修正大血管転位症
しゅうせいだいけっかんてんいしょう
修正大血管転位症とは?
どんな病気か
大血管が入れ替わった前項の大血管転位に加え、心房と心室の位置関係も逆になった状態です。つまり、右心房-左心室-肺動脈、左心房-右心室-大動脈となっており、静脈血が肺へ、動脈血が全身へ流れるように「修正」されています。頻度は全先天性心疾患の1%強程度です。多くは心室中隔欠損や肺動脈狭窄などの心奇形を伴います。
原因は何か
原因は不明です。心臓はもともと1本の管が、右方向に折れ曲がって形作られていきますが、それが左方向に折れ曲がったために発生するといわれています。
症状の現れ方
合併心奇形がある場合には、心雑音やチアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になること)が認められます。合併心奇形がない場合は血行動態的には正常なので、症状はありません。しかし本来、右心室は全身に血液を送り出すためのポンプではないので、長年の負荷に耐えられずに三尖弁逆流や心不全が生じる場合があります。
検査と診断
合併心奇形に対する検査(心エコーなど)で初めて気づくこともあります。合併奇形がないと症状がなく、学校検診の心電図異常で見つかることもあります。
治療の方法
大きな合併心奇形がなく、三尖弁逆流が軽度ならとくに治療は必要ありません。
合併心奇形に対する手術が必要な場合、条件がそろえば本来あるべき血行動態(左心房-左心室-大動脈、右心房-右心室-肺動脈)に治す手術もあります。三尖弁の逆流が高度になってしまった場合は、三尖弁を治す手術が必要になる場合もあります。
病気に気づいたらどうする
合併心奇形の評価により治療方針が変わってくるので、循環器専門医のいる病院で経過観察する必要があります。
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