国立病院機構 大阪刀根山医療センター

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

国立病院機構 大阪刀根山医療センターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

呼吸器内科・感染症

分野

呼吸器内科

特色

当院は1917年(大正6年)わが国初の公立結核療養所(大阪市立)として開設され、1947年国立に移管、04年に独立行政法人国立病院機構に属する病院となる。現在、呼吸器疾患分野では肺がん、慢性閉塞性肺疾患、特発性間質性肺炎、気管支喘息、慢性呼吸不全、睡眠時無呼吸症候群、肺結核、非結核性抗酸菌症、肺真菌症などすべての呼吸器疾患を対象とした診療を行い、それぞれに高度な医療内容を提供している。

症例数

09年度の年間の呼吸器内科・感染症外来の受診者数は34,598人であり、他施設からの紹介率は73.2%となっている。呼吸器内科・感染症病棟としては、一般病棟250床、結核病棟150床を有し、同年度の新入院患者数は2,648人であった

★肺がんでは、地域住民を対象とした肺がん検診をはじめ診断から化学療法、放射線治療および進行性症例に対する緩和医療に至るまで一貫した診療体制の構築をしている。気管支ファイバースコープは年間800例以上行っており、外科・放射線科・検査科病理部門との連携から、速やかに診断を確定し、早期に治療にかかれる体制をとっている。また、ごく早期の小さな肺がんの診断・治療のために胸腔鏡下肺生検を積極的に進めている。検査結果に基づいた治療方針の決定は、外科・放射線科との合同ケースカンファレンスで行われている。肺がんが進行し積極的な治療の出来ない方にも、痛みや呼吸困難、不安感等の症状に対処するための緩和医療も積極的に行っている。患者やその家族を精神的にバックアップするためには、心理カウンセラーが定期的に来院し、患者・家族からの相談を受けたりカウンセリングを行っている。厚生労働省の集学的がん治療の研究班(Japan Clinical Oncology Group:JCOG)に所属し、西日本胸部腫瘍臨床研究機構(West Japan Thoracic OncologyGroup:WJTOG)にも幹事施設として参加し、肺がんの次世代標準的治療法の確立に向け努力している

★慢性肺疾患では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特発性間質性肺炎、サルコイドーシス、過敏性肺臓炎などの間質性肺疾患、肺結核後遺症およびこれらが原因となる慢性呼吸不全の診断と治療を行っている。肺拡散能やプレチスモグラフを含めた総合肺機能検査や運動負荷心肺機能検査による病態の評価、気管支肺胞洗浄(BAL)・経気管支的肺生検(TBLB)などの気管支鏡検査による間質性肺疾患の鑑別診断、肺血流シンチ、ポリソムノグラフ(PSG)による睡眠時無呼吸症候群などの診断を行い、その結果に基づき薬物療法、酸素療法、非侵襲的陽圧換気(NPPV)療法、持続的陽圧換気(CPAP)療法、呼吸リハビリテーションなどの治療を行っている。特に呼吸リハビリテーションでは、運動療法や日常生活に直結し呼吸作業療法を行うなど日常生活活動(ADL)および生活・生命の質(QOL)の改善に成果を上げている。また、地域の訪問看護ステーション・医師会と連携した在宅ケアにも積極的に取り組んでいる。現在、約260名の症例で在宅酸素療法が施行されており、非侵襲的陽圧呼吸療法を受けておられる方も約100名にのぼる

★気管支喘息では、病気についての理解や日常生活の自己管理の指導の上、薬物治療を行いる。アストグラフによる気道過敏性検査も年間約100例に行っており、慢性咳嗽の鑑別診断に役立っている

★結核では、小児結核を除く、肺・骨・関節などの診療を行っている。現在、病床数は150床(3個病棟)であるが、その中に陰圧換気が整備された1個病棟(50床)とHIV感染症合併患者用の結核病床2床を有している。当院の検査室では、液体培地、PCR等を用いて、結核菌・非結核性抗酸菌の迅速な検出・同定が可能となっている。さらに当院で開発した抗酸菌症血清診断も実施している。非結核性抗酸菌症(非定型抗酸菌症)では、治療に難渋する症例も少なからずあるため、当院では、その診断と治療に関する研究も積極的に行っている。また、一般細菌による肺炎や膿胸、マイコプラズマなどの非定型肺炎、真菌による呼吸器感染症に関しても、適切な診断・治療を行っている

★専門外来として呼吸不全外来、息切れ外来、結核外来、SAS外来がある。

医療設備

CT、MRI、核医学検査、気管支ファイバースコープ、リニアック、呼吸機能検査(プレチスモグラフ・モストグラフを含む)、運動負荷心肺機能検査システム、ポリソムノグラフィー(睡眠時無呼吸検査装置)。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

当院は大正6年(1917年)に開設された呼吸器疾患専門病院で、国立病院機構の一員として最新の医療を行っている。兵庫県の一部を含んで大阪府北部地域における呼吸器疾患の基幹病院として、近隣の医療施設より多くの患者さんを受け入れている。呼吸器外科では肺・縦隔・胸膜・胸壁・横隔膜の外科的疾患を幅広く診療している。診療の中心は肺癌であり、あとで述べるような種々の方法を用いて正確な病期(進行度)診断をすることにより、肺癌診療ガイドラインに基づいた最適な治療法を選択するようにしている。また当科の特徴として、他の施設では扱わない難治性の呼吸器感染症に対する外科治療を積極的に行っている。

症例数

入院病床数は40床で、年間の手術件数は約300件。主な疾患としては、肺癌が約120例、転移性肺腫瘍が約15例、自然気胸が約50例、縦隔腫瘍が約20例、膿胸が約20例などである

★肺癌に対しては、呼吸器内科、放射線科、病理部と合同カンファレンスを行い、個々の患者様に最適な治療方針を決定している。不必要な手術を極力避け、もっとも適切な治療を受けていただくために、正確な病期(進行度)診断をすることが重要と考えている。このため、経気管支鏡的リンパ節生検(TBNA)・縦隔鏡検査・胸腔鏡検査などにより、病理学的根拠に基づいたより正確な病期診断を行った上で治療方法を決定している。当初から手術の対象となる可能性が高いと判断される場合には、気管支鏡検査や針生検をはじめとする検査段階から外科が担当し、手術・治療・外来通院に至るまで一貫した診療を行っている。早期の肺癌に対しては胸腔鏡手術(完全鏡視下)を積極的に行っている(年間約100例)。進行した病期の肺癌に対しては、術前治療として化学療法や放射線治療を行い、腫瘍の縮小と微少遠隔転移の制御を図った上で手術を行っている。必要に応じて気管支の形成手術や大血管の合併切除も行っている。術後補助化学療法の適応がある患者さんには、切除標本を用いた抗癌剤感受性試験の結果に基づいて適切な薬剤を選択し、治療を行っている。手術後に再発を認めた患者さんに対しては、放射線治療や化学療法を行うとともに、緩和ケアチームと協力して十分な除痛と生活の質(QOL)を考えた治療を行っている。96~03年に肺癌で手術を受けた患者さんにおける癌再発以外の原因での死亡(他病死)も含めた5年生存率は、TNM分類による進行度(病理病期)IA期86.1%、IB期76.0%、IIA期66.7%、IIB期39.1%、IIIA期43.2%、IIIB期32.7%

★転移性肺腫瘍に対しては切除のメリットを十分に考慮して手術適応を決めている。大腸癌・腎癌・胆嚢癌・子宮癌などの肺への転移例が対象となっている。胸腔鏡を用いた肺部分切除術が大半を占める

★自然気胸は若年者に多くみられる疾患であるが、ほぼ全例胸腔鏡手術を行っている。胸膜補強を行い、再発防止に努めている

★縦隔腫瘍には良性と悪性があり、原則として良性疾患に対しては胸腔鏡手術、悪性疾患に対しては根治性を重視した開胸手術を行っている。胸腺腫が最も多いが、この中で正岡I期のものには胸腔鏡手術を行っている。胸腺癌や胚細胞性腫瘍に対しては、化学療法や放射線治療を組み合わせて治療している。その他、神経原性腫瘍や嚢胞性腫瘍が含まれる。また、神経内科と連携し重症筋無力症に対する拡大胸腺摘出術も行っている

★呼吸器感染症のうち、急性膿胸に対しては、できるだけ速やかに胸腔鏡を用いて掻爬ドレナージを行っている。慢性膿胸は現在でも難治性の疾患であるが、大網充填術や筋弁充填術など種々の術式を駆使して積極的に根治手術を行っている。その他の呼吸器感染症として、気管支拡張症や抗酸菌症・真菌症に対する手術も行っている。気管支異物(義歯など)の摘出や、腫瘍による気道狭窄に対するレーザー治療やステント挿入も行っている。

医療設備

128列MDCT、1.5T MRI、ガンマカメラ、リニアック、YAGレーザー、気管支鏡、胸腔鏡、縦隔鏡、超音波凝固切開装置、アルゴンプラズマ凝固装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

神経内科

分野

神経内科

特色

当院は呼吸器・神経筋疾患に特化した病院であるが、神経内科領域では広く神経筋疾患を網羅し(脳血管障害を除く)、病初期から終末期にいたるまで十分な患者マネージメントを行い、質の高い臨床データの蓄積・臨床研究を進め、医療レベルの向上に寄与することをモットーにしている。政策医療としての神経筋難病患者に対する医療・介護・在宅医療のためのセンター、地域医療圏整備など、基幹施設としての機能を果たしており、北大阪地域のみならず大阪府下全域、近隣府県の中核的な施設である。パーキンソン病、筋萎縮性側策硬化症を始めとする神経変性疾患、筋ジストロフィー、多発性硬化症、重症筋無力症、スモンなど神経筋難病の診療や臨床研究を精力的に進めている。

症例数

外来患者は1日平均42名(一般神経内科)、筋ジス外来22名。病床数は筋ジストロフィー病棟 80床 (2病棟)、神経内科病棟 90床 (2病棟)。2009年度の入院件数約700件、内訳は神経変性疾患(パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症など)445名、筋ジストロフィー190名、認知症性疾患30名、多発性硬化症などの免疫関連性中枢神経疾患10名、ギランバレーやCIDPなど末梢神経疾患30名など

★神経筋難病の多くは根本的治療のない疾患が多いが、根治可能な疾患のうち重症筋無力症については、府下有数の規模を有する呼吸器外科と共同で根治術に当たっており、良好な成績を挙げている。この他、多発性硬化症、多発性筋炎・皮膚筋炎、ギランバレー症候群、CIDPおよび類縁の末梢神経疾患など免疫異常を伴う神経筋疾患では、国内外の情報に基づき最新の治療を行っている。一方、現時点では根治療法のない筋萎縮性側索硬化症や筋ジストロフィーなど多くの疾患についても、病態理解に基づいて可能な限りの対症的治療と、(後述する)介護療養環境の整備・維持に努めている。当院の性格上、一般の急性期病院とは異なり、発症(診断)から終末期に至るまで神経筋難病の患者さんの医療・介護に関する諸問題に対し、専門的立場から全人的に関わり、患者さん本位の医療を提供できる点に特色がある

★その1つは神経筋難病の重症例、特に摂食嚥下困難や呼吸困難な患者さんに対して、医師・看護師・言語聴覚士・栄養士よりなるチーム医療の取り組みがある。嚥下造影を行い、適切な易嚥下食の選定、経管栄養の指導、場合により胃廔造設など、患者さんの食べたい意欲と安全な食べ方を最大限マッチできるよう取り組んでいる。当院はこの分野では定評があり、近隣施設、地域のリーダーとして活動を続けている

★呼吸不全に対する治療は本院の最も特化した治療分野の1つであり、呼吸リハビリテーション・在宅人工呼吸療法にも早くから取り組んできた。現在では175名以上の患者さんが呼吸器を装着して地域で生活されている

★また近年の少子高齢化、増加する認知症患者の診断とケアについても、物忘れ外来を開設して取り組んでいる

★長期、重症化しやすい神経筋疾患患者が重症になっても地域で生活できるようになることが最大の目標であり、そのために地域保険・福祉・医療機関とも連絡会議や症例毎に合同カンファレンスを開催するなど密接に連携し、支援している

★神経筋難病に対する新たな治療法を探るための治験や、従来の治療・検査を駆使したうえで新たな視点からの分析など、積極的に取り組んでおり、パーキンソン病の筋固縮、歩行障害パターンなどを機械計測し、定量的に治療効果をみる試みを始めている。近くすくみ足外来を開設する予定である。これらの成績・成果については、スタッフが厚生労働省の難治性疾患克服事業などの研究班会議の主任・分担研究者として、学会や研究班会議に発表している。また、各種セミナーや公開講座の開催、地域での研修会や交流会への参加など地域レベル向上に向けた活動にも力を入れている。

医療設備

MRI、CT、SEPCT、嚥下造影、脳波、筋電図・神経伝導速度、誘発電位、終夜睡眠脳波、神経筋生検および病理学的検査。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

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