出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
角膜障害
かくまくしょうがい
角膜障害とは?
角膜(くろめ)は強膜(しろめ)とともに眼球の外壁を構成し、最初に眼球内に入る光の入り口として重要な組織です。糖尿病では角膜上皮びらんや、時には角膜潰瘍が発生することがあります。角膜内皮障害もまれに認められます。角膜上皮障害は、網膜レーザー光凝固治療後や網膜症に対する硝子体手術後に発生しやすい傾向があります。糖尿病における角膜上皮障害は、網膜症の重症度が強く関連し、角膜知覚が低下します。
角膜生体染色をしたうえで細隙灯顕微鏡検査を行い診断されます。症状としては結膜充血、異物感、眼痛、視力低下などです。いったん発症すると長期化する傾向があり、最悪の場合は角膜混濁を残して高度の視力低下の原因になります。
治療法としては内科的な血糖コントロールはもちろんのこと、眼科的に抗生剤や人工涙液の点眼などによる角膜上皮の保護、再生治療が重要です。
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