専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

京都第二赤十字病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器科

分野

消化器・一般内科

特色

消化器疾患全般にわたり丁寧な診療を心掛けている。なかでも消化管や胆膵疾患に対する内視鏡的診断・治療では全国でも有数の規模と実績をあげている。また、X線造影検査、造影検査を含めた腹部超音波検査はもちろんのこと、腹部血管造影やインターベンションも積極的に行っている。当科における一貫した診断・治療体制に加え、外科、放射線科、病理部とのカンファレンスを通してベストの診療を心掛けている

★目指す医療は、①患者さんの立場にたった医療、②チーム医療、③QOL(Quality of Life:生活の質)に基づいた医療である。また、当科は地域医療支援病院の一員として地域医療を担うとともに、地域がん診療連携拠点病院として癌診療に力を入れている

★内視鏡センターは733㎡の独立したフロアに上部内視鏡室4部屋、下部内視鏡室3部屋、X線装置を備えた胆膵内視鏡室2部屋を有し、スコープ洗浄室も上部、下部に分けて設置され、プライバシーの確保と感染の防止に万全の体制を取っている。さらにリカバリースペースにはリクライニングチェアとストレッチャーを常備し、検査後の安全の確保に努めている。心電図や酸素濃度モニターなどの生体情報モニターを全部屋への配備はもちろんのこと、救急に対する設備も完備し、安全で確実な診療が行えるようになっている。従事する医師は消化器内視鏡学会指導医6人、専門医3人であるが、同時に、消化器病学会の指導医・専門医10人、超音波医学会指導医2人、肝臓学会専門医2人であり、内視鏡機器をはじめとする機器や周辺機器は全国的にも高いレベルで充実している。

症例数

09年度の外来延べ患者数は49,238人(204.3人/日)で、入院患者数は2,261人であった。09年の総内視鏡件数は16,391件で、その内訳は上部内視鏡検査は11,029件(545件の超音波内視鏡検査と、364件の治療内視鏡を含む)で、下部内視鏡検査は3,970件(554件の粘膜切除術を含む)で、胆膵内視鏡は1,212例(499例の乳頭切開術・結石除去、胆膵管ドレナージ術などの治療内視鏡を含む)で、その他(小腸内視鏡、経皮的胆膵処置など)180例である

上部消化管疾患=救命救急センターが付属するため出血性胃・十二指腸潰瘍や食道静脈瘤破裂に対する内視鏡的止血術や異物除去などはオンコール体制で24時間対応している。また、食道・胃早期癌に対するEMRやESDの内視鏡的腫瘍切除術は年間100例超える症例で実施している。下咽頭癌や食道癌の早期診断のために上部内視鏡検査時には全例でNBI観察(narrow band imaging)を行っている。悪性腫瘍治療のための術前診断では病変の範囲診断や深達度診断やのために、通常内視鏡観察に加え、NBI観察、色素内視鏡、拡大内視鏡、超音波内視鏡を駆使して正確な診断を行っている。食道癌や胃癌の化学放射線療法や消化管狭窄に対するステント留置などの拡張術も積極的に行っている

下部消化管疾患=大腸腫瘍の診断や内視鏡治療に加え、近年増加傾向にある炎症性腸疾患の診断治療にも力を入れている。原因不明の消化管出血に対してはカプセル内視鏡やバルーン内視鏡を用いて原因検索や治療を行っている

膵胆道疾患=胆道・膵結石による胆管炎や膵炎に対しては24時間体制で緊急胆膵内視鏡による処置が可能である。その治療件数は全国的も有数の規模を誇っている。また、膵胆道癌の早期診断や術前検査では、腹部超音波検査、CT、MRCPなどのスクリーニング検査から内視鏡的逆行性胆膵管造影(ERCP)、超音波内視鏡(EUS)、EUS-FNA、胆膵管内超音波検査(IDUS)や胆膵管鏡(PCPS)による精密検査を駆使して正確な診断を行うとともに、閉塞性黄疸の内視鏡的術前減黄や恒久的減黄を多数行っている

肝疾患=ウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎、薬剤性肝炎や肝硬変の診断・治療はもちろんのこと、近年話題の非アルコール性脂肪肝(NASH)の診断治療にも積極手に取り組んでいる。また、肝臓癌に対しては肝動脈塞栓術(TAE)、経皮的局注療法やラジオ波焼灼術や動注化学療法を積極的に行っている。

医療設備

内視鏡センター内には最新の内視鏡システム9台とEUSシステム3台、X線透視台2台、カプセル内視鏡システム1台、超音波1台が常設。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

外科

分野

消化器・一般外科

特色

心臓血管外科で扱う疾患以外の体幹部および下肢静脈疾患を扱っている。古くから洛中の京都市民に親しまれてきた病院であるため、ヘルニア、胆石症、虫垂炎等をはじめとする良性疾患、地域がん診療連携拠点病院としての役割を担っているため各種悪性疾患を多く扱っている。鼠径ヘルニアは小児と成人あわせて年間200例、胆石症は140例、虫垂切除術は120例である。胆石症では胆嚢・胆管結石症が多いが、ほとんどが消化器科で胆管結石の処置を行っているため、腹腔鏡下胆嚢摘出術が約90%を占めている。当院は 地域医療支援病院として認定を受けており、当院の登録医(かかりつけ医)等との連携を密接にしながら、日常診療にあたっているが、特に癌患者については、毎週開催している消化器科、放射線科、病理部等とのキャンサーボードで治療方針の決定と確認を行っている。さらに、退院後は登録医と協力して術後の経過観察を行っている。胃癌については早期胃癌を腹腔鏡補助下胃切除術の適応としており、その比率は35%である。大腸癌では定期手術は原則として腹腔鏡補助下大腸切除術を行うこととしており、その比率は56%である。また、臨床研修指定病院として医学部の卒業生に対して卒後4年目までの一貫教育を施している。その他、日本外科学会外科専門医制度修練施設(指定施設)、日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設(認定施設)、日本消化器病学会認定施設、日本大腸肛門病学会大腸肛門病認定施設、日本肝胆膵外科学会高度技能医修練施設B。当科のホームページはhttp://www.kyoto2.jrc.or.jp/medic/surgery.html、谷口弘毅のホームページはhttp://www5.ocn.ne.jp/~htan/

症例数

09年度の手術件数は約1,249例(全身麻酔例883例。脊椎麻酔例322例、局所麻酔例44例)であった。主な内訳は食道癌4例、胃癌117例、大腸癌174例(結腸123例・直腸51例)、肝癌34例、膵癌20例、胆道癌6例、乳癌48例、胆嚢結石142例(腹腔鏡手術90%)、鼠径ヘルニア194例、虫垂炎119例

胃癌=早期胃癌に対しては腹腔鏡補助下手術(35%)、進行胃癌に対しては開腹手術(65%)を行っている。Stage別5年生存率(96~00年)はStageIa:92.5%、Ib:86.5%、II:79.6%、IIIa:51.0%、IIIb:40.0%、IV:20.5%であった。近年、化学療法をStageIV症例に導入することにより、3年生存率は40%と向上している。また、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)、胃がん外科グループ(GCSSG)に属し、胃癌に関する多施設共同研究に参加している

大腸癌=結腸・直腸癌を問わず、緊急手術・高度進行癌以外の症例に対しては、基本的に腹腔鏡補助下手術(56%)を行っている。Stage別5年生存率(95~02)はStageI:97%、II:84%、IIIA:67%、IIIb:56%、IV:19%であった。肝・肺転移症例に対しては、全身化学療法により腫瘍の縮小を図り、その後手術療法を行うといった試験的治療も行っている。がん集学的治療研究財団や先端医療振興財団等が行う臨床試験に参加している

肝癌=消化器科、放射線科と合同で検討会を開催し治療法を決定したうえで肝切除術を行っている

膵・胆道癌=膵頭十二指腸切除後の再建は膵胃吻合法(嵌入法)を採用しており、縫合不全発生はほとんどなく、胃排泄遅延も少ない

肺癌=10年4月から呼吸器外科専門医が常勤医として赴任し、外科のスタッフとともに週2件の割で手術を行っている

乳癌=低侵襲、美容に留意して治療にあたっている。http://www5.ocn.ne.jp/~htan/

医療設備

MRI、MDCT、DSA、超音波診断装置、内視鏡、腹腔鏡下手術装置、マンモグラフィ、リニアック、超音波破砕装置、その他。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

呼吸器科

分野

呼吸器内科

特色

当科は、総病床数680床の地域中核急性期病院、地域がん診療連携拠点病院の呼吸器内科である。肺癌、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎などの呼吸器感染症、間質性肺疾患、好酸球性肺炎、胸膜炎、自然気胸、縦隔腫瘍、サルコイドーシスなど呼吸器疾患全般の診断と治療に当たっている。ただし、結核菌の排菌患者入院のための結核病棟は設置していない。また、本院には救命救急センターがあり、喘息発作、呼吸不全など呼吸器疾患の救急にも対応している。日本呼吸器学会認定施設、日本呼吸器内視鏡学会認定施設。

症例数

年間の入院患者数は約500人

★年間に入院治療する肺癌患者は約150人。このうち手術適応になるのが約30%である。胸部CTの性能向上により微小肺癌の発見が増加し、手術例が増えている。肺癌を含め呼吸器疾患の手術療法は、10年4月に新たに開設の呼吸器外科(西山勝彦部長)と密接に連携し、最良最新の治療ができるようにしている。肺癌化学療法は、抗癌剤多剤併用療法・放射線療法・緩和療法などを集学的に行っている。癌告知も含め、最良の支持療法ができるように取り組んでいる

★この他、入院患者では、肺炎、慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息、間質性疾患などが多い

★外来患者で最も多いのは、気管支喘息で外来患者の約40%、次に慢性閉塞性肺疾患が約20%を占め、これらは年々増加傾向にある。喘息発作による救急受診は、吸入ステロイド療法を中心とした治療により著明に減少している

★慢性閉塞性肺疾患、肺線維症などによる慢性呼吸不全に対する長期在宅酸素療法は、91~09年まで約500人に施行

★各種胸膜炎で診断確定困難例に胸腔鏡検査も多数施行している。

医療設備

X線検査(単純、CT、血管造影など)、MRI、シンチグラム、気管支鏡や胸腔鏡などの内視鏡、各種肺機能検査、放射線治療など。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

循環器科

分野

循環器科

特色

当病院は「歩み入る人にやすらぎを、帰り行く人に幸せを」を理念とし、京都市内の地域中核急性期病院として、最善の治療を安全かつ適切に提供すことを使命としている

★循環器科としては、虚血性心疾患(急性心筋梗塞、狭心症)、心不全(心筋症、心筋炎、弁膜症)、不整脈を中心に循環器疾患全般に対する高度専門医療の提供に取り組んでいる。また、3次救急施設である救命救急センターを擁し、24時間体制で重症疾患や救急診療にあたっている

★循環器病棟は53床、救命救急センター内にICU8床、CCU2床を有する。外来は原則予約制をとり、平日2~3診で行っている。心臓血管外科との連携を保ち、病棟、外来とも同じ場所を使用している

★冠動脈ロータブレーターや大動脈ステントグラフト実施施設であり、不整脈関連ではICDや両室ペーシング療法(CRT)植え込み術など多くの施設認定を受けている。また心大血管リハビリテーション施設の認定を受け、入院中の患者に運動療法の指導を行っている。また、06年から64列マルチスライスCTが導入され、心臓・冠動脈の造影CT検査を開始している。動脈硬化は全身の疾患であり、下肢閉塞性動脈硬化症に対するカテーテルインターベンション(PPI)、腎動脈(PTRA)、鎖骨下動脈も積極的に治療している

★専門医の研修・教育施設として、循環器専門医、核医学専門医や心血管インターベンションの認定を受けている。病診連携を推進しており、循環器科としても病診連携の会や患者の会を開いている。病院としては京都府で最初の地域医療支援病院であり、日本医療機能評価機構認定病院、臨床研修指定病院でもある。  

症例数

循環器専門外来患者数は平均1日115人で、週2回特殊外来としてペースメーカー外来が行われており、ペースメーカー植え込み後の患者を個別に管理している。入院患者数は1日平均32人で、平均在院日数は6.3日である。重症者に対しては循環器病棟だけでなく、CCU・ICUにおいても主治医として診断・治療を行っている

★検査としては運動負荷心電図、ホルター心電図、心臓超音波、各種核医学検査、マルチスライスCTなどの非侵襲的検査を行っていることはもちろんのこと、心臓カテーテル検査(年間1,012件)、心臓電気生理学的検査(年間94例)を積極的に行い、確実な診断と適正な適応を決定し治療に生かしている

★09年のカテーテルによる治療は経皮的冠動脈形成術は422件、末梢血管のカテーテル手術は69件、ペースメーカー手術77件、植え込み型除細動器手術7件、両室ペーシング療法手術10件、カテーテル心筋焼灼術53件であった。急性心筋梗塞は年間64件で、その救命率は最近3年間で90%を維持している。冠動脈インターベンションの適応や評価には、血管内エコー(IVUS)、プレッシャーガイドワイヤー(冠内圧測定)や光干渉断層法(OCT)を積極的に使用し、適切な科学的根拠に基づいた治療を目指している。

医療設備

循環器病棟53床、ICU 8床、CCU 2床、心血管造影装置2台、IVUS、OCT、電気生理学検査用ポリグラフ、CARTOシステム、64列マルチスライスCT、MRI、心臓超音波、経食道心エコー、心臓核医学検査装置、トレッドミル、ホルター心電図、ABI、SPP、24時間血圧計、IABP、PCPS、血液透析装置など。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

第一線の病院として最新の医療を提供することを心掛けている。泌尿器科全般を扱っているが、その中でも癌、尿路結石症、前立腺疾患が多い。当院は日本超音波医学会の専門医研修施設であり腎癌、前立腺癌などの診断につよい。内視鏡治療にも積極的に取り組んでおり、腎・副腎疾患に対する腹腔鏡治療、腎盂鏡・尿管鏡による診断・治療(エンドウロロジー)などに特色を有している。

症例数

外来患者は1日約85人

★手術症例は約350例で過半数が悪性腫瘍であった

★前立腺癌に対しては年齢、Stage(病期)により治療法(ホルモン療法、手術療法、放射線療法、化学療法)を選択している。前立腺生検数は180例に施行。超音波ガイド下に行い精度が高い

★腎癌については、手術療法(開腹、腹腔鏡下)以外に進行性腎癌に対しては分子標的治療薬、免疫療法(インターフェロン、インターロイキンII)、放射線療法などを行っている。小径の腎癌に対しては原則的に腎分部切除(内視鏡下、開腹)を施行している

★膀胱癌については、Stageにより手術、膀胱内注入療法、化学療法、動注療法、放射線療法を選択している。手術はほとんどが内視鏡手術で、浸潤性膀胱癌に対しては膀胱全摘術あるいは症例を選んで動注療法を行い膀胱温存を試みている。尿路変更は回腸利用新膀胱、回腸導管、尿管皮膚瘻を症例により選択している

★尿路結石症に対しては、ESWL(体外衝撃波結石破砕術)が第一選択で約200例に施行。砕石困難例や珊瑚状結石に対してはPNL(経皮的手術)、TUL(経尿道的手術)を行っている

★前立腺肥大症に対しては内服治療を行い、効果が十分でなければ手術を行う。手術は内視鏡手術がほとんどである。手術の適応は尿流動態検査、超音波検査も参考としほぼ全例で有効。手術困難症例では尿道ステント留置も行う。

医療設備

MRI、CT、RI、ESWL、放射線治療装置(リニアック)、各種超音波診断装置など。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

耳鼻咽喉科・気管食道科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域全般の診療を行っているが、難治性鼻副鼻腔疾患の治療に重点を置いている。

症例数

年間の入院症例数は約600人、平均在院日数は約14日である。手術症例数は約500例で、内視鏡下鼻内手術が約200例、扁桃摘出および睡眠時無呼吸症候群に対する手術が約70例、鼓室形成術・甲状腺腫瘍に対する手術がそれぞれ約50例である。甲状腺以外の頭頸部悪性腫瘍は年間約30例。嚥下障害に対する手術療法、リハビリも積極的に施行している

★気管支喘息を合併した好酸球性副鼻腔炎は、今なお治療に抵抗性で難治性とされている。当院では、この難治性副鼻腔炎に対し、他院での手術後再発例も含めて多くの手術実績がある。術後約半年の自覚症状調査では、約90%の症例で鼻づまりの改善もしくは消失、一般に改善困難とされる嗅覚障害でも半数以上の改善率がある。加えて、鼻の術後に気管支喘息の改善も認められ、気道全体で症状緩和が得られており患者サイドから高い評価を受けている。手術は気管支喘息があっても受けやすい鼻だけの局所麻酔、左右同時手術のため一度の鼻内手術ですみ、入院は約1週間である

★鼻閉が強く薬物療法に反応しない重症鼻アレルギーに対し、これも内視鏡を用いた鼻内手術で高い症状改善率を誇る。鼻腔粘膜に傷が小さいため、術後の回復が早い上、術後5年後の長期成績も良好で鼻づまりの改善率は85%である。

医療設備

MRI、CT、超音波、リニアック、ABR、DPOAE、ENG、重心動揺計、鼻腔通気度検査、耳管機能検査、音声機能検査、電気味覚計、電子内視鏡、炭酸ガスレーザーなど。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

脳神経内科

分野

神経内科

特色

本院では34年前から救急救命センターが開設され、京都府の救急医療の中核を担っており、脳卒中患者が多数搬入される。従って一貫して脳卒中の急性期治療から慢性期治療、脳卒中予防の取り組みを行っている。特に脳神経外科には血管内治療の専門医が3人おり、TPAによる治療とともに急性期治療には万全の体制を備えている。神経内科領域全般の疾患も多数治療しているが、各方面の専門家と連携を深め、絶えず最新の治療を行えるよう努めている。

症例数

年間入院患者数は約700人、脳梗塞入院患者は年間約400例、その他、パーキンソン病をはじめとする各種神経変性疾患、ギラン・バレー症候群、多発性硬化症、神経筋疾患、正常圧水頭症など多彩な患者が入院し、入院ベッドは35~40床で運用している

★脳梗塞超急性期症例には迅速に最良の治療選択を心がけている。10年7月段階でt‐PAを120症例に行って良好な症例も多い

★特に、急性期脳梗塞症例の症状増悪に対し病態解明の研究、各種治療の試行を行っている。内頸動脈や中大脳動脈の高度狭窄症例における症状増悪に関しては脳神経外科との連携が欠かせず、また、いわゆるbranch atheromatous diseaseにおける進行性運動麻痺に関しても、各種抗血栓療法やラジカル消去剤のカクテルを試みている

★過去25年間以上にわたり、24時間血圧測定を行って脳卒中患者の血圧の研究を行い夜間血圧が高い例や腎機能障害を持つ例では、脳卒中再発や認知症進展のリスクとなることを明らかにしてきた。最近は家庭血圧を利用して、血圧コントロールを行っている。

医療設備

MRI/MRA、頸動脈・心エコー、経食道心エコー、脳血管撮影(以上は救急センターで迅速に施行可能)、脳血流SPECT、各種神経生理検査。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

京都第二赤十字病院脳神経外科では赤十字の理念にもとづきすべての苦痛に悩む人や死に瀕する人に手をさしのべる医療を行っている。82年に日本初の救命救急センターを開設以降、京都の救急医療の中核病院である。また脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳主幹動脈狭窄、脳腫瘍、脊椎・脊髄外科、機能外科(疼痛)など脳神経外科手術を幅広く扱っている。脳神経外科学会専門医5人、脳卒中学会専門医2人、脳神経血管内治療学会指導医1人、同専門医2人、脊髄学会認定医1人。

症例数

 09年の手術総数は321例。内訳は脳動脈瘤64例、脳動静脈奇形(硬膜動静脈奇形を含む)8例、脳主幹動脈狭窄26例、脳腫瘍38例など

★脳血管障害では、24時間365日開頭術および血管内手術が可能であり、両治療の利点を最大限生かせるシステムにしている

★未破裂動脈瘤は、04年から09年の間に85例に治療を施行し、97%の例で全く生活に困らずに自宅退院でき、その後くも膜下出血を生じた例はない

★脳動静脈奇形では、塞栓術で安全性を高めた上で摘出術を行っている。治療により新たな神経症状を生じた例はない

★脳主幹動脈狭窄では、血管吻合術、内膜剥離術、ステント留置術を行っている。04年から09年に80例に治療を施行し、97%の症例では新たな神経症状を生ぜず十分な治療効果を得ている。当院神経内科は主に虚血性脳血管障害を扱っており、密な連携を取っている

★脳腫瘍では、頭蓋底技術を駆使し可及的に摘出する。そして脳腫瘍取り扱い規約に従い放射線治療、化学療法を加えている

★脳動静脈奇形、脳腫瘍のうちガンマナイフが必要な症例は速やかに近医に紹介している

★脊椎脊髄外科では、低侵襲手術(椎弓形成術など)を行い、神経症状の軽減を得ている

★機能外科では、高性能のレクセル型定位手術装置およびサージプランを使用している。中枢性疼痛に対する運動皮質刺激や三叉神経痛を扱っている。三叉神経痛では全例、疼痛の消失を得ており合併症を生じた例はない。

医療設備

CT(64列:2台)、MRI(2台)、RI、血管撮影装置(3台)、手術室(10室)、定位脳手術装置、手術用顕微鏡(2台)、手術用超音波吸引装置、放射線照射装置。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

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