[僕と私の難病情報] 2023/07/12[水]

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永井慎也さん
株式会社ユーグレナ 人事部 部長代理
2005年、新卒で株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に入社。人事として新卒採用と中途採用を経験したのち、事業部へ異動し、求人事業の営業推進を務める。2009年にエディフィストラーニング株式会社に転職、営業から研修企画、研修講師までを経験。2012年に株式会社エス・エム・エスに人事として入社し、採用から制度、研修まで幅広い人事業務を担う。2018年から現職。

サステナブルな組織を目指して

 2005年の創業以来、「人と地球を健康にする」という経営理念のもと、ヘルスケアやエネルギー、ソーシャルビジネス等幅広い事業を展開してきたユーグレナ社。創業15周年となる2020年には「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」を新たなフィロソフィー(企業としてありたい姿)に掲げています。また、サステナブル(持続可能)な組織づくりのためには多様な人材が必要であるという考えから、障がい者雇用にも積極的に取り組んでいます。

 「ユーグレナ社の障がい者雇用の雇用実績は法定雇用率を少し上回っている状況で、お互いに対話をしながら、働きやすい環境整備を進めています。障がい者雇用にあたっては、その方のために新たな業務を作るのではなく、基本的にはもともと社内にある業務を分担することでその方に活躍していただくという方針で障がい者雇用を進めています」(永井さん)

障がいの特性を踏まえて担当業務を検討

 現在ユーグレナ社では、障害者手帳を持っている難病患者の方も候補者のひとりとして、障がい者雇用枠での採用を行っています。採用時には一人ひとりの障がいの特性を踏まえて担当業務を決定していきますが、そのための最初のステップが面接です。

 「面接担当者は、どのような業務がこの方に合うかを考えながらお話を伺っていますので、できれば最初に病気や障がいのことについて詳しくお話を聞かせていただけると助かります。例えば『自分の障がいにはこういう特性があるので、こういう業務は得意ですが、こういう業務は苦手です』というように、得意な業務、苦手な業務をご自身の障がいの特性とつなげてご説明いただいたり、前職などのご経験も交えて話していただけたりすると、どのような業務がその方にとって最適なのかのイメージを持つ手助けになります。また、そうした必要な情報をきちんと整理して説明できる力があるかどうかということ自体も評価ポイントになります」

就業してからのコミュニケーションが大切

 しかし、当然、面接だけではお互いに見えないこともあります。例えば「人事業務の経験がある」といっても、「人事業務」の範囲が会社によって異なっているかもしれませんし、本人が「得意、できる」または「苦手、できないかも」と思っている業務レベルと、会社が期待する業務レベルにズレがある可能性もあります。だからこそ、就業してからのコミュニケーションがとても重要になります。

 「実際に働いてみて入社前に抱いていたイメージと一致しているかどうか、困っていることはないか、対話を通して確認し合うことがとても大切だと考えております。そのためにも、日ごろから話をしやすい関係性づくりを心がけているほか、1on1ミーティングを定期的に実施することで、困りごとがあれば早期に気づける状態づくりを心がけています。状況によって、必要であれば異動も視野に入れて調整することもあります」

業務ができる仕組みを一緒に考える

 企業にとって特に重要になるのが、業務に支障が出た場合の対応です。病気や障がいの有無に関係なく、誰しも業務をしていれば何かしらのミスは発生しますが、そのミスがご自身の病気や障がいの特性に起因するものかどうかを判断するのは簡単ではありません。

 「受け入れる側の準備として、病気や障がいのことを深く理解し、それが理由で発生しやすい特有の症状や起こりやすいミスの傾向を把握しておくことはとても大事なことだと思います。また、ミスが起きたときには、『その原因が病気や障がいにあるのかどうか』ということよりは、『ミスが起きたという事実』にフォーカスしてその後の対応策を一緒に考えることの方が大切だと考えています」

 例えば、指示されたこと自体を忘れてしまった場合は、次回以降メモを残すことを徹底する、指示内容が理解できていなかったのであれば、指示側が、指示をする際に曖昧な言葉ではなくしっかりと具体的に説明する意識を持って指示し、その場で理解度を確認しあうことで、ミスを減らすことができると考えています。さらには、そのような活動を継続することが業務を可視化することにつながり、業務が標準化されていくという効果も現れています。可視化した内容をもとに業務マニュアルを作成し、今後、さまざまなバックグラウンドをもつ仲間を雇用する際に活用することも視野に入れています。

フィロソフィーに共感した仲間として

 ユーグレナ社では、障がいの特性から通勤が難しい場合にはフルリモートでの勤務を許可しており、通院や入院のための休暇も取りやすいように配慮されています。ただし、業務の評価で「障がい者」というフィルターを過剰にかけるような特別扱いはしていません。

「障がいの有無に限ったことではなく、国籍や宗教、ジェンダーなどについても同じですが、私たちは一緒に働いていく中で、業務に取り組む姿勢を何よりも大事なことだと考えています。具体的には、行動指針のひとつに「あ・た・ま(いつでも「明るく、楽しく、前向きに」)」を掲げていますが、その姿勢は病気や障がいの有無に関係なく、仲間全員に求めています。そうした中で、ユーグレナ社のフィロソフィーに共感して一緒に働く仲間として、自立した個人として接することが、真の働きやすさにつながると考えています」

株式会社ユーグレナ
本社所在地 東京都港区芝5-29-11 G-BASE 田町2階
設立  2005年
代表者名 出雲 充
WEBサイト http://www.euglena.jp/

2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養技術の確立に成功。微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した食品、化粧品等の開発・販売のほか、バイオ燃料の製造開発、遺伝子解析サービスの提供を行っています。また、2014年よりバングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」を継続的に実施。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、事業を展開。
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