尿路結石症
にょうろけっせきしょう
尿路結石症とは?
どんな病気か
腎盂から尿管、膀胱へと続くおしっこの通り道を尿路といいますが、そのなかにカルシウムやシュウ酸、尿酸などを主成分にして結石ができるものを、尿路結石症といいます。小児の尿路結石症の頻度は成人に比べて少なく、全患者数の1%以下です。
原因は何か
成人では食生活の影響などが大きいのですが、小児に尿路結石症が起こった場合に、約半数に何らかの病気が隠れているといわれています。たとえば尿路感染症を繰り返しやすい先天的な尿路の奇形(膀胱尿管逆流現象や水腎症)や、遺伝的に尿に尿酸、シスチンやシュウ酸という結晶化しやすい物質が多く排泄される病気などです。
また、障害のある子どもで、長期間ベッドに寝ていて運動量が少ない場合にも、尿路結石ができやすいといわれています。
症状の現れ方
肉眼的血尿(肉眼でわかる血尿)で気づくことが最も多く、40~50%を占めます。次いで多いのは脇腹の痛み(側腹部痛)、下腹部痛です(20~40%)。またX線検査で偶然発見されたり、尿路感染症で超音波検査を行った時に発見される場合もあります。
検査と診断
尿検査で血尿や結晶成分が検出されれば尿路結石症を疑って、腹部超音波検査やX線検査をします。ただし、X線写真に写らない結石成分もあるので注意が必要です。そのような時には、造影剤を使って尿路全体のおしっこの流れを検査します。
治療の方法
内科的治療と外科的治療とに分けられます。
①内科的治療
小児では比較的大きな結石でも、自然に排尿とともに排泄されることがあります。一般に径4mm以下のものでは自然排石が期待できるとされています。したがって鎮痛薬や必要ならば抗生剤を投与しながら、水分をたくさんとらせておしっこの量を増やすことで自然排石を促します。水分を多く投与する目的で点滴をすることもあります。
ただ、腹痛の程度や期間、尿路感染症を合併しているのかどうかによって、結石が小さくても外科的治療が必要な場合もあります。
②外科的治療
近年成人の尿路結石症でよく行われるようになった体外衝撃波結石砕石術(体の外から超音波を照射して尿路結石を細かく砕き自然排石させる)が小児でも行えるようになってきました。手術の傷跡などを気にする必要がありません。そのほか、尿道に内視鏡を入れて尿路結石を砕く方法(経尿道的尿管結石砕石術)などもあります。
ただし、尿路結石の原因として先天的な尿路の奇形(膀胱尿管逆流現象や水腎症)がある場合には、尿路の奇形に対する手術を同時に行う目的で、通常の手術方法で結石を除去します。
病気に気づいたらどうする
小児科または泌尿器科を受診して治療方針(内科的治療にするか外科的治療にするか)を決めます。さらに小児の尿路結石症では多くの場合、結石を作りやすい病気や体質が隠れているので、それらの病気や体質の検査を受けます。
尿路結石症と関連する症状・病気
尿路結石症に関連する検査を調べる
尿路結石症に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、尿路結石症に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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重質酸化マグネシウム<ハチ>
制酸剤
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ブチルスコポラミン臭化物注20mg「日医工」 ジェネリック
鎮けい剤
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チキジウム臭化物カプセル10mg「サワイ」 ジェネリック
自律神経剤
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チメピジウム臭化物錠30mg「サワイ」 ジェネリック
鎮けい剤
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マグミット錠250mg ジェネリック
制酸剤
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チアトンカプセル5mg
自律神経剤
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酸化マグネシウム錠250mg「モチダ」 ジェネリック
制酸剤
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重カマ「ヨシダ」
制酸剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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コラム膀胱尿管逆流現象
腎臓でつくられた尿は尿管を通って膀胱にためられますが、尿管と膀胱のつなぎ目(接合部)の異常のため、膀胱にたまった尿が再び尿管、さらには腎臓に逆戻りする現象を、膀胱尿管逆流現象と呼びます。
乳児期には約1%の子どもにこの異常が認められますが、多くの子どもでは成長とともに自然に治るものと考えられています。
膀胱尿管逆流現象の主な原因は、尿管と膀胱の接合部が生まれつき弱く、逆流を防止する弁のはたらきがないためと考えられます(図26、図27)。
この病気が発見されるきっかけで最も多いのは尿路感染症です。これは尿の通り道や腎臓に細菌が入り込んで起きる病気で、高熱や側腹部・背部痛がみられることもありますが、乳児の場合は、高熱のほかに下痢や嘔吐、不機嫌といった一見腎臓とは関係のない症状で始まることもあるので注意が必要です。
かぜの症状がないのに何回も高熱を繰り返す場合には、尿に異常がないかどうかを小児科医に相談してみてください。
尿路感染症を起こした子どもの30~50%にこの膀胱尿管逆流現象が隠れているといわれているため、尿路感染症が治ったあとに超音波検査や膀胱造影検査を行って膀胱尿管逆流現象がないかどうか、その程度は軽いか重いかを確認します。
程度の軽い場合は成長とともに80%以上が自然に治りますが、重症の膀胱尿管逆流現象を放置すると、腎機能が低下して腎不全になることがあります。また逆流腎症と呼ばれる長期的合併症を起こし、高血圧や腎不全になることもあります。
尿路結石症に関する病院口コミ
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神経因性膀胱など排尿障害のエキスパート
医師アンケート調査回答者さん 50代男性 2014年01月23日投稿
紀の川筋の医療を一身に担っている地域中核病院です。 泌尿器科の診療スタッフは現在2名で、あらゆる泌尿器科疾患の診断・治療にあたっています。 体外衝撃波結石破砕装置も更新したばかりで、尿路結石症の治療も… 続きをみる
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最新鋭の治療機器が充実し、尿路結石治療が評判
医師アンケート調査回答者さん 50代男性 2014年01月23日投稿
県内で最初に体外衝撃波結石破砕装置を導入した施設ということもあり、昔から尿路結石症治療の病院として評判が高いです。 残念ながら現在は体外衝撃波結石破砕装置は稼働していませんが、尿路結石症に対しては主に… 続きをみる
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北海道を代表するスペシャリスト揃いで任せて安心
医師アンケート調査回答者さん 50代男性 2014年01月22日投稿
泌尿器科単科の病院ですが、尿路結石症、排尿障害、腎不全透析、泌尿器科がん治療の各専門分野ごとに北海道を代表するスペシャリストが揃っています。 特に前立腺肥大症治療の谷口理事長、結石治療の南谷院長、神経… 続きをみる
朝主人が痛み止めの座薬を入れ20分後位に我慢仕切れず排便してしまいました。常に主人は下痢便です。そし…