出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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オスグッド・シュラッター病
おすぐっど・しゅらったーびょう

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オスグッド・シュラッター病とは?

どんな障害か

 発育期(小学高学年~中学生)によく起こるけがです。ふともも前面の筋肉(大腿四頭筋)はお皿(膝蓋骨)、膝蓋腱をとおして脛骨粗面(下腿の少し突出した部位)についています。飛んだり、跳ねたり、ボールを蹴ったりすると、この筋肉が収縮し、脛骨粗面が強く引っ張られます。

 発育期には、この脛骨粗面に成長軟骨帯(関節近くにある軟骨で骨が伸びる部位)があり、前記の運動を繰り返すことにより、この部位に炎症が生じます。

症状の現れ方

 脛骨粗面が突出し、その部位を押さえると痛みがあります。歩行ぐらいでは痛みはありませんが、スポーツをすると、その部位に痛みを生じます(図33図33 オスグッド・シュラッター病の症状)。

図33 オスグッド・シュラッター病の症状

検査と診断

 前記の症状とX線検査(脛骨粗面の不整像)にて診断をします(図34図34 オスグッド・シュラッター病(X線像))。

図34 オスグッド・シュラッター病(X線像)

治療の方法

 歩行時にも痛みが強いような場合には痛みが軽減するまでスポーツを禁止しますが、通常は、運動前のストレッチング(主に大腿四頭筋)と運動後のアイシング(脛骨粗面の周囲を氷で10分程度冷やす)を十分に行い、スポーツ活動は症状に合わせて許可します。痛みが数カ月続きますが、保存的治療でほとんどが治ります。

 ごくまれに、骨が遊離して、膝をついた時の脛骨粗面の痛みが強いため、手術により摘出術を行う場合があります。

障害に気づいたらどうする

 整形外科専門医の診察を受け、X線検査などにより正確な診断をつけ、治療計画を立ててもらってください。

(執筆者:大阪労災病院スポーツ整形外科部長 堀部 秀二)

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