト、トシリズマブ、アバタセプト、ゴムリマブ)治療が普及し、関節リウマチ診療は大きく変革したが、当科でも約30 %にあたる150例を超す患者がその治療を受けて、寛解率も年々上昇している。関節超音波検査を年間400件以上施行し、早期診断から活動性・薬効評価、寛解の判定に至るまでの質の高い診療を行っている。日常臨床では他院からの多数の検査依頼を受けるほか、全国から医師・技師が集う関節超音波講習会を年2回開催し、学術的にも国内のリーダー的な立場にある。そのほか、生物学的製剤をはじめとし多数の治験、医師指導型研究に参画しており、ご興味のある方はご連絡いただきたい

全身性エリテマトーデス(222例)=多様な臨床症状に応じた治療が必要となるが、腎病変に対しては積極的に生検を行い、病理組織診断に基づき治療法の選択を行っている。治療の中心の一つであるシクロフォスファミド投与時には患者年齢に応じて卵巣機能の温存治療も併用している

ベーチェット病(141例)=リウマチ診療科としては全国屈指の患者数で、ぶどう膜炎、腸管型、神経型症例27例にインフリキシマブをはじめとした生物学的製剤を使用している。他院で苦慮する難治症例の来院も多く、県内のみならず、関東さらに福島、長野、静岡などからの来院患者もある。現在進行中の特殊病型に対するインフリキリマブ治験の責任施設となっている

皮膚潰瘍=強皮症、全身性エリテマトーデス、血管炎による四肢皮膚潰瘍はしばしば難治化し、患部切断を余議なくされることもある。骨髄移植の経験豊富な血液グループと協力し、当科ではこれまで16例の難治性皮膚潰瘍患者に対して自己骨髄細胞の患部への移植による血管新生療法を施行し、大きな副作用もなく、潰瘍修復に関して良好な成績を得ている

院内連携=リウマチ・膠原病は多臓器疾患であるがゆえ、診療上の他科との連携は必須である。また、先に紹介したベーチェット病外来のほか、合同リウマチ外来(水曜午後)では整形外科、リハビリテーション科とともに薬物療法、手術療法について意見を交換しながら診療に当たっている。免疫神経外来(精神科:木曜午後)では、内科、精神科の双方が対応に苦慮する中枢神経ループス、神経型ベーチェット病などに焦点をあてた診療を行っている。また、院内合同勉強会として、腎病理カンファレンス(腎高血圧内科、病理学教室:年6回)、免疫神経検討会(精神科:年6回)、膠原病症例検討(皮膚科:不定期)を開催するほか、横浜リウマチフォーラム(整形外科、小児科、リハビリテーション科)、横浜肺高血圧研究会(循環器内科、呼吸器内科)、IBDと免疫を語る会(消化器内科)、横浜腎炎セミナー(腎高血圧内科)、横浜最新治療フォーラムなど学外セミナーを主催、共催することで、診療科間連携を深め、診療の質の向上に心掛けている

リウマチ・膠原病教室・相談室=毎月第3あるいは第4月曜日午後2時~3時に患者・家族を対象とした30分程度のミニセミナーを行い、その後、リウマチ・膠原病全般の個人的な相談に応じている。当院以外の患者さんでも自由に参加でき、特に手続きは不要である。日程、各月のテーマは当科ホームページに掲載(問い合わせ:045-787-2630 岳野)

Y-CURD=当科の関連施設としては横浜市立大学附属市民総合医療センター(リウマチ膠原病センター)、横浜南共済病院(リウマチ科)、国立病院機構横浜医療センター(リウマチ科)、横浜船員保険病院(アレルギー科)、大和市立病院(内科)、藤沢市民病院(血液膠原病科)、茅ヶ崎市立病院(リウマチ膠原病内科)、横須賀市民病院(リウマチ科)があり、人事的に交流し、臨床・研究面でも共同体制を整えている。06年より関連病院すべてのリウマチ疾患患者を登録したデータベース(12年現在登録患者 約8,000例)、Y-CURDを構築し、情報の発信にも努めている。

医療設備

CT、MRI、RI、PET(悪性腫瘍だけでなく、膠原病・血管炎の診断に有用)、骨密度、サーモグラフィー、各種内視鏡、超音波、無菌室、ICU、CCU、血液浄化室、感染症隔離病棟、結核病棟、リハビリテーションなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

リウマチ・血液・感染症内科(感染症)

分野

感染症

特色

日本感染症学会認定施設。輸入感染症や旅行者下痢症、HIV感染症を主に診療している。HIV感染症診療においては神奈川県中核拠点病院として、他拠点病院と連携して神奈川県の診療体制の向上を目指している。院内における全科入院患者の感染症の診断診療、抗菌薬適正使用を啓発すべく、院内コンサルテーション業務を行っている。検査部医生物検査室と連携して細菌培養結果の解釈、耐性菌状況を解析し、さらに毎日の院内全科ラウンドで病院全体の感染症診療の適正化に努めている。

症例数

HIV感染症外来診療患者245例(12年12月現在)、年間外来新患者数25人程度。当院は浦舟医大病院時代の86年よりHIV診療を開始し、92年の現横浜市立大学附属病院開設以降現在に至るまで累計500人を超える診療実績を持つ。エイズ指標疾患であるPCPは50例、結核は40例、カポジ肉腫20例、その他トキソプラズマ症、播種性非結核性抗酸菌症、原発性リンパ腫など豊富な治療経験を有する。本邦においては減少傾向である赤痢、コレラ、チフスの旅行者下痢症、マラリア、最近増加傾向が懸念されるデング熱といった輸入感染症患者も積極的に受け入れている。院内の感染症コンサルテーション業務においては、初診患者が1日平均3人であり、常時25から35人の院内ラウンドを行っている。これらの患者に関するカンファレンスを木曜日の午後5時より病棟カンファレンス室で行っており、このカンファレンスには感染症診療に興味を持つ他科研修医や他医療機関医師も多数参加している。

医療設備

CT、MRI、RI、PET、骨密度、サーモグラフィー、各種内視鏡、超音波、無菌室、ICU、CCU、血液浄化室、感染症隔離病棟、結核病棟、リハビリテーションなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

神経内科・脳卒中科

分野

神経内科

特色

脳・脊髄・末梢神経・筋疾患を対象とし、11人の日本神経学会専門医を含む17人の医師が常勤し、専門的診察、検査、診断、治療を行っている。電気生理学的検査では、末梢神経伝導検査などのほか、VEP、SEPといった非侵襲的中枢神経評価の専門的検査に優れる。またCT、 MRI、SPECT、PETなど先端画像診断が可能である。さらに、診断、治療方針決定のための遺伝子解析検査も行っている。

症例数

11年度の外来患者数は神経内科19,326人、脳卒中科1,474人、合計20,780人、うち1,235人が初診患者。急患は 神経内科399人、脳卒中科82人、合計481人の受診があった。定床は25床であるが、急患が多く、急患病床を含めると常に30床前後の病床を持ち、年間延べ入院数は神経内科6,138人、脳卒中科2,666人、合計8,804人であった

★脳卒中専門外来を毎日開設し、放射線科との協力体制のもとに、脳梗塞の急性期診断に欠かせない拡散強調画像を含むMRI画像撮影を即日行って診断し、急性期治療を行っている。脳梗塞の超急性期治療としてt-PAを使用した血栓溶解療法を随時行っている。発症4.5時間以内の症例の場合、救急隊からの直接の連絡が病院に来る。急性期を脱した後は、連携病院との協力で転院後も継続性のある治療が行われる

★また層の厚い専門医集団が髄膜炎や脳炎などの神経感染症、あるいはギラン・バレー症候群や重症筋無力症など緊急性のある重症患者に対する全身管理を行っており、こういった疾患の急性期における救命、治療に秀でている。一方、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症などの神経変性疾患/神経難病、多発性硬化症などの脱髄疾患、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、レビー小体病といった認知症の診療には特に力を注いでおり、専門外来の設置も検討中である

★各種の遺伝性神経疾患については、大学病院ならではの専門性を生かし、先進的遺伝子解析システムの導入を通じた診療も行っている

★脚気に代表される代謝性神経疾患、金属中毒のような中毒性神経疾患、片頭痛やてんかんなどの発作性疾患、ギラン・バレー症候群をはじめとする末梢神経疾患、多発筋炎や筋ジストロフィ一のような筋疾患など、幅広く臨床にあたっている。特に神経難病には各種先端的画像検査による補助診断法を用い、確実な診断を行っている

★末梢神経・筋の病理診断や神経生理学的診断を積極的に行い、筋生検術は凍結切片による迅速病理診断を行って治療を速やかに開始し、多発筋炎、皮膚筋炎に対するステロイド療法、ポンペ病では酵素補充療法を行って良好な成績を得ている。中枢神経系の伝導路や高次機能の検索を電気生理学的に行っているが、特にVEP(視覚誘発電位)、SEP(体性感覚誘発電位)等で炎症性疾患などの病巣検索を行い、またERP(網膜誘発電位)で各種変性疾患の高次機能評価に優れた結果を得、患者さんの病態解明を主眼として、診療に密着した研究を行っている。カラードプラエコーを用いて非侵襲的な頚動脈病変検索を行い、患者さんの心身に負担の少ない検査、治療戦略を立てている

★研究面では、神経難病(特に神経変性疾患や神経免疫疾患)の分子メカニズムを明らかにし、新規治療法を開発すべく分子生物学的手法やゲノム解析技術を用いた基盤的研究を行っている。同時に、高次脳機能、末梢神経障害、筋疾患、認知症性疾患、パーキンソン病、脊髄小脳変性症などの分野を中心に、臨床研究を推進している。臨床神経生理学では事象関連電位、大脳誘発電位、末梢神経伝導検査における研究、形態病理学では筋病理学、中枢神経病理学、神経生化学研究ではドーパミン代謝異常などに関する研究を特に力を入れている

★大学病院としてのもう一つの使命は医学教育である。人間は単なる臓器の集合体でないことを忘れず、患者さん一人ひとりを大切にし、全人的にとらえて把握できる医者を育てるべく教育を実践している。患者さんと話す時は目の高さで話しかけ、同じ目線でものを見るよう実習生、研修医、スタッフに指導している。

医療設備

CT、MRI、SPECT、PET、カラードプラエコー、VEP、神経伝導検査装置、血液透析室(透析、血漿交換療法、リンパ球除去療法対応)など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

08年度から川原教授が赴任し、難易度の高い脳腫瘍(頭蓋底、深部腫瘍)の治療に積極的に取り組んでいる。また、様々な脳機能画像を重ね合わせたナビゲーションを使用した手術を精力的に行い、正確で安全確実、術後のQOL(生活の質)を重んじた治療を行っている。脳卒中外科、脊椎疾患なども専門のスタッフが治療を担当、良好な成績を得ている。

症例数

11年の年間症例総数は418例で手術総数は296件であった(脳血管障害31、脳腫瘍111、脊髄・脊椎82、機能的外科7、頭部外傷32、水頭症・奇形29、その他4)。特に難易度の高い疾患が多く、経験豊富な脳神経外科専門医、脳卒中専門医、脊髄外科指導医などが治療を行っている

★脳血管障害(11年手術件数31件)に関しては、神経内科医からなる脳卒中科と共同で診療を行っており、外科的治療のみに偏らない総合的な脳卒中診療を行っている。くも膜下出血をきたす脳動脈瘤に対しては今のところ手術が主体となっているが、患者さんの病態に応じて手術と血管内治療の両方の選択肢を呈示し、ベストな治療を選択している。血管内治療については、血管内治療専門医によって行われている。13年からは、新規血管撮影装置を導入して、治療可能件数を増加させる予定である。内頸動脈狭窄症に対しても、患者さんの病態に合わせて、手術あるいは血管内治療(頸動脈ステント)を行い、良好な成績を収めている

★脳腫瘍(11年111件)のなかでも、特に頭蓋底深部腫瘍に関しては、川原教授着任後、他院からの紹介を含めて症例が着実に増加してきている。特に良性腫瘍(髄膜腫、聴神経腫瘍など)では、電気生理モニタリングを行い視力、聴力、顔面神経などを温存しつつ全摘出を目指し、極めて良い成績が得られている。一部の例では機能温存のために亜全摘にとどめて術後のガンマナイフ治療を併用し、機能温存と再発予防を行っている。また、悪性腫瘍に関しても積極的治療を行っている。特に悪性神経膠腫では、術前の機能画像、PET画像結果を重ね合わせたナビゲーションシステムを導入し、術中電気生理モニタリングを合わせて、確実な最大摘出と後遺症を最小限にするような手術を行い、術後のQOLを高める工夫を行っている。言語機能温存のために覚醒下手術も積極的に導入している。脳原発悪性リンパ腫も症例数は多いが、最小限の組織を採取し、診断をつけ、すみやかに化学療法、放射線治療を施行し、従来予後不良であったリンパ腫においても長期生存が可能となってきた。胚細胞腫、髄芽腫などの小児に好発する腫瘍に関しては、小児科腫瘍グループと共同し、術後徹底的な化学療法を行い、非常によい成績をあげている

★脊髄・脊椎疾患(11年82例)に関しては、術後疼痛などの原因となる筋肉のダメージをなくすために、筋構築的な後方アプローチ、いわば患者に優しい手術が行われ、術後合併症の著明な減少と早期退院を実現している。脊髄腫瘍も多く、脊髄髄内腫瘍では、全国でもトップクラスの手術件数に至っている。頸椎から腰椎に至る様々な脊椎変性疾患から脊髄腫瘍まで幅広い疾患を対象に、脊髄外科指導医が治療を行っている

★機能外科分野(11年7例)では、顔面けいれんの外科治療やリハビリテーション科と共同で、痙性対麻痺に対しバクロフェン持続注入ポンプ設置術が行われる。これまで有効な治療法がほとんどなかった痙性対麻痺に対して大いなる福音となっている。また、今後てんかんの外科治療導入も計画されている

★頭部外傷(外科治療は11年32例)に関しては、救急病棟が拡充されてきており、増加傾向にある。

医療設備

MRI、ヘリカルCT、DSA、SPECT、PETなどの診断装置に加え、ステルスナビゲーションシステム、Dr. View、超音波診断装置、ドプラ血流計、CUSA、術中DSA、定位脳手術装置などの手術機器を完備している。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

麻酔科ペインクリニック

分野

ペインクリニック

特色

痛みを主訴とする様々な疾患に対して神経ブロック療法、レーザー治療、薬物療法を中心に治療を行っている。重篤な疼痛の場合、1~2週間の入院下に集中治療も可能。大学病院にありがちな敷居の高さを廃して、一般病院と同じ感覚で受診できる身近な病院を目指している。長期間慢性疼痛に苦しんできた患者さんの受診が多いのが特徴で、一人ひとりに十分な時間を割いて診察し、複雑な経過を傾聴するよう心がけている。

症例数

年間の新患者数は600人前後

★椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変形性脊椎症、脊椎圧迫骨折などによる腰下肢痛、首・肩・上肢の痛みなどの疾患が最も多い。帯状疱疹痛や帯状疱疹後神経痛、外傷や手術後に痛みが持続する症例、三叉神経痛などがこれらに次いで多い。最近は、癌性疼痛の緩和医療充実のためにペインクリニックの技術を積極的に生かすよう取り組んでおり、入院患者の併診ならびに化学療法などで通院中の患者の専門外来を開設し、がん看護専門看護師とともに診療にあたって

★麻酔科の入院ベッドは4床あり、入院患者は年間120人前後で、主に高周波熱凝固法を用いた腰部交感神経節ブロック、帯状疱疹痛の急性期の疼痛管理、腰下肢痛の急性増悪時の疼痛集中治療、癌性疼痛の増悪時の疼痛コントロールなどである。比較的入院待ちをすることなく、重症度に応じて順次入院できるよう調整している

★X線透視下のブロックは週2回、火・金曜の午後に行っており、施行件数は年間約600件。最近はエコーガイド下の神経ブロックも多くなってきており、随時外来で施行している。さらに、通常の治療によっても鎮痛効果があがらない場合には、脊髄硬膜外刺激電極埋め込み術を施行しており、高い有効性を認めている。

医療設備

MRI、CT、X線透視装置、高周波熱凝固装置、外来診察室3室、神経ブロック用電動ベッド6台、神経ブロック用エコー装置、キセノンレーザー治療器など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

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