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結膜下出血の治療法執筆者:聖路加国際病院院長 福井 次矢

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結膜下出血とは、どんな病気でしょうか?

おもな症状と経過

 目の結膜(白目の部分)の下にある毛細血管が破れ、出血した状態をいいます。

 白目が真っ赤に染まり、出血の量が多い場合などにはゴロゴロするような異物感を感じるときもあります。とくに痛みは感じませんが、痛みやかゆみ、目やになどの症状がある場合は細菌感染をおこしていることもあるので、眼科への受診が必要になります。

病気の原因や症状がおこってくるしくみ

 目を強くこする、打撲やコンタクトレンズなどによる外傷、飲酒、ストレスや徹夜などによる寝不足などが原因となります。また、とくに原因がなくても、年齢に伴って毛細血管が脆弱になってきたり、無意識に手で目をこすったりするだけでおこることも多く、そのような場合は心配ありません。

 症状がくり返しおこるようであれば、ほかに病気がないか、いちどは内科的に調べてもらったほうがよいでしょう。

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治療法とケアの科学的根拠を比べる

治療とケア 評価 評価のポイント
自然に出血が吸収されるのを待つ ★4 原因の多くは、加齢によって毛細血管がもろくなることで、睡眠中などに無意識に手で目をこすったりして破れたためにおこるものです。そのため、とくに薬も使わないで、自然に出血が吸収されるのを待つのが一般的です。これはいくつかの信頼性の高い臨床研究によって確認されています。 根拠(1)(2)
明らかに外傷を受けたときは、眼科を受診する ★4 出血の原因が打撲やコンタクトレンズの装着による傷などの場合もあります。このような場合は早めに専門医の診断を受け、傷の状態を確認したうえで、処置したほうがいいでしょう。 根拠(1)(2)
血管収縮薬を用いる ★3 赤みがなかなかおさまらないときに用います。出血を抑える効果は臨床研究によって確認されていますが、緑内障の患者さんでは使用禁止です。高血圧を招く場合もあるので使用する場合は注意が必要です。 根拠(4)(5)
白目が赤くなる以外の症状があるときは眼科を受診する ★4 痛みやかゆみ、目やになどの症状がある場合は、細菌やウイルスによる感染をおこしていることもあります。眼科を受診してほかの病気がないか確かめるべきでしょう。 根拠(1)(2)
なんども同じ症状をくり返すときは内科を受診する ★4 症状がくり返しおこったり、発熱を伴ったりするときは出血をおこしやすくなる全身性の病気が疑われます。たとえば、慢性腎障害で白目が真赤(Red Eye)になることがあります。内科を受診して、ほかの病気がないか確認すべきでしょう。 根拠(1)(2)(3)

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自然に治るのを待つ

 当然のことですが、白い眼球結膜が出血のため赤くなると目立ち、だれでも強い不安感を抱きます。しかし、多くの場合、小さな毛細血管が破れたためであり、その原因は、年齢に伴った毛細血管の脆弱性にあったり、睡眠中などに無意識に手で目をこすったりしたためのもので、まったく心配ありません。

 そのため、とくに薬も使わないで、自然に吸収されるのを待つのが一般的です。1~2週間もすればすっかり元通りになるはずです。

 視力に異常があったり、目の痛み、吐き気や嘔吐、羞明しゅうめい(過度にまぶしさを感じる状態)やひどい異物感などがある場合には眼科を受診するようにしましょう。

症状がくり返し出る場合は、ほかの病気の有無や薬を調べる

 なんども結膜下出血をくり返す人や、動脈硬化による心臓病などに対処するために抗凝固薬、抗血小板薬などを服用している人では、全身性の病気の有無や薬の量が多すぎないかどうかを注意深く調べる必要があります。

根拠(参考文献)

  • (1) Dart JK. Eye disease at a community health centre. Br Med J (Clin Res Ed). 1986;293:1477-1480.
  • (2) Leibowitz HM, The Red Eye. N Engl J Med. 2000;343:345-351.
  • (3) Klaassen-Broekema N, van Bijsterveld OP. The role of serum calcium in the development of the acute red eye in chronic renal failure. Eur J Ophthalmol. 1995;5:7-12.
  • (4) 伊藤清. プリビナ及びアドレナリン点眼の眼部小血管収縮作用に関する比較観察. 眼科臨床医報. 1954;48:734-736.
  • (5) 今野信一. プリビナに関する、二、三の臨床試験に就て日本眼科紀要. 1955;6:135-138.
出典:EBM 正しい治療がわかる本 2003年10月26日初版発行(データ改訂 2016年1月)