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〈骨の腫瘍/悪性〉骨肉腫
〈ほねのしゅようあくせい〉こつにくしゅ

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〈骨の腫瘍/悪性〉骨肉腫とは?

どんな病気か

 骨肉腫は代表的な骨の悪性腫瘍です。腫瘍細胞が骨組織を作るのを特徴とします。原発性骨悪性腫瘍のなかで最も多く、全国で年間約200人の新しい患者さんが病院を訪れます。10代に約半数、5~24歳までに3分の2の患者さんが発症するなど、盛んに運動をしている活動性の高い少年期に発病します。また、最近50代や60代の方にもしばしばみられるようになりました。

 部位では、とくに膝関節や肩関節に近いところから発生します。まれに、全身の骨に発生した多発例も報告されています。放置すると腫瘍の増大に伴って、腫瘍細胞が主に肺に到達して腫瘤を作ります。このように離れた臓器などに悪性の腫瘍細胞が移ってしまうことを転移と呼び、肺に転移したものを肺転移と呼びます。

 1980年以前は、診断がついた時点でなるべく早く腕や足の切断術が行われていました。しかし、切断後に次第に肺転移が現れ、5年生存率は10~15%程度でした。しかし、その後、化学療法(抗がん薬)の発達によって、骨肉腫の患者さんの生存率は著しく改善されました。現在では3分の2以上の患者さんが治ります。手術療法も、切断術から腕や足を残して切除する方法へと移ってきています。

 残念ながら、すべての患者さんが同じように化学療法が効くわけではありません。腕や足を残す手術を行うためには、化学療法がよく効くことが必要です。手足を残した場合に切除した骨の部分は、人工の骨や関節で再建したり、ヒトの骨で再建したりしていますが、まだ確立した方法がないのが現状です。

原因は何か

 はっきりした原因はわかりません。ごくまれに家族内の発生がみられますが、がんを抑える遺伝子の異常が関与しているという報告があります。

症状の現れ方

 持続する痛みで発症します。初期の痛みは激しいものではなく、スポーツ活動をしている年代なので、筋肉痛として放っておかれることがあり、注意が必要です。徐々に痛みが悪くなるような時には、整形外科を受診してください。

検査と診断

 X線写真では、腫瘍による骨の破壊と、腫瘍が骨を作っていることを示す骨硬化像が入り乱れてみられます。骨の外へ腫瘍が進展すると、骨のまわりの骨膜がもち上げられて骨外の骨形成(骨膜反応)が確認されます(図47図47 骨肉腫)。

図47 骨肉腫

 骨の内部方向への進展状況、骨周囲への進展状況を調べるにはMRI検査を行います。これは手術方法の計画をたてるのに必要です。骨シンチグラフィーでは高い集積を認めます。これらの検査結果は、のちほど行う化学療法の効果を知るうえでも重要ですし、ほかの骨に異常がないかどうか調べる意味もあります。

 血液検査では、骨を作るのに関連する酵素であるアルカリフォスファターゼ値の上昇がみられます。

治療の方法

 できるだけ小さい切開で組織の一部を採取して病理組織診断をします。診断が確定したらできるだけ早く化学療法(抗がん薬)を開始します。痛みや血液検査、画像検査によって化学療法の効果を判定し、それに合わせて手術を行います。

 手術では、腫瘍を正常の組織で包まれたまま切除します。できる限り手や足を残せるように手術を計画します。ただし、手や足を残すことが困難だと考えられた場合には、切断術が選択されます。手術後、傷が治るのを待って再び化学療法を行います。

 化学療法は白血球などの血液細胞の量を減らすので、1~3週間の間隔をあけ、その回復を待って効果のある化学療法を半年~1年程度、繰り返し続けます。化学療法終了後も、最低5年間はしっかりとした経過観察が必要です。

病気に気づいたらどうする

 骨軟部腫瘍専門の病院を受診しましょう。なお、骨肉腫のなかにも典型的でないものがあります。骨のまわりを囲むように硬い腫瘤を作る骨肉腫は傍骨性骨肉腫と呼ばれ、予後のよいものです。

(執筆者:秋田大学医学部保健学科理学療法学講座教授 岡田 恭司)

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悪性骨腫瘍に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、悪性骨腫瘍に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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