出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
先天性難聴
せんてんせいなんちょう
- 耳鼻咽喉科
- 診療に適した科
先天性難聴とは?
どんな病気か
先天性難聴は出生1000人あたり1人の割合で生まれる、頻度が高い先天性の病気です。
原因は何か
先天性難聴のうち、半数以上は遺伝子が関係しているといわれています。難聴に関連する遺伝子は100種類前後と推測されていますが、その遺伝子に変異があると難聴になることがわかってきました。
代表的な原因遺伝子として、GJB2遺伝子、SLC26A4遺伝子、ミトコンドリア遺伝子の3つがあります。
GJB2遺伝子およびSLC26A4遺伝子は内耳のイオンバランスを保つのに重要なはたらきをしていますが、変異があると常染色体劣性遺伝形式をとる難聴を起こします。また、SLC26A4遺伝子の変異があると「前庭水管拡大」という内耳の奇形を起こすことが知られています。
また、ミトコンドリア遺伝子1555A→G変異は母系遺伝をしますが、ストレプトマイシンなどのアミノグリコシド系抗生物質に対して感受性が高くなる(副作用として難聴が起きる)ことが知られています。
症状の現れ方
以前は音に対する反応がない、あるいは言葉の遅れから2~3歳で耳鼻科を訪れることが多かったのですが、最近は新生児聴覚スクリーニングが普及し、早期に難聴と診断されることが多くなってきました。
検査と診断
種々の聴覚検査、CT、MRIなどの画像検査、遺伝学的検査を組み合わせて診断を行います。
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