出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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急性膀胱炎
きゅうせいぼうこうえん

急性膀胱炎とは?

どんな病気か・原因は何か

 一般に、膀胱炎といえば急性膀胱炎のことを指します。

 膀胱炎のほとんどは、尿道から侵入した細菌の感染が原因で起こり、その多くは大腸菌によるものです。

 女性は男性と比較して尿道が短く、肛門や腟が尿道から近いところにあるため不潔になりやすく、細菌が侵入しやすいという特徴から、とくに女性に起こりやすい病気です。誘因としては、長時間トイレをがまんする、性行為、過労などによる抵抗力の低下、ストレスなどがあげられます。

 細菌以外の原因としては、ウイルス感染、放射線、薬剤によるものなどがありますが、頻度はそれほど多くありません。

症状の現れ方

 突然の頻尿、排尿時の痛み、とくに排尿終了時の強い痛み、尿の混濁が現れ、残尿感、下腹部痛、尿失禁、血尿などを伴うことがあります(表23表23 女性の急性膀胱炎の臨床症状)。一般に発熱は伴わず、高熱や腰痛が現れた場合には、腎臓にまで炎症が及んでいる可能性があります(腎盂腎炎)。

表23 女性の急性膀胱炎の臨床症状

検査と診断

 尿に混濁がみられ、尿検査では膿尿・細菌尿(尿中に白血球・細菌が混入したもの)が認められます。通常、血液検査やX線検査では異常は認められず、臨床症状と尿検査から診断されます。

治療の方法

 抗菌薬(セフェム系やニューキノロン系など)を3日~1週間程度内服します。通常は、1週間以内に症状が改善します。また、治療中は十分な水分摂取を心がけ、尿量を増やすようにします。

病気に気づいたらどうする

 水分を十分摂取して尿量を増やすようにし、過労やストレスを避けます。症状が長く続く時や繰り返す時、血尿が続く時、発熱を伴う時などには、前立腺肥大症前立腺がん膀胱結石、膀胱腫瘍、尿道の狭窄、神経因性膀胱膀胱異物など泌尿器科的な疾患が隠れていることもありますので、泌尿器科を受診してください。

(執筆者:長崎大学病院血液浄化療法部助教 西野 友哉)

膀胱炎に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、膀胱炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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