ふけ症(頭部粃糠疹)
ふけしょう(とうぶひこうしん)
ふけ症(頭部粃糠疹)とは?
どんな病気か
粃糠様(細かい米ぬか状)の落屑を特徴とする頭皮の病気で乾性脂漏ともいい、一般にはふけ症と呼ばれています。健康な人でも生理的に軽度のふけはみられますが、くしでとかすと肩に落屑が目立つ場合は病的と考えられます。脱毛を伴う場合は粃糠性脱毛症といいます。
原因は何か
男性ホルモンであるアンドロゲンの影響が指摘されています。しかし、ふけの程度と皮脂の量は必ずしも比例しません。頭部粃糠疹では毛嚢にすみついている微生物、とくに癜風菌の量が増えており、これを抑える薬用シャンプーでふけが減ることから癜風菌が原因との説がありますが、関係はないとの説もあります。
いずれにしても頭皮の新陳代謝が速まり、角層が鱗屑(ふけ)としてどんどんはがれる現象が認められます。
症状の現れ方
細かい米ぬか状の白色ないし灰色のふけが、頭皮の一部または全体にみられ、くしなどでこすると簡単にはがれ落ちます。20代がピークで、その後とくに誘因もなく、ふけの量が増えたり減ったりします。40~50代になると自然に軽快する傾向にあります。普通、かゆみはなく、あっても軽度です。明らかな炎症を伴ってくると脂漏性皮膚炎に移行します。
治療の方法
抗真菌薬であるケトコナゾールを含有するシャンプー(コラージュフルフル)をはじめ、真菌を抑制するジンクピリジンチオンを含有するメリットシャンプー、カロヤンなどのヘアートニックが用いられます。これらは薬局で市販されています。洗髪回数としては、毎日1回または1日おきが適当であり、洗いすぎは逆効果のことがあります。
粃糠疹に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、粃糠疹に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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リノロサール注射液2mg(0.4%) ジェネリック
副腎ホルモン剤
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プレドニゾロン散「タケダ」1%
副腎ホルモン剤
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フロジン外用液5% ジェネリック
毛髪用剤(発毛剤,脱毛剤,染毛剤,養毛剤)
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ベトネベート軟膏0.12%
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
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アルメタ軟膏
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
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水溶性プレドニン10mg
副腎ホルモン剤
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デルモベートスカルプローション0.05%
鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤
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ボンアルファ軟膏2μg/g
その他の外皮用薬
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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コラムステロイド痤瘡
副腎皮質ホルモン薬あるいは蛋白同化ホルモン薬の内服または注射によって生じる痤瘡様皮疹をいいます。
顔面よりむしろ前胸部・背部の毛穴のところに赤い丘疹、膿疱が生じます。比較的急激に発症すること、尋常性痤瘡の初発疹である面皰がほとんどみられないこと、いっせいに紅色丘疹が生じ、いっせいに消えるため新旧の発疹が混在せずに、均一な皮疹であることが尋常性痤瘡とは異なります。
治療は尋常性痤瘡に準じますが、ステロイド薬の減量・中止により比較的すみやかに軽快するので心配いりません。
発疹に気づいたら、まず薬の処方を受けた主治医に相談してください。