末梢神経障害
まっしょうしんけいしょうがい
末梢神経障害とは?
症状と経過
末梢神経障害を有する患者さんは、足の指先の違和感、足底に紙が貼りついた感じ、足の正座したあとのようなしびれ、足のつりやこむら返りなどを訴えます。通常、足先から左右対称性に現れ、しばしば夜間に増強し、ストッキング状に拡大するのが特徴です。手にも同様の症状が現れる場合もありますが、出現したとしても手の症状は通常は足に比べて軽度です。
さらに末梢神経障害が進行すると、神経の死滅が進んで、違和感やしびれ、痛みなどが弱くなったり、消失することがあります。つまり、足の痛みやしびれが弱まった時は、本当に神経が改善した場合と進行した場合があるので、見分けなければなりません。
進行して感覚が低下した場合は、足に靴ずれや胼胝(たこ)ができても痛みを感じなくなり、手当てが遅れるという危険が増します。
診断と治療の方法
末梢神経障害は、前述のような患者さん本人の自覚症状と、アキレス腱反射が保たれているかどうか、モノフィラメントによる圧感覚のチェック、音叉による振動覚検査などによって診断します。アルコールを多飲している患者さんでは、アルコール性末梢神経障害が重なっている場合が少なくありません。
治療は、軽症例であれば血糖コントロールのみでしばしば改善します。中等症以上では血糖コントロールに加えて、糖尿病性神経障害治療薬、ビタミンB12、抗けいれん薬、抗うつ薬、抗不整脈薬、漢方薬などを用いることがあります。進行している例では、治療を行っても改善に時間がかかります。
末梢神経障害の治療は、自覚症状による苦痛を和らげることが第一目標ですが、末梢神経障害による足潰瘍や足壊疽の出現を予防することも大事な治療目標です。足や足の指の観察が、最も有効な足病変の予防法です。
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