出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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特発性浮腫
とくはつせいふしゅ

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特発性浮腫とは?

どんな病気か

 明らかな原因がないのに全身性の浮腫(むくみ)を周期的に繰り返す病気で、主に月経がある女性に現れます。

原因は何か

 原因は不明ですが、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の活性化、毛細血管の透過性の亢進や自律神経の異常などが推定されています。

症状の現れ方

 浮腫の発症と月経の周期とは関係ありません。また、閉経後にも症状は続きます。浮腫は立った状態で誘発されることが多く、一般には夕方に顕著になり、下肢や手のほか、顔や腹部にも認められます。

 朝夕の体重差が大きく、1・4kg以上にもなります。疲労感や不安感といった精神症状を伴うことも多くみられます。

検査と診断

 一般的な浮腫の原因が除外され、水やナトリウムを負荷した際に、臥位に比べて立位での排泄が減っている時、その可能性が考えられます。

 エストロゲンの影響によってナトリウムや水がたまるために生じる月経前浮腫とは区別されます。習慣性の嘔吐や、利尿薬や下剤を隠れて使っていないかどうか確認します。

治療の方法

 1日の塩分摂取量を5g以下に制限します。特発性浮腫が重い疾患でないことを理解し、安心することも重要です。薬剤としては、スピロノラクトンやアンジオテンシン変換酵素阻害薬が有効であったという報告があります。

(執筆者:東北大学大学院医学系研究科先端再生生命科学教授 菅原 明)

浮腫に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、浮腫に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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