圧迫性ニューロパチー
あっぱくせいにゅーろぱちー
圧迫性ニューロパチーとは?
どんな病気か
末梢神経幹に圧力が加わることにより生じるもので、1本の神経が侵される(単ニューロパチー)ことがほとんどです。
原因は何か
体外からの圧迫だけでなく、神経周囲組織の肥厚、腫瘤の圧迫でも起こります。
末梢神経幹が圧迫されると、①神経伝導ブロック(数日から数週で改善する)、②軸索の障害(挫滅)、③神経断裂などの状態が起こり、②、③の場合、神経遠位端はワーラー変性(神経軸索が障害を受けると、その部位から末梢が変性してしまうこと)の状態になり、神経機能の回復が困難になります。神経線維が、たとえば腋窩(わきの下のくぼんだところ)、頸椎などの高位(近位)で圧迫を受けると、その末梢部では軽度の圧迫でも容易に軸索の障害が現れやすくなってきます。
また、アルコール中毒、糖尿病、低栄養状態などによっても損傷を受けやすくなるので、これら全身疾患の存在にも注意が必要です。
まれですが、何度も軽い圧迫で麻痺が誘発される遺伝性圧過敏性ニューロパチーもあります。
症状の現れ方
圧迫性ニューロパチーには、急性に起こるものと慢性・反復性に起こるものとがあります。
急性圧迫性のものは、駆血帯の長時間圧迫、長時間の正座、手枕での熟睡(土曜の夜の麻痺)、新婚の夜の麻痺(腋窩部に花嫁の頭を乗せる)などで現れます。とくに橈骨神経麻痺は垂れ手(手指や手首を水平・挙上できなくなる)としてよく知られています。急性発症の場合、リハビリにより多くは短期間(数日から月単位)で回復します。
慢性・反復性圧迫性のものは月・年単位で現れ、その大部分は絞扼性です。代表的なものは手根管症候群ですが、そのほかに肘管症候群(肘での尺骨神経麻痺)、総腓骨神経麻痺などがあります。
下肢に起こる総腓骨神経麻痺は、やせ型の人が長時間足組みをしたあとに現れてきます。膝窩部で腓骨に神経が押しつけられ、垂れ足(足指や足首を上げることができない)を来します。麻酔、長期の臥床(寝込む)、ギプスなども原因となります。時に膝窩後部はくぼんでおり、ひとつのコンパートメント(個室)をつくっています。何らかの原因でこのくぼみがはれると、神経(動脈、静脈なども通過)の圧迫が起こり、下腿の筋萎縮を生じてくるために、早期にはれを除去する必要もあります。
検査と診断
圧迫性ニューロパチーでは腫瘍が原因になる場合もあります。原因検索のために神経伝導検査、MRI、CT検査も必要になってきます。
治療の方法
治療法は原因によりさまざまです。
神経炎に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、神経炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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献血グロベニン-I静注用500mg
血液製剤類
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献血ヴェノグロブリンIH5%静注5g/100mL
血液製剤類
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リノロサール注射液2mg(0.4%) ジェネリック
副腎ホルモン剤
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プレドニゾロン散「タケダ」1%
副腎ホルモン剤
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エパルレスタット錠50mg「DSEP」 ジェネリック
他に分類されない代謝性医薬品
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アザニン錠50mg[クローン病・潰瘍性大腸炎・自己免疫性肝炎]
他に分類されない代謝性医薬品
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水溶性プレドニン10mg
副腎ホルモン剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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コラム急性汎自律神経異常症
急性(数日以内)あるいは亜急性(約1週間前後)に起こり、自律神経系に限られた障害が現れる疾患です。交感神経、副交感神経が侵された結果、著しい起立性低血圧(時に失神発作を起こす)、排尿障害、陰萎(インポテンツ)、消化器症状(嘔吐、下痢、便秘)、発汗障害、瞳孔異常、唾液・涙液分泌障害などが現れます。感覚障害や運動障害は現れないことが原則です。激しい腹痛のために、外科的に開腹手術を行ってしまう場合もあります。
感冒様症状、消化器症状などを伴ったり、ウイルス感染(風疹、単純ヘルペスなど)に伴って発症しますが、まったく原因がわからない場合もあります。感染では、免疫アレルギー機序(仕組み)が介在して発症するとされています。
予後は比較的良好ですが、完治せずに何らかの症状が長引くことも少なくありません。
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発汗の低下も重要な徴候で、運動時にうつ熱(運動、高温など外部環境によって起こる発熱)で気づくこともあり、汗腺に脂質が沈着し、汗腺の萎縮が現れます。
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末梢神経の髄鞘が脱落(脱髄)、再生を繰り返して起こし、末梢神経の肥厚(タマネギの皮のような変化)が出てきます。多くは下肢に筋萎縮が起こり、コウノトリ型の下肢と呼ばれる高度な萎縮となり、歩行時にトリのようにつま先が下がる独特の歩行になります(鶏歩)。
末梢神経伝導速度を測ると著しく遅くなっており、脊髄液の蛋白量も増えています。遺伝子診断が可能で、無症状のキャリア(遺伝子異常を媒介する)の存在が明らかになっています。
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臨床的には、①急性ポルフィリン症(急性腹症、神経症状、精神症状などの急性発作を起こす)、②皮膚ポルフィリン症(日光や打撲により水疱が生じ、それが破れると混合感染を起こす。慢性化すると皮膚が厚くなる)に分類されます。
半数以上は①で、遺伝子異常だけでは発症せず、薬物(禁忌薬物は数多く、使用する場合はリストでの確認が重要)、妊娠、飢餓などが誘引となります。①では、(a)四肢の急激に起こる運動麻痺、意識障害、けいれん、てんかん発作、自律神経症状などの神経症状、(b)激しい腹痛や腸閉塞を疑わせる腹部症状、(c)幻覚、妄想、ヒステリーに似た症状などの精神症状の3大症状が知られています。
腹部症状があっても、X線検査では器質的な異常はみられません。非発作時(間欠期)は無症状で、何らこの病気としての徴候は出現しません。原因不明の3大症状(a・b・c)が次々に現れたら、まず本症を疑うことが大切です。
ヘムを合成する経路の基質であるδ-アミノレブリン酸、ポルホビリノーゲンや、その代謝産物(ウロポルフィリン、コプロポルフィリン)を測定して診断を確立します。潜在者(キャリア)の診断には遺伝子診断が有用です。
治療は、グルコースを中心とした補液とインスリンの併用が効果があるとされています。禁忌薬物を絶対使用しないことが重要です。腹痛などの痛みに対しては、クロルプロマジンが使用されます。
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主人が急な首の痛みで受診しました。近医です。 中規模にあたるかと思いますが、紹介がないと初診料が発生してしまいます。ただし近所に検査機器含め総合病院があるのは安心、というわけで急な痛みだったため初診で… 続きをみる
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