ビタミンK欠乏症
びたみんKけつぼうしょう
- 内科
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ビタミンK欠乏症とは?
ビタミンKのはたらき
脂溶性ビタミンであるビタミンKは、肝臓において、血液凝固因子II、VII、IXおよびXの生成に関わっています。また、オステオカルシンという蛋白質を活性化することによって骨の形成を促進することも知られています。
原因は何か
正常な状態では、腸内細菌叢でビタミンKが十分につくられるために、ビタミンK欠乏症は起こりません。しかし、未発達な新生児・乳児や、抗生剤投与などの原因で腸内細菌数が減った患者さんなどでは本症が起こる可能性があります。
症状の現れ方
生後2~3日に下血が起こる新生児メレナという現象がみられることがありますが、これは腸内細菌叢の発達によるビタミンK産生の増加とともに自然に改善します。
乳児のビタミンK欠乏性出血症では、出生後順調に育っていた乳児が、生後1カ月ころに下血や頭蓋内出血を起こして死亡する例もあります。
治療の方法
ビタミンKの1日所要量は、成人男性では65μg、女性では55μgです。新生児・乳児では母乳中のビタミンK含有量が少ないことと腸内細菌叢でのビタミンK産生が未熟なことから、所要量として0~5カ月の乳児で5μg、6~11カ月の乳児では10μgを摂取することがすすめられています。
ビタミンK欠乏症に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、ビタミンK欠乏症に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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ビタメジン静注用
混合ビタミン剤(ビタミンA・D混合製剤を除く。)
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ビタノイリンカプセル25
混合ビタミン剤(ビタミンA・D混合製剤を除く。)
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調剤用パンビタン末
混合ビタミン剤(ビタミンA・D混合製剤を除く。)
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ビタミンK1錠5mg「ツルハラ」 ジェネリック
ビタミンK剤
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ノイロビタン配合錠
混合ビタミン剤(ビタミンA・D混合製剤を除く。)
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アリチア配合錠
混合ビタミン剤(ビタミンA・D混合製剤を除く。)
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ビタダン配合錠 ジェネリック
混合ビタミン剤(ビタミンA・D混合製剤を除く。)
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ネオラミン・スリービー液(静注用)
混合ビタミン剤(ビタミンA・D混合製剤を除く。)
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エルネオパNF1号輸液(1000mL)
たん白アミノ酸製剤
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カチーフN錠5mg
ビタミンK剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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