老人性難聴
ろうじんせいなんちょう
- 耳鼻咽喉科
- 診療に適した科
老人性難聴とは?
どんな病気か
高齢者にみられる聴力の生理的な年齢変化のことを指します。生理的変化はさまざまな個人的な身体的条件(たとえば生活習慣病)に影響されている可能性があります。そのため、実際の難聴の程度には個人差が大きくみられます。
原因は何か
加齢に伴い、内耳蝸牛の感覚細胞が障害を受けたり、内耳から脳へと音を伝える神経経路や中枢神経系に障害が現れたり、内耳蝸牛の血管の障害が起こったり、内耳内での音の伝達が悪くなったりします。これらの原因がひとつまたは複数組み合わされて難聴が発生すると考えられています。
症状の現れ方
聴力の低下は高音域から発生し、徐々に会話音域、低音域へと広がっていきます。さらに、両側性で左右にあまり差がないのが特徴です。したがって早期には難聴の自覚がなく、耳鳴りだけを感じる場合があります。
なお、難聴が発生した場合、ただ単に音が聞こえなくなっただけでなく、音は聞こえるが何をいっているかがわからないという状態がしばしばみられます。これは言葉の聞き取り能力の低下といい、老人性難聴の特徴です。一般的に、この聞き取り能力の低下は50~60代にかけて顕著になってくるといわれています。
検査と診断
純音聴力検査で、125Hz(ヘルツ)から8000Hzまで7種類の周波数で聴力を検査します。老人性難聴では、高音域(4000、8000Hz)での聴力低下が顕著です。なお、難聴の程度は、会話音域(500、1000、2000Hz)の聴力低下に応じて、正常、軽度難聴、中等度難聴、高度難聴、聾の5段階に評価されます。
言葉の聞き取り能力の低下は、語音明瞭度検査で測定します。この検査では、「タ」、「モ」、「ア」などの無意味な単語(単音節語音)を聞かせ、それを書き取らせます。誤った数から正答率(%)を求めることで評価します。
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