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[クリニックインタビュー] 2017/04/07[金]

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患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医の先生。そんな先生達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

青空レディースクリニック 金子透子院長

その人が持つ「病気を治す力」を高めたい

 「人と関わり、人の役に立つ仕事がしたい」と中学生のころから考えていました。母が看護師の資格を持っており、子どものころから「病気を治すのは自分自身。病院にかかったり薬を飲んだりしても、最終的には自分の体の力で治すもの」と言われて育ったので、人間が持つ自然治癒力を最大限活かした、人を元気にできる医師を目指したいと考えました。

 医学部の実習だけでは何科に進むか決めきれず、卒業後の初期研修はさまざまな科を回りましたが、「産婦人科は人の誕生や女性の一生に関われる仕事で、さまざまな世代の女性の役に立てる仕事」だと実感し、産婦人科を専門にすることを決めました。

 勤務医時代は、一般の妊婦健診や出産、ハイリスク妊娠、救急対応、子宮筋腫・子宮内膜症、がん、不妊治療など、産婦人科領域の病気を幅広く診てきました。その中で、医師を目指した自分の根本にあった「その人の持つ“治す力”を引き出す医療」をしたい、薬や手術で病気を治すだけでなく、生活を見直したり心の持ち方を変えることで健康をサポートする医療がしたいと考えるようになり、クリニックを開業しました。

元気になるためには「気持ち」と「生活改善」が大切

 「患者さんが青空のように爽やかで健やかな心身になれますように」という願いを込め「青空(そら)レディースクリニック」と命名しました。産婦人科は女性のためのクリニックですが、来るのには少し勇気がいる場所でもあると思います。そのため、患者さんにリラックスしてもらえたらと、クリニックの壁にはイングリッシュガーデンをイメージしたイラストや、窓から見える青空を描いてもらって、さわやかな明るい雰囲気にしてあります。

 このほか当院の特徴は、婦人科治療に加え、鍼灸・漢方などの東洋医学的治療、運動的な治療やファスティング指導、心理カウンセリングなどを取り入れているところです。お子さんから高齢の方まで幅広い年代の女性が来院し、受診理由もさまざまですが、年齢や境遇が違っても、つらい症状や悩みをどうにかしたいという思いは皆さん同じはず。ですからまずはじっくりお話しを聞き、患者さんが何を求めて来ているのかをきちんと理解することを心がけています。また、治りにくい病気や症状の方は、ストレスが原因のひとつになっていることも少なくありません。そうしたケースでは、心の持ち方について考えていけるようなカウンセリングを行っています。

 心の持ち方はとても大切で、「よくなりたい」「治したい」という前向きな意識を持っている人は、元気になることが多いと思います。以前、出会った卵巣がんの患者さんは、がんが見つかったときはかなり深刻な状況でしたが、とにかく明るく前向きで、こちらが元気をもらってしまうほどでした。その方は治療を続けながらでしたが、10年生きられました。プラスの気持ちが物事を好転させることは本当にあると私は思っています。

 一方で、どうしてもマイナスにばかり考えてしまう人もいて、そういった患者さんに前向きな気持ちを持ってもらい、「治す力」を引き出すにはどうすればいいか。難しいところです。こちらが何を言っても、ご本人がそういう意識を持てなければどうにもなりませんし、あまり言いすぎると治療そのものを拒絶してしまう可能性もあります。意識が変わるきっかけやタイミングは人それぞれなので、あきらめずに治療を続けながら、どこかでその機会が訪れることを待っています。

 また、健康のためには食事や運動など、生活習慣も大切です。例えば、若い女性は「キレイになりたい」「足が細くなりたい」などという願望から無理なダイエットをしてしまうこともあります。いわゆる「糖質制限ダイエット」で炭水化物を全くとらない状態が長く続き、生理が止まってしまって受診される患者さんもいます。そういう方には、ホルモン療法など生理を回復させる治療をすると同時に、今の無茶な食生活は、将来の自分にもつながること、将来結婚して子どもが欲しいと思ったとき、ちゃんと排卵があって生理が来ることが重要なことを説明し、将来のためにも栄養バランスよく食事をとることが大切だと伝えています。

演劇を通して子どもたちにプラスの気持ちを与える活動も

 プライベートでは、医師になったころから演劇をやっていて、今も子どもやファミリー向けのミュージカルに出演しています。子どもたちに演劇を通して良いものを見せたいという思いから創られた劇団で、「愛」「善意」「勇気」など心にプラスになるものを、ゲームやテレビとは違う、生の舞台で心に刻んでもらえればという気持ちで演じています。

 公演が決まると、休診日はセリフを覚えたり、発声練習や体力作り、稽古などで埋まってしまいますが、普段の仕事とは全く別のことに没頭できる時間は自分にとって貴重です。一度、仕事と自分を切り離すことでリフレッシュして、また誠心誠意、仕事に向き合えているのだと思います。

これからも女性が健康に生きるお手伝いをしたい

 今後は、クリニックでこれまで続けてきた女性のための医療を発展させていくと同時に、瞑想法の講座や、自律神経失調症の人向けの生活改善プログラムをスタートします。

 今、スマホに没頭しすぎたり、生活習慣が乱れたりすることで心身の健康のバランスを崩す人が多く、逆に言えば、食事や運動、睡眠など基本的な生活をきちんとするだけで健康になれる人がたくさんいるのではないかと思います。将来的には、基本的な生活指導をしながら、土に触れたり、人と関わったりしながら、体と心と頭を使って健康になれるような施設を作りたい。そんな夢も持っています。

取材・文/出村真理子(Demura Mariko)
フリーライター。主に医療・健康、妊娠・出産、育児・教育関連の雑誌、書籍、ウェブサイト等において取材、記事作成をおこなっている。ほかに、住宅・リフォーム、ビジネス関連の取材・執筆も。

青空レディースクリニック

医院ホームページ:http://www.sora-cl.com/

JR中央線「八王子」駅から徒歩3分、京王線「京王八王子」駅から徒歩6分。かわいい看板の指す入り口からクリニックに入ると、イングリッシュガーデンのような壁画と青空が広がる待合室が。待ち時間をリラックスして過ごせます。
詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

産婦人科

金子透子(かねこ・さとこ)院長略歴
1995年 千葉大学医学部卒業
1995年 松戸市立病院初期研修後、同院産婦人科
2011年 青空レディースクリニック開設


■所属・資格他
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、日本周産期・新生児医学会、日本生殖医学会、ヨガインストラクター


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