専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

洛和会音羽病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

肛門科

分野

肛門科

特色

日本で数少ない日本大腸肛門病学会肛門領域指導医・専門医を擁する総合病院(37科、588床、常勤医数170人)。糖尿病や心疾患、腎不全などの合併症のある方でも安全な手術が可能である。加川部長は全国53人の日本大腸肛門病学会肛門領域評議員の1人。

症例数

★内痔核・脱肛には半閉鎖法を行うとともに、内肛門括約筋に固定する「つり上げテクニック」を用いるので術後の腫れ・痛みがほとんどなく、また脱肛の症状も手術翌日には完全に消失する。その他、最新のテクニックを用い、患者様に最も適した治療を心がけている。通常の痔核手術は1泊2日、局所麻酔で手術可能な内痔核のゴム輪結紮、外痔核、皮垂などは日帰り手術で行っている

★痔瘻は肛門括約筋を扱うので、術者のレベルによって術後障害を生じ、また再発の可能性がある疾患である。音羽病院は特に痔瘻手術に定評がある。加川部長は痔瘻のなかで最も多いII型痔瘻の手術法としてミニマルシートン術式を開発、瘻管内腔から原発口を確実に同定して処理している。複雑なIII型、IV型痔瘻では世界にさきがけMRIでその立体構築を解析、すべての瘻管や膿瘍の立体構築を術前にコンピューターで測定して手術(MRI navigating seton手術)するので患者様にとって最も侵襲が小さく根治性の高い手術が可能である。痔瘻手術の入院期間は日本最短である(II型で1泊2日、III、IV型で2泊3日)。09年の手術症例数は688例(痔核109例、痔瘻515例)、すべての治療・手術は保健適用である。

医療設備

肛門疾患に関しては、炭酸ガス凍結手術装置、超音波凝固切開装置、高周波剪刀、MRI、64列マルチスライスCT、電子肛門鏡、電子内視鏡など。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

呼吸器科

分野

呼吸器外科

特色

呼吸器疾患全般を内科、外科の枠を取り払って診療にあたっている。COPD(慢性閉塞性肺疾患)、慢性呼吸不全、気管支喘息、肺炎、肺癌、縦隔腫瘍、気胸など内科的治療から胸腔鏡下手術、開胸肺切除術などの外科治療まで、症例に応じた一連の診療を心がけている。毎週の症例検討会で、術前術後症例、新入院症例の診療計画を呼吸器科医、放射線科医、病理医とともに検討し、最善の診断方法、治療方法を決定している。

症例数

09年の入院患者総数は約400人で、45%が肺癌などの悪性疾患である。他疾患の比率は気管支喘息11%、肺炎7%、COPD・呼吸不全11%、気胸5%、その他21%であった。09年の全身麻酔下手術数は42例で、内訳は肺癌16例、転移性肺癌4例、気胸、肺嚢胞症12例、良性肺病変6例、膿胸手術2例、縦隔鏡検査2例であった。そのうち胸腔鏡手術が34例であり、低侵襲の手術を心がけている

★肺癌の新規発生数は年間約80例で、その2割程度が手術適応となり、すべての症例で胸腔鏡下肺切除術を施行している。11年9月にPET-CT、放射線治療施設、緩和病棟が竣工予定で、肺癌の集学的治療、終末期の在宅療法、緩和医療まで一貫した治療が確立する。癌による気道狭窄に対する内視鏡的なステント留置も行っている

★びまん性肺疾患に対して積極的に胸腔胸下肺生検を行い、診断治療に役立てている

★慢性呼吸不全患者に対して、NPPVを拡大して適応し、 気管内挿管を回避することが可能となった。

医療設備

胸腔鏡、ビデオ縦隔鏡、MRI、RI、64列マルチスライスCT、超音波診断装置、新血管造影装置、体外衝撃波結石破砕装置、超音波内視鏡、Qスイッチルビーレーザー。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

心臓内科

分野

循環器科

特色

専門分野の異なる経験豊富なスタッフを擁し、コメディカルとの密なチーム医療を行っている。急患も24時間体制で受け入れており、常に血管造影が施行できる2室の心カテ室を整え、地域の基幹病院として地域医療に貢献している。冠動脈疾患だけでなく、生活習慣病の増加に伴い増加している頸動脈、上腕動脈、腹部動脈、腎動脈、下肢動脈、透析シャント部などの狭窄病変に関しても幅広く治療を行い、心臓血管外科、腎臓内科や内分泌糖尿病科との連携は密である。また専門外来としてペースメーカー外来のほか漢方外来を開設している。64列心臓マルチスライスCT、心臓MRI検査、心臓核医学検査等を使用し、紹介元への迅速な対応や各種手術前の冠動脈病変評価などに役立てている。カテーテル検査や冠動脈血管形成術の多くにクリニカルパスを使用し医療の標準化、効率化を推進している。本センターは日本循環器学会認定の専門医研修施設、日本心血管インターベンション学会認定研修施設である。

症例数

09年の主な年間検査件数は、心臓カテーテル検査総数919例、経皮的冠動脈血管形成術336例、四肢動脈血管形成術50例、ペースメーカー新規植え込み47例、心エコー検査12,742件、トレッドミル運動負荷検査711件、負荷心筋シンチ170件、心臓MRI検査457件、ホルター心電図1,172件等である。05年3月から血管造影装置が2台に増設され、治療に時間のかかる慢性完全閉塞などの冠動脈血管形成術や四肢動脈血管形成術の増加が著しい

★医療安全で留意していることとして、医師からの徹底した説明とともに、臨床工学技士から具体的な血管造影室の写真や検査の流れ等を説明し、検査・治療を受けられる患者さんやご家族の不安軽減に役立てている。またDICOMネットワーク構築により、検査および治療後の迅速な患者・家族への結果説明が可能である

★長期的な予後改善のために投薬、心臓カテーテル治療、バイパス手術のなかから個々の患者に適した治療方法を選択している。冠動脈血管形成術は血管内超音波エコー検査や心臓マルチスライスCT、心臓MRI等の結果をもとに最良の治療方法を検討している

★2人の健康運動指導士を擁し、AMI後・開胸術後などの患者に対する個別運動療法から集団運動療法までを行っている

★臨床研究にも精力的に取り組んでおり、各種インターベンション学会の中心的役割を担い、国内だけでなく米国心臓病学会(ACC)等、海外での発表も行っている

★急性心不全等の心原性ショックに関しては人工呼吸、血液透析や大動脈内バルーンパンピング(IABP)・経皮的人工心肺補助装置(PCPS)等の補助循環装着を状態に応じて迅速に行っている。また原因不明の心機能低下患者に対しては心筋生検組織等から診断への積極的アプローチを行っている

★不整脈に対しては、植え込み型除細動器(ICD)と心不全に対する両心室ペーシングについて、07年1月から施行中である。またカテーテルアブレーションも施行開始している。

医療設備

心臓カテーテル装置2台、RI、MRI、64列マルチスライスCT、超音波診断装置、血管内超音波エコー、経食道心エコー、皮膚灌流圧測定装置(SPP)、血圧脈波検査装置(ABI)、トレッドミル、ホルター心電図、24時間血圧計、モバイル心電図、IABP、PCPSなど。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

腎臓内科

分野

腎臓内科

特色

当科では、原発性糸球体疾患だけでなく、糖尿病、高血圧、膠原病などに伴う腎疾患の診断・治療を中心に行っている。さらに腎疾患の診断に必須である腎生検は、月に4~8例施行している。また、慢性腎臓病に対する教育・治療、血液透析や腹膜透析などの腎代替療法の導入、急性腎不全の診断・治療、他科に入院した維持透析患者に対する透析管理、さらに各種疾患に対する血液浄化療法--血漿交換、二重濾過血漿交換療法(DFPP)、白血球吸着療法(L-CAP)、顆粒球吸着療法(G-CAP)、活性炭吸着療法、エンドトキシン吸着療法--なども行っており、あらゆる腎疾患の診療に携わっている。施設認定:日本腎臓学会認定施設、日本透析医学会認定施設。

症例数

(09年1月1日~12月31日):入院患者総数168人、透析導入21件、腹膜透析導入12件、腎生検45件。

医療設備

病床数15床、透析ベッド6床(8床に拡張予定)、血液透析濾過器2台、二重膜分離治療器1台。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

泌尿器科疾患全般にわたり、広く深くをモットーとして治療に当たっている。尿路悪性腫瘍をはじめ、尿路結石、女性泌尿器科、小児泌尿器科、男性不妊症と幅広く対応している。また、治療に伴う患者のQOLを最大限に保つよう努力している。

症例数

外来患者1日平均50人。手術件数年間350~400件。体外衝撃波結石破砕術(ESWL)年間100~150件

★前立腺癌に対しては、早期発見に努め、根治的前立腺摘除術の適応となった場合、術後尿禁制の回復が可能な限り早くなるよう、手術に工夫を凝らしている。尿禁制の回復は、フォーレ抜去後2週間以内で80%以上である

★浸潤性膀胱癌において、膀胱全摘術が必要となった場合、術後QOLの高い回腸新膀胱造設術を積極的に行っている。最近25症例の検討では、全例自然排尿可能で残尿なく、上部尿路に水腎症等問題が発生した症例は0件であった

★腎癌、副腎腫瘍に対しては、体腔鏡手術を第一選択としている

★精巣腫瘍では、末梢血幹細胞移植術併用超大量化学療法が可能である

★結石治療において、治療に難渋することの多いサンゴ状結石では、X線透視下に腎瘻を作成することで、ほとんどの場合1回の手術で結石の完全摘除を行っている

★女性泌尿器科手術として、腹圧性尿失禁に対するスリング手術、膀胱瘤、直腸瘤手術、膀胱腟瘻根治術等を行っており、術後長期成績も良好である

★男性不妊症関連では、顕微鏡下に精子採取術、精路再建術等を行っている。

医療設備

MRI、RI、64列マルチスライスCT、超音波診断装置、心血管造影装置、体外衝撃波結石破砕装置、超音波内視鏡、Qスイッチルビーレーザーなど。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

整形外科

分野

整形外科

特色

80年に名神京都東インター横に開設された比較的新しい総合病院(病床数:698)である。パート医師による診療を行っていた整形外科は85年に京都大学の関連病院として常勤医師が着任した。03年に臨床研修病院に指定され、研修医の指導にも力を注いでいる。最新の医療機器を配置し、ICUを備え、地域の基幹病院として質が高く、専門性の高い医療を提供できるように努め、全科で救急医療にも積極的に取り組んでいる。交通事故、労災事故、スポーツ等の種々の外傷をはじめ、脊椎脊髄疾患、変形性関節症、末梢神経疾患、関節リウマチ、骨軟部腫瘍等の整形外科全般を取り扱っている。外来で保存的に治療を行うことを原則にしている。手術が必要になれば、関節鏡、手術用顕微鏡、X線テレビ等を使用してできるだけ低侵襲に行い、確実に固定し、早期離床、早期リハビリを行い、早期の社会復帰を目指している。透析が必要な慢性腎不全がある場合、心臓等の内科的合併症がある場合等でも腎臓内科、心臓内科等の他科のサポートがしっかりしており、安心して治療が受けられる。多発外傷、麻痺等でリハビリに時間を要するときには回復期リハビリ病棟で十分にリハビリが受けられる。整形外科は、月~土は当直またはオンコール、日・祝日は日直(夜間はオンコール)を行い、365日24時間対応している。

症例数

1日平均外来患者数は約200人、年間新患数2,500人(初診数5,000人)であり、1日平均入院患者数は90人である。09年の年間手術件数は760例、頸椎40例、胸腰椎88例、人工股関節12例、人工骨頭(股)60例、人工膝関節31例、骨接合術325例(上肢126例、下肢199例)、手の外科58例、腫瘍外科23例(良性14例、悪性9例)等である

★頸椎は病態により前方、後方より除圧、固定を行っているが、多椎に及ぶ頸椎症性脊髄症は後方より椎弓形成術を行う。環軸椎亜脱臼にはマガール法により整復固定し、骨移植を行っている

★腰椎は脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアの症例が多く、主に後方より顕微鏡下に除圧している。不安定が認められる場合は、積極的にインスツルメンテーション、骨移植術を行い、早期の離床を図っている

★変形性関節症の末期症例には人工関節置換術を行う。手術の合併症、年齢を考慮してセメントレス人工股関節が増加している。変形性膝関節症の初期症例には高位脛骨骨切り術で成果をあげている

★外傷に関して、救急救命センターで24時間対応している

★小児の骨折では変形転移が著明な症例は、当日に全身麻酔下に手術、ピンニング、ギプス固定を行い、翌日には退院可能となっている。開放骨折に対しては各種の創外固定器を使用して治療している

★老人の大腿骨頸部骨折に対しては、ハンソンピン、近位型髄内定、CHS、人工骨頭手術等を行い、積極的にリハビリを行い、早期離床、早期歩行を図っている。自己血輸血、回収血輸血を行い、可能な限り術中術後出血に対応している

★リハビリはPT44人、OT22人、ST 9人、健康運動指導士2人を擁しており、入院時より早期にリハビリを開始している。離床できない場合はベッドサイドにて行い、廃用萎縮を予防し、早期重点的にリハビリに取り組み、早期離床、早期社会復帰を目指す

★骨軟部腫瘍に対しては京都大学医学部整形外科腫瘍グループと密に連携をとって治療に当たっている。

医療設備

MRI 2台、64列マルチスライスCT、DSA、RI、超音波診断装置、筋電図、骨塩定量装置(DEXA)、関節鏡、クリーンルーム、手術用顕微鏡、セルセーバー、CPM、フットポンプ等を備えている。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

小児科

分野

小児医療

特色

京都市の東部に位置し、地域の医療機関と密接な連携をとりながら、急性期を中心に回復期から慢性期まで、一貫した医療を提供する地域の中核病院である。洛和会ヘルスケアシステムでは「子供達のために、未来へ・・・」をコーポレート・スローガンとし、すべての力やノウハウを結集して「子供達の健やかな成育」にグループ全体で取り組んでいる。小児救急に関しては365日24時間体制で毎日当直しており、京都市小児2次後送病院群輪番病院に参加している。また、地域医師との合同研究会、保健所検診、保育園・幼稚園の定期検診などを通じて地域医療に積極的に取り組んでいる。遠方からの入院患者の家族にはミニキッチンやユニットバスを完備した宿泊施設(ひまわりハウス)を設けている。院内には科の枠を越えたICT(院内感染対策チーム)、NST(栄養サポートチーム)が組織されており、それぞれの対象患者を常に把握し、主治医にアドバイスできる体制をとっている。11年秋には放射線治療、産婦人科、小児科などを含む新病棟が完成する予定である

★日本小児科学会認定小児科専門医研修施設、日本アレルギー学会認定教育施設(小児、耳鼻咽喉科)、厚生労働省臨床研修指定病院、日本救急医学会専門医指定施設、ISO9001、病院機能評価ver.5.0、プライバシーマーク取得、ハイサービス日本300選など。

症例数

年間外来患者延べ数は約28,000人、年間救急外来患者延べ数は約10,000人、1日平均外来患者数は約85人である。04年より365日24時間の救急体制を始めたこともあり、救急外来患者は、年々急激に増加している。病床数は母子センターとして35床、そのうち約20床を小児科で担当している。年間の入院患者数は約700人。DPCを導入、クリニカルパスにも積極的に取り組んでおり、家族の負担が大きくならないよう入院期間の短縮にも努力している。平均在院日数は約4日である。疾患別に入院患者数をみると呼吸器や消化器などの感染症が約60%、喘息などのアレルギー疾患が約10%、痙攣性疾患が約7%、その他が約23%となる

感染症=入院患者の過半数を占める。肺炎、細気管支炎、感染性胃腸炎などが多いが、化膿性髄膜炎、喉頭蓋炎、SSSSなどの希な疾患も多く経験する

免疫・アレルギー=気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどの診断治療を、日常生活がいかに快適に過ごせるかを家族と共に考えていくという方針で行っている

代謝・内分泌=低身長、甲状腺疾患、糖尿病、肥満、種々の代謝疾患の診断治療に取り組んでいる

神経=痙攣性疾患は入院患者の約7〜8%を占める。熱性けいれん、てんかんの診断治療の他、ウイルス性脳炎、急性散在性脳脊髄炎なども経験している

循環器疾患=川崎病、先天性心疾患、不整脈などの診断治療および午後の専門外来での経過観察を行っている

腎疾患=急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群などの診断治療を行っている。長期入院に際しては訪問学習を行うことも可能である

新生児・未熟児=院内出生の在胎35週、1,800g以上の新生児・未熟児の管理を行っている。低出生体重児、呼吸障害、感染症、高ビリルビン血症などを治療している

ベビーマッサージ=ベビーマッサージティーチャートレーニング修了の医師によるマッサージクラスを月2回行っている。同時に育児相談も行っており、親子の肌のふれあいを大切にしてもらえるよう指導している

予防接種=ポリオ、BCG以外の予防接種が可能である。慢性疾患、アレルギー体質などにも細やかに対応している。

医療設備

MRI 2台、RI、64列マルチスライスCT、超音波診断装置、心血管造影装置、体外衝撃波結石破砕装置、超音波内視鏡、Qスイッチルビーレーザー、TEOAE新生児聴覚スクリーニング装置、マンモグラフィなど。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

歯科口腔外科

分野

歯科口腔外科

特色

外来は口腔外科的治療だけではなく、歯周病専門医による全身と口腔疾患の関わりに対する治療の取り組み、その他にも歯科インプラントや矯正治療、睡眠時無呼吸のスプリント治療、訪問歯科も手がけている。入院症例は顎変形症手術が多くを占めるが、小手術のデイサージャリーも積極的に行っている。

症例数

年間の外来新患患者数は約3,000例、外来小手術は埋伏抜歯など400例

入院手術=09年の入院手術症例は局麻が8例に対して全麻が225例で、そのうち116例が顎変形症手術である。最近の手術の傾向も同様で10年1月から6月までの全麻103症例中、顎変形症関連手術が58例、それ以外が45例(抜歯27例、嚢胞・腫瘍10例、外傷7例など)となっている。顎変形症の術前カウンセリングには十分な時間を確保するようにしており、専用のパンフレット解説により良好なインフォームド・コンセントが得られるよう努力している。下顎後退手術のうち下顎枝矢状分割法ではチタンプレートあるいは生体内吸収性スクリューによる固定を行っているが、皮膚の切開を行わないシステムを確立しており、術後早期の機能回復と審美性の両立を目指している。下顎前方移動では術後の顎関節の負担軽減を考慮し、柔軟性のあるチタンプレートによる固定を原則としている。一方、オトガイ神経領域の知覚鈍麻を避けつつ、顎関節症状を改善できる下顎枝垂直骨切り術が選択されることも多い。術式の選択基準のひとつとして術前に低被曝線量の歯科用CT(3DX)による手術部位の評価を行っており、合併症を生じる確率が少ない術式を模索するよう心がけている。上下顎移動術の占める割合が比較的高く、上顎形成術では馬蹄形骨切り術の併用など多分割Le Fort I 型骨切り術が行われる症例も多くなってきた。自己血貯血の準備と低血圧麻酔の適用により安全な手術と術後の早期回復、短期間入院(術後5日)を実現している。また睡眠時無呼吸と顎変形との関係について着目し、日本人の顎顔面形態に応じた手術的改善につき臨床研究を進めている。全入院症例の平均在院日数は3日である

歯科インプラント=インプラント認定医が常勤しており、外来手術から入院全身麻酔手術まで幅広く対応している。複数社のシステムを使用し仮骨延長法も積極的に実施している。また他院からの骨増生手術依頼にも応じている。近年は欠損歯を伴う顎変形症や顎関節症の患者に対して、顎矯正とインプラント、骨延長などを最適に組み合わせた包括的診療に取り組んでいる

訪問歯科、口腔ケア=専用の訪問診療用車両を有しており、09年度の訪問歯科件数は訪問歯科治療1,519件、訪問口腔ケア971件であった。一方で入院患者のベッドサイドでの口腔ケアにもNSTチームの一員として積極的に取り組んでおり、09年度は167件にのぼる。また歯科麻酔医と連動してICU口腔ケア、周術期口腔ケアにも関与している

歯周病と糖尿病=歯周病専門医が常勤しており、重度歯周病患者の治療や当院内分泌糖尿病内科と連携して、糖尿病患者の定期受診の動機付けを目的にした歯科個別指導や歯周病治療を行っている

24時間体制=夜間、休日には当番の歯科医師がオンコール体制で待機し、院内に併設されたER(救命救急センター)と連携して歯科救急に対応している。周辺地域のみならず遠方からの受診も多いが、診療内容は外傷や急性炎症および一般歯科疾患の応急処置、投薬のみとしており、処置の後はかかりつけの歯科医院へ情報提供を行い、歯科診療所との連携も図っている。骨折、蜂窩織炎など緊急を要する場合には即日入院が可能で、その後の緊急手術にもオンコールで手術チームを編成し対応している。

医療設備

64列ヘリカルCT、MRI、歯科用コーンビームCT、エルビウムヤグレーザー、炭酸ガスレーザー。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

皮膚科全般にわたって、個々の症例に応じたきめ細かな医療の提供を目指している。基本的にはEBMに則ったオーソドックスな治療を主体としているが、難治例には可能な工夫を試みている。必要に応じて、他科(特に、形成外科、麻酔科、血管外科)と連携して治療を行う。

症例数

外来患者数は1日90~100人。入院患者数は年間約80人

★アトピー性皮膚炎や、湿疹・皮膚炎患者は、あらゆる年齢層にわたる。ステロイド外用療法が基本となり、症状・部位によるステロイドのランクの使い分け、保湿剤を中心にしたスキンケア指導を行っている

★尋常性乾癬は、ビタミンD3軟膏やステロイド剤外用を主体に、重症例ではエトレチナートやシクロスポリン、メトトレキサートの内服療法を組み合わせ、あるいは外用PUVA療法を組み合わせて、QOLの改善を目指している

★帯状疱疹は、重症度に応じて外来での内服治療、入院での点滴治療を行う。痛みの強い症例、その遷延化の予想される症例では、麻酔科による神経ブロックを積極的に行っている

★円形脱毛症の難治例(ステロイド外用で無効な例)では、外用PUVA療法やSADBEを用いた局所免疫療法を試みている

★疣贅(イボ)、母斑(ホクロなど)、腫瘍では液体窒素療法、小手術を行うが、必要に応じて形成外科での炭酸ガスレーザー、あるいは外科手術で対応している。ウイルス性疣贅で難治の場合や、液体窒素療法の疼痛に耐えられない場合は、モノクロロ酢酸による治療も試みている

★陥入爪、巻き爪は、簡易のガター法、ワイヤー法、テープ法を組み合わせて治療することで、従来は手術対象となった症例も、保存的な治療での改善が期待できる

★保険外診療として、男性型脱毛症のプロペシア処方、アナフィラキシーショック予防のエピペン処方を行っている。

医療設備

紫外線照射装置(ナローバンド、UVA)、電気焼灼装置、液体窒素、近赤外線治療器(スーパーライザー)など。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

内分泌糖尿病内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

糖尿病診療において、診断から治療、合併症評価、管理など、専門医による総合的医療が受けられる。糖尿病専門医、管理栄養士、薬剤師、看護師、健康運動指導士、歯科衛生士によるチーム医療を展開し、糖尿病などの生活習慣病を様々な角度からサポートする。

症例数

定期的に通院中の糖尿病、内分泌疾患患者数は、約3,000人、月間外来患者数は約1,800人、平均在院日数は約14日。糖尿病患者におけるHbA1cは、5.8%未満の割合は21.8%、7.0%未満では70.6%

★外来診察室に隣接して栄養指導室があり、必要に応じて随時、栄養指導が受けられる。糖尿病教室は毎週1回、外来患者、入院患者にかかわらず参加できる

★運動療法のための独自のスペースがあり、健康運動指導士の監視のもと、エアロバイクや卓球などの運動療法が安全に行える

★音羽糖友会という患者会があり、患者同士の親睦や情報交換の場となっている

★新薬の臨床治験は、治験センターの専従スタッフの管理のもと、整備された安全な環境で行われ、積極的に取り組んでいる

★日本糖尿病学会、日本内分泌学会の認定教育施設であり、全人的医療、研修医教育、学会活動にも力を入れている

★地域密着型医療を重視し、近隣の診療所や病院と連携している。

医療設備

MRI、RI、64列マルチスライスCT、超音波診断装置、心血管造影装置、体外衝撃波結石破砕装置、超音波内視鏡、Qスイッチルビーレーザーなど。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

総合診療科・感染症科

分野

感染症

特色

★総合診療科=当科は、「総合内科診療」と「総合医の育成」を通じて社会に貢献することを目指している。高齢化により多臓器に複数の疾患を抱える患者が増加する中、内科系疾患を総合的な視点で診療する「総合医」が必要とされる場が徐々に広がっている。当科では、一般的な内科の病気、よくある症状(発熱、咳、頭痛、腹痛)、健康維持に関わる問題(血圧・コレステロール・血糖など)、特定の臓器に絞れない症状(全身のだるさ、食欲不振、体重減少、むくみなど)の診療を行っている。その他、リウマチ・膠原病(こうげんびょう)、禁煙外来などの専門外来も行っている。問診、身体所見を重視し、標準的な医療の提供に努め、適切なタイミングで専門医に紹介し、患者・家族に納得のいく説明をするように心がけている。後進の育成のために医学教育にも積極的に関与している。海外から“大リーガー医“と呼ばれる指導医を招聘し、回診、症例検討、講義などを通じて若手医師の教育を行っている

★感染症科=様々な感染症の問題に対して、専門各科との連携を密にとりながら問題解決に努めている。一般的な感染症(風邪、気管支炎、肺炎、尿路感染症など)だけでなく、比較的まれな感染症(骨髄炎、様々な臓器の膿瘍、髄膜炎、脳炎、心内膜炎、HIV、性行為感染症、人工物の感染症など)、耐性菌による感染症、トラベルクリニックなどの診療を行っている。院内感染対策活動にも力を注いている。

症例数

総合診療科=09年の総合診療科入院患者数は1,045人で、平均在院日数は13.6日であった。当科入院患者の約75%がERからであり、ERからの入院の約25%が総合診療科入院である。入院患者の半数は一般的な内科疾患(肺炎・誤嚥性肺炎17%、敗血症11%、尿路感染症6%、呼吸不全3%、急性腎不全3%、薬物中毒3%)であり、残りの半数は膠原病、感染症などのバラエティーに富んだ内科疾患である。当科で経験した珍しい症例として、「胸腺癌による抗VGKC抗体陽性の傍腫瘍辺縁系脳炎の一例」(遠藤功二他、第107回日本内科学会総会)、「門脈圧亢進症と自己免疫性膵炎を合併した後腹膜線維症の一例」(重島祐介他、第17回日本総合診療医学会)、「慢性膿胸関連悪性リンパ腫の一例」(森下真理子他、第188回日本内科学会近畿地方会)、「溶連菌感染後反応性関節炎と鑑別を要したリウマチ熱の一例」(遠藤他、第189回日本内科学会近畿地方会)、「眼底所見を伴った高安病の一例」(中條航他、第190回日本内科学会近畿地方会)、その他、Crowned dens症候群、後天性血友病、血管内リンパ腫、原発性副甲状腺機能亢進症、腹膜垂炎、大網梗塞、上腸管膜動脈症候群、収縮性心膜炎などがある

感染症科=当科が経験した症例として、「腎疝痛で発症した腎フザリウム症の一例」(神谷他、第83回日本感染症学会総会)、「少量のメトロニダゾール投与後に小脳毒性をきたしたと考えられた一例」(土井朝子他、第83回感染症学会総会)、「発熱、咳漱を主症状とした腸チフスの一例」(倉原優他、第185回日本内科学会近畿地方会)などがある。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

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