専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

関西医科大学附属病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器肝臓内科

分野

消化器・一般内科

特色

当科は上部・下部消化管、肝臓、胆道、膵臓のすべての領域をカバーする最先端の医療を実施するとともに、これらの領域における教育・研究を行っている。具体的には、上部消化管ではヘリコバクター・ピロリ感染と消化性潰瘍、胃癌、悪性リンパ腫を、下部消化管では大腸癌や炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)を、肝臓疾患では自己免疫性肝疾患、ウイルス性肝疾患、肝臓癌を、胆膵疾患では重症急性膵炎、慢性膵炎、自己免疫性膵炎、膵腫瘍、胆石・胆管炎、胆道癌などを主な対象としている。いずれの病院も日本内科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会、日本超音波学会などの認定指導施設として、消化器内科専門医療をする体制を敷いている。附属枚方病院は京都府南部~北河内地区北部を中心に、また附属滝井病院は北河内地区南部を中心に地域医療に貢献するとともに、双方の病院がそれぞれ異なった高度先進医療に取り組んでいる

★附属枚方病院では、消化管・膵・胆疾患の内視鏡的治療、ダブルバルーン小腸内視鏡、肝癌治療、肝移植適応患者の管理など高度先進的医療を行っている。厚生労働省難治性疾患の各研究班(難治性膵疾患調査研究班・難治性腸疾患調査研究班・難治性肝疾患調査研究班・難治性腸疾患の画期的治療研究班)に属しており、重症膵炎、劇症肝炎、自己免疫性肝疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病等の難治性疾患に対し、病態の解明や新しい治療法を積極的に開発・実践している

★附属滝井病院では、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変(食道・胃静脈瘤)、肝腫瘍などを中心に、一般消化器・肝臓疾患の診療に取り組んでいる。慢性肝炎に対しては、インターフェロンをはじめ最新の抗ウイルス治療を、肝腫瘍(肝癌・転移性肝癌)に対しては、放射線科の協力下に医療工学機器を用いた最先端癌局所治療(マイクロ波・ラジオ波)を行うとともに、新たな癌局所治療の開発に取り組んでいる。また上部・下部消化管疾患を中心とした一般消化管疾患の内視鏡診療も実践している。

症例数

消化器内視鏡診療=年間の内視鏡施行約15,000件のうち、内視鏡的治療数は1,500例余り。食道胃静脈瘤硬化療法(年間150例)、早期食道癌・胃癌(年間100例)や大腸腺腫・早期大腸癌(年間1,000例)の粘膜切除、胆道膵疾患でのERCP関連処置(年間700例)を中心に、食道ステント術や内視鏡的胃瘻造設術なども施行している。消化管出血に対する緊急内視鏡は24時間体制で臨んでおり、年間700件近くにのぼる。その他、原因不明の消化管出血や小腸疾患に対してダブルバルーン小腸内視鏡も行っている。最近は胃切除後の胆膵疾患の検査・治療に関して、通常の内視鏡では不可能な症例に対してもダブルバルーン内視鏡を駆使して良好な成績をあげている

★消化性潰瘍、胃癌再発予防や胃MALTリンパ腫に対してヘリコバクター・ピロリの除菌療法を積極的に施行している

★重症・中等症の潰瘍性大腸炎に対して、白血球除去療法や副作用の少ない新しいドラッグデリバリシステムの臨床応用に取り組んでいる

★劇症肝炎など急性肝不全や重症急性膵炎に対し、血液浄化療法を中心に集学的治療を行い、救命率向上に努めている

★慢性ウイルス性肝炎に対しては、肝生検を試行施行し、インターフェロンをはじめ最新の抗ウイルス療法(年間150例余)を行っている

★肝癌に対しては、マイクロ波、ラジオ波など医療工学機器を用いた最先端治療と肝動脈塞栓療法(TAE)を用いた集学的治療(年間500例)を行っている

★肝移植に対しては、外科との連携の基に積極的に取り組んでいる

★膵癌の早期発見に努めるとともに、慢性膵炎、自己免疫性膵炎の診断と治療に取り組んでいる。

医療設備

PET、MRI、ヘリカル3D-CT、電子内視鏡(上部消化管、小腸、下部消化管)、超音波内視鏡、超音波カラードプラ診断装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

外科

分野

消化器・一般外科

特色

各疾患グループに分かれて専門性の高い医療を目指している。基本的にはガイドラインに基づいた治療を行っているが、患者さんへのインフォームド・コンセント(IC)のもと、臨床研究や多施設共同研究にも積極的に取り組み、より良い治療法の開発を目指している。クリニカルパスやチーム医療も積極的に導入し、平均在院日数は約2週間。抗癌化学療法は外来化学療法センターで行っている。

症例数

09年の手術症例は1,559例

★食道癌手術は38例。消化器内科、放射線科と連携し内視鏡治療、手術、化学放射線治療の適応を決定している。標準術式は3領域リンパ節郭清を伴う右開胸開腹食道亜全摘術としているが、今後は胸腔鏡下食道切除術を積極的に導入する。また、術前術後の化学療法や再発症例に対する治療、緩和治療も行っている。治療成績はStageI:85%、II:65.2%、III:52.0%、IVa:31.8% 、IVb:0%で術関連死は1.1%

胃癌手術は151例。早期癌に対しては、胃の機能を温存した縮小手術や侵襲の少ない腹腔鏡補助下手術を主に行っている。進行胃癌に対しては、化学療法と手術を中心とした集学療法を行っている。また、胃癌患者さんを対象とした患者会を定期的に開催している。5年生存率=StageIa:97%、Ib:91%、II:71%、IIIa:55%、IIIb:30%、IV:14%

★大腸癌手術は初発症例が年間160例。約60%は腹腔鏡補助下手術で行っている。直腸癌に対しては括約筋切除を伴ういわゆるISRの手術により肛門の温存を行っている。さらに有茎薄筋移植を使用した新しい肛門の造設も可能である。化学療法外来で補助化学療法や切除不能・再発癌に対する化学療法を行っている。また、直腸癌で適応のある患者には術前放射線療法を積極的に行う

★良性疾患は約40例。潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患。便秘、便失禁などの機能性疾患などを中心に外科的治療を行う。直腸脱に対する腹腔鏡下直腸固定術は先進医療の認可を得ている

肝臓癌手術は69例。術前肝予備能を的確に評価し、QOLならびに予後を損なわない治療を消化器内科、放射線科と合同で行っている。特徴としては①手術前の画像検査および手術中使用器具の改良・開発による手術合併症ゼロを目指した肝切除手術、②肝癌合併肝硬変症に対する肝切除手術前後での運動・栄養療法を中心とした包括的リハビリテーションによる手術後の肝硬変の栄養代謝異常の改善、③脈管侵襲を伴った切除不能進行肝癌に対して新規抗癌剤の組み合わせによる積極的な化学療法、④生体肝移植術もこれまでに28例行っている。肝細胞癌5年生存率=Stage I: 72%、II: 62%、III: 44%、IV: 31%。転移性肝癌3/5/7年生存率=68/58/55%。生体肝移植術3/5年生存率=85/83%

★膵癌切除は年間約20例。根治性の高い安全な手術を第一選択とし、術後QOLの良い全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術も増加。周術期管理の工夫などにより、膵液漏や合併症発生率などが低下(在院死亡率は1.8%、腹腔内出血例は皆無)。術後在院日数の中央値は11日。進行膵癌に対して予後向上を目的に、手術前の放射線化学療法や術後補助化学療法を施行。過去6年間(2000-2005年)の根治切除48例で、放射線化学療法後根治切除例の1/2/3/4年実生存率89/67/56/44%、切除単独80/50/33/13%

★胆道癌手術は24例。MD-/CTなどの画像診断による術前進展度診断を行った上で、積極的な切除を行い術後補助化学療法も導入している。1・3・5年累積生存率:82・55・37%

★胆石症は腹腔鏡下胆嚢摘出術200例。待期手術180例(開腹移行1%)、緊急手術(開腹移行12%)

乳癌手術は189例。乳房温存手術は59例。術前診断に力を入れており、非触知性乳癌に対するマンモトーム生検や異常乳頭分泌症例に対して、乳管内視鏡を積極的に行っている。5年生存率=StageI:93%、II:85%、III:80%、IV:10%

★小児外科疾患は268例(別記)。

医療設備

超音波内視鏡、ダブルバルーン内視鏡、MRI、DSA、MDCT、PET-CTなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

当科では呼吸器外科全般の手術を行っている。主要疾患は原発性肺癌を含む悪性胸部疾患で、呼吸器内科および放射線科治療部門、放射線科IVR部門ならびに病理・細胞診グループと連携し、早期例から進行期例まで幅広く治療を行っている。呼吸器内科・呼吸器外科合同でカンファレンスを行い外来および病棟診療・気管支鏡検査等を行っている。当院に設置されているPET-CTは肺癌病期診断に有用であり、放射線科IVR手法と併せて病期正診率の向上に役立っている。呼吸機能の低下例に関しては手術前に呼吸支援外来(呼吸器病棟看護師が外来にて指導を担当)で指導し、術後合併症の軽減に努めている。抗癌剤による術後補助療法も積極的に行っており、抗癌剤治療は外来化学療法センターで行っている。当院は2006年1月に新設され、地域拠点病院として救急医療にも力を入れており、交通事故などによる重症胸部外傷に対しても救命センター医師と連携して治療にあたっている。他院からのセカンド・オピニオンの要請にも応じ毎週木曜日にセカンド・オピニオン外来を設けている。なお、当科では胸部悪性腫瘍患者には全例病名告知を行い、緩和ケアの必要な時期には推定余命の告知も行うようにしている。

症例数

2009年の手術数は185例で、内訳は、肺癌85例、転移性肺腫瘍26例、縦隔腫蕩19例(重症筋無力合併胸腺腫3例)、自然気胸26例、胸部外傷ほか29例であった

肺癌=肺癌胸腔鏡手術は6-8cmの開胸で胸腔鏡補助下に手術することを基本としている。肺癌診療ガイドラインに沿った治療方針の選択を原則としており、90年以降の肺癌術後5年生存率は病期IA期80.4%、IB期69.6%、IIA期58.6%、IIB期42.2%である。また更なる外科治療成績向上のために多施設共同の肺癌術後補助治療の臨床試験(CBDCA + PTXvsUFT)も行っている。IIIA期進行肺癌に対しては、手術前に強力な抗癌治療を行うinduction therapyを累積100例以上に施行している。「肺癌診療ガイドライン2005」ではIIIB期の外科治療は推奨されていないが、induction therapy後に効果のあったIIIB期症例には手術を行っており、良好な予後が得られている症例がある。これらを含むIII期例の5年生存率は39.4% (05年国際胸部疾患学会発表)とInduction therapy導入前の成績に比べて良好になっている

縦隔腫瘍=予後の不良な悪性胚細胞性腫蕩に対して抗癌剤治療を先行する治療形式を以前より取り入れており、良好な治療成績を報告してきた。一方、胸腺腫、胸腺癌、奇形腺に関しては切除を先行し、必要であれば術後補助治療を行う方針をとっている。重症筋無力症は関西医大滝井病院神経内科と共同で治療にあたり、術前ステロイドコントロールのもとに慎重な周術期管理を行い良好な成績をあげている

転移性肺腫瘍=原発臓器別では大腸癌が全体の約65%を占めている。関西臨床腫瘍研究会にて集計し報告した大腸癌に関するデータ(02年誌上発表)は世界的に引用されており、その後も更なる予後改善に努力している

自然気胸=若年者を悩ます呼吸器疾患の代表であるが、速やかな内視鏡外科治療と早期退院を心がけて診療している。術後再発の頻度の高い若年者気胸例には当科で工夫したCAPE法を取り入れ再発防止に役立てている。高齢者の気胸は高度肺気腫に起因する低肺機能例が多く管理が難しいが、可能な限り外科治療を優先するように努めている

胸部外傷=交通事故や高所落下による肺破裂や気管・気管支断裂などの鈍的外傷をはじめとする重症胸部外傷に関しても、救命センターと共同で診療にあたり緊急手術を行っている。重症胸部外傷全体の救命率はおよそ65%である

審査胸腔鏡=気管支鏡検査等で診断困難な症例に対しては、胸腔鏡や縦隔鏡を用いた外科的診断法を行っている。

医療設備

FDG-PET、CT、高分解能CT、 MRI、 DSA、血管造影、各種シンチグラフィ一、 Nd-YAGレーザー、胸腔鏡、縦隔鏡、気管支鏡、放射線治療設備ほか。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

心臓血管外科(循環器外科)

分野

心臓血管外科

特色

関西医科大学附属枚方病院循環器外科は、循環器内科や小児科循環器グループとともに、先天性心疾患、虚血性心疾患、弁膜症、大動脈疾患等の心大血管疾患に対し、内科と外科が一体となって、患者さん中心に、診療、教育、研究活動を行っている。ホームページhttp://www3.kmu.ac.jp/tcvsurg/

症例数

手術件数は300例を超え、手術内容も含めて、大学病院としての先進的レベルを維持している。先天性心疾患の治療は、小児科循環器グループやNICUと密接な関係を保ち、術前より互いに協力して治療を行っている

★狭心症や心筋梗塞に代表される虚血性心疾患の治療方針は、動脈グラフトを用いた完全血行再建であり、off pumpバイパス手術を標準術式としている。最近10年間の予定手術例に死亡例がなく、良好な成績を維持している

★弁膜症の治療方針は、可能な限り自己弁温存を図る弁形成、弁輪形成術を第一選択とし、不可能な例に人工弁置換術を行う方針である

★大血管疾患は破裂性大動脈瘤や急性大動脈解離が含まれ、救命救急科と協力して成績向上に努めている。弓部大動脈手術は、超低体温循環停止法と選択的脳潅流法の併用により、安全な手術が可能になり、成績の向上をみている。胸腹部大動脈手術も、選択的肋間動脈灌流法と腹部臓器灌流法の併用により、安全性が高まっている。すべての動脈瘤は破裂するものと考え、今後も早期の適切な外科治療により、さらなる成績向上に努めていく。

医療設備

GICU、CCU、小児・新生児ICU、MEセンター、PET-CT、3T-MRI、MDCT、アンギオ装置、心エコー、IABP、人工心肺、PCPS(経皮的人工心肺装置)、自己血回収装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

あらゆる泌尿器科疾患を専門的に診療する体制を整え、患者さんのQOL(生活の質)を重視し低侵襲手術を目指している。特にドナー腎摘除術、前立腺全摘除術をはじめ、多数の腹腔鏡手術を行っている。内視鏡専用手術室を2室設け、これまで以上に安全な手術を行える体制を整えた。また男性不妊症、男性更年期障害、ED、性同一性障害などの男性機能異常を専門的に診療している。前立腺癌については、高い生検診断率と適切な術前病期診断に基づいて最新の設備と技術を駆使した治療を行っている。尿失禁や膀胱脱、性器脱など女性泌尿器疾患についても最新の低侵襲治療を行っている。詳細はhttp://www3.kmu.ac.jp/urology/参照。

症例数

2008年1年間の総手術件数814例。平均在院日数8.5日。根治的腎摘除術(含腎尿管摘除)47例(腹腔鏡38例、開放手術9例)、腎部分切除術26例(腹腔鏡21例、開放手術5例)、腹腔鏡下副腎摘除術14例、前立腺全摘除術97例(腹腔鏡96例、開放1例)、膀胱全摘除術12例、女性性器脱手術20例、結石に対する内視鏡手術54例、経尿道的前立腺切除術(含レーザー手術HoLep)57例、経尿道的膀胱腫瘍切除術173例、前立腺生検254例など

泌尿器腹腔鏡手術=開放手術より傷が小さく出血量も少ない低侵襲の腹腔鏡手術をわが国で最も早く91年から開始、総計1,000例以上の各種手術を実施。開放手術への移行は1.9%

前立腺癌早期発見のための多部位生検=早期癌を1回の生検で発見するために18カ所経直腸生検を実施。血清PSA4-10(グレイゾーン)での癌発見率46%、10以上での癌発見率71%

前立腺センター外来=腹腔鏡下前立腺全摘除術、放射線外照射、小線源放射線照射(附属滝井病院で実施)、内分泌治療、タキサン系抗癌剤による化学療法などから、最も適切な治療法を病状に合わせて選択している

膀胱全摘除術=生存率向上のための拡大リンパ節郭清を実施。尿路変更は自然排尿型の代用膀胱を積極的に勧めている。膀胱全摘除術後の全5年生存率は65%

腎癌に対する手術=腫瘍の部位、大きさによって腎摘除術と部分切除術を適切に選択。ほとんどの手術が腹腔鏡で行われ、これまでに腹腔鏡下根治的腎摘250例以上、腹腔鏡下腎部分切除90例、開放手術への移行はそれぞれ2.7%

男性不妊外来=日本生殖医学会生殖医療指導医が診療を統括し、自然妊娠を目指した最適な治療を提供している。精索静脈瘤には低侵襲の局所麻酔下顕微鏡下低位結紮術を導入。非閉塞性無精子症に対しては、生殖医療センターと連携して顕微鏡下精巣精子採取術を実施。顕微鏡下精管精管吻合術は精子出現率95%、自然妊娠率40%、顕微鏡下精巣上体精管吻合術はそれぞれ85%、40%と世界トップクラスの成績

男性更年期外来=男性ホルモン低下による男性更年期障害を対象に、02年1月から専門外来を開設。これまでの患者数500人以上。豊富な経験に基づいて系統的に鑑別診断と治療を実践

女性泌尿器外来=腹圧性尿失禁、性器脱、膀胱瘤などを対象に、患者のプライバシーに配慮して専門外来を設置。尿失禁には低侵襲のTOT手術、性器脱・膀胱瘤にはメッシュを用いたTVM手術、腟断端脱には腹腔鏡手術を行っている

副腎腫瘍の診療=短期入院による集中的専門的検査によって内分泌機能性と非機能性を鑑別し、褐色細胞腫を含む機能性副腎腫瘍に対して92年から腹腔鏡下副腎摘除術を実施。これまでに140例を経験、開放手術への移行は1例

尿路結石の診療=診断にはスパイラルCTも活用。体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)を装備。

医療設備

内視鏡専用手術室、FDG-PET、MRI、3次元ヘリカルCT、ESWL、ホルミウムヤグレーザー、神経刺激装置、放射線治療装置など。fTUL(軟性尿管鏡砕石術)を積極的に導入。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

形成外科

分野

形成外科

特色

06年1月に枚方の淀川河畔に新規開設した病院である。1ベッドあたりの床面積が日本一のゆったりとした設備である。近年、地元の支援を得て救命救急体制が徐々に充実してきた。患者さんへのインフォームド・コンセントを重視し、最新の設備や画像診断を応用した説明を行い、最善の医療を進め、良い結果を得るよう努めている。当形成外科では、形成外科で扱うほぼすべての分野の疾患や変形を治療対象とし、美容外科や抗加齢医療を含んだ体表外科として機能し、かつ社会適応を援助できるようにきめ細かな治療を進めている。

症例数

2009年の手術件数は中央手術室での手術は901件、レーザー手術を加えると1,548件であった。共に年々増加傾向である

★唇裂口蓋裂は、出生前診断の相談・指導から初回手術後継続して形成外科所属の言語聴覚士や矯正歯科医と密な連携をとった治療を進めている。軟口蓋挙上装置(PLP)やチューブ発声による言語指導で効率の高い言語訓練を行っている。また、口唇や鼻の二次修正、顎裂骨移植、咽頭弁手術、顎骨骨切り術といったすべての治療を一貫して行い、顔貌と構音、咬合の良い結果を目指している。月1回の顔面瘢痕外来で、プロのメーキャッパーによりボランティアでメイク指導をして社会適応を支援している

★顎顔面外科では、先進の画像診断を応用し、咬合と顔貌を改善する顎変形症手術として、下顎前突から上下顎前突、小顎症といった一般的変形から、非対称症例や変形治癒骨折例を対象とし、上下顎骨切り術や骨延長術を行っている。術前には矯正歯科専門医との緊密な計画を立て、術後も経過を診ている。また、顔面輪郭形成術、顎関節の習慣性脱臼や強直症の手術もきめ細かく顔面画像の分析をして十分な説明を行って治療を進めている

★顔面外傷では、救命救急外来との連携や地域機関からの紹介で、鼻骨骨折から頬骨骨折、眼窩吹き抜け骨折、上・下顎骨骨折、顔面多発骨骨折、軟部組織損傷やその瘢痕(きずあと)まで総合的な治療を行っている

★耳介形成では、埋没耳は5歳頃に形成術を行い、小耳症は9~10歳頃に肋軟骨移植による耳介形成術を行っている。咬合異常、顎変形や構音異常の合併を認める場合はその治療も行っている

★手の外科では、裂手、合指、多指の先天異常の治療と共に、手足の小さな外傷からデグロービング外傷や切断指肢再接着を積極的に進めており、本治療グループは地域的センターの役割を担い、最終的な機能再建までの治療を行っている

★母斑・血管腫・シミでは、乳児から高齢者までの幅広い対象にレーザー照射、硬化療法、切除術の適応を決めて治療を進めている。照射後のアフターケアも行い、美容的対応も行っている

★皮膚腫瘍では、各種画像やダーマスコープによる診断を行い、確実な切除と同時にきれいな仕上がりを目指した再建を行っている

★褥瘡・潰瘍では、適切な創傷処置のみならず多血小板血漿療法(PRP療法)や先進の薬剤や創傷被覆材を用い、適切な生活指導も行い早期の治癒を図っている。足・下肢の潰瘍では血管評価を行い要すれば血行再建と共に潰瘍治療を行っている

★眼瞼・眼窩では、眼瞼下垂症、眼瞼・眼窩の各種腫瘍切除、バセドウ病の眼窩減圧術、義眼床再建から眼瞼美容手術まで対応している

★熱傷は、救命救急外来との連携や地域医療機関からの紹介で新鮮熱傷を受け入れ、また熱傷後瘢痕(拘縮)形成も積極的に行っている

★瘢痕・ケロイドでは、切除、圧迫、各種薬剤による治療やケロイドには切除術と放射線科による皮膚放射線照射により再発性の低い治療を進めている

★抗加齢治療(アンチエイジング)では、加齢性(腱膜性)眼瞼下垂、シワ、シミの治療を主にロボスキンアナライザーを用いた診断、指導、加療を進めている

★性同一性障害は、精神科、産婦人科、泌尿器科との良好な連携体制のもと定期的に判定会議を行い、ステージに応じた各種手術を進めている

★各種再建術を多くの外科系臨床科から依頼を受け、乳癌切除時や切除後の同時あるいは二次乳房再建や各種体表に関わる腫瘍切除後や外傷後などの皮膚欠損創、軟部組織欠損創、開放創に対して植皮、皮弁、遊離皮弁等で最適の方法で再建している。

医療設備

Qスイッチルビーレーザー、色素レーザー、炭酸ガスレーザー、脱毛レーザー、ダーマスコープ、ロボスキンアナライザー、内視鏡手術治療システム、鼻咽腔喉頭デジタル内視鏡システム、空気力学的鼻咽腔閉鎖機能検査システム、DAT録音、MRI、CT・3次元CT、DSA、PET、超音波等。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

産婦人科(女性診療科・総合周産期母子医療センター・生殖医療センター)

分野

産婦人科

特色

2006年1月に関西医科大学の附属病院(本院)として開院した最新の設備・機器を備える特定機能病院で、完全な電子カルテシステムを取り入れて講座・診療科の壁を越えた臓器別診療を行っている

★産婦人科も、心療内科や女性泌尿器科などと一緒に「女性診療科」を、小児科と共に「総合周産期母子医療センター」を、そして泌尿器科と共に「生殖医療センター」を担当している。産婦人科領域のあらゆる疾患に対する手術治療や薬物治療(癌化学療法)を行い、良性腫瘍についいては安全性を優先しながらも内視鏡手術(腹腔鏡、子宮鏡)も可能な限り取り入れて、患者さんの身体的・経済的負担を軽減できるようにしている。悪性腫瘍治療についてはこれまでの診療実績から、婦人科悪性腫瘍化学療法登録参加施設にもなっている。大阪北東部(河北地区)の産婦人科の基幹施設として他病院や診療所から多数の症例が紹介され(外来患者紹介率70%以上)、治療に際しては良性・悪性いずれの場合も、個別化した最適な治療法を自身で選択できるように配慮している

★妊産婦救急については、厚生労働省の施設認定を受けた「総合周産期母子医療センター」として、大阪府下全域のみならず京都府南部や奈良県からの母体搬送も受け入れている。総合周産期母子医療センターでは、産科病棟とMFICU(母体救急治療部門)およびNICU(新生児救急治療部門)が一体として運営されており、他施設での対応が困難な合併症のあるハイリスク妊娠・分娩を優先的に受け入れ、帝王切開、早産、その他ハイリスク分娩には必ず小児科医も分娩に立ち会って新生児管理を行い、小児外科、脳外科などとも緊密に連携している。正常新生児についても小児科医(新生児専門医)が主体となって管理し、またLDR分娩、無痛分娩も希望により実施している

★なお合併症のないローリスク妊娠の管理・分娩(正常分娩)については、妊娠初期での受診・分娩予約が必要

★不妊治療では外来に設置された生殖医療センターにおいて、産婦人科医、泌尿器科医、不妊専門看護師、胚培養士などからなるチームで、一般的な不妊治療から人工授精、体外受精(顕微授精、胚凍結含む)までの最新の治療を提供している。

症例数

2009年1~12月の周産期領域の成績では、総分娩件数は766件であるが、総合周産期母子医療センターとして、ハイリスクの合併症妊娠、胎児異常、早産、多胎などが多いため、必然的に帝王切開分娩が308件となっている

★婦人科手術件数は404件で、腹式開腹301件、腹腔鏡下25件、腟式78件である。悪性腫瘍治療件数は、子宮頸癌33件(広汎子宮全摘26件)、高度異形成及び上皮内癌67件、子宮体癌30件、卵巣癌23件、境界悪性卵巣腫瘍11件、卵管癌1件である。良性の子宮筋腫・卵巣嚢腫などの手術は212件で、手術では大多数でクリニカルパスを導入し、開腹手術であっても10日程度の入院期間となっている

★生殖医療では、一般不妊治療と共に、体外受精(採卵73件、胚移植87件)、人工授精(104件)などを行っている。大学附属病院として医学生・看護学生・研修医・専修医などの教育機関でもあるため、チーム医療を原則とした徹底的な症例検討による治療方針の確認を通じて、EBMを重視した最新の診療を行っている

★外来診療:予約制。初診は紹介状持参が望ましいがなくても可。外来は婦人科、周産期、内分泌・不妊の3診制で毎日診療。特殊外来(完全予約制)として、腫瘍管理外来、産褥管理外来、乳房管理外来(助産師担当)、IVF外来、遺伝相談外来、セカンドオピニオン外来等を開いており、またHPVワクチン接種のための専門外来(保険診療外)も設けている。

医療設備

MFICU 9床、NICU 12床、産科30床、婦人科40床、体外受精ラボなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

小児科

分野

小児医療

特色

関西医大附属枚方病院は2006年1月にオープンした。小児科の入院施設は5階の「総合周産期母子医療センター」にある。ここでは妊婦から新生児、中学生、高校生まで一貫した成育医療を実践している。この「総合周産期母子医療センター」には 小児科 ( 小児集中治療室併設 ) と新生児科 (新生児集中治療室併設) 合わせて 68 床が設置されている。また当科の外来診療は2階の「こども館」で行われている。「こども館」はカラフルなイスや壁紙で子どもたちの目を楽しませる工夫がこらされているだけでなく、待ち時間を楽しく過ごせるよう、子供用プレイルームを備え、ルーム内には各種ビデオやこども用の本が多数常置してある

★また小児病棟専用の広い屋上プレイグラウンドを有し、入院生活中のアメニティー充実にも力を入れている。このプレイグラウンドでは、天気の良い日に陽射しを目一杯浴びて遊ぶ、元気になった子どもたちの明るい姿を見ることが出来る。さらに子どもたちが病院生活を少しでも楽しめるよう、年中行事(夏祭りやクリスマス会など)を頻繁に開催するなど、様々な工夫をこらしている。また入院中も学習面で遅れが出ないよう、大阪府のご協力で小学校・中学校併設の「院内学校」も設置している

★当科は三次医療機関として専門的疾患の診療を行うのみならず、救急疾患にも対応して地域の医療機関と緊密な病診連携、病診連携を構築している。また当科は日本小児科学会から研修指定施設の認定も受けている。

症例数

"外来患者総数約22,000人、初診患者総数約2,000人、入院患者総数約700人(関西医大附属病院小児科としての実績)

腎・泌尿器、膠原病=腎炎やネフローゼ症候群について、腎生検を含む確定診断および最新の薬物療法を行っているほか、尿路感染症、尿路奇形(膀胱尿管逆流症や水腎症)、夜尿症や溶血性尿毒症症候群の診断と治療をしている。またANCA関連血管炎、全身性ループスエリテマトーデスや若年性関節リウマチ、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病など小児期に見られる膠原病や全身性血管炎の診療・研究にもあたっている。治療としては薬物療法のみならず血液透析や腹膜透析などの血液浄化療法も併用し、全ての腎泌尿器疾患の診療にあたれる体制をとっている。とくに金子一成教授が専門とする夜尿症や小児高血圧についてはマスコミに取り上げられることも多く、関西の広い範囲から患者様が来院されている

新生児=1978年に発足した本学附属病院の新生児集中治療室(NICU)は大学病院NICUの草分けで、西日本で初めての新生児搬送ドクターカーが設置された。現在、大阪新生児診療相互援助システムの基幹病院として、特定集中治療認可病床12床を含む25床で運営され、年間入院数300症例以上の新生児を受け入れており、そのうち人工呼吸器管理症例が約1/3を占める。24時間体制で新生児専門医が待機してあらゆる疾患の重症新生児に対応しているのみならず、新生児外科、心臓外科、脳外科疾患の夜間緊急手術も行える体制をとっている。高頻度換気人工呼吸器をはじめ人工呼吸器10台、 DPAP(呼気吸気変換方式経鼻的持続陽圧呼吸)装置5台を備え、一酸化窒素療法も行っている。未熟児・新生児の血液浄化療法も積極的に行っている

循環器=先天性心疾患や川崎病による冠動脈障害、不整脈(発作性頻拍症や期外収縮)、学校検診での異常などあらゆる小児期の循環器疾患の診断・治療を行っている。重症先天性心疾患の新生児はNICUや小児集中治療室(PICU)に入院し、管理を行っている。治療面では、心臓血管外科と緊密な連携を持ち、多くの心臓外科手術を行っている。最近では、カテーテル治療(肺動脈弁狭窄症のバルーン肺動脈弁拡張術や、動脈管開存症のコイル閉鎖術など)も積極的に行って良好な成績で得ている

血液・腫瘍=小児血液外来では白血病や悪性リンパ腫などの血液腫瘍はもちろんのこと、再生不良性貧血、先天性溶血性貧血や特発性血小板減少症や血友病などの出血性疾患の診察・検査・治療・日常生活指導などを行っている。また小児脳腫瘍や神経芽腫・網膜芽腫・ウイルムス腫瘍・横紋筋肉腫・奇形腫・肝芽腫などの各種小児がんについては小児外科、脳外科など専門外科と連携して化学療法・手術・放射線治療・各種造血幹細胞移植などを行い、良好な治療成績を収めている。治療法については、主治医の独断に陥ることのないよう、日本白血病研究会、小児脳腫瘍研究会やその他血液・腫瘍専門医による代表的な各種小児がん治療研究会の参加施設として加入し、学会・研究会の推奨する治療案に則った標準的な治療を行っている。治療中、長期入院生活を余儀なくされる子供たちとご両親の生活の質向上を常に考え、院内学級に通えるお子さんは積極的に通学して頂いている

免疫・アレルギー=まれな先天性免疫不全症である慢性肉芽腫症や乳児の自己免疫性好中球減少症に関しては当科の谷内准教授らが世界的な業績をあげていることから、全国から多数の患者様が来院している。またアレルギー疾患の診断と治療にも力を入れており、食物アレルギーの診断のための食物負荷試験を積極的に行っている。基本的な方針として「アレルギーがあるから禁止」ではなく「アレルギーがあっても食べられるようにする」ことを目標に診療している。この治療方針によって重症のアレルギーを持つお子さんが数多く、食事制限を解除することができ、多くのご両親に感謝の言葉を頂いている

内分泌・代謝=新生児から成人にいたる様々な内分泌・代謝疾患(インスリン依存型糖尿病、先天性副腎皮質過形成などの副腎疾患、クレチン病・バセドウ病などの甲状腺疾患、肥満、低身長などの成長障害、思春期早発症などの性成熟障害、代謝性疾患)を診断、治療している。最近問題となっているメタボリックシンドロームの小児への生活習慣へのアドバイスも行っている

神経=発達の遅れ、熱性けいれん、てんかん、脳性麻痺、脳炎・脳症、自閉症、ADHD、先天代謝異常症(ウイルソン病など)などの中枢神経疾患のみならず、顔面神経麻痺やギラン・バレー症候群といった末梢神経疾患や、筋疾患(進行性筋ジストロフィー、ミトコンドリア脳筋症、重症筋無力症、先天性ミオパチー)などあらゆる小児神経・筋疾患の診療にあたっている。可能な検査としては脳波、CT 、MRI 、発達検査、誘発脳波、筋生検、遺伝子検査があげられる。またダウン症候群のお子さんの合併症の精査や定期検診、さらに養護学校における医療的ケアの指導も行っている

心身症=子どもの心と身体の不調により起こる様々な症状について、薬物療法や心理療法により対応している。心身症外来で対応する主な疾患は、過敏性腸症候群、起立性調節障害、頭痛、頻尿、チック症、睡眠障害、小児反復性腹痛、消化性潰瘍などである。心身症のお子さんには十分な診察時間が必要なため、受診を希望される場合は、関西医大附属滝井病院の小児科一般外来を受診していただき、心身症外来を予約していただくことが必要。当科で心身症のお子さんの診療にあたるのは全国でも数少ない心身症指導医の資格を有する石崎優子非常勤講師である。 "

医療設備

MRI、CT(64列マルチスライスCT含む)、PET-CT、各種RI検査機器。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

小児外科

分野

小児外科

特色

関西医科大学は、新生児(NMCS)、産科(OGCS)、新生児外科(NSCS)診療相互援助システムの、いずれも設立当初からの基幹病院として、大阪の周産期医療、新生児外科症例の治療に参加している唯一の大学病院である。06年1月に診療の中心となる附属病院を枚方に開院した。小児外科は総合周産期母子医療センターの中で産婦人科、小児科と連携し、胎児から一貫した診療を行っている。

症例数

最近3年間の年間平均入院総数は約280例で、手術は約270例。新生児手術は約20例。鼠径ヘルニアなどに対する日帰り手術は約120例。臍ヘルニア、停留精巣は1泊2日の短期入院で治療している。低侵襲性と手術による傷を小さくするために早くから鏡視下手術を導入しており、年間約30例。急性虫垂炎、肥厚性幽門狭窄症、胃食道逆流症、ヒルシュスプルング病、腹腔内停留精巣、卵巣嚢腫、要脾摘疾患、横隔膜弛緩症、胆石症、腸重積症などが対象である。ヒルシュスプルング病は経肛門手術や腹腔鏡補助下手術を行い、鎖肛など人工肛門が必要な場合も臍部に人工肛門を造設し、傷が目立たない工夫をしている。胆道拡張症には画像診断としてMRCPやDIC-CTを行い、術後長期経過例には内視鏡やビリテック検査を行い、一生にわたって合併症の起きない初回手術の開発工夫に力を入れている。低出生体重児の腹壁異常、消化管閉鎖、NECなどの新生児外科疾患はNICUで、肝芽腫などの腹部固形腫瘍はこども病棟で、小児科の各専門医と連携して治療している。

医療設備

超音波、CT、MRI、消化管内圧検査、pH検査、リニアック、FDG-PETなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

眼科

分野

眼科

特色

06年1月に開院した関西医大の新しい附属病院で、緑内障、白内障、網膜硝子体疾患、黄斑部疾患、ぶどう膜炎、角膜、涙道と広い範囲の眼科疾患に対応して診断・治療ができるように体制を整え、網膜硝子体疾患と緑内障・白内障など、難治性疾患をいくつも併せ持つ患者さんにハイレベルの治療ができるようにスタッフを揃え、診療・手術設備を整えている。

症例数

05年まで関西医大附属病院では外来患者数は1日平均250人、年間初診患者数10,000人。年間手術件数2,000件。増殖糖尿病網膜症、網膜剥離、増殖性硝子体網膜症、黄斑への手術など年間600例の硝子体手術が行われていた。06年から関西医大枚方病院(700床)と関西医大滝井病院(600床)の2病院となり、枚方病院での12カ月の手術件数は1,900件である。難治症例が集まってくるにもかかわらず、網膜剥離の初回復位率は95%以上である

★網膜剥離に対して硝子体手術の比率が増加しているが、網膜剥離の型によってバックリング手術と硝子体手術の適応は異なる。垰本講師を中心に、症例ごとに最適の治療法・術式はなにかをカンファレンスで検討して、流行に流されず、古い習慣にもとらわれず、データにもとづいた考え方で治療方針を決定していくのが大原則であり、そのエビデンスがまだない場合は自分達で確立していかねばならないと考えている

★最近増加している加齢黄斑変性症は、高橋教授、永井講師を中心に、蛍光眼底造影、インドシアニングリーン蛍光造影、網膜断層検査によって正確に病態を把握し、新しいレーザー治療法である光線力学的療法と抗VEGF薬による積極的治療を多数例に行っている。また新薬の治験も行い、臨床研究が進んでいる

★緑内障は、南部講師を中心に、患者さんの長い人生をみつめながら治療方針をきめていくが、QOLを損ねないように安全な手術を早期に行う方針で、年間250例に達する。緑内障では、できるだけ安全でかつよい眼圧を得られる術式を世界中が模索している時期で、当院でも慎重に症例検討を行いながら、この領域のオピニオンリーダーとしての役割を果たしている。硝子体手術も緑内障手術も対象は高齢者が多く、眼内レンズ(白内障)手術と網膜・硝子体手術、緑内障手術とを組み合わせる場合が多い。白内障単独手術は、患者さんの全身状態や希望に合わせて3~4日入院で行う場合が多い

★糖尿病網膜症も糖尿病患者が増加している社会状況の中で重症例が多い。糖尿病網膜症による網膜の虚血を治療する方法は今のところないが、虚血による血管新生から起こる合併症(増殖糖尿病網膜症、血管新生緑内障)はくいとめようと、専門外来を中心に努力が続けられている。そのためには必要十分な光凝固が不可欠であるが、不運にも重症の増殖を起こしてから受診された方でも、山田講師を中心に光凝固、硝子体手術さらには緑内障治療を組み合わせて行い、失明症例はほとんどない

★基礎研究においても眼内新生血管(網膜新生血管、脈絡膜新生血管)の治療法・予防法が一大テーマであり、臨床に直結した研究が続けられている。関西医大滝井病院と併せて、斜視・弱視、神経眼科、角膜疾患、涙道外来、ロービジョンと眼科の全分野をカバーしており、EBMに基づいた水準の高い診断・治療を行えるように、各特殊外来が責任をもって対応している。「考えながら診療する眼科医」「安全確実な手術」と「患者さんとともに歩む医療」がモットーである。

医療設備

超音波白内障手術装置、硝子体手術装置、各種レーザー凝固装置、光干渉断層計、蛍光眼底造影装置、前眼部画像解析装置、各種視野計、視神経画像解析装置など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

心療内科

分野

心療内科

特色

当科は関西地区における心療内科の中核的存在として、その役割を担っている。大学病院内で脳神経外科、神経内科、精神神経科と共にブレインメディカル・サービスセンターとして機能しており、必要に応じ他科と共同で治療にあたることができる。市中病院や開業医の心療内科では、身体症状を呈するうつ病や神経症、不眠症などの精神疾患の診療機関としての役割を求められることも多いが、当科では大学病院における高度な専門科としての役割を果たす目的から、本来の心療内科の役割といえる心身症の診療に特化しており、精神疾患の診療は行っていない。初診患者の他院・他科からの紹介率は80%にのぼっており、他の医療機関で治療困難であった患者が、より専門的な科としての診療を求めて当科に紹介される傾向が強い。

症例数

年間の初診患者数は約550人で、入院患者数は約170人。初診、再診とも完全予約制。初診では時間をかけて心身医学的問診・診察を行うので1日3~4人の診療が限度であり、数週間から1ヵ月程度待っていただくことになる

★疾病で多いのは、びまん性食道けいれん・機能性ディスペプシア・過敏性腸症候群・胆道ジスキネジーなどの機能性消化管障害、慢性膵炎、気管支喘息、慢性疼痛、慢性疲労症候群、線維筋痛症、痙性斜頸などのジストニア、高血圧、糖尿病、更年期障害、ストレス性発熱、めまい症、顎関節症など多岐にわたる。またアトピー性皮膚炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、膠原病、自己免疫疾患、悪性腫瘍などのように、各科における専門的治療に加え心身医学的配慮が必要な患者にも、専門科との併診という形で診療を行っている。病棟には16床の入院病床を持っており、短期間ごとでの段階的な入院治療や検査のための短期入院が可能である。また複雑な病状の方には、内科的検査・心理検査・心身医学的検査・心理面接などを通して、外来での治療につなげる全人的な病態精査を目的とした入院を行っている

★検査としては、一般的な内科検査に加え、24時間食道内圧・pH測定、上部消化管ビデオ透視検査、消化管輸送能検査、胆道ジスキネジーを評価するための卵黄負荷腹部超音波検査、知覚神経機能検査、自律神経機能検査、24時間自由行動下血圧モニタリングなど、機能性疾患に対する検査も行っている。さらに研究段階の最新の検査としては、ストレスに対する生体反応を調べるサイコフィジオロジカル・ストレスプロファイルや、上部消化管ビデオ透視を用いた胃蠕動波解析による機能性ディスペプシアの評価、唾液中ストレスホルモンの解析などがある

★治療面では、心と体を一体のものとみなす全人的医療を基本的な考え方としており、病名のみに基づいた画一的な治療ではなく、一人ひとりの患者の状態に合わせた個別の治療を心がけている。そのため一般的な西洋医学だけでなく、漢方薬などの補完代替医療や心理療法なども病状に応じ積極的に取り入れている。特殊な治療としては、広く心身症に適応がある絶食療法、体の状態を視覚や聴覚で確認しながら自己調節の訓練を行うバイオフィードバック法がある。心理療法はブリーフセラピーに分類されるようなものが多いが、特定の療法にこだわらず患者の状態に応じて様々な療法を折衷的に用いている。また自律訓練法を集団療法として施行している。慢性疼痛などでは、必要に応じてペインクリニック外来やリハビリテーション科とのチーム医療も行う。専門家による継続的な心理療法が必要な場合は心理士による定期的な面接を設けるが、同時に担当できる患者数が限られるため、重症度や緊急度、病状などを個別に判断し、近隣の心理療法の専門施設であるコミュニケーション・ケアセンターを紹介することもできる。http://www3.kmu.ac.jp/psm/

医療設備

CT、MRI、食道内圧・pHモニター、自由行動下血圧モニター、上部消化管ビデオ透視検査、知覚神経機能検査、自律神経機能検査。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

乳腺外科

分野

乳腺・内分泌外科

特色

特徴の一つは、常に世界レベルでのup-to-date(最新)な手術や薬物療法などを含む治療が行えるように体制を整えていることである。もう一つは、乳癌患者の初診、告知から、その後の治療に至るまで、専門医師・専門看護師・薬剤師・技師等の専門スタッフチームによるホリスティックな医療を実践していることである。さらには、院内患者会(サポートグループ)とともに、治療を受けられる方のみならず、すでに受けられた方々に対する精神的な支援を行っている。

症例数

乳癌を中心とする悪性疾患から良性疾患に至るまで幅広く診療に従事している。外来患者数は月平均約1,200人、乳癌症例は年間約180例(うち乳房温存術症例は65%)である。また、当科の外来診療の特徴としては、診療日をそれぞれ目的に応じて機能的に細分化し、それぞれの専門の医師が診療に従事している点である。例えば、初診外来、悪性疾患告知外来、良性疾患告知外来、術後転移再発を伴わない患者フォロー外来、転移再発患者フォロー外来、化学療法外来(腫瘍外科医による術前・術後全身治療)、検査外来(超音波+FNAC/CNB、マンモトーム、乳管内視鏡)をそれぞれ独立して設け、円滑で機能的な診療に努めている。当科における乳癌の5年生存率は、StageI:93%、II:85%、IIIA:72%、IIIB:70%、IV:10%。

医療設備

MMG(マンモグラフィ)、US、CT、MRI、骨シンチグラム、PET、リニアック、マンモトーム、乳管内視鏡、放射線治療機器。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

救命救急センター

分野

救急医療

特色

06年1月の病院開設時に新設した。3次救急を中心に2次救急患者も積極的に受け入れている。熱傷については、形成外科教室との連携診療の長い歴史があり、軽症でも積極的に受け入れている。救急センター病棟は20床(ICU 8床を含む)で、完結診療か早期転科かを傷病内容に応じて選択している

★満床時の重症患者受け入れについては、救急センター病棟に隣接する総合集中治療室(G-ICU 12床)の支援体制が確立している。看護師は60人で、救急外来・集中治療室・病棟のグループに配属し、2交代制をとっている。救急専従医数は十分ではないが、併設型施設の利点を生かし、患者応需には院内各診療科との協力体制で対応している。協同診療を行う症例としては、脳神経外科、心臓血管外科、消化器内科に関わるものが多い。総合診療科、一般外科、脳神経外科、内科の上級医師も救急責任当直医師グループに参加し、各診療科との相互連携を密接に行っている。2次救急を含めた救急対応は研修医の救急医療研修にふさわしく、救急当直には各科研修中の研修医も常時参加する体制を敷いている

★循環器救急、周産期救急については、当センターとは別に直接応需システムを構築している。救急医育成に当たっては、救急全般・得意分野(サブスペシャリティ)・重症患者診療(集中治療)のみならず1・2次救急への対応能力の獲得も目指している。現在3次救急施設認定を申請中であるが、2次救急診療は今後も継続する方針を貫いている。北澤センター長は院内NST(栄養サポートチーム)のdirectorを兼務し、栄養管理を通じて病院全体のMedical Quality Control活動を展開している。救急センター病棟は院内NST活動の発信源となっている。災害拠点病院としての即応体制構築のために、救急センターが中心となり院内システム構築を進めているところである。

症例数

救急搬送は年間約2,000件、そのうち33%が3次救急相当の重症例、33%がそのまま入院加療を要する2次救急相当の中等症例、34%が帰宅可能な軽症例であり、残る3%が心肺停止来院例である。開設9カ月の重症傷病の診療実績としては、心肺停止来院36例、重症脳血管障害38例、急性大動脈解離28例、呼吸不全20例、重症膵炎3例、緊急手術を要した急性腹症50例、重篤な代謝障害(肝不全、腎不全等)50例、多発外傷50例、重症熱傷8例、中毒60例である

急性大動脈解離=積極的に受け入れ、術後早期退院を目指している

熱傷=形成外科の支援の下、III度熱傷に対する超早期手術(受傷24時間以内)を積極的に行っている。先進医療として自己表皮培養移植を行っている

重度外傷=脳神経外科、整形外科、放射線科スタッフの支援を、必要に応じて緊急投入できる体制を整えている

臓器不全=呼吸管理、循環管理、各種血液浄化法、栄養管理については、全スタッフがエキスパートたることを目指している

中毒=服薬毒自殺企図例に対しては、全例が精神科医のリエゾン介入を受けており、近隣精神科病院との連携も良好である

重症膵炎=放射線科の支援の下、持続動注療法を積極的に行っている

時間外自己来院=年間約5,000件。

医療設備

専用の初期治療室(3床)、時間外ウオークイン外来診察室(3室)、集中治療室(ICU 8床)、ハイケアユニット(HCU 4床)、一般病室(8床)、重症熱傷用特殊シャワー浴室。治療用高機能体位変換ベッド、人工呼吸器8、血液透析装置2、持続的血液浄化装置2、間接熱量測定装置、電子カルテに連動したベッドサイドモニター(循環動態監視Piccoモニター・脳活動監視Bisモニター内臓)、ジャッキアップ式体重計。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

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