専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

大阪労災病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器内科

分野

消化器・一般内科

特色

南大阪地区の中核的基幹病院として、消化器疾患全般にわたる診断、治療を先端医療機器を駆使して行っており、病診連携による地域医療をも推進している。南大阪地区は肝炎ウイルスの汚染率が全国で最も高い地域の一つであり、慢性肝炎、肝硬変、肝癌の早期診断、治療には特に力を注いでいる。日本消化器病学会、日本肝臓学会、日本消化器内視鏡学会の指導施設である。指導医は吉原、山田、小森の3人。

症例数

消化器科病床数は86床、入院患者数は年間約2,210人。年間検査件数は腹腔鏡下肝生検18件、超音波ガイド下肝生検186件、上部消化管内視鏡検査4,113件、超音波内視鏡(EUS)39件、下部消化管内視鏡検査1,734件、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)300件

C型慢性肝炎、肝硬変=インターフェロン(IFN)療法(90件)

B型慢性肝炎、肝硬変=IFN療法(15件)、エンテカビル(20件)

肝癌=外科的肝切除(20件)、肝動脈塞栓術(100件)を外科、放射線科と連携して行っており、経皮的ラジオ波焼灼術(75件)、経皮的エタノール注入療法(32件)。進行肝癌に対する動注リザーバーによる抗癌剤の注入(10件)

上部消化管疾患=ヘリコバクター・ピロリの除菌療法(70件)、高周波電流を用いた内視鏡下ポリープ摘除術、早期胃癌の粘膜切除術(EMR)10件、粘膜下層剥離術(ESD)43例。上部消化管出血での緊急内視鏡治療(163件)、食道静脈瘤破裂の食道静脈瘤結紮術(EVL)または硬化療法(EIS)(112件)。他、PEG増設10件、イレウス管挿入20件、異物除去3件

下部消化管疾患=内視鏡下ポリープ摘除術、粘膜切除術(EMR)(393件)。潰瘍性大腸炎(90件)、クローン病(70件)などの炎症性腸疾患の保存的あるいは外科的治療

胆道、膵疾患=ERCP・ドレナージ(ENBD)300件、PTCD40件、内視鏡的十二指腸乳頭切開術(EST)52件、胆道狭窄に対するステント留置術111件(数字は年間の実績)。食道腫瘍、大腸腫瘍のESD、ダブルバルーン小腸内視鏡、カプセル内視鏡を2010年より開始する予定。

医療設備

各種電子内視鏡、超音波内視鏡、血管造影(DSA)、ハーモニックパワードプラエコー、電子腹腔鏡、ラジオ波焼灼術装置、リアルタイムバーチャルソノグラフィー(RVS)など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

循環器内科

分野

循環器科

特色

循環器科はCCU(冠疾患集中治療室)6床を含む47床を運営している。心臓専門医が毎日CCU当直を担当し24時間体制で心血管疾患の診療にあたっている。虚血性心疾患の診断、治療に定評があるが、末梢動脈インターベンション治療および不整脈治療にも力を入れており、難治性の末梢動脈病変に対する末梢インターベンション治療、心房細動を含むアブレーション治療、植え込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT)も年々増加傾向にある。弁膜症治療も最新の心エコー装置を駆使し、心臓外科との連携のもとよりよい治療が可能となっている。また、64列MD-CT、1.5T MRI、最新の心筋シンチグラムが施行可能で、種々の心血管病をあらゆる角度から診断できるようになっている。

症例数

08年の年間検査数は、心臓カテーテル検査1,218件、心エコー5,984件(うち経食道心エコー170件)、心筋シンチ377件、トレッドミル261件、エルゴメーター167件

★虚血性心疾患に対しては薬剤溶出性ステントを中心とした冠動脈インターベンション治療を基本とし、08年は431件行っている。心臓血管外科とのカンファレンスのもと、個々の症例に適した治療方針を決定している。全例血管内エコーを施行し、病変形態に応じてロータブレーターを施行し、また、血管内視鏡OCTでステントの慢性期評価を行い、治療に反映させている

★急性冠症候群(急性心筋梗塞および不安定狭心症)は年間100例を超え、可能な限り早い再還流療法を心がけている。必要に応じて血栓溶解療法を行い、原則的には血栓吸引療法の後、冠動脈インターベンション治療を施行している。原則約2~3週間で退院の方針をとっている

★末梢動脈病変についてはABI、超音波法、64列MD-CTで診断し、末梢動脈インターベンション治療を原則施行している。術中も血管造影と超音波法両者を用い、術後薬物療法も含め可能な限り慢性期の再狭窄を予防できるよう工夫し治療している。また難治性高血圧や軽度腎障害には、超音波法、64列MD-CTを行い、腎動脈狭窄があり適応があれば積極的に経皮的腎動脈形成術(PTRA)を施行している。また、頚動脈狭窄に関しても積極的に頚動脈ステント術(CAS)を施行している

不整脈=頻脈性不整脈に関しては電気生理学的検査(EPS)を行い、アブレーションを施行している。徐脈性不整脈に関しては、ガイドラインに従いペースメーカー植え込みを施行している。心房細動に対しては薬物療法、電気的除細動、アブレーションを駆使し、多角的アプローチにてよりよい治療を提供している。またICD、CRTD認定施設でもある。08年は電気生理学的検査(EPS)29件、アブレーション35件、ペースメーカー98件、ICD 5件、CRTD8件を施行した

★弁膜症については週3回の心臓血管外科とのカンファレンスのもと、心臓カテーテル検査と心エコー検査の結果にて方針を決定し、特に僧帽弁に対してはできるだけ形成術を施行している

★心不全その他。急性心不全は薬物療法が基本で、CCUにて管理を行うが必要に応じて人工呼吸、補助循環(IABP、PCPS)、透析を行っている。慢性心不全に対しては薬物療法の他、組織ドプラを用いた最新の心エコー装置で評価し、CRTD植え込みを行っている。肺塞栓については血栓溶解療法を施行し、必要に応じPCPSを装着して治療を行っている。また、静脈血栓があればガイドラインに従い下大静脈フィルターを植え込んでいるが、関西屈指の症例数である。

医療設備

CCU 6床、心臓カテーテル装置2台、心臓超音波装置6台(ポータブルエコー2台を含む)、心臓核医学検査装置、電気生理学検査治療装置、64列MDCT2台、トレッドミル、エルゴメーター、ホルター心電図、24時間血圧計、遅延電位記録装置、ABI計測装置、1.5T- MRI、IABP、PCPSなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

心臓血管外科

分野

心臓血管外科

特色

安全で治療効果の高い手術を目指す。とくに高齢者では、身体への負担の小さい手術を心がける

★虚血性心疾患=原則として、人工心肺を使用しない冠動脈バイパス手術(OPCAB)を行う。開存率の高い動脈グラフトを用いる。僧帽弁逆流・三尖弁逆流をともなう重症心不全の虚血性心筋症の患者に対しては、僧帽弁・三尖弁形成術、左室形成術、心臓再同期療法を組み合わせ行う

★心臓弁膜症=僧帽弁逆流症に対して、自己弁を温存する僧帽弁形成術を行う。心房細動のある患者にはメイズ手術を同時に行う

★拡張型心筋症=機能性僧帽弁逆流をともなう重症心不全患者に対し、僧帽弁・三尖弁形成術を行う。さらに手術効果を高めるために心臓再同期療法を併用する

★胸部大動脈瘤=身体への侵襲の少ない、高齢者でも安全に行うことが出来るロング・エレファント・トランク法を応用した独自の弓部大動脈置換術を開発し適用している

★心臓血管外科専門医認定機構認定基幹施設。

症例数

手術日は週3日(火・木・金)。最近5年間の総手術件数は999例、人工心肺使用心臓手術および人工心肺を使用しない冠動脈バイパス手術は599例、手術死亡(心臓大血管手術術後30日以内)は8例(1.3%)。症例数内訳は、冠動脈疾患203例、弁膜症240例、胸部・胸腹部大動脈瘤158例、心筋症47例、メイズ手術123例、先天性その他23例-症例の重複あり-などであった。重症心不全患者(拡張型および虚血性心筋症)が含まれている。エレファント・トランク法を用いた独自の弓部大動脈置換術はこれまで90例以上に施行。

医療設備

MRI、CT、DSA、心カテ装置、IABP、経皮的人工心肺装置、自己血回収装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

腎臓内科

分野

腎臓内科

特色

地域の基幹病院として、腎炎、腎不全、ネフローゼ、糖尿病性腎症、リウマチ・膠原病由来の腎疾患など、あらゆる腎臓病の診断および治療を行っている。人工透析室では、血液透析、CAPD療法をはじめ、血漿交換療法、血液吸着療法などの血液浄化療法を行っている。

症例数

月間外来患者数は約1,000例。そのうち約4割が糖尿病性腎症を含む腎不全患者で、腎炎・ネフローゼが約3割である。リウマチや膠原病由来の腎疾患の紹介も多い。腎生検は年間約80例で、臨床病理科の専門医および腎臓内科医が詳細に討議し、合同検討会にて診療方針を決定する。慢性腎不全患者には、薬物療法および管理栄養士による食事療法などを目的とした短期間の入院を勧めている。病棟は腎臓病と糖尿病の専門病棟であり、両疾患に対する専門知識を持ったスタッフにより治療が行われる。また、腎臓病教室を年に数回開催して腎臓病に対する理解と食事療法、日常生活の注意点などの指導を行っている。新規の透析導入患者は年間約80例で、人工透析室での専門ナースによる教育指導とともに、年3回の透析教室により透析療法の理解、食事や日常生活の注意点、自己管理の方法などの勉強の場を提供している。維持透析患者に発生した種々の疾患の診断、治療目的に紹介される例は年間約200例で、そのうち約半数が虚血性心疾患をはじめとする循環器系疾患である。その他、眼科、整形外科、消化器内科および一般外科、脳卒中内科および脳神経外科、泌尿器科が主な入院科である。

医療設備

血液透析15床、ICUおよびCCU、超音波診断装置、超音波下腎生検、CT、MRI、血液濾過透析装置、血漿交換装置、LDL吸着療法装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

地域の中核病院として、近隣の開業医と連携をとりながら多岐にわたる泌尿器科疾患の治療を行っている。悪性疾患の比率が高く、十分なインフォームド・コンセントのもとEBM(科学的根拠)に基づいた治療を行っている。特徴として、浸潤性膀胱癌に対する尿路変更術はQOLを重要視した禁制型(回腸新膀胱・Indiana Pouch)を中心に行っていること、また低侵襲手術(小さな傷と疼痛の軽減)として体腔鏡下手術を積極的に取り入れていることがあげられる。

症例数

1日外来患者数80人、年間新患者数1,576人、病床数39床、2009年度手術件数545例(うちESWL120例)

★腎腫瘍(32例):体腔鏡下手術を第一選択として、直径3cm以下の小径腫瘍は後腹膜鏡下部分切除術を行っている。体腔鏡下腎摘除術18例・後腹膜鏡下部分切除術4例・開腹術9例

★腎盂尿管腫瘍(21例):腎臓は体腔鏡下に切除し、下腹部に小切開をおき腎尿管を摘除している。後腹膜鏡下腎尿管摘除術18例

★膀胱腫瘍(166例):表在性膀胱腫瘍は経尿道的腫瘍切除術を施行した後、病状により再発予防目的に膀胱注入療法を行っている。浸潤性膀胱腫瘍はまず術前化学療法を施行し、膀胱全摘除術・尿路変更を行っている。膀胱全摘除術11例・経尿道的腫瘍切除術166例

★前立腺腫瘍(92例):手術療法、ホルモン療法、放射線療法、抗がん剤治療、無治療経過観察と臨床病期に応じた治療法を選択している。前立腺全摘除術23例。その他、副甲状腺手術3例・腹腔鏡下副腎摘除術6例・経尿道的前立腺切除術58例など。

医療設備

CT、3D-CT、MRI、RI、ESWL、リソクラスト結石破砕装置、腹腔鏡手術機器、YAGレーザー手術機器、放射線治療(リニアック・3次元原体照射)、高圧酸素療法室。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

整形外科

分野

整形外科

特色

当院は1962年の設立で、以来、堺~南大阪地区の基幹病院の役割を担っている。「地域の皆様はじめすべての方々から選ばれる病院に」を基本理念にして、勤労者医療を主たる柱とし、734床、20診療科の総合病院として機能している。整形外科は150床余りを担当し、整形外科慢性疾患を中心に股・膝関節の関節外科、スポーツ整形外科、脊椎外科、リウマチおよび手の外科の専門医がスタッフを構成している。最新の画像診断機器、バイオクリーンルーム、放射線治療機器などとともに、専門的で高度な医療を提供でき、安全で分かりやすい医療を心がけている。厚生労働省臨床研修指定病院。日本整形外科学会研修施設。日本リハビリテーション医学会研修施設。日本リウマチ学会認定施設。

症例数

1日平均外来患者数は160人、1日平均入院患者数は140人で、年間手術件数は約1,700件。人工関節・関節外科センター、スポーツ医学センター、脊椎外科センター、リウマチ外科センターを持つ。2009年の人工関節手術(股関節、膝)件数は453件、膝靭帯再建術は220件で国内トップレベル。脊椎外科は312件、リウマチ・手の外科は318件である

★人工股関節手術ではセメントレス人工股関節を使用し、20年以上の経過例もあり良好な成績を維持している。また関節のすりあわせが低摩耗であることを特徴とする金属対金属の人工股関節も使用するなど、症例に合わせた機種選択を行っている。人工膝関節では深屈曲や低摩耗を目指したデザイン開発にも着手し研究、臨床の両面で貢献している。ほとんどの症例で自己血輸血のみで対応できており、人工膝関節は術前貯血も行っていない。また当院のみならず、他院での初回手術例について再置換手術の依頼を受けることも多い

★スポーツ傷害については前十字靭帯損傷、半月板損傷、軟骨障害などの疾患に対してMRIによる正確な診断のうえ、関節鏡を使用して靭帯再建術、半月板縫合・切除(ときに半月板再建)、軟骨に対する修復処置を行っている。プロや実業団・学生などのトップアマの症例も多く、スポーツへの復帰率も高い。反復性膝蓋骨脱臼に対する靭帯再建術も増えている。モザイク形成術、軟骨移植などの先端医療も手がけ、臨床研究の分野でも指導的な立場にある

★脊椎外科では頸椎77件、胸椎21件、腰椎206件で腰椎手術が多い。椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、頸椎症、頸椎後縦靭帯骨化症などが主な外科的治療の対象である。手術の必要な転移性脊椎腫瘍、化膿性脊椎炎などの難治症例も取り扱っている。正確な診断、責任病巣の把握と的確な治療法の選択が高い治療成績につながっている

★関節リウマチでは、生物学的製剤を積極的に導入し、寛解を目指した治療を行っている。関節破壊が進行した症例では、人工関節(肩・肘・股・膝・足関節)を行っている。さらに手関節・手指、足部変形、足趾関節についても積極的に手術治療を行い、単なる除痛目的だけでなく、日常生活維持を目指した再建手術を行っている

★手の外科では、手・手関節・肘関節の疾患、外傷を扱っている。日本手の外科学会認定専門医、同学会評議員をスタッフに擁し、同学会認定基幹病院に指定されている。日本人患者のCT画像解析から得られた知見をもとに新たに開発した人工指関節によるリウマチ手指再建、手関節疾患(キーンベック病、舟状骨偽関節、橈骨遠位端骨折後変形治癒)に対する低侵襲手術、肘と手関節の関節鏡視下手術(TFCC損傷、肘関節内遊離体、変形性肘関節症など)において高い成績をあげている。

医療設備

MRI、CT、骨塩定量(DEXA)、骨シンチ、血管造影、電気生理学的検査、無菌手術室、手術顕微鏡関節鏡、回収式自己血輸血装置など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

リハビリテーション科

分野

リハビリテーション科

特色

病床数12床。社会復帰を目的とした入院リハビリテーション(以下リハ)の対象は脳卒中、頭部外傷、脊髄損傷、切断などで、急性期リハは他科(整形外科、内科、脳外科など)入院患者を対象とする。屋内訓練室約2,000㎡、屋外訓練場約400㎡。

症例数

08年度の新患数は理学療法1,938人、作業療法761人、言語療法257人(重複を含む)であった。脳卒中、脊髄損傷患者は社会復帰を目標に設定し、日常生活の早期自立を目指した運動療法、作業療法を行い、必要に応じて言語療法、嚥下訓練、装具療法を行っている。特に問題と思われる症例に関しては、週1回開かれる全スタッフの集まるカンファレンスで今後の方針を決定している。家族による介護、介助を指導することで家庭生活での問題を早期発見し、家族による適切な処置ができるようにしている。退院にあたっては家庭訪問を行い、家屋改造の指導を行ってスムーズな家庭復帰を目指している。嚥下造影は年間60例。臨床研究は軟部組織の超音波診断、脊髄損傷、切断における疼痛治療、痙縮に対する超音波エコー下の運動神経選択的ブロック、フェノールブロック、ボツリヌス毒素などで、可能な限りその成績を公表している。また大阪大学脳神経外科との共同研究で、脊髄損傷患者に対する脊髄移植後のリハを構築中である。また本院は堺市の地域リハビリテーションの拠点病院となっており、堺市域の地域リハ活性化に努力している。

医療設備

歩行用ロボット、サイベックス、上肢筋肉トレーニング機器、ハバードタンク、超音波、筋電計、生活動作訓練室、訓練用自動車、コンピューターによる言語治療など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

形成外科

分野

形成外科

特色

当科は09年4月1日に開設された新しい科であるが、スタッフは大阪大学医学部附属病院およびその関連病院で研鑽してきた医師4人で構成され、日本形成外科学会の認定施設に指定されている。通院処置の可能な小さな外傷や皮膚腫瘍から、乳癌などの癌を切除した後の変形を治すための移植手術のような大きな手術まで幅広い手術に対応している。皮膚科と密に連携しているため手術としては皮膚腫瘍の切除が最も多い。また、症例数の多い皮膚腫瘍と下肢静脈瘤では、手術の前にカラードプラを用いた検査を積極的に行い、安全な治療を目指している。マイクロサージャリーの技術を応用した移植手術やリンパ浮腫に対するリンパ管静脈吻合、陳旧性顔面神経麻痺の再建なども行っている。当院は他科の医療水準も高く、地域がん診療連携拠点病院にも指定されているため、頭頸部癌や乳癌切除後の再建症例など他科との共同手術が多いのも特色である。

症例数

開設後1年間の初診患者数は約1,400人。手術件数は約950件でうち入院手術が400件、外来手術550件である。皮膚良性腫瘍が約450件と手術の約半数を占める。皮膚癌を含めた悪性腫瘍およびそれに関連する再建は約180件。下肢静脈瘤は約60件。顔面外傷は約50件。褥瘡・難治性潰瘍は約50件。頭頸部癌・乳癌切除後の再建など他科との共同手術は約30件である

★下肢静脈瘤に対しては、カラードプラで検査を行った後に治療法を決め、小切開からのストリッピング手術や高位結紮術、あるいは切開を必要としない硬化療法や弾性ストッキングによる保存療法を行っている

★乳房再建では、患者さんの希望に応じて筋皮弁を用いた自家組織による再建と人工乳房による再建のどちらにも対応している。また、乳癌切除と同時の再建でなく、以前に乳癌切除した方の再建(二期再建)も可能である

★頭頸部癌切除後の再建では、嚥下・咀嚼などの機能の再建を重視しマイクロサージャリーの技術を用いた移植手術を積極的に行っている

★乳癌や前立腺癌・子宮癌術後のリンパ浮腫の治療としてリンパ管静脈吻合術を取り入れている

★陳急性顔面神経麻痺に対しては、比較的簡単な眉毛挙上術などの静的再建からマイクロサージャリーの技術を用いた筋肉移植(動的再建)まで対応可能である。

医療設備

MRI、CT、カラードプラ、炭酸ガスレーザー、手術用顕微鏡、神経刺激装置など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

眼科

分野

眼科

特色

当科は、網膜硝子体疾患および白内障に対する外科的治療を専門としている。「医療として最大のサービスはきちんと治すこと」をモットーに、日々診療に励んでいる。特に労災病院として勤労者医療を推進する立場から、常に視機能改善によるQOL(Quality of Life:生活の質)の向上、早期社会復帰を目指して診療をすすめている。また、緊急性の高い疾患に対しては緊急体制を敷いており、できる限り積極的な姿勢で臨んでいる。また、当科は眼科専門医制度研修施設としても稼働しており、最新の医療を後進、他施設に伝えるべく最高の技術と、できる限り最新の設備を整えるよう心がけている。なお、05年より全国32カ所の労災病院の眼科拠点「勤労者感覚器障害研究センター」としての活動を開始しており、重篤な病態に至る前に病気を予防する啓蒙活動、早期社会復帰への支援活動にも力を注いでいる。現在、日本における失明原因の第1位に挙げられる糖尿病網膜症に対しては、多彩なデータを蓄積し、これを基に早期治療を実践し症状の重症化を防止するよう努めている。

症例数

当科は南大阪地区を中心に、日本全国から多数の紹介患者が来院している。外来初診患者のうち、約4割が手術を目的とした他院からの紹介患者となっている。患者様の不安を早期に取り除けるように、できるだけ同日中にすべての検査を実施し、治療の方針を提示している。入院は53床を眼科専門病床として確保しており、行き届いた看護体制を実施している。経験豊かな医療スタッフとともに、09年は5,500件以上の手術を施行することができた(うち白内障手術約4,800件、網膜硝子体手術約1,000件、その他緑内障手術など約150件)。手術は月曜日から金曜日の毎日定時の手術を施行しているが、特に網膜剥離・穿孔性眼外傷・眼内炎などの緊急性の高い症例については、できる限り速やかに対応できる体制を整えている。そのため、即日入院の同日緊急手術がほぼ毎日行われている状況である

網膜硝子体疾患=当科が専門としている網膜硝子体手術は、質・量ともに我が国有数のレベルを誇り、遠方より難治症例が紹介されてくるケースも多い。主な対象疾患として、増殖糖尿病網膜症、網膜剥離、黄斑円孔、黄斑前膜、網膜静脈閉塞症などが挙げられるが、その他ほぼすべての網膜疾患に対応可能である。糖尿病網膜症は眼科疾患のうち予後の悪いものの一つであり、適切な時期に手術や処置を施行することが非常に重要となる。そのため、手術時期を逸せぬようできるだけ柔軟に対応している。網膜剥離に関しては、最終的に99%以上の網膜復位率が得られている。昨今の技術と器材の進歩により、網膜硝子体手術は以前に比較して安全性が非常に向上しており、入院日数は大幅に短縮されている

白内障=白内障に対しては、患者様の負担を軽減すべく、通常は極小切開無縫合手術を行っているが、一人ひとりの病状・希望に応じ最適な術式を選択している。入院手術・日帰り手術の選択が可能であるが、入院を希望された場合、入院期間は片眼で2~3日、両眼手術で4~5日程度である

トピックス=最近では、院内倫理委員会の承認下に「難治性の眼内新生血管病変、黄斑浮腫に対する抗血管内皮増殖因子抗体療法」の臨床試験を行っている。これにより、既存の治療では改善が非常に困難であった種々の難治症例(重症糖尿病網膜症、新生血管緑内障、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症など)においても、積極的な対応が可能となった。

医療設備

硝子体手術装置2台、超音波白内障手術装置3台、手術用顕微鏡4台、レーザー凝固装置4台、その他光干渉断層計・超音波生体顕微鏡・蛍光眼底カメラ・視野計など各種検査装置。さらに、コンピューターによる画像ファイリングシステムを導入することにより、検査結果をその場で見ることができ、早急な病態把握と患者様への病状説明に役立てている。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

①慢性化膿性中耳炎、真珠腫性中耳炎、耳小骨離断、耳硬化症などの伝音難聴の手術治療②突発性難聴の治療③高度感音難聴に対する人工内耳埋込術④顔面神経麻痺の保存的手術的治療⑤頭頸部悪性腫瘍に対する集学的治療などに主として取り組んでいる。詳細はホームページ(http://www.orh.go.jp/oto/)を参照。

症例数

年間手術症例数は中耳炎などの伝音難聴120例、顔面神経減圧術20例、副鼻腔手術(内視鏡手術を含む)120例、扁桃摘出術120例、喉頭微細手術60例、耳下腺腫瘍摘出術20例、喉頭・下咽頭全摘出術10例、頸部廓清術10例、その他の耳鼻咽喉科手術100例

★伝音難聴手術のうち真珠腫性中耳炎の手術に対しては再発の問題ならびに耳小骨再建の問題がありできるだけ二期的手術を心がけている。聴力改善手術成績は日本耳科学会の聴力改善判定基準で鼓室形成術I型で86%、III型変法で64%、IV型変法で50%

★突発性難聴(年間300例)には一般的なステロイド療法以外に、デフィブラーゼ療法・高気圧酸素療法などを取り入れ、主として安静入院にて積極的に治療を行っている

★顔面神経麻痺(年間120例)もまた積極的に入院加療を行い、ENoGによる予後判定にて回復が思わしくないと判断される症例には、顔面神経減圧術を可及的すみやかに施行するようにしている

★頭頸部悪性腫瘍には放射線治療部と連携し、手術療法、化学療法など、個々の疾患・症例に応じて集学的に治療している。

医療設備

MRI、CT、リニアック、高気圧酸素治療室、ABR、電子ファイバースコープ、電磁ロック式手術用双眼顕微鏡、鼻副鼻腔内視鏡手術機器、顔面神経刺激装置、ENoGなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

歯科口腔外科

分野

歯科口腔外科

特色

紹介率は60%前後で地域の基幹病院として口腔外科疾患のすべてに対応している。特に前癌病変である白板症などの口腔粘膜疾患の診断治療や口腔癌の集学的治療を行っている。歯周病、歯牙齲蝕、欠損補綴に対する歯科治療は行っていない。http://www.Orh.go.jp/ メディカルサポートセンター(地域医療連絡室)TEL 072-252-8076、FAX 072-255-8203。

症例数

年間口腔外科外来患者数は延べ約13,500人。初診患者数は約3,050人。入院手術件数は360件程度である。下顎智歯埋伏抜歯後の神経副損傷は0.47%。早期に正常神経節ブロックも含めた治療を行っている

★口腔癌症例は年間35例程度で、術後QOLに十分配慮しつつ、十分なインフォームド・コンセントを基本としながら手術療法・放射線療法・化学療法を展開している

★下顎埋伏智歯の抜歯や顎骨内嚢胞摘出術、軟組織嚢胞摘出術、口腔良性腫瘍切除術などを外来局所麻酔下で年間約1,150件行っている

★年間約70例の顎骨骨折・歯槽骨骨折・歯牙脱臼に対し積極的な加療を行っている。特に顎骨骨折では骨片偏位の大きい症例に対し、全麻下で観血的整復固定術を施行している

★年間約30例の下顎骨髄炎を加療している。治療法として高気圧酸素療法や腐骨や病巣の外科的切除などを症例に応じ選択している。

医療設備

MRI、高速CT、リニアック、ラルス腔内照射装置、高気圧酸素治療装置、頭部血管造影装置など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

糖尿病センター・代謝内分泌内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

糖尿病、甲状腺疾患を中心とした糖尿病・内分泌疾患の専門診療科である。糖尿病患者教育に重点を置き、地域医療機関や基幹病院と積極的な交流・連携診療を目指す。院内腎臓病内科や眼科と協力し、腎症や網膜症等の合併症早期診断・予防・治療に力を注いでいる。また、外科系診療科と連携して、手術前後の管理を積極的に実施。糖尿病・内分泌学会認定教育研修施設。野村、大橋部長は共に糖尿病・内分泌学会認定専門医・指導医、久保田、良本部長は共に糖尿病学会専門医である。

症例数

外来定期受診の糖尿病患者数は約2,000人、教育入院患者数は年間約400人(毎週6~7人)。糖尿病は食事・運動・薬物療法が大切な疾患である。個人栄養指導、科学的な運動療法指導、適切な薬剤・生活指導については、糖尿病療養指導担当スタッフが実施している。毎週月曜日に糖尿病教室を開催するなど、充実した体制にて最善の糖尿病コントロールを目指す。教育入院は1週間と2週間のコース設定であるが、さらに短期の入院設定も可能である。脳心血管系合併症の有無診断と治療・生活・療養指導を実施している。甲状腺疾患は最新の診断技術を駆使し、基幹甲状腺専門施設とも連携して正確な診断と最適治療を目指す。

医療設備

MRI、CT、超音波診断装置、核医学診断装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

勤労者医療および地域医療を行う地域の中核病院、日本病院機能評価Ver.5合格。日本脳神経外科学会専門医訓練施設のA項指定であり、大阪大学医学部脳神経外科関連施設として、腫瘍、血管障害、外傷など脳、脊髄疾患を広く診療している。

症例数

09年の入院患者数は約175人(病床数16床)、手術件数は107件、脳脊髄腫瘍の直接手術は35例、脳動脈瘤クリッピング手術は18例。頚部内頚動脈狭窄に対する内膜剥離術は9例。手術による直接死亡や重篤な合併症はない

★悪性神経膠腫には手術、放射線、化学、免疫療法を併用している。化学療法は専門医と連携し治療を行っている。従来の治療で無効な神経膠芽腫症例に、高気圧酸素治療と化学療法の併用療法行って延命効果を認めている。転移性脳腫瘍にも積極的に手術、放射線治療を行っている

★脳血管障害は脳卒中内科と連携し治療を行っている。くも膜下出血では原則的に早期開頭クリッピング術を行っている。血管内治療は大学より指導医を招聘し行っている。最近は未破裂動脈瘤症例の紹介が増加している。原則として脳ドック学会の治療ガイドラインに沿って開頭手術や血管内治療を行っている

★機能的脳神経外科治療 片側顔面痙攣では手術も行っているが、ボツリヌスの注射による治療も行っている。当院で行っていないてんかんの手術、パーキンソン病の手術、難治性疼痛は大学や関連施設に紹介している

★リニアックナイフを用いた定位放射線治療(ラジオサージャリー)を行っている。一回照射のラジオサージャリーと分割照射を行う定位放射線治療ともに可能である。

医療設備

MRI、MDCT、RI-SPECT、DSA、定位脳手術装置、リニアックナイフ、手術用超音波診断装置、手術用超音波吸引装置、高気圧酸素治療室、ICUなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

放射線科

分野

放射線科

特色

放射線治療部門と画像診断部門がある。放射線治療は通常の外部照射の他、頭部、体幹部の定位放射線治療、ラルス腔内照射などを行う。画像診断はCT、MRI、血管造影検査、IVR、RI検査などを行っている。当施設は日本医学放射線学会専門医の認定施設、日本放射線腫瘍学会の準認定施設であり、がん拠点病院でもある。

症例数

★放射線治療部門は日本放射線腫瘍学会認定医が診療にあたっており、外部照射の治療件数は348人、ラルス腔内照射は39人である。疾患別では乳房温存療法、子宮頸癌が多い。脳転移や脳腫瘍に対しては金属フレームを用いる定位手術的照射あるいは固定具を用いる非侵襲的な定位放射線照射を行っており、直径3cm以上の比較的大きな腫瘍においても40%の有効率を認めている。直径3cm以下の肺癌に対する定位放射線治療は40人で、局所制御率は90%以上である。子宮頸癌は外照射と腔内照射を組み合わせて行っており、手術不能のIII期症例では50%以上の5年生存率が得られている。骨転移や多発性脳転移に対しては、緩和的な放射線治療を行っている。治療の詳細はホームページを参照されたい

★画像診断部門は診断専門医が担当しており、心臓領域を除くすべての領域の画像診断とIVRをカバーしており、主体的に患者の検査・診療を行っている。年間の検査実績はCT 18,332人、MRI 7,838人、核医学1,519人、心臓カテーテル783人、腹部血管造影218人、消化器3,005人、心臓エコー6,325人、腹部エコー16,374人である

画像診断の依頼は院内のメデイカルサポートセンターへ。治療の受付は午前8時30分~11時、茶谷=月~木の毎日。

医療設備

リニアック、高線量率イリジウムアフターローデイング装置、CTシミュレーター、CT 2台、MRI 2台、SPECT 2台、血管撮影装置、骨塩定量、シネアンギオ、乳房撮影装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

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