[特集] 2025/12/22[月]

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提供:小野薬品工業株式会社、ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

食道がん治療における医師との対話で拓く「自分らしい治療選択」とは?

がんと向き合う時、多くの患者さんが気になるのは「今後の生活はどうなるのか?」「自分に合った治療選択肢は何か?」といったことではないでしょうか。特に食道がんでは、治療の選択肢が多様化しており、治療法を選ぶ際は疾患の状態だけで判断するのではなく、患者さんの生活スタイルや患者さんの家族の希望も踏まえて治療を決定することも大切です。納得のいく治療を選択するためには、医師と患者さんがきちんとコミュニケーションを取り、共に治療方針を決めていくことが重要ですが、その実現にはまだ課題が残る部分もあるようです。

この度、認定NPO法人キャンサーネットジャパン 理事/アナウンサーの中井美穂さんによる司会の下、東京科学大学大学院医歯学総合研究科 臨床腫瘍学分野 教授の浜本康夫先生、食道がんの治療を10年にわたって続けてきた小長谷育夫さんが、医師と食道がん患者さんそれぞれの視点で「がん治療におけるコミュニケーション」を語るYouTube動画(前編・後編)が公開されました。

前編では、治療法の選択や医師とのコミュニケーションの基本について小長谷さんの実体験に基づいてお伝えし、後編では「忙しい主治医とどうやって話せばいいの?」「自分らしく治療と向き合うためのコツは?」といった、より実践的なヒントが満載です。小長谷さんが10年間、前向きに過ごしてきた秘訣や、浜本先生からの具体的なアドバイスも紹介していますので、ぜひ前編、後編ともご覧ください。

※本記事では、その模様を一部ご紹介します

中井美穂さん(司会、認定NPO法人キャンサーネットジャパン 理事/アナウンサー、写真左)
浜本康夫先生(医師、東京科学大学大学院医歯学総合研究科 臨床腫瘍学分野 教授、写真右)
小長谷育夫さん(食道がん患者、写真中央)

治療法選択の理想は共同意思決定(動画の前編)

前編では、浜本先生が多様化する食道がん治療と、治療方針決定プロセスの変化について紹介します。食道がんの治療は、病期(ステージ)によって異なり、複数の治療選択肢があります。かつては、医師が個々の患者さんの治療法を決めることが一般的でしたが、その後、医師が説明し患者が同意する「インフォームドコンセント」が登場しました。現在では医師がそれぞれの治療選択肢のメリット・デメリットを提示し、患者さんと話し合いながら一緒に治療方針を決めていく「共同意思決定」という考え方が広まりつつあります。

この共同意思決定は、治療法選択の理想的な姿ですが、すべての患者さんの治療選択において行われるほどには浸透しておらず、その実現は道半ばであると浜本先生は言います。動画では、共同意思決定の実現に向けて、医師と患者さんの関係性を構築していく方法を探っていきます。

治療を通じて患者さんが学んだ、思いを伝える重要性(動画の前編)

食道がんサバイバーの小長谷さんは、患者さんの立場から経験を語ります。小長谷さんは、主治医を信頼し、提案された治療法で治療に臨んできました。しかし、ある症状の発現をきっかけに、主治医に薬物治療から放射線治療への変更を提案された際、既存治療で生活に大きな支障がなかったことから変更を希望しなかったことがあります。その際は、放射線専門医にも意見を聞いて結果的に自身が希望した薬物治療を継続することができました。この経験から、「必要な時は自分の思いをきちんと伝えるべきだ」と学んだと言います。

また、看護師や栄養管理士など、医師以外の医療者とのコミュニケ-ションの重要性も語っています。

多忙な医師とのコミュニケーションを取りやすくする工夫(動画の後編)

後編では、より実践的なコミュニケーションの方法と、がん患者さんが、がんと共に自分らしく生きるための秘訣を紹介しています。

小長谷さんの「忙しい主治医とのコミュニケーションに悩んできた」という問いかけに対し、浜本先生は具体的なアドバイスを送ります。それは、診察前の「事前準備」です。代表的な例として、「聞きたいこと、気になることをメモにまとめ、優先順位をつけておき、それに沿って受診時に質問する」を挙げ、こうした少しの工夫でも、医師が患者さんの質問に応じる時間を生み出しやすくなると言います。

また、食道がん患者さんに「治療で何を大切にしたいか」を尋ねたアンケート結果も紹介。患者さんの希望と医師としての治療目標にギャップがあることなどについて触れ、医師と患者さんのコミュニケーションをよりよいものにしていく方法について、司会の中井さんも交えて紐解いていきます。

動画の最後には、小長谷さんが診断後10年にわたり自分らしく過ごすことができた秘訣を語っています。

自分らしく前向きに治療と向き合うためのヒント

今回の動画では、食道がんの治療に臨む患者さんが、医師とのコミュニケーションを通じて自分らしく前向きに治療と向き合うためのヒントを紹介しています。

動画の前編におけるTake Home Message

  • 納得できる治療を選ぶため、価値観や私生活で大切にしていることを医師に伝える
  • 治療は医師任せにせず、疑問や希望を伝えて一緒に決めていく (共同意思決定)
  • 医師とは、病気の話や雑談などを通じて少しずつ信頼関係を構築
  • 医師に直接伝えにくいことは、看護師など他の医療スタッフに話してみる
  • わからないことは遠慮せずに質問する

動画の後編におけるTake Home Message

  • 受診前に事前準備を行うと、医師に心の余裕ができ、コミュニケーションの時間を確保しやすい
  • 事前準備には、「聞きたいことをメモする」、「必要なもの(お薬手帳など)をすぐ出せるようにする」などがある
  • 治療において、医師は「延命」、患者は「生活の質」を重視しがちなため、自分の気持ちを伝えることが重要
  • 人生を楽しめる趣味 (免活) や少し先の目標を持つとよい
  • 医療は日々進歩しており、希望を持って前向きに治療と向き合う
  • 一番大切なのは「生活の質の向上」と「自分らしく生きること」

食道がんに限らず、他の病気でも医師とのコミュニケーションに悩む方は多いと思います。これから治療を始める方、医師とのコミュニケーションに苦労している方、医師がどんなことを考え治療しているかを知りたい方には特にご覧いただきたい内容です。この動画が、患者さんやご家族にとって最善の治療選択の一助となることを願っています。

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