出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
すべて
病名
 × 

慢性喉頭炎
まんせいこうとうえん

慢性喉頭炎とは?

どんな病気か

 急性喉頭炎が治りきらないまま、喉頭の炎症が慢性化した状態です。

原因は何か

 急性喉頭炎の反復、あるいは上気道や下気道からの炎症の波及、とくに副鼻腔炎の後鼻漏(蓄膿症のうみが鼻からのどに垂れてくること)が原因になります。塵埃や刺激ガスに慢性的にさらされる職業や、のどを酷使する職業も原因になります。また、喫煙習慣による慢性喉頭炎も多くみられます。

症状の現れ方

 声がれ(嗄声)、声が出しにくい、のどの異物感、咳などの症状が現れます。

検査と診断

 間接喉頭鏡検査や喉頭ファイバースコープ検査で喉頭を観察し、喉頭粘膜の発赤、浮腫(むくみ)などを確認することにより容易に診断できます。しかし、慢性喉頭炎と似た症状を示すものに喉頭がん、喉頭結核、声帯ポリープなどがあり、これらの疾患と区別することも重要です。とくに、ヘビースモーカーの人は喉頭がんとの区別が必要です。

治療の方法

 まず、原因の除去が大切です。上気道炎や下気道炎が原因であればその治療、喫煙が原因であれば禁煙、塵埃・のどの酷使などが原因であればそれらへの対策や生活環境の改善が必要です。

 薬物治療は症状が強い場合や急性の増悪が認められた時に行いますが、消炎薬、鎮咳薬、抗生剤の経口投与や抗生剤、ステロイドホルモンなどのネブライザー吸入が行われます。

病気に気づいたらどうする

 前述のような慢性の刺激が原因になっているので、治るまでに時間を要することが多いのが現状です。また、似た症状を示す喉頭がん声帯ポリープなどの他の疾患との区別も重要です。とくに2週間以上声がれなどの症状が続く場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。

(執筆者:防衛医科大学校耳鼻咽喉科学教授 塩谷 彰浩)

咽頭喉頭炎に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、咽頭喉頭炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

咽頭喉頭炎に関連する可能性がある薬をもっと見る

おすすめの記事

慢性喉頭炎に関する医師Q&A