会員限定この記事を読むと10pt 進呈!!

新規会員登録(無料) ログイン

[クリニックインタビュー] 2017/02/24[金]

いいね!つぶやく はてなブックマーク

患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医の先生。そんな先生達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

みなみ野シティクリニック 上田泰明院長

「脳」という未知なる領域に魅せられて

 私は脳神経外科が専門です。この分野を専門に選んだのは、未知なる領域に魅力を感じたからです。これからまだ発展し続ける学問であることに興味を持ち、大学を卒業した後は脳神経外科医としていくつかの病院に勤務しました。開業前は、高度救命救急センターで救急医療に携わり、緊急の疾患や外傷など、毎日多くの患者さんの診療にあたりました。

 これまでさまざまな病気を診てきた経験と、脳神経外科医としての専門性を活かして自分なりの診療をしたいと考え、この場所でクリニックをしていた先生から継承する形で、2013年に「みなみ野シティクリニック」を開業しました。

 この地域は新興住宅地です。働き盛りの夫婦と子ども、その両親という家族形態が多く、風邪や胃腸炎、気管支喘息などのほか、高血圧や高脂血症、糖尿病といった生活習慣病の患者さんの多い傾向があります。そのため、患者さんの割合は、継続して通われている方が7割、新しく受診される方が約3割です。

 市中のクリニックですが、全身CTスキャンや超音波検査、肺機能検査、血液検査などの機器もそろえており、大きな病院に行かなくても一通りの検査はできるようにしています。

 

生活習慣が頭痛の原因になることも

 当院では、一般外来以外に脳卒中外来と頭痛外来も設置し、専門的な治療をおこなっています。頭痛の治療に関しては、近隣だけでなく遠方からも多くの患者さんが来院します。

 頭痛外来では、問診の後、必要に応じて検査をおこない、脳腫瘍や脳卒中など重篤な病気を鑑別し除外します。その上で、頭痛の原因やタイプを診断し、治療薬を選択します。一般的に多いのは片頭痛と緊張型頭痛ですが、原因は人によってさまざまです。不規則な生活、寝不足、肩こり、食生活など生活習慣が頭痛に大きく影響している場合もあります。そのため、生活習慣を変えるだけで治ることもあります。

 また、今は頭痛を止める薬だけでなく予防する薬もあるため、患者さんの原因に応じて最適と思われる薬を選択します。頭痛のタイプに合った薬を上手に使うことで、多くの方は改善します。つらい症状を少しでも早く解消できるよう、患者さんによく話を聞いて原因を探り、頭痛のタイプを的確に判断することを心がけています。

スタッフとの連携で待ち時間を短縮

 クリニックでは「患者さん目線」を理念としており、スタッフとも共有しています。そのひとつとして、待ち時間をできるだけ短くするよう心掛けています。大きな病院では、半日がかり、1日がかりということも珍しくなく、患者さんの負担は大きいと思います。

 当院では、受付から会計まで長くても1時間以内におさまるように工夫しています。まず、受付後に看護師が問診をします。初診ならば、どういう症状で受診したのか、アレルギーはないかなど、再診ならば、前の診察時から変わったことはないか、気になることはないかなどを看護師が聞きとりカルテに書き入れます。そのため、私はそのカルテをみて、すぐに患者さんの診察にとりかかることができます。患者さんにも、少しは待ち時間での負担を減らせているのではと思っています。

 また、スタッフは日誌をつけており、診察で気づいたことや、患者さんに言われたことなどを記入しています。医師には言いにくくても看護師には言えることもあるため、私が気づかなかったこと、見えなかった部分を日誌を通して教えてもらうこともあり助かっています。

「万が一」を見逃さないために

 クリニックでは、内科、外科と広く診ているので、さまざまな患者さんがいらっしゃいます。患者さんごとに素早く頭を切り替えなければならず、病気や症状に対する幅広い知識が求められるため、大変だと思うこともありますが、救急の現場で得た経験がとても役に立っています。

 つねに新しい知識や情報を得るために、学会や講習会、勉強会などにも積極的に参加しています。休診日には、開業前に働いていた大学で講師をしたり、救命救急センターで若手の先生に指導したり、逆に診療を通して勉強させてもらっています。

 当院にいらっしゃる方は慢性疾患で継続して治療や経過観察をおこなっている患者さんが多く、ほとんどが日常的に大きな変化が起こることはあまりありません。しかし、まれにですが、経過観察している間に異常が起きたり、重篤な病気が見つかることもあります。小さなことでも変化を感じるようにし、何かおかしいと思うことがあれば、迅速に診断して、必要に応じて大きな病院を紹介しています。小さなクリニックですが、全身CTなど一通りの検査機器をそろえているのはそのためです。日常的な診療の中で、「万が一」を見逃したくない、決して見逃してはいけないと、常に自分に言い聞かせて患者さんと向き合っています。

取材・文/出村真理子(Demura Mariko)
フリーライター。主に医療・健康、妊娠・出産、育児・教育関連の雑誌、書籍、ウェブサイト等において取材、記事作成をおこなっている。ほかに、住宅・リフォーム、ビジネス関連の取材・執筆も。

みなみ野シティクリニック

医院ホームページ:http://みなみ野シティクリニック.com/

JR横浜線「八王子みなみ野」駅から徒歩10分。バス通り沿いなのですぐにわかります。明るくゆったり座れる待合室にはところどころにグリーンが配置され、リラックスして過ごせます。詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

内科、外科、脳神経外科

上田泰明(うえだ・やすあき)院長略歴
1998年 熊本大学医学部卒業
1998年 熊本大学医学部附属病院脳神経外科
1999年 荒尾市民病院脳神経外科救急部
2001年 熊本大学医学部附属病院救急部集中治療部
2002年 同院脳神経外科
2007年 出水総合医療センター救急外来脳神経外科医長
2009年 信州大学医学部附属病院高度救命救急センター
2013年 みなみ野シティクリニック開設


■所属・資格他
日本救急医学会救急科専門医、日本脳神経外科学会脳神経外科専門医、日本脳卒中学会脳卒中専門医、日本頭痛学会頭痛専門医、日本抗加齢医学会抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、厚生労働省臨床研修指導医など


記事を読んでポイント獲得!

10pt 進呈!!

この記事を読んで
簡単なアンケートに回答すると、
"Amazonギフト券に交換できる"
QLifeポイントを獲得できます!

頭痛に関する
この記事を読んだ人は
他にこんな記事も読んでいます。
記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。