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先天性腸管閉鎖
せんてんせいちょうかんへいさ

先天性腸管閉鎖とは?

どんな病気か

 先天性腸管閉鎖は十二指腸から結腸までのいずれの腸管にも発生し、重篤な腸管の通過障害を来します。頻度の高いものは十二指腸閉鎖と小腸(空腸、回腸)閉鎖で、結腸閉鎖は極めてまれです。下部空腸、回腸閉鎖では約20%の症例に多発閉鎖が認められます。

原因は何か

 消化管再開通障害説と胎生後期の血行障害説がありますが、後者で説明づけられるものが多いといわれています。

症状の現れ方

 出生前に胎児エコー(超音波)にて腸管の拡張像が認められる場合が多く、十二指腸閉鎖では二重泡像、空腸閉鎖では多重泡像を示します。上部腸閉鎖では羊水過多を認めますが、下部腸閉鎖では認めない場合も多くなります。

 出生後は嘔吐を来しますが、十二指腸のファーター乳頭部より口側の閉鎖では胆汁性嘔吐となり、それ以下の閉鎖では非胆汁性嘔吐となります。腹部膨満も必ず現れ、空腸閉鎖では上腹部に限られた、回腸閉鎖では腹部全体の膨隆を認めます。胎便の排泄も遅れ、黄疸(とくに間接ビリルビン値の上昇)も認めます。

 また、十二指腸閉鎖は心奇形や染色体異常を合併する率が高いといわれています。

検査と診断

 腹部単純X線検査では、閉鎖部位により二重泡像や多重泡像を認めます。注腸造影では下部空腸閉鎖や回腸閉鎖で小結腸像が認められます。なお、注腸造影は腸回転異常症やヒルシュスプルング病の合併の有無をみるためにも必須の検査です。心奇形や染色体異常の合併に関しても検査します。

治療の方法

 緊急処置として、胃管の留置、持続吸引により腸管の減圧を行い、脱水症や電解質の補正を行います。手術は一期的な閉鎖が原則ですが、腸穿孔(孔があく)や胎便性腹膜炎を合併している場合には腸瘻を造設した後、全身状態の改善を待って根治手術を行う場合もあります。

病気に気づいたらどうする

 出生前診断で疑われた場合は、新生児外科治療の可能な施設での分娩が望まれます。出生後に診断された場合は、同様の施設への緊急搬送が必要です。

(執筆者:新潟大学医歯学総合病院総合周産期母子医療センター講師 和田 雅樹)

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