専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

富山県立中央病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器・一般内科

分野

消化器・一般内科

特色

消化管から肝胆膵まで幅広い領域において、高度専門的な診断・治療を実施しており、日本内科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会、日本臨床腫瘍学会などの専門医・認定医制度の教育認定施設であり、がんや肝疾患の都道府県診療連携拠点病院に指定されている。

症例数

消化器内視鏡領域では、2008年度実績では、消化器内視鏡の総件数は9.164件で、うち処置内視鏡が1,473件で、特に早期がんの完全一括切除を目指した内視鏡的粘膜下層剥離切開(ESD)については、胃114件、大腸42件、食道6件であった。また、胆膵の排石術やステント挿入は325件であった。さらに、潰瘍性大腸炎やクローン病は、現在の時点で、外来中心に約250例が当院で治療中である。肝疾患の診療にも力を入れており、08年度実績で、肝細胞がんのラジオ波治療59件、手術22件、肝動脈塞栓療法128件、C型肝炎のインターフェロン導入件数104件などであった。手術不能進行がんに対する治療としては、放射線治療は、最新鋭の強度変調機能(IMRT)付きリニアック装置2台を有し、放射線治療専門医2名体制で運用している。また、がん化学療法については、がん薬物療法専門医を中心に22床の通院治療室で対応している。これらの治療成績については全国的にみても良好な結果であった。緩和医療については、緩和ケアチームと25床の入院病床を有している。

医療設備

CT、MDCT、MRI、RI、造影エコー、ハイビジョン内視鏡、超音波内視鏡、カプセル内視鏡、ラジオ波、IMRT機能付きリニアックなど。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

肺腫瘍、縦郭腫瘍、胸壁腫瘍、自然気胸、漏斗胸、胸部外傷などの呼吸器外科疾患一般の手術を手掛けるほか、胸腔鏡下手術を自然気胸での嚢胞切除、微小肺腫瘍診断のための生検、多汗症に対する胸部交感神経切除で行っている。気管支鏡検査は電子内視鏡を用いて月・水・金の週3回、呼吸器内科グループと共に行い、内科と外科の症例検討の場としている。毎月1回はオープンの呼吸器検討会が開かれる。

症例数

年間平均手術症例数は、原発性肺がん100~120例、転移性肺がん10~15例、縦郭腫瘍10例、気胸手術30~40例、多汗症手術(胸部交感神経切除)15例、他に良性肺腫瘍、外傷性血気胸、漏斗胸など。この内150例程度は鏡視下で手術を行っている。原発性肺がん手術後のstage別生存率はIA期78.4%、IB期55.4%、IIA期53.4%、IIB期40.4%、IIIA期25.7%、IIIB期19.9%、IV期8.5%。IV期症例は延命効果やQOL(生活の質)の改善が期待できる場合、化学療法の併用を原則に、本人・家族の意志を確認して姑息的切除を行うこともある。近年は、普及しつつあるCT検診や、他疾患経過観察のためのCTでの発見例など、いわゆる早い時期で治療となることが多くなっている。縮小手術で十分に根治性が期待できる時は、スタッフ間で十分協議の上、VATS(胸腔鏡下の)肺区域切除などで積極的に肺機能温存を図っている。入院期間は気胸の鏡視下切除で術後3~4日程度。肺がん手術で10日から2週間程度である。

医療設備

MRI、CT、RI診断装置、非密封線源治療室、各種レーザー治療装置、APC(アルゴンプラズマ凝固装置)、ビデオ内視鏡、定位放射線治療装置、硬性気管支鏡、超音波メス、無菌治療室、緩和ケア病棟。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

心臓血管外科

分野

心臓血管外科

特色

総合病院としての利点を生かし、新生児から高齢者まで幅広く診療を行っている。あらゆる心疾患即ち新生児の複雑心奇形を含む先天性心疾患、虚血性心疾患や弁膜症を始めとする成人心臓病、大動脈瘤、末梢血管、内シャント手術、ペースメーカ移植に至る心臓血管疾患に対し、内科、小児科、麻酔科、放射線科等と連携して治療にあたっている。また、当科の設立は1970年の呼吸器・循環器科に由来しているが、今でも呼吸器外科とは同じ病棟(50床)で診療を行い、隣接して手術室、集中治療室がある。他家血輸血(いわゆる輸血)を回避するため、無輸血手術を積極的に行い、可能な症例には小児でも自己血貯血を行っている。僧房弁に対しては人工弁置換術の他に弁形成術、PTMC(カテーテルによる僧房弁交連切開術)などを行い、心房細動を有する例ではMAZE手術を併用している。虚血性心疾患ではほぼ全例にOPCAB(人工心肺を使用しない心拍動下冠動脈バイパス術)を行い、腹部大動脈瘤に対してはステント内挿術も行うなど患者さんのQOL向上に努めている。また小児では、成長を考慮した術式を選択することは勿論、小さな皮膚切開、あるいは側開胸で行うなど患児の創傷にも配慮している。

症例数

2008年の全手術数は約250例で、そのうち日本胸部外科学会学術調査に基づく心臓・大血管手術症例数は114例(2)であった。疾患別では先天性心疾患40例(0)、弁膜症25例(0)、虚血性心疾患32例(0)、急性大動脈解離を含む胸部大動脈瘤17例(2)である。( )は手術死亡例。新生児の複雑心疾患は隣県からの紹介患者も多い。加えて腹部大動脈瘤の手術が年間約30例、その他約100例であった。

医療設備

MRI、CT、DSA、PCPS、IABP、心カテ室、3-D心エコー、移動式X線撮影装置など。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

腎臓内科

分野

腎臓内科

特色

富山県の基幹総合病院として高度で患者本位の医療を目指している。当科では蛋白尿、血尿などの検尿異常の診断から腎炎やネフローゼ症候群の治療、透析療法、腎移植の内科的管理まで、総合的に腎疾患患者の診療を行っている。特に進行性腎炎やネフローゼ症候群に対して免疫抑制療法を積極的に行っている。また保存期慢性腎不全に対して医師、看護師、栄養士が一緒に腎臓病教室を開催して食事療法を指導、末期腎不全への進行防止に努めている。

症例数

年間入院患者は延べ約500人で、腎生検数は約50例。透析導入患者は年間約40人、人工透析室(21床)と隣接してCAPD室があり、慢性腎不全約60例の維持透析を行っている。必要に応じて持続的血液濾過、血液濾過透析および血漿交換を年間約50例に実施

★腎炎、ネフローゼ症候群患者では、腎生検により病理組織診断をした上で治療方針を決めている。進行性の症例には副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤による治療を行い、ループス腎炎を含む難冶例にはシクロスポリンを併用しているが、有効率は約70%

★慢性腎炎や糖尿病性腎症による保存期慢性腎不全患者に対して、早期から低蛋白食の指導、高血圧のコントロールを積極的に行い末期腎不全への進行遅延に努力している

★末期腎不全患者の透析療法への導入は血液透析またはCAPDの適応を検討し、クリニカルパスに従って指導している。長期透析例では骨Ca代謝異常など、合併症の管理と進行防止に努めている。当院では年間5例前後の腎移植を行っているが、腎移植患者の内科的管理を担当しており、高い腎生着率を維持している。

医療設備

CT、MRI、超音波カラードプラ診断装置、透析装置、血漿交換装置。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

基幹病院として泌尿器科全般を診療しているが、県のがん診療連携拠点病院に指定されてから、がん診療の割合が急増している。納得のできる治療説明と同意のもと、最善と判断できる治療法を患者さん自身に選択していただけるよう心掛けている。医療事故には細心の注意を払い、医師間さらにコメディカルとの意思の疎通を良好に保つよう心掛けている。

症例数

2008年度の手術件数は、ESWL(体外衝撃波砕石術)や生検を除き275例である。主な手術は、腎尿管悪性腫瘍手術41例(腎癌32例、腎盂尿管癌9例)、膀胱癌手術96例[経尿道的手術89例、膀胱全摘除術7例(尿路変更6例中、回腸導管5例、回腸新膀胱1例)]、前立腺全摘除術14例、腎移植術6例(献腎移植3例、生体移植3例)、副腎摘除術4例、経尿道的前立腺切除術12例、経尿道的腎尿管砕石術24例、経尿道的腎盂腫瘍切除術3例などである。腎や前立腺の摘除に小切開手術(腎で5-6cm、前立腺6-7cm)を採用し、術後の回復に貢献している。当院で2008年4月から強度変調放射線治療(IMRT)が可能になり、局所進行前立腺癌に対する治療も容易になった。

医療設備

腹腔鏡、尿管鏡(硬性、軟性)、IMRT、ホルミウムレーザー(2009年度内に経尿道的前立腺核出術を導入予定)。なおESWLは2009年度中に撤退し、結石の外科的治療は内視鏡手術に絞っていく。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

整形外科

分野

整形外科

特色

富山県の中核病院であり、第三次救命救急部門を有する病院として緊急を要する重度の疾患、外傷の治療も含めた診療体制をとっている。この中で整形外科は急患の数も多く、特に繊細な分野である手の外科の外傷を取り扱う専門施設である。また、完全な専門分野別の手術体制をとっている。橋本・萩原(手の外科、マイクロサージャリー)、長田・赤丸(脊椎、脊髄外科)、中村・羽柴(膝、股、肩関節)などの専門医による高度の先進の治療を進めている。

症例数

年間術件数1,200を超える。内訳は手の外科320例、関節350例、脊椎150例、手以外の外傷300例。手の外科(マイクロサージャリー)では手指や腕の切断を再接着したり、神経や筋肉、骨などの血管付き移植術、再建術を30例ほど行っている。最小侵襲手術を心掛けている。手関節への鏡視下手術や母指の付け根の関節(CM関節)の形成術も増加している。脊椎外科では腰椎椎間板ヘルニアに極めて小さい切開で済む鏡視下摘出を行い、術翌日から歩行を許可し、これまで以上の短期入院で社会復帰できるようになった。関節外科では膝関節、股関節の人工関節は著しく増加しており約200例、肩や膝関節の関節再建術は50例を超え、優れた成績を残している。骨折は小児から高齢者まで幅広い。骨折に伴う神経損傷や血管にも迅速に対応できるため紹介患者も多い。高齢者の大腿骨頸部骨折は、患者数がここ数年急激に増えている。

医療設備

CT、三次元CT、MRI、無菌手術室、外科用イメージ3台、手の外科用イメージ1台(被爆極小)、各種関節、脊椎用鏡視手術装置(ハイビジョン)。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

富山県における唯一の県立総合病院であり、救急医療センター・母子医療センター・緩和ケア病棟(PCU)を備え、骨髄移植・腎移植・体外受精・顕微授精・緩和ケアなどの先端医療に対して、病院をあげて積極的に取り組んでいる。総病床数は810床、産婦人科は62床(産科42床、婦人科20床)を有する。1996年10月に全国に先駆けて総合周産期母子医療センターの認定を受け、富山県における周産期医療の中核をなしている。ハイリスク妊娠を多く取り扱い、母体搬送も可能な限り、積極的に受け入れている。不妊治療は、体外受精・顕微授精まで施行しており、高い成功率を維持している。婦人科は子宮頸癌・子宮体癌・卵巣癌に対する治療を積極的に行い、患者のQOLを優先し治療方針を決めている。また子宮筋腫・卵巣嚢腫など良性腫瘍に対して積極的に腹腔鏡下手術を行う一方、一部の悪性腫瘍に対しても腹腔鏡下手術を導入している。

症例数

外来患者の一日平均は約120人、入院患者数は1日平均55人、年間分娩数は約800人、母体搬送は年間約120件である。年間手術件数は約800件、そのうち帝王切開術は約300件である

★最近10年間の子宮頸癌は420人(0期250人、I期60人、II期40人、III期50人、IV期20人)であった。Ia期までの初期癌で40歳以下の若年者に対しては妊孕性温存手術(子宮頸部円錐切除術)を施行しており、術後の妊娠例も多い。I、II期は原則として手術療法、III、IV期は放射線治療が原則であるが、最近ではI、II期のハイリスク症例やIII、IVa期に対してまず化学療法を施行し、縮小を図ってから可能であれば、広汎子宮全摘術を施行することで予後の改善を図っている。また、手術療法が困難な症例に対しては、化学療法と放射線治療を同時に行い、予後の改善を目指している。5年生存率は0期100%、I期94%、II期88%、III期71%である

★子宮体癌は最近の10年間で168人(0期5人、I期132人、II期16人、III期22人、IV期15人)であった。Ib期以上に対しては傍大動脈節リンパ節郭清術を含めた根治手術を行っている。5年生存率は0期100%、I期97%、II期91%、III期79%、IV期21%である

★卵巣癌は最近10年間で160人(I期85人、II期15人、III期54人、IV期6人)であった。I期の若年者に対しては妊孕性温存手術を施行しており、術後の妊娠・分娩例も少数例ながらみられる。妊孕性温存手術の対象でない患者に対しては、可能な限り傍大動脈節リンパ節郭清術を含めた根治手術を施行し、Ib期以上では原則術後化学療法を施行するが、現在ではタキソール+カルボプラチンを標準治療として3~6コース施行している。5年生存率は、I期82%、II期55%、III期41%である

★不妊治療:当科では90年よりIVF-ET、95年よりICSIを導入し、最近3年間では年間200~250例のART(生殖補助技術)を実施している。ARTの妊娠成功率は40~50%で、出生児数も2008年12月までに1,000人を超え、富山県の少子化対策に貢献している。ARTの反復不成功例に対しては杯盤胞移植やAssisted Hatchingも行っている

★婦人科内視鏡下手術(腹腔鏡・子宮鏡下手術)も近年、急速に増加し、最近2年間では年間250例以上に達し、婦人科開腹手術の60%を占めている。適応も卵巣腫瘍、子宮外妊娠、子宮筋腫、内臓性器脱などの良性疾患に加え、悪性腫瘍に対しても応用しており、腹腔鏡下骨盤・傍大動脈リンパ節郭清術はもちろん、腹腔鏡下広汎子宮全摘術も行っており、現在まで悪性腫瘍に対する腹腔鏡手術は130例となっている。今後はさらにminimal invasive surgeryとして内視鏡下手術が増えると予想され、婦人科開腹手術の90%以上を目指している

★夫婦間免疫不適合による習慣流産と考えられるカップルに対して、夫リンパ球の妻皮下への移入(免疫療法)により約150人の児が誕生し、免疫療法による妊娠継続率は75%と高い。

医療設備

CT、MRI、腹腔鏡機器、リニアック、カラードプラ等。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

歯科口腔外科

分野

歯科口腔外科

特色

富山医療圏の基幹病院として、口腔外科疾患を中心に有病者歯科治療、障害者歯科治療、一般歯科全般を対象としている。口腔外科的急患に対しては、24時間体制で対応している。病診連携登録医制度があり、積極的に病診連携を推進している。

症例数

2007年度の新患総数2,325人、外来延べ患者数11,400人、1日平均新患数10人、再来患者数37人、院外紹介率は平均23.5%、入院患者数は230人であった。その内訳は、埋伏歯39%、有病者の抜歯20%、嚢胞15%、炎症7%、腫瘍3%、顎変形症2%などの順であった。手術室での手術件数は全身麻酔209例、局所麻酔56例

★嚢胞は顎骨嚢胞や術後性上顎嚢胞が多い

★炎症では根尖性歯周炎、歯性上顎洞炎、下顎部蜂窩織炎などが多い

★埋伏歯は埋伏智歯が多く、入院一括抜歯を積極的に行っている

★有病者の抜歯は短期入院にて血圧、脈拍、心電図などのモニター下で行い、静脈内鎮静法を応用している

★顔面外傷は下顎骨骨折が多く非観血的整復術が主体であるが、観血的整復術も症例により行っている

★顎変形症に対しては、矯正専門医との連携のもとに主として下顎枝矢状分割術、症例により上下顎同時移動術を行い、固定にはプレートを用いている

★顎関節症に対しては、主として薬物療法、マイオモニター、スプリント療法を行っている

★障害者の歯科治療は、全身麻酔下で行っている

★睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置の治療も行っている。

医療設備

CT、MRI、レーザーなど。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

糖尿病内分泌内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

日本糖尿病学会認定教育施設で、糖尿病を中心に高脂血症や内分泌疾患全般について専門的医療を行っている。特に糖尿病患者の自己管理のための教育プログラムの充実に力を入れており、医師とコメディカル・スタッフにより入院―外来―病診連携と一貫した医療を目指している。1型糖尿病や妊娠糖尿病、重症疾患合併糖尿病など高度な専門的管理を要する患者も多い。

症例数

糖尿病定期通院患者数は月間約600人、地域連携患者を含めると約5,000人の管理を行っている。インスリン自己注射患者約600人(うち1型糖尿病患者約60人)。特殊外来として1型・ヤング糖尿病外来を行っている。糖尿病専門病棟への入院患者数は年間約500人。内分泌疾患に関しては、特にエコーガイド下甲状腺細胞診を年間約600例行っている。内分泌・代謝科認定施設であり、甲状腺以外にも下垂体、副腎、副甲状腺、消化管ホルモン等の疾患患者も多い

★患者教育に関しては、一次予防として人問ドックの病型判定と患者指導により、境界型から糖尿病への移行の阻止に力を入れている。二次予防として、合併症精査、血糖コントロール、食事療法、血糖自己測定、インスリン自己注射などの自己管理指導を行う教育入院(約2週間コース)を糖尿病専門病棟で行っており、医師、薬剤師、栄養士、外来・病棟看護職員などがチームで関わり効果をあげている。また自己管理の継続と円滑な病診連携のために、年1回程度の糖尿病による合併症の検査と患者の自己管理の見直しを目的として週末数日間の経過観察入院(フォローアップ入院)も行っている。三次予防として、院内の自主的組織である「糖尿病指導者研究会」の医療スタッフと共に、糖尿病専門病棟以外に入院中の他疾患合併糖尿病患者の管理と合併症進行予防に努めている

★糖尿病患者と医療スタッフで構成する「四ツ葉会」を組織し、料理講習会、教育講演会会報「白道」を発刊するなど幅広く活動している。

医療設備

CT、MRI、超音波検査、各種シンチグラフィー、サーモグラフィなど。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

1963年11月、北陸地方で最初に杉山義昭先生が脳神経外科を開設。インフォームド・コンセントに基づいた患者にやさしい、負担の少ない診療を心掛け、脳腫瘍、脳血管障害、頭部外傷、脊椎脊髄疾患、機能的疾患(顔面けいれん、三叉神経痛)など、あらゆる脳神経疾患に全力で対応している。病床数は30で、日本脳神経外科学会専門医訓練施設(A項)。

症例数

入院患者数は年平均450人。その内訳は、脳腫瘍60例、脳血管障害200例、頭部外傷70例、機能的疾患20例である。年間外科手術件数は160~200件で、その内訳は、脳腫瘍摘出術30例、脳動脈瘤クリッピング30例、慢性硬膜下血腫ドレナージ30例、神経減圧術10例、脊髄腫瘍摘出術数例などである。年間血管内手術件数は約20件である

★脳腫瘍の摘出は術中モニタリングを行い、機能を温存しながら全摘出を目指す。悪性腫瘍の場合は腫瘍摘出後に放射線化学療法を追加しているが、最近はTMZ(テモゾロミド)の投与で長期生存例がみられるようになってきた

★クモ膜下出血は、発病日かその翌日には破裂脳動脈瘤の根治術を行っている

★脳出血の手術は、局所麻酔での定位的血腫除去術が中心で、早期にリハビリを開始して機能予後の改善に努めている

★脳梗塞はラクナ梗塞、アテローマ血栓性梗塞、心原性脳塞栓の三つに病型分類して治療を行い、t-PA投与や血栓溶解療法を積極的に試みている

★重症脳挫傷患者には、脳圧センサーを設置して低体温療法を行っている

★小児の水頭症や二分脊椎などの先天奇形にも対応している。

医療設備

MRI、CT、血管撮影装置、SPECT、術中DSA、リニアック、ドプラ血流計、KTP/YAGレーザー、CUSA、ソノペット、内視鏡付き手術用顕微鏡。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

精神科

分野

精神科

特色

当院は19診療科と総病床数765床を有する公的地域基幹総合病院である。外来診療では、精神疾患全般について対応している。救命救急センターがあり、精神科応急入院指定病院でもあるため、救急医療や急性期治療に大きな役割を担っている。なお、医療観察法指定通院医療機関である。さらに総合病院の中の精神科として、一般病棟、緩和ケア病棟や集中治療室における他の診療科からの依頼診療が重要となっている。病棟は開放病棟(44床)だけでなく閉鎖病棟(36床)もあり、重症精神障害者の身体合併症にも対応可能で、他科との協同診療を行っている。

症例数

外来診療として1日平均外来患者数は、初診5人、再診110人。外来治療は薬物療法と簡易精神療法が主体であり、思春期・青年期例の一部には臨床心理士による心理カウンセリングも行っている。精神科デイケアを付設しており、現在約35人が通所している。なお、老人性痴呆疾患センター(相談室)では精神科ソーシャルワーカーが相談・指導に応じ、必要があれば外来での痴呆の鑑別診断を行い、緊急入院にも対応している。入院診療は急性期治療が主であり、1~3カ月の入院期間であることが多い(平均在院日数は約60日)。看護基準は3対1で、看護婦と看護士がほぼ同数。入院患者の疾患別内訳は、統合失調症圏50%、躁うつ病圏30%、神経症・人格障害圏10%、薬物関連・器質性精神障害圏5%となっている。身体合併症のための入院患者は約15%を占める。入院治療は、薬物療法、無けいれん通電療法、精神療法、患者心理教育、家族心理教育、SST(生活技能訓練)、レクリエーション)を行っている。

医療設備

検査設備として、CT、MRI、SPECT、脳波など。生活療法設備として、作業室、調理室、作法室、体育館など。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

乳腺・内分泌外科

分野

乳腺・内分泌外科

特色

地域中核総合病院として、消化器外科、乳腺外科を中心に広範な外科診療を行っている。乳癌については乳癌学会の認定施設として、外科医だけでなく病理医、放射線科医さらに婦人科医、整形外科医、脳外科医などと密接な連携を保ちながら診療にあたっている。外来から入院、手術、術後のフォロー、再発乳癌の診断・治療、そして緩和ケア(公立病院としては初めて緩和ケア病棟を設立)にいたる一貫した診療を行っている。

症例数

乳癌手術は年間約150例で、そのうち約60~70%の症例で乳房温存術を行っている。乳房温存療法の適応は、およそ3cmまでのしこりで、多発腫瘤、広範な石灰化症例などを除き、原則として術後に50Gyの放射線照射を施行する。温存術に際しては、癌を取りきることを目指している。現在までの乳房内再発は4例(2.1%)のみ

★術後の補助療法は、腋窩リンパ節転移状況、エストロゲンレセプターなどを考慮して、患者一人ひとりに、最も適した治療法を行い、厳重に経過観察している

★再発乳癌に対しては積極的に内分泌・化学療法(CEF、タキサン系薬剤など)を行っているが、可能な限り外来での治療を施行し、患者のQOLを高めている。

医療設備

マンモグラフィー、エコー、ヘリカルCT、MRI、シンチグラフィ、放射線治療機器。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

ペインクリニック

分野

ペインクリニック

特色

難治性疼痛疾患や神経ブロックが適応となる非疼痛疾患の診療を行っている。他診療科からの紹介患者の割合が多く、かなり難治な症例が多い。神経ブロック療法以外に薬物療法、理学療法、適応となれば硬膜外脊髄刺激電極埋め込みでの治療も行っている。入院のための病床2床を有する。

症例数

最近数年の年間の新患数は140人前後、延べ患者数は2,400人前後となっている。疾患は、帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛(約20%)、鞭打ち症や頸椎椎間板ヘルニアなどを含む頸肩腕痛(約20%)、癌性疼痛(約10%)、腰椎椎間板ヘルニア(約10%)および閉塞性動脈硬化症やバージャー病などの血行障害、開胸手術後の疼痛、反射性交感神経性萎縮症・カウザルギー(CRPS)などが主なものである。症例数は多くないが、頭痛、三叉神経痛、顔面神経麻痺、網膜中心動脈閉塞症なども神経ブロックを中心にして診療している

★神経ブロックでは、頭頸部・上肢の疼痛や血流の改善手段としての星状神経節ブロックが最も多い。整形外科との連携のもとで頸椎や腰椎椎間板ヘルニアなどによる疼痛には、入院下での持続硬膜外ブロックによる治療も行っている。神経破壊薬を用いるブロックとしては、下肢の血行障害に対する腰部交感神経ブロックが多い。癌性疼痛に対する内臓神経ブロックやクモ膜下フェノールブロックも行っている。また、腰椎手術後疼痛や腕神経叢損傷による難治性疼痛の症例には、硬膜外脊髄刺激電極埋込みによる治療も行っている

★治療成績は症例によって異なるが、CRPSなどでも神経ブロックと理学療法の併用による治療で良好な効果をあげている。

医療設備

サーモグラフィ、偏光近赤外線治療器、低周波治療器。総合病院なので、CT、MRIなどの医療設備は揃っている。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

緩和ケア

分野

緩和ケア

特色

1992年6月に15床で開設し、現在は25床。1993年3月に自治体病院としては全国で初めて緩和ケア病棟の認可を受けた。2005年4月より専任医が着任し、院内の患者さんは従来通り各科の主治医がそのまま主治医に、院外からの紹介患者は専任医が主治医となって、精神科をはじめとする各科と密に連携しながら、看護師、薬剤師が一体となってチーム医療を行っている。また他施設からの看護スタッフの研修も受け入れている。

症例数

2008年4月に18床から25床に増床となり、年間の入院患者数は前年の152人から193人に増えた。過去3年間(2006~2008)の入院患者524人を診療科別にみると、外科210人(40%)、内科138人(26%)、緩和ケア科62人(12%)、呼吸器外科36人(7%)、泌尿器科35人(7%)、耳鼻咽喉科29人(6%)、その他5人(1%)などとなっている。臓器別にみると肝・胆・膵111例(21%)、胃105例(20%)、大腸87例(17%)、肺50例(10%)、腎・尿路系39(7%)、頭頸部37例(7%)、食道25例(5%)、乳腺24例(5%)、血液17例(3%)、子宮・卵巣10例(2%)などとなっており、消化器癌は合計で328例(63%)を占める。過去3年間(2006~2008)の退院患者は519人で平均在院日数は38日、中央値は23日である。

医療設備

緩和ケア病棟は25床すべて個室、うち有料個室は7床。総合病院内にあり、MRI、CT、リニアック、内視鏡室、リハビリ部門などは揃っている。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

東洋医学

分野

東洋医学

特色

医師は富山医科薬科大学和漢診療学講座の出身で、日本伝統の東洋医学に基づき診療を行っている。治療は保険診療を基本に、生薬を使用した煎薬を中心としてエキス剤、丸薬、錠剤を使用している。県の中核病院の中の一診療科として、他の専門の診療科と協力して包括的医療が行えるよう診療にあたっている。特にリウマチに関しては専門分野であり、東洋医学と西洋医学を病態にあわせて使用して、よりよい治療効果が得られるよう診療している。

症例数

外来患者1日60~70人。必要に応じて入院加療が行える。現在、外来通院患者のうち関節リウマチ患者は約200人。関節リウマチに対しては和漢薬を中心に、活動性の高い症例や合併症がある症例などに対しては、必要に応じて消炎鎮痛剤、抗リウマチ剤、ステロイド剤などを併用している。また整形外科、リハビリテーション、各専門科などと連携を保ち、包括的に加療している。関節リウマチにおける漢方治療の有効率は、ランスバリー活動指数を指標とした場合、約70%の患者に有効であった。また数値には現れないが「食欲や胃腸の調子が良くなった」「疲れなくなった」「風邪をひかなくなった」「手足の冷えがよくなった」などの全身状態への好ましい波及効果も期待できる。通院患者はその他、SLEや強皮症などの各種膠原病、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、湿疹、冷え症、不妊症、月経困難症、めまい、高血圧、低血圧、耳鳴り、頭痛、肩こり、腰痛、変形性関節症、胃腸虚弱、便秘、慢性肝炎、痴呆、睡眠障害、うつ状態、ノイローゼ、更年期障害、自律神経失調症、気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、慢性鼻炎、糖尿病、腫瘍等あらゆる領域にまたがっている。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

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