なかなか聞けない?患者のホンネ

Vol.2 患者さんが聞いた!手術や入院の前の勇気をもらった一言

[なかなか聞けない?患者のホンネ│2013/03/04]

 入院や手術は、住み慣れた我が家や家族から離れ、医師・看護師を中心とした医療者に自らの運命を託すことといっても過言では無いかもしれません。そんな不安がピークに達する状況でかけられた言葉を患者さんはいつまでも覚えているもの。
 ちょっとした外科処置から何時間もの大手術や長期入院に至るまで、患者さんが勇気づけられた、医療者からの言葉をご紹介します。

その一言で前向きな気持ちに!
【手術や入院の前の勇気をもらった一言】

  • 神経根ブロック注射を打つために入院した際に、「安全で必ず良くなるから元気を出してください」と医師に励まされ痛みで辛かったがほっとしました。(男性・50代)
  • 脳梗塞で倒れ10日間の入院後、リハビリ専門の病院へ転院することになった際に、お世話になった看護師さんが一筋涙を流し、「頑張ってください」と言葉をかけていただきました。これは本当に嬉しく思いました。(男性・50代)
  • 父が入院でぼけるのを心配していたら、「できる限り声をかけ、トイレにも誘います。寝たきりにはしません。元通り家に帰れなければ意味がない」と、看護師が言ってくれ、実際そうしてくれました。(女性・40代)
  • 不妊治療中に一度だけ自然妊娠をして、2か月で流産してしまったとき、診察中に涙をこらえていたら看護師さんが「辛かったですよね」と小さな声で言ってティッシュで涙をぬぐってくれました。診察自体は淡々と進んでいたのですが、そばにいた看護師さんが心の痛みにすぐに気付いて気遣ってくれたことにすごく感謝し、人の温かみを感じました。(女性・40代)
  • 初めての手術で不安そうにしていたら少し年配の看護師さんから「大丈夫ですよ、簡単な手術だし痛くもないですから」と言われ「でも怖いです」といったら「そうだよね、不安にもなるよね、わかりますよ」と手をさすってくれた。(女性・40代)
  • 心の病でもうどうにもならなくなり入院となった時、「入院中や入院明けの事が心配になるのはよくわかります。でも今は心と体の休息が必要なんです。入院はそのうち慣れてきます。入院明けは少しかもしれませんが元気になっています。入院してくれた方が僕も常に見ていて話を聞くことが出来ます。だから心配しないでください」と言われたのが心強かった。(女性・30代)
  • 喘息で初めての入院。「いままでがんばりすぎたんだね」と言われ、なんだかほっとした。(女性・40代)
  • 母の癌で御世話になった国立病院でのこと。母は末期だったのですが、担当医の先生が、病室まできてくれて缶コーヒーを1本くれました。言葉はなにもなかったのですが、なにより心強かったです。(女性・30代)
  • 前立腺の手術で看護師から「うちの先生に任しとき」の一言。(男性・60代以上)
  • 手術の内容を詳細に話した後に「たくさん話してしまいました。ごめんなさいね。どんなことでもいいです。何か不安なことありますか。困ったことがあったらいつでも話してください。頑張りましょう」ただただ感謝でした。不安も吹っ飛びましたね。(男性・50代)
  • 胃癌の全摘出手術の時、看護師さんに、「先生は、口は悪いけど腕はいいから安心して!」って言われ、思わず笑顔になりました。(女性・40代)
  • 朴訥な医師から「治るで心配せんでええ」と言われたとき。嬉しかったです。(男性・40代)
  • 若い頃私は感情をうまく出せなくてなんでも我慢するので痛くても黙っている時に先生からの「我慢しなくていいよ、辛い時には辛い、泣きたい時には泣きなさい」という一言…。初めて思いっきり人の前で泣きました。(女性・50代)

(患者さんからの投稿をもとに、QLife編集部が編集)

 患者さん1693人に聞いたところ、約17%の方が手術や入院の際に勇気づけられた経験がある、と回答しました。
 直接の医療者である、医師の言葉に加えて、看護師の言葉に勇気づけられたと答えた方が多く見られました。また、「うちの先生なら大丈夫!」などといった、客観的な評価者としての看護師の言葉に前向きになった、という意見もありました。チーム全体のコミュニケーションの「質の高さ」が患者さんの安心感につながることが分かりました。

グラフ

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